ラブシャッフル

ラブシャッフル4話「君を守るのは僕だ」名セリフ&感想

REVIEW #04
2009.2.7up

4話のカップル
啓(玉木宏)――愛瑠(香里奈)
諭吉(DAIGO)――芽衣(貫地谷しほり)
旺次郎(松田翔太)――海里(吉高由里子)
菊田(谷原章介)――玲子(小島聖)

(芽衣) 啓もアイアイのことを好きになって
二人が付き合うようにでもなったら
私、心から啓のことふっきれると思う
(愛瑠) 好きならふっきる必要ないでしょう
そのまま結婚すりゃあいいのよ
結婚とは違うと思うの
ずっと恋してたら、ボロボロになっちゃう
ウサは少しバカだけど、ほっとする奴だけどな
そう思うならアイアイと相性がいいのよ
ね、私たちは、相性を探すためにこのラブシャッフルに参加してるんでしょう?
そうだっけ?
私はそう
仮にこのメンバーの中にいなくても、自分と合うんだって人のタイプがわかれば、恋の魔法にもひっかからなくなると思う

(玲子) 私がもっとも興味があるのはあなたよ
美味しいものは慌てずゆっくりといただくものでしょう
(菊田) 光栄ですがどうでしょう
私はあることに気づいたの
あなたがこのラブシャッフルを支配してるんじゃないかって…
支配?
順番を決めてるのはあなたでしょう
考えすぎですよ
私をバカにしないで
たぶん、意味があるのは最後のシャッフルの組み合わせ
つまり今週ね
あなたは何かの実験をしている
失恋
嫉妬
憎悪
破滅
この世の終わり
思い知るがいい、偽物たちよ
あなたはストレス過多のようだ
そういう話なら診察室でお聞きしますよ
私はもうひとつ知っているわ
あなたの秘密を…

(旺次郎) 俺はさあ、高校中退して、カメラ持っていろいろ旅したんだよ
戦場で撮った写真、新聞社で採用されて、最年少で賞なんかもらったりして
でもあれば麻薬だな、戦場ってのは麻薬だよ
どんどん刺激の強い、普通は誰も怖がって行かないようなとこ、競い合うようにな
カンボジアで、一人の若い兵士が足を撃たれた
血が噴き出した
俺はその足を手当てもしないで撮影した
その時、その若い兵士が泣きながら俺に叫んだ
おまえ、その写真いくらで売りつけるんだってね
それで俺は我に帰った
急に恥ずかしくなった
ジャーナリズムもクソもねえ
そんなのウソっぱちさ
自分の自己顕示欲だから
生きたくても、世界じゃごろごろ死んでいくやつがいる
政治や宗教の犠牲でな
だからさ、おまえが何で悩んでるのか知らないけど
そう簡単に死にたいなんて言うなよ

(書斎の伏せられた写真を手にとって)
(玲子) ずいぶん仲良さそうな二人ね
(菊田) 元に戻してくれ
昔の恋人かしら
きれいな人…
今度紹介してもらえる?
もういない
亡くなられたの?
君の望みは何なんだ
決まってるわ、もちろんセックスよ

(啓) なあ、アイアイ
(愛瑠) なによウサたん
何も考えないと楽しいよな
ただのバカだけどね
俺、バカのくせに考えるからいけないのかも
どういうこと?
会社、辞めちまおうかなって
どうして?
そのまえ俺、フリーターっていうか
バイトで食いつなぐような生活だったんだ
そりゃ金ないからピーピーしてたけど、けっこう毎日それなりに楽しかったんだ
明日のことなんか考えても仕方ないって
ウサらしいわね
そう思うだろ
それが俺、なんか欲こいて、先のことばっかり考えて
カッコつけて言うと、今日を生きてなかったっていうか
そういう俺、だんだん芽衣は色あせて見えたんだとしたら
とりあえずそこに戻ってみようかなって
でも辞める勇気あるの?
一流企業、高年収
未練残さないように、何か派手に問題起こしちまおうかな

(菊田) 海里を気に入った?
(旺次郎) イカれた女は俺の中で、イカした女とも言うからね
海里も君に魅かれてる?
さあね、感情を読めないだけだから
ただ、あんまり深入りはしない方がいいんじゃないかな
どうして? 恋愛させてタナトスを消したいんじゃなかったのかよ
彼女は本物のアーティストだよ
君が壊されてしまわないかってね
俺が偽物だって言うの?
そういうつもりじゃないけど
そんなこと言われると、ますますちょっかい出したくなるね
だろうね

