「anan」1643号(2009年1月14日発売)
http://magazineworld.jp/anan/1643/ (本誌P141に野島さんインタビュー掲載)
書いている僕にも先の読めない”恋人交換”の行方を楽しんで
1年前からプロデューサーの伊藤一尋さんと話し合う過程で、”恋人をシャッフルさせたらおもしろそう”というアイデアが浮かんだんです。
ちょうど「薔薇のない花屋」でシリアスなものを書いていた頃だったから、反動で、自分が軽いコメディを書きたくなった、というものありますね。
僕と伊藤さんの作品は激しく抗議されることが多かったですね。
今回も「恋人交換とはふしだらな」とクレームがつくかもしれないけど、この作品はタブーを犯すことが主題ではないんです。
僕は、男と女は恋愛感情よりも相性が重要だと思っているんですよ。
恋が始まると、相手一人しか目に入らなくなりますよね?
でもその目をゲームによって強制的に他者に向けさせると、いい化学反応が起こるんじゃないか…。
例えば「私にはこの人しかいない」と思い詰めていた女性が、もっと相性のいい男もいるとわかって心が軽くなったり、ね。
登場するカップルは年齢も職業も様々だから、いろんな層の方がそれぞれの視点で楽しめると思いますよ。
シリアスな作品はストーリーを決め込んで書いていくけど、今回はフィーリングまかせ。展開はスピーディーですよ。
テンポの良さで視聴者を飽きさせないようにするのは、”数字の鬼”と言われていた初期の書き方に近いかもしれない(笑)。
またこれも異例ですが、事前に役者と会い、素に近いキャラクターを当て書きしました。
僕がよく扱うテーマのタナトス(死への欲求)に、今回はエロス(生への本能)が拮抗するサブストーリーを裏側で展開させ、後半戦に繋げていくつもり。
とはいえフィーリング次第の”明日なき脚本”だから、書いている僕にも結末はわかりません(笑)。
日経エンタテインメント 2009年2月号(1月5日発売)
http://ent.nikkeibp.co.jp/ent/200902/
野島が明るく描くパンドラの箱とは?
※新ドラマ紹介記事から、
伊藤Pのコメントのみ抜粋しています
・お互いに群像劇が好きで、今までは20歳前後を描いてきたが、今回は年齢を少し上げたかった。
25歳より上となれば恋愛ということで、偶像恋愛ドラマとなった。
・今の世の中は人と人とのつながりが希薄で、核家族化が進み、カップルという単位がほとんど。
でもこのドラマは、孤立ではなく4組の仲間、インモラルというよりはあいのりに近い感覚の、恋愛ドラマでありながら青春ドラマでもある。
・一人で抱えずにみんなに話せば肩の荷も下りるし、解決策が見える。
・相手が変わることで違う自分が見えて、過去のトラウマが明らかに…というプロットが多い。
・表面的には明るく楽しくノリがいい。
砂糖がコーティングされていて見やすいが、中身(本質)は深くて苦味もある二重構造。
そこに野島さんのメッセージが隠されているんです。
・登場人物の掛け合いからストーリーを引っ張る。