野島作品ファンとしての管理人の個人的なレビューです
「あいくるしい」最終話終わりました。
幌が未来に「お母さんの声がしたの、ごめんねって」と言うシーン、運動会でみんなで走るシーンなど、最終話は感動的なシーンも多くて全11話の中でも一番満足できたと思います。
見終わって感じたのは、すっきりしたというよりも、なにか寂しいような気持ちですね。視聴率は低かったですが、個人的には好きなタイプのドラマでした。
私が感じた問題点は、子どもから大人まで色々な視聴者層を取り込もうとして(?)、登場人物を増やした結果、どこか散漫になったところです。できればもっと絞って欲しかったですね。
個人的には幌たち小学生のシーンが良かったので、小学生を中心に描いてもらえれば、もっと面白いものになったんじゃないかと思います。まあそれだと視聴率はさらに低くなりそうだけど(笑)。もちろん真柴家の家族愛も良かったけれど、幌(と祖父)のセリフやシーンは特に素晴らしかったです。
幌の何が良かったかといえば、無垢で純粋な気持ちです。野島作品は昔から(10代の)純粋さがひとつのテーマになっていたけど、「あいくるしい」は特にその無垢さ、純粋さがキラキラと描かれていました。
ということで幌について考えてみます。
----------------------------------
僕の幼稚園児並みの右の脳と
僕のおじいさんのような左の脳は
とても仲が悪いです
このままだといけないので
違う時間に起きて眠ります
『野島伸司詩集III』より
----------------------------------
野島作品は残酷な現実を鋭く描いたりするので、一般的にはそっちの印象の方が強いかもしれないけど、一方で愛や夢を信じたりするロマンも描かれています。
わかりやすいのが「世紀末の詩」で、愛は存在しないと否定していくリアリストの百瀬と、愛の存在を信じるロマンチストの野亜が対立する。「二人は僕を半分に割ったような存在」と野島さんは言ってます。
上の詩にあるように、極端にリアリストな自分と極端にロマンチストな自分が同居しているのでしょう。
その「世紀末の詩」ではどちらかと言えばリアリストの百瀬が優勢に描かれていたけど、「あいくるしい」は世紀末の詩的にいえば野亜の方向に偏ったドラマで、ロマンが全面に描かれていました。
たとえば「世界を救う」というセリフが何度も登場します。大人がそのセリフを発すると違和感があっても、まだ無垢な、小学生の幌ならそれが許される。
高校生や中学生をメインに描いたドラマはかつてあったけど(TBS野島3部作など)、小学生はなかった。小学生だからこそ成立したのが幌の世界観で、新しい野島ワールドだとも言えます。
幌は人の悲しみに敏感で、繊細な感受性を持った少年。一方で悲しみに耐えることのできる強さも持っている。幌はやさしさや人間愛によって色々な人を救っていく。
それがとても暖かくて、「いたわる思いの大切さ」や「人は信じられるもの」というメッセージが伝わってきます。
実際はそんな単純なものではないとしても、今作は現実的な左脳が希薄なので、どこかロマンチックになるんですね。
それで、私はその人間愛のファンタジーが面白いなぁと思うと同時に、キラキラとした純粋さが胸に痛いほどでした。なぜならそれはきっと、忘れていたものだから。
だから変わらない野島さんの純粋さに圧倒されるものがありましたし、今までにない新しい野島ワールドが見れたことにとても満足しています。
ということで、90年代の(野島脚本の)名作にはかなわないとしても、心に沁みる良作でした。2000年代の野島脚本ドラマでは一番良かったと思います。個人的にはこのような感じ。
★2000年代で個人的に好きな野島ドラマランク
1. 「仔犬のワルツ」(2004)
*企画
2. 「
あいくるしい」(2005)
3. 「高校教師」(2003)、「S.O.S.」(2001)
4. 「プライド」(2004)、「ゴールデンボウル」(2002)
野島さんの次回作に期待します!
