復習用&見逃した人向けです。できるだけ詳しく書いています。
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8/6 OnAir "#06" STORY.
第6話「生への旅路」
2004年。
17年ぶりに夢島に渡り、タイムポストに残されたテープを見つけたサク(緒形直人)。
アキを忘れようとして故郷に来たサクだが、その考えを改める。
アキの声はボロボロだった。
僕が捨てようとした声だった。
くだらないと言われようと、自分以外に誰が、アキと一緒に時を止めてやるんだろう。
アキはこんなくだらない男に巡り合う時間しか、許されなかったのだから。
未来は静かに暮れてゆく…。
一方、東京へと戻った明希(桜井幸子)。
幼稚園に通う息子の一樹が、明希とサクに祝われる誕生日パーティーの様子を絵に描いた。 サクがパパになって欲しいと願う一樹。
だがサクの心の中には亜紀がいて、自分が入り込む余地はないと明希は感じていた。
故郷で一人、アキの残したテープを繰り返し聞くサク。
あれから何日が経ったんだろう。
Play、Reverse、Play、Reverse…
アキの声に満ちた、暖かな世界。
俺、なんで生きてんのかな、アキ――
* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *
1987年。
夢島で倒れたアキ(綾瀬はるか)は、救急車で病院に運び込まれる。
救急車と共に駆けつけたアキの父・真(三浦友和)は、やるせない気持ちから、娘を連れ出したサク(山田孝之)を殴りつける。
アキは入院し、検査の結果、急性白血病であることが明らかに。
難病に侵されてしまったアキ…。だがアキはまだそのことを知らない。
入院先の病院も知らされないまま、途方に暮れるサク。
病院名を聞こうとアキの家を訪れるが、真に一蹴され相手にしてもらえない。
真たちもまた、娘に突然降りかかった不幸に平常心を失っていた。
入院先で孤独に過ごすアキ。
テープにメッセージを録音して、サクに届けてもらうよう母に託すが、真はそれを没収。
アキはしばらく面会謝絶の状態だった。
結局、僕はアキの家に連絡することもできず。
誰に聞いても様子は分からず。
会うすべもないままに、1ヶ月が過ぎようとしていた。
ベッドがビニールで被われ無菌状態での治療が続くアキは、サクからテープの返事が来ないことを心配。
早くも夏休みは終わり、新学期が始まったが、アキはまだ入院したままだった。
担任の谷田部(松下由樹)は、この前アキのお見舞いに行ってきたと生徒たちに報告。
だが入院先は両親の意向で教えられないという。
会えない日々が続き、ますます塞ぎこむサク。
心配した智世は、稲代総合病院でアキの母を見たという情報をサクに伝える。
放課後、病院へと自転車を走らせるサク。
ロビーでアキの両親と居合わせる。
アキちゃんに会わせてください。
ごめんね、今、まだ会えないんだ。
顔見るだけでも…
ごめんね。
もう1ヶ月ですよ。
そんなに悪いんですか。
俺何でもしますから、できること何でもしますから。
できることなんて簡単に言わないで!
…白血病なんだ。
君に何ができるんだ?
分かったら、帰ってくれないか。
白血病という事実に打ちのめされるサク。
前にラジオに投稿した、ジュリエット役の彼女が白血病になったというハガキの内容が、現実になってしまった。
サクは祈りを込めてもう一度ハガキを書く。
以前、そちらでハガキを読んでもらった者ですが、
彼女は実は、白血病ではありませんでした。僕の勘違いで。
彼女は元気になって戻ってきて、今ではジュリエット役の稽古をしています。
友達と楽しそうに話をしたり、部活動で一生懸命走っている姿を見ると、 今まで病気してたのが嘘みたいで。
このままでは、誰よりも長生きしそうで…。
自分には何もできないと打ちひしがれるサクは、学校を数日休んだ。
そんなサクを神社で見つけた谷田部は、アキの前でもグズグズ泣き続けるの?と叱咤する。
何よりもアキを元気づけたい…そう気づいたサクは、病室で「ロミオとジュリエット」を演じてアキを励ます計画を立てる。 大木たちもそれに協力。
それは医者でもなく、親でもない僕の、
僕にできるたったひとつの、アキのためにできることで。
演出担当のサクは台本を作り直す。
それは「どすこいロミオとジュリエット」というもの。
ロミオとジュリエットは大木と中川が演じて、とにかく楽しい演劇を目指す。
演劇の練習と準備に明け暮れるサクに、吉報が届く。
アキの面会謝絶が解けたのだ。
すぐに病院へと向かうと、入り口のベンチに真がいた。
あの…ひとつだけ見つけたんです、アキさんのためにできること。
会わせてください。お願いします。
勝手に行きなさい。
認めて欲しいんです、アキのお父さんだから。
いい奴なんだろうな、君は。
なぜ亜紀は、あんな目に合わなければいけない?
俺のせいか、綾子のせいか。
君のせいじゃないな。
だからこそ、君を憎むことでしか、俺は立ってられないんだ…。
そう言い残して立ち去る真。
そばで聞いていた綾子は「亜紀に会ってあげて」と言うが、 真に認められ、ちゃんと会える日が来るまで出直すことしたサク。
後日。
大木・中川・智世はアキと再会し、病室で劇を演じるが、サクは真に遠慮して病院の中には入らなかった。
3人の演劇にアキは久しぶりの笑顔を見せる。
自分には見せることのない娘の笑顔を、久しぶりに見た真は複雑な心境。
さらに病院にサクの父・潤一郎が写真を届けに来る。
それは夢島での写真で、そこにもアキの幸せそうな笑顔が溢れていた。
娘にとって大切なのはサクや友人たち…そう気づいた真は、
渡されないままになっていたアキのテープをサクに手渡し、アキの病室番号を告げる。
ようやく真に認められたサクは、アキの病室へと走る。
1ヶ月ぶりに再開した二人。抱き合う二人は自然に涙が溢れる…。
泣きそうになった。
だけど、泣いてはいけないと思った。
僕が泣くと、きっとアキが思い切り泣けなくなるから。
もう一回呼んで、サクちゃんって…
サクちゃん
もう1回…
サク…
もう1回…
サク…サクちゃん
この声のためなら、何でもしようと思った――
何でテープ返してくれなかったの?
ごめん。
ずっと前のテープ聞いてたんだよ。
学校の行事の方が大事なの。
浮気とかしてない?
もしもアキが笑えるなら、僕は一生笑えなくていい。
もしもアキが泣きたいなら、僕は一生我慢する。
もしも、アキの代わりに死ねと言われたら、喜んで死んでやろうと。
あの日僕は、本気でそう思っていた。
2004年。
神社に立ち寄ったサク。かつて、アキの回復をここで願ったのだろう。
だが今、アキのいない世界に願いごとはないと気づく。
何ひとつ願うことがなかった。
アキと一緒に灰になったのは、僕の心だった。
そんな人間は、生きているのか死んでいるのか、答えは分かっていた。
17年前から、僕は怖くて逃げ続けてきたんだ。
たったひとつの答えから…。
アキのいない世界では生きられない。
そう自覚したサクは夜の海へと入水し、命を絶とうとする…。
6話終わり。
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