あいくるしい

幌のやさしさについて (あいくるしいのテーマ)

THEME.
真柴幌(神木隆之介)

「あいくるしい」は真柴家7人の家族愛や絆がメインに描かれているドマですが、一方で幌の視線からのやさしさも描かれています。 幌の言動やナレーションには心が暖かくなるものが多いですね。
このコーナーではそんな「幌のやさしさ」に注目してみました(*^▽^*)ノ


6/28 ↓最終話追加

1話 - 夢は世界を救うこと

(幌) 将来の夢は…えっと……
世界を救うことです!

将来の夢を聞かれてこう答えた幌。
「理想的――現実的」というものさしで測るならば、幌の夢は極めて理想的。
だけどそんな無垢な幌だからこそ語れるロマンや人間愛があります。

(明示) 人間は誰もが、心に木を持っているんだ
(幌) 心に木が伸びてるの?
そうだよ
その木が、幌は普通の人より、太くて強いんだ
人はね、悲しいことがあると、瞬間その木が折れてしまうんだよ
そうすることで、木が悲鳴を上げるように、涙をこぼす
だけど幌の幹は、太くって強いから、簡単には折れない
風が吹いても、雨が叩いても、折れない

でも、どんな意味があるの?
慰めてあげられる
支えてあげられるじゃないか
人はね、心の木が折れると、自分ではどうしていいかわからない
何も考えられない
だけど幌の幹は強いから、そんな時でも考えられる
行動することができる
思いやることもできる

幌の優しさのベースにあるのは、人を助けることができる包容力と、悲しいことにも耐えられる強さ。

僕もいつかはポロポロと、涙を流す時がくるかもしれません
大きな僕の心の木が、役目を終えて折れてしまう
世界のすべての人を、救い出した後には…

生まれてからまだ涙を流したことがない幌。
世界のすべての人を救い出すまでは泣かない(折れない)、という強さと使命感を胸に、様々な困難に向き合っていくことに…。



2話 - 人を信じることについて

(奈々) 盗んだのさ、あたしが
おまえらちっとも疑いやしねえから、本来しめしめだけど、なんだか逆に腹が立ってきたんだ
東京じゃな、のんびり月謝袋出しっぱなしにしてるヤツはいねえし、なくなりゃすぐに犯人探しさ
おまえら田舎もんみたいにボケっとしてねえんだよ
取られる方が悪いんだよ
いい勉強、教えてやったのさ
他人は全部敵なんだ
わかったらこれからは気をつけろ!
(幌) うん、ありがとう
は?
気をつける
おまえまさか…知ってたのか?
ふざけるなこの野郎!

他人を敵視し、自己防衛的になる奈々と、そんな奈々とは対照的に、どこまでも信じようとする幌。
奈々が月謝袋を盗んだことに気づいても、幌は奈々の寂しさを見抜いて責めようとしなかった。
そんな幌のやさしさが奈々の心を溶かす。



3話 - 母のためにできることとは?

きっと僕ひとりの力では、どうにもならないのです
だから、僕は世界中の人の代表として、虹色の戦士を集めているんです

豪雨の中、山頂に蝶を採りに行く幌。
それは愁と友達になって虹色の戦士を結成し、母を病気から救うためだった。
母のために懸命に何かをしようとする幌の姿にやさしさを感じます。



4話 - いたわり合う思いの力

(愁) だけど僕、君のお母さんを尊敬するよ
だって、まるで死ぬのが怖くないみたいじゃないか
(明示) それは違うよ、愁くん
きっと怖いさ
いや、怖い
だって人間だもの
だけどね、神様はそれを乗り越えるために、ひとつだけ強い力を渡してくれる
いたわり合う、思いの力をくれたんだよ

家族が母を、母が家族をいたわり合う思いが、死の恐怖を乗り越えさせる。

正直言って僕は、女の子を好きとか嫌いだとかいう気持ちは、まだよくわかりません
でも、いたわり合う気持ちを持ちたいとは思っています
それが世界で、いいえ、宇宙で最高の強い力だから…

争ったり憎んだりするよりも、いたわり合う気持ちが”宇宙で最高の強い力”だと信じている幌。



5話 - 母から受け継がれたもの

こうしていると僕たちは
お母さんのお腹の中でつくられたことがわかります
ほら、手や足が
ほらほら、目や口が
そうして最後に…

(由美) やさしい人になってね
傷つけられても、やさしい人に
好きって言葉は、魔法なの
言われた人を幸せにする魔法
友達にでも、誰にでも
悲しい人はね、好きって言われたことのない人だから

母の胎内で身体のパーツがつくられ、最後に宿るのが「心」(魂)。
母に愛され、やさしい心を持つ少年に育った幌。 愛情は受け継がれていきます。



6話 - 悲しみの淵に沈んだ父を支える

お父さんは、家の中に入ろうとはしませんでした
大きな岩のように動かないお父さんは、ビクンビクン、肩が震えています
だから僕はお父さんがヒビ割れてしまわないように、しっかりと手を繋いでいました

(明示) 想像してごらん
もう長くないことを知りながら、夜ごとあの2階の部屋で、お母さんの側にいたお父さん
朝が来る度に、目覚める度に、まだそこに命がある
ホッとして、しかし確実にいなくなるのだと、また夜を迎えただろう
そんなお父さんをおまえたち、最低の父親だと思うのか

僕ね、どうしても最後に、あの曲をお母さんに吹いてあげたいんだ
ほら、うちでカラオケやった時に、お母さんが好きだった歌
みんなが歌った後に、一曲だけよって、恥ずかしそうに歌ったの
僕、あれ歌ってるお母さんの顔が、一番好きだったんだ

最愛の妻の死に際して錯乱し、現実を直視しようとせず、葬儀への出席も拒む父・徹生。
豪やみちるは呆れるが、幌は父を心配して家に残る。そしてトランペットを手に一緒に葬儀会場へ…。
母を失った自分の悲しみよりも、父を支えた幌。



7話 - 一番悲しいときに、一番頑張ろうとする

みんなが付き合っているのは、もしかして一番悲しいのは、お父さんかもしれないからです
一番悲しい人が頑張ろうとすると、つられてしまうものなんですね
僕も、そういう人になりたいと思います
一番悲しいときに、頑張ろうとする人に…

(幌) 僕、君と友達になりたいんだ
(羽生) なにが友達だ!
俺にはこれが必要なんだ
でも、本当に欲しのは友達だよね
違う、俺が必要なのは虹色のビー玉だ
戦士なんかいらねえ!