10話は見ていて時間が過ぎるのが早かったです。来週で終わりという感じはあまりしないけど、もうあと1回で終わりなんですね。それで終盤になるにつれて「愛」が全面に描かれてきたという印象です。
原沢家の離婚問題はどうなるかと思ったら、最後は篤が「愛している」とシンプルに伝える結末に。「相手を思いやる」「気持ちを伝える」がポイントですね。篤と千秋のどっちを否定するわけでもなく、野島作品としては比較的平穏な今作らしく、情緒的な結末になったと思います。
母とそっくりの園子のエピソードは意外な展開に。普段は直情的な豪も今回は冷静になって、園子に芝居をしてもらい、徹生と唄の幻想を解きました。外見が同じでも心は違う、別人だということを徹生と唄は実感したのでしょう。でも園子は実は子どものできない身体…というのが深い余韻を残しました。
未来に”ボロ”と言われたなぞなぞ(?)は、引っ張って最終回まで続くことに。幌が家に来なくなって未来は寂しそうだったし、ただ素直になれないだけって感じがしたけど、このなぞなぞにはもっと深いものがあるのかな? ちょっと分からないですね。
それにしてもあと1時間で個々の登場人物の結末を描くとなると、かなり駆け足になりそうですね。でも最後に運動会(?)で走るのは野島作品らしいなぁと。一番期待していた幌の涙のシーンもあるだろうし、感動の最終回になるといいです。
8話に続いて面白かったです。ここにきて意外性のあるというか、見ていて引き込まれるストーリー展開になってきました。
今思うと母の死までのエピソードは、何となく先が見えていたけど、それに比べると物語が自由な方向に動いてきたと思います。
みちるがめずらしく激怒しました。母が亡くなってすぐにそっくりさんが登場、しかも一人二役という展開に、さすがに違和感を感じていたので、みちるの怒りには何かスッキリするものがありましたね。
母と瓜二つの園子は単に徹生が再生するための存在ではなくて、人は「外見」と「心」のどちらに惹かれるのか、どちらを愛するのかというテーマを感じました。容姿が同じ人であれば同じように愛せてしまうのか、それともそうではないのか…。
あえてそっくりな人を登場させてその問題を問うのであれば一人二役というのも納得です。
そして今のところ徹生は心よりも外見で惹かれてますね。
一方、愁と夕子の父をめぐるエピソードはどこか中途半端だったような気も。3話が放送されていた頃のTV雑誌に「夕子は暴力をふるう父から逃げている」とネタバレが書かれてあったのだけど、(日9枠ということで?)途中でその案が変更になったんでしょうか? 前回の何かを予感させる登場シーンに比べて、けっこうあっさり片付いてしまったという印象。田中健さんにはもう少し活躍して欲しかったです。
そして淳一と瀬戸は母違いの兄弟だったんですね。うーん、これは予想できませんでした。
淳一には怒鳴られていたけど、瀬戸は弟想いのいい兄貴なのでは。そして淳一は父への従順な態度を改めそうだし、みちると縁りを戻す可能性を感じました。
二人とも1話では怪しい雰囲気を放っていたけど、特に危険な人物ではなかったですね。
最後、靴をプレゼントされて、未来はなぜ怒ったんでしょう? これもよくわかりません…。園子に対して豪がどう反応するかも含めて、来週が待ち遠しいと感じさせる9話でした。
8話は久しぶりに純粋に楽しめたような気がします。
どこかファンタジックな幌と未来のやり取りが良かったです。
本当に白馬の王子様になってしまう幌の姿に、いい意味でロマンチックな方向に偏ったドラマなんだなぁと改めて感じました。
野島作品といえばシリアスなイメージがあるけど、一方でこういった子供っぽいロマンチシズムも魅力ですね。
おじいちゃんの愛についてのセリフ(人間でありたいと思う以上、愛することをやめてはいけない〜)も良かったです。
残り4話で第2部スタートというのも何か中途半端だけど、1部が母の生死に際しての家族の姿だとしたら、2部は「生きていくための愛」が描かれていきそうな感じがしました。
そしてその愛は「世紀末の詩」みたいに突き詰めて選別していくものではないですね。広く、すべてを受け止めるような人間愛。
また田中健の登場シーンやラストの車椅子のカットにはドキッとしました。このゾクゾク感はまさに野島ドラマという感じ。
