あいくるしい

あいくるしい 最終話「なみだのバトン」あらすじ・ストーリー

#FINAL STORY.
オンエアを見ながら個人的に書いたあらすじ+名セリフです


最終話「なみだのバトン (6/28up)

真柴家がそろって墓参りにやって来て、お墓の掃除をしていた。 だがいつものようにケンカを始めてしまう徹生(竹中直人)と豪(市原隼人)。 「ご先祖さま大切にしねえと罰が当たる」と言う豪を制して、祖父・明示(杉浦直樹)が話し始める。

(明示) おまえたちかわいい子孫が、何をやったって、見守ってくれるよ
(幌) そう?
そうさ
だからね、困った時にはここに来なさい
顔も知らないご先祖さまの前に立って、手を合わせてみなさい
(みちる) そうすれば、勇気をくれる?
あぁ、きっとね

(幌) ねえねえ、ご先祖さまって、いったいどんな人がいたんでしょう?
子どもの頃は、どんなことを考えていたのですか?
ねえ、もしかして、僕のような子どももいましたか?
世界のすべての人が、ワオ! 幸せになるといいな



小学校。仲間に相談せず、オレンジ色のビー玉を未来に渡した幌(神木隆之介)。未来が虹色の戦士に加わることについて、改めて賛成か反対かを多数決で決めることに。

幌、愁、羽生が賛成し、耕作と奈々が反対。残るは聖子だが、「いいんじゃない」と意外にも賛成する。

幌を好きなはずの聖子が、なぜ賛成したのか…。 放課後、奈々は聖子と二人きりになると、真意を聞き出す。 すると聖子は「東京に引っ越して転校しちゃうんだ」と。 それを陰で聞いていた耕作はショックを受ける…。

聖子の父・原沢篤(浅野和之)が引越しの準備をしていた。 それを手伝う徹生と芳夫(高橋克実)。 篤は聖子を連れて東京に行き、千秋(南果歩)の家の近くにアパートを借りるという。 新しい生活をスタートして、千秋との関係をもう一度やり直すつもりだった。


ひたすら基礎体力のトレーニングを重ねる豪に、スパーリングの話が舞い込む。しかし豪はまだジャブやストレートなどの、ボクシングの基礎を習っていない。不安を見せる豪に、竜一(萩原聖人)は「死にはしねえよ」と。

みちる(綾瀬はるか)に淳一(小栗旬)から電話がかかってくる。 瀬戸(田中幸太朗)が突然病院を辞めて、医療ボランティアで海外に行くと言い始めたという。すでにマンションももぬけの空と言われ、みちるは動揺する…。


未来の出したなぞなぞのヒントを得るために、祖父の天文台にやって来た幌。 そこで未来の「ミラ」とはくじら座の星であることを知る。

(明示) ミラとは、不思議なものという意味なんだ
ミラはもうひとつの伴星を連れてる
だけど近すぎて、ひとつにしか見えないと書いてある
(幌) もうひとつの星…
そのもうひとつは、燃料を燃やし尽くした白色矮星なんだよ
ごめん、難しくてわからないや
死んだ星さ、幌


真柴家。 幌はみちるに、先日、由美に瓜二つの園子に芝居をしてもらい、悪役を演じてもらったことを告白する。 そしてそれは、徹生と唄に夢から覚めてもらうためだったことも。

しかしみちるは薄々気づいていたと言い、「もうあの人の話はしないで」と突き放す。そう言いながらも、みちるは何かを考えていた。


翌朝。祖父のヒントでなぞなぞの答えがわかった幌は、虹色の戦士を連れて未来の家に行き、「散歩しない?」と外に呼び出す。

湖の前に集まった未来と虹色の戦士たち。 幌は、ミラは星座から取った偽名であることを見抜き、「本当の名前を教えて?」と言う。

(幌) 歩けないんじゃない、歩かないんだよ
誰かが、いなくなっちゃったんだね
ミラは2つの星
もうひとつは…
(未来) そう…死んじゃったの


行方不明になった未来を探しに、真柴家に未来の母がやって来る。漢字は同じだが実際の名前は未来(みき)だった。娘の抱えるトラウマを徹生たちに説明する母。 未来は5年前に弟と一緒の時、事故に遭い、弟は事死したという。仲のいい兄弟で、それ以来、未来は心を閉ざし、歩くことをやめた…。

未来が連れ出されたことを必要以上に心配する母。
そこに明示がやって来ると、未来の母を諭すように話し始める。

(明示) 本当のやさしさというのは、責任感をともなうものです
言葉の慰めは、その場だけのことだ
だけど本当のやさしさは、その後もずっと、見守る相手への深くて強い気持ちが必要じゃないかと
幌はじっと、その言葉の意味を考えていました
任せてみませんか、お母さん



一方、幌は未来の過去を聞き出していた。

(幌) 弟が可哀想で、せめて自分の足を動かなくしている?
(未来) どっちでも良かったはずなのに、どうして私だけ元気に生きてるなんて…

未来は、自分のすぐそばで死んでいった弟の死を今も受け入れることができなかった。
泣き始める未来に、幌は母が死んだ日のことを語る。

(幌) 僕はね、台所でお湯を沸かしてたんだ
唄、妹を寝かしつけるからって
でもあんまり来ないから、呼びに行ったの
お母さん、唄の横で、眠ってるみたいだった
でも、僕はすぐ気がついた
お母さんが、死んじゃったこと
やさしくて、キレイな光が見えた
その時、お母さんの声がしたの
ごめんねって
僕は、どうして謝るの?って思った
でもきっと、君の弟も謝ったはずだよ
ごめんね、未来
でもきっと、僕の分まで幸せになってって
ほら、泣いたりしないで、笑ってって
立って、僕の分まで元気に走ってって
(未来) できないよ…

