いま、会いにゆきます

ドラマ「いま、会いにゆきます」感想・レビュー

REVIEW.
: 5話〜最終話感想

感想を4話までしか書いてなかったんですけど、5話〜最終話のまとめです。

4話まではホームドラマっぽかったですが、5話からはようやく澪と巧の恋愛感情にもスポットが当たってきました。1話のオンエアで出た批判が反映されてきたのか、5話以降は違和感を感じるシーンは少なくなり、けっこういいシーンもあったと思います。特に7話や8話は、澪が外部の人(万里子)に接触するという緊張感もあって楽しめました。でも視聴率も伸びてないのでちょっと遅かったんでしょうね。

ということで5〜8話は良かったんですけど、9話からは急に映画と似てきた気がしたので個人的に残念でした。たとえば9話の、秋穂家での澪から万里子へのセリフなど。ほとんど同じだと見ていてどうしても映画を意識してしまいますね。原作からセリフを取ってくるのはいいんですけど、全話を通してもなぜかほとんどなかった気がします。映画を意識しすぎというか、もっと原作を大事にして欲しかったです。

そして最終話も映画の展開にかなり似てしまいました。別れの時のセリフやひまわり畑での再会、日記帳を見て明らかになる真実など。ドラマオリジナルの部分をもっと見たかったし、せめて再会場所は変えて欲しかった…。

巧が澪の日記帳を読んで、澪の巧への想いを知るというシーンですが、これは2時間を一気に見せる映画だからいいのであって、連続ドラマなら違う描き方にするか1話ごとにネタバレさせるという形でも良かった気がします。
つまり最終話にすべて詰めるよりも、もっと1話ごとの感動を追求して欲しかったですね。ドラマで初めて見る人にはいいんでしょうけど、映画や原作を見た人には楽しみづらいドラマだったと思います。

あとは後半(第5話ぐらい?)から、移動販売店のUFOの音楽や、犬のおしっこが出なくなりましたね。これは視聴者からの批判が反映されたんだと思いますが、企画や撮影の段階などで、変とかおかしいっていう意見は出なかったのでしょうか…?

巧と澪の年齢も、当初の設定では巧が25歳で澪が24歳で死去となっていたけど、最終話を見ると巧27歳、澪26歳死去になっていました。ここらへんのチグハグさも準備不足が感じられて残念です。

まとめると、楽しめるシーンや話もあったけど、それ以上に残念だったり惜しかったりする部分が目立ったので、脚本(ストーリー)をもっと練って欲しかったということに尽きます。 悪いわけでもないんだけど、名作と言える原作があるのだから、1話ごとの感動、愛情、せつなさ、思いやり…をもっと感じられるストーリーにできたはずです。 もう終わってしまったので不満を言ってもあれなんですけど、期待が大きかっただけに少し残念なドラマ版でした…。







: 話感想

2、3話とよくなっていた気がしたけど今回は個人的にイマイチでした。佑司はまたわがままを言い出すし…。 なんか毎回、澪が「記憶を失くした」ところから生じる色々なトラブルを、すれ違いや誤解を乗り越えながら絆を深めていくというパターンになっていますね^^; そういう構成に「いま会い」ならではのエッセンスがあまり感じられなくて、普通のホームドラマに近いものになっているような気が…。

そもそも死んだはずの澪が帰ってくるという「奇跡」が起きているのに、巧と佑司に澪がいるだけで嬉しいとか幸せというような気持ちがあまり感じられないですね。大切な人がそばにいるだけで、それだけで幸せっていうのが市川拓司さんの原作&絵本のテーマのはずなのに…。 最終的にそういう境地が描かれるんだとしても、それまでの過程に少し鬱陶しさを感じるところもあります。

あとは巧と澪の愛情。巧がどれほど澪を愛していたのか、澪を亡くしてどれほど悲しかったのか、帰ってきたことがどれほど嬉しいことだったのか…そういったせつなさもあまり感じられません。その点はむしろ澪の母の方が、娘を失った悲しみやせつなさが感じられます。
ということでメインの三人にもう少しささやかな幸福感とか、せつなさを感じさせて欲しいです。

巧がお弁当を持ってきたり家に電話をかけていたことで、万里子は巧の家にいる女性の存在に気づきましたね。映画でも澪と巧の同僚(永瀬さん)は会っているので、この二人がいずれ遭遇することもありそうです。

中学時代の回想は、急に次の展開に進んでいたけど、3話の巧の覗きの誤解はどうなったのでしょう? 2話の絵のモデルや今回の(アイドル的存在の)工藤への手紙とか、澪の行動には謎を残したまま進んでいるので、いずれ明かされるんでしょうね。




: 話感想

いかにもな悪役親子の登場に、中盤あたりは見ていて少しイライラしましたが、こういう葛藤を入れないとドラマにならないから仕方ないんでしょうか…。「大切な人を信じる」という3話のテーマには一貫性があって良かったと思います。

「あの子がやってないと言うなら、世界中の誰が疑っても僕は佑司を信じます」という巧のセリフ、良かったですね。 巧は中学時代に濡れ衣を着せられたこともあって、佑司の気持ちも深く理解してあげることができたのでしょう(ちょっと遅かったけど)。 原作や映画の巧は「頼りないけど人一倍やさしい」というような人物だったけど、ドラマオリジナル設定としてそこに「真実を貫くまっすぐさ」が加わった感じ?

