あいくるしい

あいくるしい 第4話「妻が夫に愛される理由〜その時子供達は泣いた」 あらすじ・ストーリー

#04 STORY.
オンエアを見ながら個人的に書いたあらすじ+名セリフです


第4話「妻が夫に愛される理由〜その時子供達は泣いた (5/2up)

長期入院中だった母・由美(原田美枝子)が家に帰ってくることになり、長男・豪(市原隼人)、長女・みちる(綾瀬はるか)、次男・幌(神木隆之介)らは朝から家の大掃除をしていた。

天文台から帰宅した祖父・明示(杉浦直樹)は、そんな子どもたちに話を始める。

(明示) 気持ちはわかる、久しぶりだし
この帰宅の意味合いをお父さんから聞かされてるだろうからな
でもね、お母さんの本心は違うよ
私はこの間、一人でお母さんのお見舞いに行ってきた
その時お母さんこう言ったよ
私は、生きるためにこの家に戻るんだって
(豪) 生きるため?
そうだ、病は気からって言うだろう
人間の身体は心と繋がっている
気力というか気合というか、それは必ず身体に伝わる
おまえたち子どもと暮らすことで、お母さん、生きたいともっと強く思うために、戻ってくる
(みちる) もっと強く?
医者がなんだ
万能じゃない
学校の先生だって、万能じゃない
警察だって政治だって
だったら誰も神様に祈ったりなんかしないよ
おまえたちはいいんだよ
いつも通り笑って泣いて、賑やかに過ごせばいい
お母さんの顔をちゃんと見て、一番いい笑顔で迎えてあげなさい


母を迎えにいった父・徹生(竹中直人)の車が家に着く。
幌たちは笑顔で「おかえり」と言い、母を迎える…。

(幌) 単純な僕たちは、お祖父ちゃんの言葉で
いきなり勇気をもらったのです
世界中の人に伝えよう
ねえねえ聞いて
僕のお母さんは、生きるためにもどってきたんだよ
お母さんは、生きるために…



小学校の校庭。幌・耕作・奈々・愁の虹色の戦士たちは、自分のビー玉を見せ合う。
残りの戦士は3人。「なんで聖子に渡さないんだ?」と耕作が幌に聞くと、ちょうど聖子が深刻な顔をしてやって来る。

聖子の母・千秋(南果歩)は浮気をしていた。そのことに気づいた聖子は、パパに知られる前に母の浮気をやめさせようとする。 「証拠をつかんでママに忠告するといいね」と愁。
幌たち虹色の戦士は聖子に協力し、浮気相手を突き止めることに。

放課後。聖子の母・千秋(南果歩)がバスに乗ってどこかに行くところを陰から見ていた幌たち。 ヒッチハイクをして車を止め、後を追いかける。

千秋がアパートの一室に入ったところを確認した幌たち。 「ただ会ってただけなら証拠にならねえよ」と奈々は言い、 カメラ付き携帯で写真を撮ろうとする。

愁は冷静に「本当にいいのかい? パンドラの箱さ。知らなくていいことは、知らない方がいい」と言うが、聖子は「いずれは誰かに知られると思う」と。両親の離婚を阻止するためには仕方のないことだった。


一方、真柴家では帰宅した母・由美が夕食を作る。久しぶりの母の手料理に「やっぱ母さんが作ったご飯が一番美味い」と豪。
食事中、由美は突然「みちる、大学合格おめでとう」と。みちるは希望の東京の大学に合格していたが、家庭の事情を優先させるために「落ちた」と家族に説明していた。

だが由美は新聞の合格者一覧でみちるの合格を知ったという。入学金は祖父が内緒ですでに支払っていた。「家のことは大丈夫だから行きなさい」と由美。 みちるはどうすべきか考えていた…。


ピンボケしたものの浮気相手の写真が撮れて帰宅した幌たち。 だが別れ際、聖子は「浮気がパパにバレたら離婚して引っ越すかもしれない」と幌に言う。そうなれば幌に会えなくなるが、何も考えてないのんきな幌に「バカ、大嫌い」と一方的に言って走り去っていく。


豪がバイトしているガソリンスタンドに、一台のワンボックスが停まる。豪が注文を受けていると、後ろの席で男たちに囲まれていた少女が懇願するように手話で何かを訴えかけてくる。

給油中、不審に思った豪はみちるに電話する。みちるは中学の時に手話を習っていたので簡単な手話なら理解できるのだ。豪が少女のしぐさを伝えると、「助けて」だったことがわかった。 ワンボックスは給油を終えて走り去っていたが、豪は仕事を放り出してバイクで後を追う…。