幌は未来に手を差し出す。 「できない」と拒否する未来だが、「できる」「がんばれ」と愁たち虹色の戦士は励ます。

一方、みちると未来の母たちは幌のいる湖に向かっていた。 辿り着くと、未来が幌の手を取って立ち上がる姿が見えた。 「やったー!」と喜ぶ子どもたち。その姿を見て、未来の母は涙を流す…。


その頃、豪の初めてのスパーリングが始まっていた。 豪はすぐにダウンしてしまい、顔が赤く腫れる。パンチは大ぶりで一発も当たらなかった。

しかし竜一はこうなることを予測していた。 初めての試合でボロ負けして、ボクサーの道を諦めさせようとしたのだ。

そして迎えた最終ラウンド。 追いつめられた豪は母の言葉を思い出す。 「男の子はカブトムシ。間違ってるって言われても、自分を信じて突き進む…」。そうつぶやきながら相手のパンチをかわすと、強烈なカウンターパンチを食らわせる。
初めて当たったパンチで対戦相手はノックアウト。竜一の予測を裏切り、豪が勝利を収めた…。


みちるに会いに真柴家に瀬戸(田中幸太朗)がやって来る。 瀬戸は乗ってきたバイクを庭に止めると、「これ弟にやるよ」と。そして「淳一とうまくやれよ」と言い残し、去っていく。

みちるは追いかけると後ろから声をかける。

(みちる) 待って…てあげる
ほら、どうせ一人ぼっちで、誰もそういうこと言ってくれないだろうから
(瀬戸) そういうのは、男のセリフじゃねえの?
待っててくれとか
いつの時代よ
それに、言った者勝ちよ


瀬戸はみちるに笑顔を見せると去っていく…。


その夜、みちるは幌を連れて母と瓜二つの園子のアパートを訪れる。 幌が園子に会うのは初めてだった。「また父と会っていだだけませんか? 友達みたいに」と、この前とは正反対のことを言い始めるみちる。

(みちる) 寂しい気持ちは、止められないかなって
それ我慢してっていうのも、ひどいんじゃないかなって
父も、いけないことだと知っていて、それでも寂しくて、どうしようもなくて
それであなたに会いに行ってたんだとしたら
それを止めるのって、自分の親に寂しく暮らしてって言ってるようで
唄も、あたしが母親代わりって言っても
やっぱり私も、まだ全然子どもだったりして
今、唄が寂しいんだとしたら、それを止めるのも私のエゴかなって…


父と唄の悲しみを背負い込むみちるに、「お母さん想って生きるの、幸せじゃないか。それ寂しいって、おかしいじゃないか」と園子は元気づける。


明日は聖子が東京に引越す日だった。 夜、家の前で聖子の帰りを待っていた幌。 聖子が帰ってくると、「さよならは言わない。ずっと友達だから、ずっと一緒だから」と言い、握手を交わす…。


翌朝。駅まで聖子の母・千秋(南果歩)と弟の裕太が迎えに来ていた。 父の篤と共に電車に乗り込む聖子。 窓から故郷の風景を眺めていると、幌たちの姿が見えた。

幌たち虹色の戦士はビー玉を空にかかげて見送っていた。 窓を開けて「ありがとう、またね」と叫ぶ聖子。 幌たちも聖子の名前を叫びながら、過ぎ去る電車を走って追いかける。 しかしすぐに電車は見えなくなった。友達との別れに涙を流す聖子を、千秋が抱きしめる…。


後日。小学校の校庭で、地区対抗の運動会が開催される。 3世代参加の家族リレーに、地区代表として真柴家が出場。 徹生たちは円陣を組み「真柴家ファイト!オー!」と気合を入れる。

第一走者は祖父・明示。「間違いなく倒れるな」と言いながらも、1位で徹生にバトンを渡す。 徹生も快調に飛ばし、トップを守って幌にバトンが渡る。

幌もトップを守った。次の走者の唄にバトンを渡すが、少し走ったところで転んでしまう。 泣き始めてしまい、起き上がらない唄。

すると観衆の中から「起きて、唄ちゃん!」という声が。園子だった。母の姿を感じた唄は、立ち上がると、再び走り始める。

倒れている間にビリになったが、次の走者のみちるが追い上げる。何人かを抜いて、最終ランナーの豪にバトンが。

幌、みちる、唄、徹生、明示、そして友達や近所の住人たちが、声を出して応援し、さまざまな想いを胸に見守る。

豪は俊足を飛ばし、トップの走者に迫ると、ゴール直前で追い抜いて逆転勝利。
見事1位になり、喜びを爆発させる真柴家と仲間や友人たち。

家族や友達の幸せな姿を見て、幌の顔には自然に喜びの涙がこぼれていた…。

(幌) 僕は今日、今までどうして涙が出なかったのか、わかりました
涙は頑張って流すものではなく
きっと、気がついたらこぼれているものなんですね
そしてそれは、自分のためじゃなく
ほら、こんなふうにお姉ちゃんが
ほら、こんなにみんなも
僕はすっと、体の力が抜けました
どうしてって、それは
もしも世界を救う人がいるとしたら
それは、僕だけじゃなく
トウェンティー・オー・ファイブ
トウェンティー・オー・ファイブ…
ありがとう






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