まだどうなるか先が見えてこないというか、いまだにどんどん話が広がっている感覚があるけど、もう残り3話なんですよね。最終的に上手くまとまって、心を打つメッセージが込められているといいです。
7話は一番悲しい時にどう振舞えるかがテーマ。
幌は母の死の悲しみに沈むことなく、同級生・羽生に救いの手を差し伸べようとします。本当に強くて優しい子ですね、幌は。
なぜこんな理想的な人物なのかというと、荒んだ世界の中で「信じられるもの」とか「人を信じる気持ち」を描くことが今作のひとつのテーマなのでしょう。
一方、父・徹生はカラ元気を家族には見せても、まだ妻の死を実感できず、立ち直れない日々。
野島さんの男女観は、男は想いを引きずり、女性は現実を生きていく、みたいなのが「世紀末の詩」や「高校教師('03)」であったと思います。
だから徹生のセリフ「男は先に死んだ方がいい」となるんですね。
瀬戸(田中幸太朗)がみちるにキスしたのは、恋愛感情とかではなく、みちると淳一の仲を引き離すためじゃないかと。おそらく院長に借りがあってそうせざるを得なかったというか、瀬戸は悪い人ではないはず。むしろ今後、みちるを助ける人になるのでは。
それにしても母のそっくりさんは…あまり歓迎できない展開です。8話以降を見てみないとわからないけど…。
最後にちらっと写った豪邸のお嬢様が、7人目の虹色の戦士になりそうです。
6話は母のお葬式。予告で想像していたのよりも良かったです。
今まであまり見えてこなかった徹生の妻への愛情も描かれていました。
でも一番良かったのはおじいちゃんの言葉です。祖父のシーンはストーリーに重みを与えますね。
妻の死を受け入れられず、葬儀にも出席しようとしない徹生。
愛した人であればあるほど、その死は受け入れ難いものなのでしょう。
でもこういう時に頼りになるのはやはり強い幌でした。幌に支えられてやって来た徹生は、最後に「俺は今日から父親になる」と由美に話しかけます。
今まで父親の自覚があまりなかったのかも。でも妻亡き後の徹生の生きる支えになるのは、愛した妻が生み残してくれた子供たちなんですね。
演出も吉田健さんだと安心して見れる気がします。演出がいいからか6話は千住明さんのBGMも印象に残りました。天文台のシーンの曲が好きです。
6話までの印象は、90年代の野島ドラマと違って、見ていて強く惹きつけられるようなものはあまりないですね。
続きがすごく気になるというドラマでもないし…。
でも描かれているメッセージは暖かくて優しいので、良質なドラマではあると思うんですけど。
1話を見終わった段階で高まった期待に比べると、6話までの展開には少し物足りなさもあるけど、あまり大きな期待を持たずにゆったりと見るのがよさそうですね。
真柴家の絆もいいけど、個人的には幌たち小学生のシーンに野島さん流のロマンが感じられて好きです。
小学生のシーンはほとんど不満がないですね。次回は虹色の戦士にも新展開がありそうなので楽しみ。
5話はお母さんが死んでしまう前半のクライマックスでした。子どもたちに遺した母の命の言葉は良かったですね。
野島さんのセリフの美しさは健在だと思いました。それだけでも満足できましたが、でもストーリーはクライマックスの割にあまり盛り上がらなかった気がします…。
お母さんのシーンは1〜4話も含めて、私は感じるものが少なかったです。
それは素晴らしい家族に囲まれているせいか、病気であっても幸福に感じられるんですよね。だから暖かい気持ちにはなっても、悲しみやせつなさが見ていて沸いてきません。
なので母を思いやる子供や夫の気持ちにも同様に感じるものが少ないです。
まあ、今作はそういう「暖かい」ドラマなんでしょうけど、切迫したものがないと大切に思えないっていうのがある気がします…。
5話ラストで主要人物が死んで、6話にお葬式があって、後半は別の展開になっていくのは「人間・失格」(1994年 野島脚本)と同じですね。
5話で折り返し地点ということで、後半はガラっと変わってくるのかもしれません。虹色の戦士のゆくえも気になりますし、後半に期待したいです。
あいくるしいって一度目の視聴では何か違和感が目立つんですよね。4話だったら母の言動とか…。でも録画したのをもう一度見ると、メッセージに筋の通った良質なドラマであることに気づかされます。不思議ですね…。
それでも4話は演出が荒い感じがして気になりました。1、2話は良かったので、やはり吉田健さんの演出の方がいいです。
