世界の中心で、愛をさけぶ
第5話ストーリー・あらすじ

復習用&見逃した人向けです。できるだけ詳しく書いています。

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7/30 OnAir "#05" STORY.

第5話「忍びよる影」

2004年。
サクの父・潤一郎から亜紀のことをそれとなく聞いた明希(桜井幸子)は、何か力になれないかと、サク(緒形直人)に亜紀のことを尋ねてみる。
サクは一瞬動揺するものの、初めて亜紀のことを誰かに話す気になる。

小さな小林が少し大きく見えたその晩、
僕は押入れの奥にしまいこんだ箱を、取り出すことができた。
アキがいなくなってから、ずっとこの箱を開けるのが怖かった。
あの頃に戻ってしまう気がして。
だけど17年ぶりの再会は、想像していたより穏やかで。
僕は生まれて初めて、誰かにアキのことを話したいと思った。


一番幸せだった頃の話を聞きたいという明希。

手を引かれるように僕は話し始めた。
大好きだった人のことを。
17年も前のことを振り切れない、カッコ悪い自分のことを。
この人に知って欲しいと思ったから。
もう一度、手をつなぎたいと思うから、生きることと…。


サクはアキと無人島に渡った、ある夏の日の出来事を話し始める…。

* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *

1987年。
最近、鼻血が出たり貧血で倒れるなど体調不良のアキ(綾瀬はるか)は、病院へ。
だが一度の検査では病状がよくわからず、念のため血液検査が必要だと言われる。
謎の微熱が続くアキは、自宅での安静が必要だった。

一方、彼女と暮らすため高校を中退する覚悟で東京へと向かった大木だったが、あっさりと帰ってくる。
彼女にはすでに新しい男がいたらしく、大木も苦笑い。
アキと智世の陸上の県予選をフイにした代償として、大木は夢島という無人島に皆を招待する計画を立てる。

一学期の終業式を病欠したアキ。
放課後、サク(山田孝之)は見舞いに訪れる。
初めてアキの部屋を訪れて緊張ぎみのサクとは対照的に、アキは夢島でのキャンプがとにかく楽しみ。
そんなアキにつられるように、サクもキャンプの準備に張り切る。

サク、アキ、大木、中川、智世の5人で夢島に渡る予定だったが、智世は行かないと言い出す。
前回、大木にフラれたショックから、まだ心の整理がついていないのだ。
また、中川も実家の寺の都合で急に行けなくなってしまう。

残るはサク、アキ、大木の3人。
だがアキも微熱が下がらず、病状を心配した母が外泊を強く反対。行けなくなったとサクに電話で告げる。
周到にキャンプの準備をしてきたサクは内心がっかり。

翌朝。
意外にもアキから電話がかかってきた。
どうしても行きたかったアキが、親に黙って抜け出してきたのだ。
サクはアキ・大木と合流して、大木のボートで夢島へと渡る。

夢島到着後、二人に気をきかせた大木は、俺は先に帰るとサクに告げる。
無人島で二人きりになる今夜が、アキと結ばれる絶好のチャンスだと言う大木。

そんなことを知らないアキは、水着姿になって海へ。
それにサクも続き、二人は幸せなひと時を過ごす。
泳ぎ疲れ、浜辺でうとうとして起きてみると、すでに夕方に。
大木は予定通り、一人で先に帰っていた。

夕食はサクが作った。夜の海辺で焚き火を囲み、将来について語り合うサクとアキ。
アキは絵本作りをしたいと言い、サクは写真館を継ぎたいと言う。

夢島にはタイムカプセルのような箱があり、サクとアキは未来の相手に向けてメッセージを残すことに。
それぞれが一人になり、テープに録音する。

未来の廣瀬アキさんへ。
廣瀬って入れたけど、廣瀬なのかな…
できれば、松本になっていて…欲しいです。
あ、でもアキは一人っ子だし、俺は妹いるから、俺が廣瀬になるのか。
とにかく僕は、毎日をずっと今日のように…
アキとのんびりと過ごしていければ…



夜の廃宿。
二人だけの一夜を前にしてサクは緊張ぎみ。だが大木が気をきかせて枕の下に忍ばせておいた避妊具を、アキに見つけられてしまう。
大木との計画がバレたサク。アキに軽く責められる。

ねえ、あの世って信じる?
信じたいとは思うけど。アキは?
信じられないな。
それってやっぱり、残された人たちが創った世界のような気がする。
存在して欲しいと、願う世界っていうか。
アキは神頼みとか、しなさそうだからね。
でも神様はいないと困るよ。
ラッキーとアンラッキーは、コントロールしないと。
すごーく幸せだった人は、すごーく不幸になったりとかするじゃない。
どんな人生も、結局プラスマイナスゼロになるようになってる気がしない?
それを調節するのが神様ってこと?
そう。
サクちゃん、私ね…
(目を閉じて祈るサク)
何してるの?
今、俺のプラス分、アキに回しといてもらったから。
俺は別に、マイナスでもいいし。
アキの方が叶えたい夢とか、色々ありそうだし。
…好きよ、サクちゃん。

深夜。寝静まった二人だったが、どこからか電話が鳴るような音がしてアキが起きる。
二人が外に出てみると、暗闇は一面、蛍の光に満ちていた。

蛍ってさ、7日間しか地上にいないんだよ。
こんなの見れるなんて、どのくらいの確率なんだろうね。
幸せだなぁ、私…。
なんでこんな…幸せなんだろう。
もう何かあるんじゃないかと思っちゃうよ…。
誰かが病気になったりとか、誰かが死んだりとか…。
もう、本当に…何かあるんじゃないかな…。
ないよ。そんなこと、絶対ないから。


2004年。

僕はなぜアキが泣いているのか、まったくわからなかった。
だけど、この時肩に止まった蛍は、いつの間にか消えていたんだ。

99%の確率でテープはないだろうと、そう思いながら、僕は夢島に渡った。
人の手の入らない無人島は、不気味なほど変わらず。
そこはまるで、死の国の入り口のようで。


17年ぶりに夢島へと渡ったサク。
タイムポストは朽ちていたが、かろうじて現存していた。そこにアキのテープを見つける。
早速テープを聞いてみると、17年前のアキの声が…。

未来の松本朔太郎へ。
サクちゃん、私ね、わかったんだ。
幸せって、すごく単純なことだね。
サクちゃんがいて、私がいることなんだよね。
きっと、そういう毎日のことで。
だから、これからもずっと、昨日のように、
サクちゃんとずっと、手を繋いでいけたらと思うよ。
私がサクちゃんの手を引っ張って、サクちゃんは子どもの手を引いて。
そんな風に、歩いていけたらと思う。


アキの声はボロボロだった。
時の流れから、たった一人置き去りにされた声だった。
誰も聞こうとしない。
どこにも届くことのない。
僕が捨てようとした声だった。
時が戻っていく。
アキをボロボロにしたのは自分だと、責め続けたあの頃へ――


1987年。

夢島で一夜を過ごした翌朝。
迎えに来た大木のボートに乗ろうとしたサクとアキだが、その瞬間、アキが気を失って倒れてしまう。
夢島にいる間も、アキの病気は進行していたのだ……。

第5話終わり。




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