山の中で停車した車の中では、耳の不自由な少女・ほのか(沢尻エリカ)が数人の男たちに襲われかけていた。 後を追いかけてやって来た豪は、男たちに殴りかかると、ほのかを車の外に出す。
「逃げろ!」と豪に言われ、ためらいながらも走って逃げていくほのか。
しかしその間、豪は数人の男たちにボコボコにされてしまう。


その頃、夕子(桜井幸子)と竜一(萩原聖人)は山の中にある湖で話をしていた。

(夕子) 知ってる? この湖の伝説
(竜一) 伝説?
たぶん、当時の女の子たちの間だけで流行ってたんだろうけど
この二つの木があるでしょ?
光の加減でね、二つの木の影が重なるの
ちょうど今時分かな
その枝の間で小さなハートができるのよ
(ハートの影を探す夕子)
あれ、ないなぁ…
それが?
その時に好きな男の子とファーストキスすると、初恋のまま別れないで幸せになるって
フフ、私たちは別れちゃったけど
ガキの頃の話だ、付き合いのうちに入らないよ

するとほのかが息を切らして湖にやってくる。
今やって来た方向を指差し、悲痛な表情で叫ぶ…。

ボコボコにされていた豪のもとに、竜一がやってくる。 男たちが竜一に気を取られている間、豪は立ち上がって反撃を開始。
「俺の地元で悪さしたら許さないからな!」と、本気になった豪は3人の男相手でもひけを取らず、竜一の助けも借りずに次々と殴り倒していく。

すると一人の男がナイフを取り出し、後ろから豪に襲いかかる。竜一は寸前のところで豪をはじき飛ばして助けると、ナイフの男に強烈なパンチを食らわせる…。


東京での大学進学を決意したみちるは、駅から東京へと向かおうとしていた。
駅のホームまで見送りにきたのは父と唄。

(みちる) お父さん、私、ホントに行ってもいいのかな
(徹生) 母さんがいいって言ってるんだ、後のことは心配するな
心配ももちろんあるんだけど…私ね
どうした?
(泣き始めてしまうみちる)
なんだよ、今生の別れじゃねえんだよ
そうだけど…
俺も、母さんに言われて反省してるんだ
ここのとこずっと、おまえに家のこと頼りっきりで、みちるの受験のことさえ忘れてた
いいの
父親失格だよ
(電車が停まる)
早く乗れよ

涙を流しながら「バイバイ」と唄と父に手を振り、みちるはひとり東京へと旅立つ。
みちるが「行かない」と言い出さないようにと泣くのを我慢していた唄だが、電車が行ってしまうと同時に泣き始めてしまう。
みちるがいなくなるのは真柴家にとっては寂しいことだが、皆、みちるのために無理をして送り出したのだ。


幌、耕作、聖子が通う学習塾。
授業開始の挨拶が終わっても聖子は立ったまま、講師の男を睨みつけていた。 母の携帯を調べた聖子は、塾講師からの着信の後、母親が出かけていることを確認したという。

塾が終わった後に外で待っていた聖子たち。講師が出てくると、「ママにもう会わないで。パパに言うわよ。そうなったら先生はクビになる」と聖子。

講師は苦笑いした後、「クビなりたくないからもう会わないようにするよ」と言い、続けて「僕は全然かまわないけど、君のママはどうかなぁ。誘ってきたのは君のママも方だから」と。
聖子は講師の言葉にショックを受ける…。

一方、聖子の父・篤(浅野和之)も妻の浮気を疑い、独自に浮気調査を依頼していた。その報告書を受け取ると、数枚の証拠写真と共に塾講師との関係が記されていた。篤は家に帰っても平常心を装うが…。


インターンの瀬戸(田中幸太朗)が真柴家まで由美の往診に来る。

(由美) あなたには感謝してるわ
主治医の先生も内緒にしてたのに、本当のこと教えてくれて
(瀬戸) それがバレたら医師免許剥奪ものですよ
ものすごく優秀だって婦長さん言ってらした
病院が手放さないでしょうね
さぁ、どうでしょう
もっと大きな病院に?
いえ、淳一の…院長の息子、俺の友人なんですけど、アイツのそばを離れるわけにはいかないんです
アイツがいつか何かでトラブった時に、俺は泥をかぶるんです
また明日来ます、お大事に
友達なのはわかるけど、どうしてそこまで?
あなたと一緒です、生きるために