話が進むに連れて、1話では壊れかけていた3人の心も少しづつ通い合ってきました。3話からは巧と澪の恋愛感情にもスポットが当たってきましたね。「佑司の母でいてくれればいい」という巧の気持ちは本心でしょうけど、一方で夫としてはどこか寂しさがある感じ。

もっとも二人の恋愛感情も、中学時代の回想をきっかけに再び芽生えていくのでしょうけど。その回想シーンは雰囲気もノスタルジックでいいのに、ちょっと時間が短いような…。せっかく11話もあるのだから中学時代のエピソードはもっと膨らませて欲しいです。

原作や映画にはないオリジナル要素を入れていかなければ話が持たないので、今後もドラマのオリジナル要素がどれだけ楽しめるかが問われますね。 3話の「走れメロス」を絡めたエピソードはけっこう良かったので、4話以降も期待したいです。




: 話感想

2話は1話ほどの違和感もなくて良かったです。ドラマの世界観にも馴染んでいけそうな気がしました。
1話はすぐに澪の登場シーンがあったけど、2話はかなりゆったりとしたストーリーになっていたと思います。悪く言えば退屈なんだけど、いま会いは穏かな展開の方が似合ってますね。変にドラマチックな展開を盛り込むよりも、ゆったりとした雰囲気のドラマになっていることは評価できると思います。

小説も映画も秋穂家の3人を中心に進む登場人物の少ない物語ですが、ドラマ版もこの3人がやはり中心ですね。 登場人物は少し増えているけど、澪と絡みそうなのはケーキ店の夫婦ぐらいなのは好感を持ちました。 澪の母・涼子の存在もドラマのオリジナル要素としては良さそうだなぁと2話を見て思えました。 残された親の悲しみと亡き娘への想いがせつない展開になっていきそうです。

1話では(小説・映画と違って)わがままだった佑司も、2話では自分の辛さを極力隠して澪に当たることはしませんでした。3人の心が通い始めたことで、互いを思いやる気持ちが芽生えてきたんでしょうか…?
家族の絆が深まっていく過程を描くために、1話ではあえてバラバラな状態からスタートしたのだとしたら、1話の佑司の態度にも納得できます。

中学時代の回想シーンは思ったより短かったけれど、中学時代の二人のキャスティングは瑞々しさもあってハマっていたと思います。回想シーンは今後も期待できそうですね。ということで、2話は1話よりも楽しめました。




: 話感想

TBSドラマ「いま、会いにゆきます」が始まったのでその個人的な感想です。

やっぱり似ているところが多いので、映画のイメージが強かったり映画の世界観にハマった人は、ドラマ版は違和感を感じる人も多いかもしれませんね。 ドラマ版を一番純粋に楽しめるのは、ドラマで初めていま会いの世界に触れる人だと思います。

ミムラさん、成宮寛貴くんの演技は思ったよりも良かったです。ミムラさん演じる澪には母性を感じました。二人ともこの役を大切に演じている気持ちが伝わってきました。 世間的には映画の二人のイメージが強いので大変だと思うけど、頑張って欲しいです!

ただ佑司を映画と同じ配役にしたのは失敗だったかも…。武井証くんの演技は幼いのに立派なんだけど、映画のイメージが強いので、映画の佑司とダブって違和感がありました。別キャストだと別物として見れて良かったかもしれません。でもそのうちドラマの佑司にも慣れてくるでしょう。

巧の同僚・永瀬万里子を演じる岡本綾さんは「いま会い」の世界にハマってる感じがして良かったです。ケーキ屋の夫婦はまだよくわかりません。澪の母(三田佳子)は笑顔が怖かったです^^;

しかし原作の世界観からすると、佑司が「ママのバカ!」と言ったり、巧が声を荒げたりするのはありえないですね。 あまりに善良的だとドラマにならないと制作サイドは考えたんでしょうか…? 子どもなので感情的になってしまう方が、よりリアルと言えばそうかもしれません。 それでも巧が怒鳴るのにはかなり違和感がありました。

でもファンタジックな映像や世界観は良かったです。TVドラマだからもっと現実的な内容になるのかと思ったけど、思ったよりもファンタジー色が強くて幻想的な世界に浸ることはできました。ラストの駅のシーンなんかは特に幻想的でしたね。

「いま会い」に決して欠かせないのは、学生時代の純愛シーンです。 1話は残念ながら写真だけでしたが、ここがいい出来だとドラマ全体も良くなると思います。原作・映画がそうだったように。ドラマ版も写真を見ただけでも名シーンになりそうな予感がしました。2話から登場すると思うので期待したいです。

原作や映画が好きだからこそ、人物設定に違和感を感じてしまうというのがあったけれど、トータルで見たら1話はそれなりにいい内容だったと思います。 ドラマの世界観にも見ていくうちに慣れるでしょうし、2話から面白くなっていくといいですね。

ドラマで初めて「いま、会いにゆきます」の世界に触れて興味を持った人は、ぜひ映画や小説も見てみてください。


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