(啓) おまえらふざけんな!
つるまなきゃ何もできねえクソったれが
威勢張ったっておまえらなんかちっとも怖かねえんだよ
コンビニ、スーパーでタバコ吹かして携帯いじる
他人の迷惑おかまいなしにパラパラパラパラうるせえったらありゃしねえ
正月には毎度おなじみのおまわりさんとの追いかけっこ
くだらねえんだよ何もかも
勉強もできねえ取り得もなきゃ
イジけてつっぱるのもわからないでもない
だけど弱いもの、女子供に何かしたら
ほんとにおまえら骨の髄までクズってことさ
何かに熱くなって世の中あっと言わせてえなら
アフガン行ってテロリスト捕まえてこいってんだよ
大人たちは見てみぬふりをするだろう
だけどそれはおまえたちが怖いわけでも何でもない
関わり合いたくないだけなのさ
何もねえおまえらと違って、こっちには守るものがあんだよ!

(玲子) みんなにあなたの秘密を知られてもいいの?
(菊田) 別に恥じることではない
言いたければどうぞ
私、書斎の写真を見て感じたんだけど
あなたのかつての恋人、亡くなられた
ラブシャッフル
今回のメンバーに似た人がいるわね
とても…

(芽衣) 友情を買おうとするからよ
お金で繋がるものって、たぶんほんとはすごく少ないのね
(諭吉) はい、雇用関係とか、そのぐらいですかね
知っててどうして?
わかってるんですが、なんていうかそうやって
中学高校大学でも、仲間にしてもらっていたんで
その結果友達はできた?
はい何人も、あと彼女とかも
でも、本当に大切な人にはなってくれない
ええ、高い出費なのに、安い関係ですね…
こんな僕をわかってくれようとしたのは、愛瑠だけだったかも
かわいそうな人
でも、かわいい人
え?
ファイト!

(陽治) あんたクビになるぞ
(啓) 俺の心配してくれてるの?
ありがたいけど大丈夫さ
偉そうなこと言ったけど、俺ももともと二流のクズで
背伸びしたけど、結局そこに戻るだけさ

(啓) 仲直りの印におごってやってるんだ
で、悪いんだけどさ
(諭吉) 貸し切りなんですね
カネ、出してくれ
もちろんです
バカ、泣くんじゃねえよ
俺たちは報われなくても
笑顔絶やさず
細かいことなど気にしない
どんぶり勘定上等だ
どのみちご飯のおかずさ
タラチャンズー!

--感想--

主に90年代の名作群を中心とした野島ドラマの魅力は、まず普通に面白い内容で、同時に深いテーマやメッセージ性もあり、それらが高いレベルで完成されている、という感じではないでしょうか。
そしてラブシャッフル4話までの段階では、90年代の名作群を彷彿とさせるような「面白さ」「メッセージ」「完成度」が揃って実現していると私は感じています。
特に4話は今までの回でも一番の出来で、見ていて圧倒される感覚がありました。 ”This is 野島ドラマ”という感じで、このようなドラマが再び見れることが素直に嬉しいです。

今回は啓の魅力がよくわかる内容で、1話での情けない感じの啓とは別人のようなカッコよさがあった。 生活のために今の地位にしがみついていたけど、自分を見つめ直し、結果として、諭吉との友情のためにそれを差し出す。 お金でしか人との関係性がつかめなかった諭吉とは対照的な行為でした。

愛瑠は諭吉の屈折した内面や純粋さに気づき、幸せになって欲しいと願っていたので、そんな諭吉を救った啓に惹かれるのは、自然な流れだと思います。 一流の束縛から解放されて、啓が輝きを取り戻すとしたら、それは芽衣が望んでいたことでもあるので、啓・愛瑠・芽衣の関係は今後複雑なものになりそう。

旺次郎が戦場カメラマンから女性グラビア専門のカメラマンになったというのは、タナトスからエロスへの転換なのでしょうか。その割に、「死神」を自称しているのは気になります。 そして、海里と旺次郎、”本物のアーティスト”である方に、もう一方がのみこまれるのでしょうか。 旺次郎×海里のカップルは、今後も何らかの化学反応を起こしそうな危うさがあります。

そして気になるのはやはり、菊田が支配するラブシャッフルの意図と、菊田の秘密。 「失恋、嫉妬、憎悪、破滅」というくだりから推測すると、当初のパートナーへの愛情が、恋人交換を経ても変わらないかどうか、愛の強さを試そうとしているとも考えられます。




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