3話に続いて4話ラストはタイトルバックなしでスタッフロールが始まったけど、これも1、2話の方がいいですね。
クレジットが流れ始めると気になって集中できません。。
4話は真柴家の絆にスポットが当たっていました。みちるは合格した大学に進学するか、残って家族の面倒を見るかで迷います。普通は前者ですが、でも「誰かのために生きることは決して犠牲ではなく、むしろ喜び」と思えるみちるは献身的な素晴らしい人ですね。そういう愛情は学歴のような形には残らなくても、愛を注がれた人の中にはしっかりと残っていくのでしょう。
まさに「生きるのは愛するため」という番組コピーを表した展開でした。
母の生死もキーワードは愛。死を前にして自分の人生を振り返る時、愛し愛されたことの想いが一番の慰めになるのでしょう。
でも幌や唄はまだ小さいので可哀想です。残された家族の視点で見ると悲劇ですね。
幌と聖子はかわいらしいキスをしてしまいました。幌に恋愛感情はなさそうだけど…この二人の恋愛も今後描かれていくんでしょうか。耕作は嫉妬しそうですね。
ということで4話は野島作品らしい愛が本格的に描かれた回だったと思います。
3話は「人間・失格」のような少年愛が感じられる作りでした。集大成というだけあって、野島ファンとしては色々なところに既視感を感じます。森のクマさん、病院の屋上から眺める夕陽、事故で相手を死なせてしまった男…など。でもただの集大成ではなくて、新しいのは小学生を中心に描いているところですが。
2話の奈々に続いて3話は愁にスポットが当たっていましたが、愁は弱いのにただ強がっているような、奈々と比べるとあまり魅力的なキャラクターに感じられないのが残念といえば残念です。みちるに諭されたことで今後変わっていくのでしょうか。
母の病気に関するシーンは、死期が近いにも関わらず、私は切迫感や悲壮感をあまり感じません。死や別れを悲しむというよりも、母の危機に際して家族の「暖かさ」を描くドラマなんですね。祖父と母の会話は良かったです。悲しみよりも幸せを感じる真柴一家です。
3話のメインは、幌が愁と友達になるために山に蝶を採りに行く部分。それも虹色の戦士を結成して母を救うためです。泣きわめく唄を置いて行ってしまうほど、幌の中には母を救うという切迫した使命があるのでしょう。
虹色の戦士は本当に母を病気から救えるのでしょうか? それとも幌のロマンも挫折してしまうのか。この部分がどう描かれるのか気になります。でも母のために一生懸命になっている幌の姿には強さや優しさを感じますね。一見無意味なことをしているようにも感じられるけど、簡単に諦めるよりもそういう姿勢が一番大切なのかもしれません。
次回予告やスポットCMって母の病気ばかりを強調していますが、実際はそれ以上にスケール感のある物語ですね。
1話は幌の涙と世界の救済、2話は虹色の戦士と、小学生を中心とした物語は今までの野島作品にはない新鮮味が感じられていいです。
「ひとつ屋根の下」にもそれほど似てないですね。
野島作品は続編やリメイクよりも新しいことをやった方が成功しているという印象があるので、小学生を中心とした新しい野島ワールドに今後も期待できそうです。
ストーリーも見ていて面白いかどうかという点では1話よりも良かったのではないでしょうか…。
登場人物の紹介が多く少し散漫な印象があった1話よりも、見ていて引き込まれました。
2話でスポットが当たっていたのは奈々。
月謝袋を盗まれたことにどこかで勘付いていても、奈々を疑わなかった幌。「疑わず人を信じる」という幌の強さ、優しさが印象的でした。
人を疑って敵視していた奈々の人間観とは正反対ですね。幌は毎回このような人間愛をモチーフに誰かを救っていくのでしょうか…。愛を否定していった「世紀末の詩」とは真逆の展開になるのかも。楽しみです。
昔はショッキングなドラマも多かった野島作品ですが、「あいくるしい」は見ていてとても暖かいものを感じます。
野島さんが制作発表で言っていた「情緒的なドラマ」というのに2話を見て納得。
放送前は不安もありましたが、1、2話と予想以上にいいので、個人的には2000年代の野島脚本作品の中ではベストと言える作品になりそうです。
2話でガクっと視聴率が下がってしまったのが唯一の心配ですが…何が悪かったんでしょうね。3話も楽しみです!
