世界の中心で、愛をさけぶ
セカチューの謎

"MYSTERY" OF SEKACHU-.  

Q19. セリフの謎


セリフに関するちょっとした疑問をまとめておきます。


Q1. 1話:「あれ、心変わりかい? おまえさん」

1話。サクと亜紀が堤防で初めて言葉を交わした翌朝、高校の自転車置き場のところで二人はラジオやウォークマンについての会話を交わします。
それを見ていた大木が冷やかす感じで「あれ、心変わりかい? おまえさん」とサクに言うわけですが、「心変わり」の対象が亜紀だとしても、その前にサクには想っていた人がいるの?という疑問が。

解釈1. 亜紀と親しくなる前に、サクが片思いしていたとか付き合っていたとかいうエピソードは全11話に登場しないので、異性の存在は消去。親友の大木が自分を女性に例えて、自分ではなく亜紀を好きになったの?と冷やかした。

解釈2. このシーンの直前に写真館でサク・祖父・大木が夕食を食べるシーンがあります。 放送ではなかったですが、この時に大木が「廣瀬が好きなの?」などと聞いてサクは否定した、というシーンがあって、編集でカットされていた(憶測です)。そしてこのシーンの「あれ、心変わりかい? おまえさん(やっぱり好きなんでしょ?)」に繋がった。
(するめさん、作家さんの意見を要約)



Q2. 5話:「8時だな?」

5話。貧血で自宅静養中の亜紀が、家を抜け出してサクたちと夢島に渡ります。
夕方、勤務中の真が家に立ち寄り、亜紀のために本を買ってきて直接渡そうとしますが、部屋にいないことを知っている綾子は、自分が渡すからとそれを止めます。
その後、真は「8時だな?」と言い残して車に乗りましたが、「何が8時なのか?」が謎といえば謎。

「あ〜あ、また接待だよ。今日の帰宅は8時だ!」という感じですかね。
一話をじっくり観ると、接待を嘆く真の後ろの時計が8時になってます。
(作家さん)



Q3. 7話:「よく合わせてくれたよね」

7話。修学旅行用の亜紀のパスポート写真を病室で撮ったサクは、写真館に現像に行き、出来上がった写真を再び病室の亜紀に届けます。 そこでサクにさぐりを入れた亜紀は、自分が白血病であることを知ってしまう…。

その夜。修学旅行のお知らせと出来上がったパスポート写真を見ながら、「サクちゃん…よく合わせてくれたよね…」とつぶやいた後、亜紀は激昂してそのファイルを床に叩きつける。
この「よく合わせてくれたよね」という言葉の意味がわかりにくいですが、どういう意味だったのでしょう?

解釈1. 白血病であることを知らなかった自分に、白血病だと知っていたサクが「何も知らない自分に今までよく合わせてくれたね」という意味。

サク…白血病だと知っているので、修学旅行に行けないことが分かっている。
亜紀…白血病だと知らないので、何とか退院して修学旅行に行くつもり。

サクは行けないと知りつつも、写真を撮ったりして亜紀の修学旅行の準備をする。

亜紀は白血病患者・真島の病室に行った際、自分も白血病ではないかと疑いを持つ。

亜紀が「私、白血病なんだって」とさぐりを入れると、サクはつい肯定してしまう。

亜紀は事実を知り、修学旅行に行けないことがわかる。
サクの行動はすべてお芝居だったので、 騙されていた気分になり、用意してくれた写真を叩きつける。
解釈2.
アキはサクに対して仕掛けた芝居がもとで自分が「白血病」であることを確信します。ただしこういった場合、同時に「いや、そうではない。違ってほしい。」という「現実否定」的な思い、不信感、不安感はだれしもが抱くと思いますが、アキについても例外ではなかったと思われます。

「この現実から逃げたい、否定したい」という思いから咄嗟に「サクちゃんはよく私の小芝居に合わせて『白血病であること』を認めてくれたわよね」(実際は違いますが)という一見狂気が見え隠れするセリフが口から出たのだと私は解釈しました。

次にアキは自棄になって写真その他を床に叩きつけますが、上からの流れで行けば「否定したところでどうにもならない」ことを自ずから悟ったためにとった行動と解釈できます。「自分の置かれた現実」に対して、「逃げたい、否定したい」けれども「否定したところでどうにもならない」ことを自ずから悟ったヒロインに対して、あまりにも哀れさを感じさせたシーンだったと思います。
(北原さんの解釈)



Q4. 8話:「罪滅ぼししてくれない?」

8話。病室での亜紀と綾子の会話。

亜紀「私の治療費ってすごく高かったり…」
綾子「変な心配しないの」
亜紀「でも…」
綾子「じゃあちょっと、罪滅ぼししてくれない?」

この会話の「罪滅ぼし」とは?