瀬戸は笑顔でそう言って真柴家を後にする。


幌と愁が祖父の天文台に遊びに来ていた。

(明示) 宇宙は広大だ
それに比べたら、人間なんて本当に、目に見えないチリみたいなものさ
他人と争うことなんか、なんて無意味なことだろうと思うよ
(愁) でも不思議ですね、そのチリみたいな僕たちは生きている
本当に、生命は不思議だ…


その頃、真柴家では東京に着いたら電話すると言っていたみちるからの連絡を待っていたが、なかなかかかってこない。
すると母・由美は意外なことを話し始める。

(由美) みちるが東京に行ったって、本当に思ってる?
(豪) え、だって…
この家にみちるは必要よ
唄もまだ小さいし、あの子には母親代わりになってもらわないと
だけど、東京に行かせた
そうね、あの子は試験に落ちたって言ってたぐらいだから、何も言わなければ、きっと大学は諦めて、だまって家のことをしてくれたでしょう、今まで通りに
(徹生) どういうことだよ
でもそれじゃダメなのよ
自分が犠牲になってる、この家のみんなの犠牲になってる、そういう考え方をしている内はダメ
ストレスが雪みたいに積もって、いつかなだれみたいに崩れる時がくる
自分で居たいって、思わないとダメ
この家に居ることは、みんなの面倒を見たりすることは、犠牲だと思わないで、自分が望んでしているんだって、思わないとダメ
(徹生) そんなこと言ったって…
東京へは行かないわ
もちろん悩むでしょうけど、あの子は行かない
自分本位に生きて、そこに幸せなどないって思って、私はそういう娘に育てた自信があるの
誰かのために生きることは、決して犠牲じゃなくて、むしろ喜びなんだって気づいて
(徹生) 理想はわかるよ、でもみちるはまだ高校を卒業したばかりの子どもじゃないか

するとみちるからの電話が鳴る。
豪が出ると、東京へは行かずに町の駅にもどってきたという…。豪がみちるを迎えに行くことに。


天文台。

(愁) だけど僕、君のお母さんを尊敬するよ
(幌) 尊敬?
だって、まるで死ぬのが怖くないみたいじゃないか
(明示) それは違うよ、愁くん
きっと怖いさ
いや、怖い
だって人間だもの
だけどね、神様はそれを乗り越えるために、ひとつだけ強い力を渡してくれる
(幌) 強い力…ゲームのアイテムみたいなもの?
いや、もっと遥かに素晴らしいものさ
いたわり合う、想いの力をくれたんだよ
(幌) それは無敵だね
(愁) 死神を寄せ付けない
そうさ

幌は人をいたわれる強さを身に付けたいと願うように、緑のビー玉を見つめる…


バイクで駅にやってきた豪はホームへと走る。
みちるはホームのベンチでひとり座っていた。

(豪) いつからここにいるんだよ
(みちる) わかんない
バカじゃねえの?
何してんだよ
自分の家がちゃんとあんだろ
ちょっと、バツ悪くて…
一日も持たない、ホームシックみたいで…
何言ってんだよ
だって…みんなあたしがいなくても、平気みたいな…
寂しいよ
みんな、無理してただけだよ
本当…?
姉ちゃんは、太陽みたいなもんだよ
家の中が、いねえと暗くなる


みちるは豪に抱きついて涙を流す…


休日。幌は聖子と二人で山の湖を訪れる。
「これ遅れちゃったけど」と言って黄色のビー玉を差し出す幌。
これで聖子も虹色の戦士の一員になった。

(聖子) どうして黄色?
(幌) 幼稚園の時って憶えてる?
あ、黄色い帽子!
そう
僕、君のことヒヨコちゃんって
私も、ピヨくんって
僕ね、本当はいけないんだけど、あまりお母さんの近くにいられないの
どうして
きっと、怖いんだと思う
不安でとても、それは寂しいとかじゃなくて、怖いんだ
恐ろしいんだよ…
ごめん、だから君のことも…どこかにいなくなるなんてことを、ちゃんと聞いたり考えたりすることができなくて
そうだったんだ
ごめん
ううん、私の方こそごめん
自分のことばっかり押し付けて…もう言わないよ

二匹のヒヨコは、離れたら危ないわ
うん
どんなことがあっても、ポロから離れない
それにきっと、私もポロのママと一緒だから
ポロを…愛してるの


突然、幌にキスする聖子。おどろいて目を丸くする幌…。
その近くでは、初恋のまま別れないという伝説のある、二本の木が作り出したハート型の影ができていた。

(幌) 正直言って僕は、女の子を好きとか嫌いだとかいう気持ちは、 まだよくわかりません
でも、いたわり合う気持ちを持ちたいとは思っています
それが世界で、いいえ、宇宙で最高の強い力だから…





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