幌(神木隆之介)が不登校のクラスメート・未来に恋をした。
みちる(綾瀬はるか)たち家族は隣の聖子に恋をしたと勘違いするが、幌の恋を応援しようとする。
(幌) 不思議に、景色が変わって見えるんです
なにも変わってないはずなのに
いつもと同じ景色が、なにもかも
ワオ! バラのような、赤い色に…
愁の父(田中健)が夕子(桜井幸子)の居場所を探し出して会いに来た。
そのことを幌たちに話す愁。
父は夕子が東京にいた時の客で、夕子と不倫して愁が生まれたが、一緒に暮らしたことはないという。
父は夕子に執着しているらしく、「どこまでもママを追いかけてくるんだ」と愁。
しかし事実は違った。夕子は愁に隠していたが、代議士である愁の父が執着しているのは夕子ではなく愁の方だった。妻との間には子どもができず、愁を引き取りたいと望んだのだ…。
放課後、愁を連れて未来の家にやって来た幌。
屋根の上で話していると、未来は「上がってこない?」と。
幌と愁が未来の部屋に入ると、未来は車椅子に乗っていた…。
その事実を初めて知った幌。
真柴家では唄が「お母さんにもらったの」と言ってヘアアクセサリーを付けていた。徹生(竹中直人)が唄を連れて食堂に行った際、由美にそっくりの店員・園子(原田美枝子)にもらったのだ。
しかしみちる(綾瀬はるか)は唄の言葉の意味がまだよくわかっていない。
未来の家からの帰り道。
幌がとぼとぼと歩いていると、同じく帰宅中の豪(市原隼人)が声をかける。
(幌) 紙飛行機の子、不登校でずっと家にいるんだ
(豪) 学校嫌いなんだ? 俺と一緒じゃん
その理由がね、今日わかったんだ
車椅子に乗ってる
関係ないよ、車椅子だろうが、口が聞けなかろうが
僕、支えてあげられるかな
そういうふうに考えるのやめろ
え?
そういうのきっと、一番ムカつくと思うぜ
うん、だけど…
幌はどうしたらいいか考えていた。
翌朝。豪が湖の周りをランニングしていると、聖子がひとりで座っていた。
豪が声をかけると、「家にいてもあれだし…」と聖子。
離婚することになった際、聖子が家に残ることで父・篤は喜んだ。だが聖子はパパといたいからではなく、幌と離れるのが嫌で家に残ったという。そのことでパパに嘘をついたと聖子は自分を責めていた。
「寂しかったらいつでもうちに来いよ」と元気づける豪。
インターン・淳一(小栗旬)のマンションで、淳一と瀬戸(田中幸太朗)が話をしている。
(淳一) 父さんに呼ばれた
病院はおまえに継いでもらうつもりだって
(瀬戸) 何言ってんだおまえ、冗談よせよ
僕に婚約させたのは、経営上のことでだ
医療とは関係ない
将来的には僕を事務局中に、おまえを院長にと
まさか…
それはいいさ、誰が見たっておまえと僕じゃ、医者としては雲泥の差がある
僕は血を見るのさえ苦手だからね
だっておまえは実の息子じゃないか
おまえだって、父さんの血を受けてる
知ってたんだろ?
淳一…
やっぱりな
僕だけか、何も知らなかったのは
僕は一体何なんだ
何も知らないで、病院経営のためだけに、好きでもない女と婚約させられて
院長には俺が言うよ
ふざけるな!
もうたくさんだ
父親ぶられるのも、親友ぶられるのも
もうたくさんだ…
淳一と瀬戸は異母兄弟だった…。
京子(高橋ひとみ)が怒った形相で、夫の芳夫(高橋克実)を連れて真柴家にやって来る。
由美が亡くなってまだ間もないにも関わらず、徹生は恋愛していて、芳夫もそれに協力していたという。
「仕方ないところもあるんだ、由美さんに似てるんだ」と弁明する芳夫。
そのことを知らされても、みちると明示はまだ状況をつかめていない。
未来の家にやって来た幌。
未来は車椅子だが、リハビリをすれば歩けるようになる可能性もあるという。
(未来) でも私はこのままでもいいの
(幌) どうして?
行動は思索の敵って何かの本に書いてあった
つまりね、身体を動かすと、その間あまり考えないし、疲れて眠っちゃうから
一人で考えたり、孤独と向き合ったりする時間がない
要するに、歩けないぶん私は考えるから、おりこうさんになるの
でも、結局は勇気がないんじゃない
え?
怖くて、リハビリっていうの、やらないんでしょう
窓越しに話している幌と未来を、後ろから見ていた聖子と耕作。聖子は「きれいな子ね」と言い残し、嫉妬したのか先に帰ってしまう。
みちるを車に乗せて園子の働く食堂へと向かう芳夫(高橋克実)。
みちるは厳しい顔つきで、芳夫の冗談にも表情を変えない。
食堂の前には徹生のタクシーが停まっていた。
みちるが中に入ると店内には徹生と唄がいた。
そして、母・由美にそっくりの園子も…。
放課後、幌はブタの貯金箱を片手に、未来にプレゼントをあげるため割るべきかどうか悩む。
「お嬢なんだから何もらったって喜びやしねえよ」と反対する奈々。
(幌) 僕は人間でいたいんだよ
おじいちゃんが言ってた
好きになることは大事だって
好かれないからって、誰も好きにならない
そういうふうになると人間じゃなくなっちゃう
怪物になっちゃうって
幌の恋を応援することにした愁・奈々・羽生。
4人は幌が貯めたブタの貯金箱を一緒に割る。
食堂から家に帰ってきたみちる・徹生・唄。
みちるは怒りを内に秘めたまま黙っていたが、
唄が楽しそうに母の絵を描いていると怒りを爆発させる。
(みちる) どっちのお母さん?