このシーンのすぐ後に、亜紀が真の仕事の資料らしきものを持ってロビーを訪れているので、 真がお見舞いに来た時に病室に忘れていった資料を、真に届けてと亜紀に頼んだ。その「おつかい」が罪滅ぼし。
そこで亜紀は偶然、真とサクの会話を盗み聞きしてしまう…という展開に。



Q5. 10話:「カニクリームコロッケ」

10話。ウルル旅立ち前夜の、病室での最後の家族晩餐。

亜紀「お父さん…なんでカニクリームが好きなの?」
綾子「憶えてないの?」
真「俺じゃない、お前だ (と指差す)」
綾子「幼稚園の時、お友達と取り替えて、うちのはトロトロしてないって、負けてるって」
亜紀「そうなんだ…フフ」

何気ない家族の会話ですが、よく考えてみるとどういう経緯なのか分かりにくいです。

解釈1. 亜紀はトロッとしたコロッケが子どもの頃好きだった。自分の家の「ふつうのコロッケ」と友達の「カニクリームコロッケ」を比較して、自分のはトロトロしてなかったので負けた気分になった。
「ふつうのコロッケ」では亜紀にとって負けなので、それ以来廣瀬家のコロッケは「カニクリーム」になった。

解釈2. 自分と友達のを比較したコロッケはどちらもカニクリーム。トロトロ度で自分のが負けていたけど、家の「トロッとしてない」カニクリームを好きだと意地を張り、それ以来自分の家のカニクリームに固執した。

どちらにしても「負けず嫌い」な亜紀のエピソードですね。
(zenさん、空さんの意見を要約)

[補足]
コロッケがキーアイテムになるきっかけは、2話の亜紀のテープ『7月3日、今日の晩御飯はコロッケでした。うちのコロッケって、お父さんの好みでカニクリームなの』から。
最後の晩餐時の会話は、直接的にはこの台詞(お父さんが好きだから・・)を受けたもの。そして家族の最後の晩餐ということで、幼少時代の亜紀と現在の亜紀をつなぐエピソードがコロッケ。 子供だった亜紀は覚えていないけど、両親にとっては亜紀の幼少時代の印象深い思い出のひとつなのでしょう。 (神学院下さんの意見を要約)



Q6. 10話:「反抗期だと思います」

10話。アキが病室を抜け出してウルルに向かった後の、アキ両親と主治医の佐藤先生の会話。

真「これは…自殺ですか?」
佐藤先生「反抗期だと思います」
真「(苦笑して) そうですね…」
綾子「(外を見ながら悔しそうに亜紀のパジャマを握り締める…)」

このセリフの「亜紀の反抗期」。そして真が「そうですね…」と苦笑した繋がりはどういう意味?

解釈1. 第2話のアジサイの丘のセリフから推測すると、亜紀は学校でも家でもいい子を演じてきたので、反抗期らしい反抗期がなかった。
勝手に抜け出したことを責めたい一方で、娘の反抗期は嬉しいものでもあった。よって、苦笑いするしかなかった。
(Kenさんの意見を要約)

解釈2. 反抗期とは、まさに今、自分自身の運命(病気・死など)に対する反抗のこと。運命に対して立ち向かっている娘に対する複雑な思いが、あの時の会話・表情なのでしょう。
(神学院下さんの意見を要約)



Q7. 最終話:「惚れた女と夢島だけは行くなよ」

最終話・エンディングのスタッフロール。主要人物だちの数年後(2004年?)のシーンが挿入されます。
この時、漁師をしているのであろう大木が船上で、「何やってもいいけどよおまえさん、惚れた女と夢島だけは行くなよ」と自分の息子(?)に語っていましたが…この言葉の意味は?

解釈1. サクと亜紀の夢島での写真を船に飾っていたので、夢島を二人の聖地だと大木は考えている。二人の夢島を守りたい、そのまま二人だけの思い出にしておきたいから近づくなと言った。

解釈2. 亜紀が倒れたのが夢島。あの時夢島に行かなければ、病気の進行も遅かったかもしれない。 夢島には一種の怨念があるから近づくなと言った。(カップルで○○に行くと別れるというようなジンクス)
(以上、まさみちゃん、カツさん、Capriさん、うるるさんの意見を要約)

解釈3. 私が感じたのは、17年後の大木もそのままだな…ということ。相変わらず大木は自分の本心をそのまま表現したりしない。 したがって、「夢島に行ったあの二人と同じくらい精一杯生きて、恋をしろ!」 くらいな気持ちなんだろうなと感じました。
(神学院下さんの意見を要約)


2004/10/26 UP
2004/10/31 コメントを少し追加
2005/01/14 「Q3」の解釈を追加




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