母を失った悲しみにも負けず、幌は虹色の戦士探しを再開。
孤独を感じた羽生と友達になろうとする。

(幌) 僕、お祈りするよ
羽生くんのお母さんの手術が、成功するように
(羽生) ふざけんなよ
なんでおまえが俺のために祈るんだよ
だって、それが友達でしょ

羽生の母も由美と同じ病気だった。幌たちはそれを知ると7色のビー玉を差し出し、お百度参りをして羽生の母の回復を祈る。それが友達だからだと…。



8話 - 世界中の人を応援しよう

フレーフレー!
誰かが何かを始めると、応援したい気持ちになりませんか?
世界中の人を応援しよう
フレーフレー!
うまくいくといいね
フレーフレー!
本当に本当に、みんなうまくいくと…

(幌) 昔、イジメられたりとかしたの?
もしそうなら僕、君を応援してあげるよ
(未来) 応援?
僕、世界中の人を応援したいんだ
ふーん
それが僕、お母さんからのバトンだから

ボクシングを始めた豪を応援する幌。
同じように、偶然知り合った不登校のクラスメート・未来のことを気にかけて応援しようとする。



8・9話 - 幌の初恋

(明示) 人は誰でも、愛されることを望むんだよ
それが一番幸せなことだとわかっているからね

誰も愛さない、それは人間でなくなることなんだよ
恐ろしい怪物になることなんだ
だから人は、人間でありたいと思う以上、愛することをやめてはいけない
たとえ、誰からも愛されなくてもね

僕はこの時、なんだかとても不思議な気持ちがしたのです
ふんわりやさしくて、なんだか、みかんを食べた後の甘酸っぱい気持ちです
後でおじいちゃんに聞いたら、こう言われました
そこからが、ワオ! 恋の始まりなんだと…

[9話]
不思議に、景色が変わって見えるんです
なにも変わってないはずなのに
いつもと同じ景色が、なにもかも
ワオ! バラのような、赤い色に…

愛されることの幸福さ、愛することの大切さを諭す明示。
未来に恋をした幌は、愛の力の大きさを知ることに…。



10話 - 傷つけられても好きって言ってあげる

(明示) 幌は世界中の人を応援したいんだろう?
みんなにやさしくしてあげたい
うん
そうなると、これからもきっと、多くの人に傷つけられてしまうかもしれないね
僕、平気だよ
だって、僕の心の幹って強いんでしょう
ああ

お母さんが言ってた
人を傷つけるのは、悲しい人だって
たぶん、誰にも好きって言われたことがない人だって
だから僕ね、そういう人に会ったら、好きって言ってあげるんだ
傷つけられてもかい?
うん、そうだよ
幌がそんな大人になったら、素晴らしいことだね
ほんとに、世界が救えるかもしれないな

怖がらないで待ってて
僕の名前は幌
君をやさしくかくまってあげる
雨や風や、たとえば嵐が来たとしても

人を傷つけるのは悲しい人だとしても、そういう人にも好きって言ってあげたいという幌。
未来にプレゼントした靴を投げつけられて、傷ついた幌だが、それでももう一度だけやさしくしてみようと、最後のなぞなぞを解いて未来を守ることを誓う。



最終話 - お母さんの声がしたの、ごめんねって

僕はすぐ気がついた
お母さんが、死んじゃったこと
やさしくて、キレイな光が見えた
その時、お母さんの声がしたの
ごめんねって
僕は、どうして謝るの?って思った
でもきっと、君の弟も謝ったはずだよ
ごめんね、未来
でもきっと、僕の分まで幸せになってって
ほら、泣いたりしないで、笑ってって
立って、僕の分まで元気に走ってって

とても仲良しだった弟の死に強いショックを受け、心を閉ざして歩くことをやめた未来。
母を亡くした幌は、未来の悲しみを理解しながらも、弟は未来が歩くのをやめることを望んでないと言う。 弟はきっと、僕の分まで幸せになって欲しいと望んでいると…。
幌や虹色の戦士の励ましに支えられ、未来は新しい一歩を踏み出す。



最終話 - もしも世界を救う人がいるとしたら…

僕は今日、今までどうして涙が出なかったのか、わかりました
涙は頑張って流すものではなく
きっと、気がついたらこぼれているものなんですね
そしてそれは、自分のためじゃなく
ほら、こんなふうにお姉ちゃんが
ほら、こんなにみんなも
僕はすっと、体の力が抜けました
どうしてって、それは
もしも世界を救う人がいるとしたら
それは、僕だけじゃなく

世界を救うまでは泣かない、という強い使命感を持っていた幌。
しかし今までに経験してきた色々なことや、バトンを手渡しながら懸命に走る家族の姿を見て、 世界を救うのは自分ひとりではなく、多くの人に支えられたり助け合ったりしながら、世界は少しづつ変わっていくものだとわかった幌。 肩の力が抜けた幌は、家族や友達の幸せな姿を見て、喜びの涙を流す…。






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