(唄) え?
唄、どっちのお母さん?
(徹生) よせって、悪いのは俺なんだ
当然よ、何考えてるのかわからない
全然わからない!
そりゃあ、どこか似ているかもしれない
そうね、言われればかなり似ているかもしれない
な、似てるだろ
だけどお母さんじゃない!
わかってるよ、そんなこと
お父さん、お葬式の時に言ったよね
お母さんは1万人に1人の素晴らしい女だって
言ったよね
あぁ、言った
でも、それって結局外見のことだったの?
心じゃなかったの?
私、感動したんだから
お父さんのその言葉に感動したんだから
絶対許せない
そんなこと許せない
陰でこそこそ会って、最低よ
いやらしいよ
…もう会わねえよ、それでいいだろ
ちょっと待ってよ
こんなこと幌や、特に豪が知ったら…
もう会わねえって言ってんだろ!
二階に上がっていく徹生。
唄、いいわね
あなたもあの人に会いに行っちゃダメよ
(唄) どうして?
そんなこともわからないの?
お母さんだよ
お母さんじゃないでしょ!
あの人は似てるだけで別の人でしょ
そんなこと言ったら、本当のお母さんがかわいそうでしょ
私たちの本当のお母さんがかわいそうでしょ!
怒られて泣き始める唄。
泣いてもダメよ唄
そうやっていつもいつも泣いてれば、誰かが助けてくれる
そんなふうでいいと思ってるの?
会いに行っちゃダメ、いいわね
約束しなさい!
やだ、やだ…
お母さんがいい!
唄は泣きながら家を飛び出す…。
スナック夕鶴。
夕子(桜井幸子)は竜一(萩原聖人)に愁の父親について話していた。
(夕子) 私たちは逃げていた
だけど本当は違う
逃げていたのは私だけ
愁には逆のことを話していたの
ママを今でも愛してるから、どこまでも追いかけてくるって
ずっとそういうふうに話していて
いつか私も、どこか本当にそうだと思いこんでしまったの
ううん、そう思いたかったの
(竜一) 今でも愛してるのはおまえの方か
悲しいけどそう
あの人はそういう人じゃない
追いかけても届かない人
だからあたしが逃げたの
逃げて、逃げて、捕まえて欲しいと
追いかけっこね
実際、あの人は追いかけてきてくれた
だけど、その相手は私じゃなくて、息子の愁にだった…
夕子は経済力のある父に育ててもらった方が愁のためになると思い、愁を手放す覚悟を決めていた。今、愁は父と会っているという。
その父との待ち合わせ場所に、愁は幌を連れて訪れる。
父との話し合いが終わり、家に帰って夕子に報告する愁。
(愁) 僕聞いたんだ、今でもママを愛してますかって
あの人は答えられなかった
奥さんのことも愛していない
きっと誰も愛そうとしない人だよ
怪物だよ
だけどママは違う
愛されなくても、ずっとあの人を好きでいたんだ
人間だよ
僕はママの息子でいたいんだ
父親はいらない、ママだけの息子で…
そうあの人に言ったよ
(夕子) 愁…
だから僕を手放そうなんて思わないで
夕子は愁を抱きしめる…。
一方、みちるに怒られて家を飛び出した唄は、夜になっても帰ってこなかった。
心配したみちるが夜道に出て探していると、インターン・瀬戸(田中幸太朗)にばったり会う。
淳一の話になると、「電話出てやってくれないかな」と瀬戸。お調子者の瀬戸に「厚い友情だこと」とみちるが言うと、「兄貴としては当然さ、腹違いだけどな」と。
みちるは二人が兄弟であることを初めて知る…。
泣きながら夜道を歩いていた唄は、園子の食堂に辿り着くと、「お母さん」と言って園子に走り寄る。
園子は唄を預かっていることを真柴家に電話で伝える。
祖父に言われて豪が迎えに行くことに。
(明示) 火に油を注ぐようなものかもしれんが
おまえが解決する問題だ
長男のおまえがな
豪はまだ園子の存在や徹生との関係を知らない…。
貯金箱のお金で買ったプレゼントを届けに未来の家にやって来た幌。
未来がプレゼントの箱を開けると、中に入っていたのは赤い靴だった。
(未来) わ、かわいい
(幌) ほんと、気に入ってくれた?
…わかってないのね
え?
やっぱりあなたはポロじゃない、ボロよ!
怒って靴を幌に投げつける未来。
そのとき僕は、お兄ちゃんに言われた言葉を思い出しました
「おまえ、それって一番ムカつくんだぜ」
僕は、どうしてもその意味がわかりませんでした…
食堂に唄を迎えに来た豪。
店内に入ると、そこには母・由美にそっくりな女性がいた。
凍りつく豪…。
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