やっぱり野島ドラマはいいですね。1話を見てしみじみと感じました。野島さんに元気をもらった感じです。
「あいくるしい」は初のTBS日曜9時枠、そして昨年ドラマ「世界の中心で、愛をさけぶ」をヒットさせた石丸Pとのタッグなので、野島色は薄くなるのかなという不安も少しありましたが、中身は野島ドラマそのものでした。
日9枠という影響もあまり感じられなくて、TBS金曜ドラマの時のようなシリアスなテイストも感じられました。
今作は「家族の絆」がメインテーマで、それが番宣でも繰り返されていましたが、そのテーマが思ったよりも押し付けがましいものではなかったので良かったです。というか私は幌を通して描かれていくことになりそうな「世界の人を救える包容力や強さ」というテーマの方により惹かれました。
なので一番の注目は幌です。幌は最終回で涙を流すのでしょうか? それは幸福の涙なのか、役目を終えて折れてしまう涙なのか…。野島さんの新しい挑戦が感じられて本当に楽しみです。
ただ家族愛だけの物語ではなかったですね。
登場人物は本当に多いドラマです。幌たち小学生、豪・みちるのハイティーン、大人、子を持つ親…と、確かにいろいろな世代が楽しめるドラマになっていると思います。
1話ではそれが少しごちゃごちゃとした印象もありましたが、今後は1話づつ(?)各登場人物にスポットが当たっていくんでしょう。
町の巡査(塚地武雅)やおしゃべりなおじさん(高橋克実)などユーモアのある人物が笑わせつつ、夕子(桜井幸子)、竜一(萩原聖人)、奈々、愁に期待できそうです。
祖父・明示を通して語られることにも注目ですね。1話の天文台での祖父のセリフはすごく良かったですし。
出演者はみんな演技派ですね。神木くんは本当にすごいし、市原隼人くんの熱血漢もハマっているし…。綾瀬はるかさんはまだあまり目立ってなかったですが、真柴家は本当の家族みたいで見ていて違和感がありませんでした。
桜井幸子さんはTBS野島3部作でヒロインをしていた時のような美しさを感じました。
夕子(桜井幸子)が「赤い傘」を差して登場したのはわざとかな? (「未成年」で桜井幸子さん演じる萌香が赤い傘を使っていた)。「あいくるしい」も「未成年」も、チーフ演出は吉田健さんですからね。
エンディング(タイトルバック)の河原で遊ぶ5人の小学生も、「未成年」のタイトルバックを彷彿とさせるものがありました。
今作に一番近いのは「ひとつ屋根の下」としても、小学生版の「未成年」的な要素もありそうです。
うーん、これから3ヶ月間、毎週野島ドラマが見れるのが嬉しいです。
「田舎町で暮らすどこにでもいるような家族の物語。けれど、私たちが忘れてしまった真実の家族のかたち」
「山村に暮らす7人家族の絆と成長を描く物語」
「余命少ない母親(原田美枝子)と父親(竹中直人)の愛にはぐくまれ、つましくも力強く生きる4人兄弟のきずなが描かれる」
…このように発表されていますが、野島作品でホームドラマといえば1993年放送の「ひとつ屋根の下」が有名です。最高視聴率は37.8%を記録するなど当時大ヒットしました。
そしてパート2である「ひとつ屋根の下2」(1997)以降、野島氏はホームドラマは描いてなかったので、久しぶりになります。なぜ今ホームドラマなのでしょう?
近年の野島作品で「家族愛」や「家族の絆」がテーマになっているものはまったくと言っていいほどなかったので、少し唐突な感じもしますが、「ひとつ屋根の下2」(1997)以降はこの作品のために温存していたのでしょうか。
山間の田舎町が舞台というのは、2003年刊の野島氏の
小説「ウサニ」の設定が受け継がれているのかもしれません。野島作品で田舎がメイン舞台になっているのは「ウサニ」ぐらいです。
ということで放送前に無理にイメージするとしたら「ひとつ屋根の下」+「ウサニ」ですが、11歳の少年(幌)の視点で進む物語というのは今までの野島作品にはなかった新鮮な点です。
人物設定を見ても幌に期待できそうな気がします。
まぁ、とりあえず1話を見てみないことにはよくわかりませんね。1話が楽しみです!