あいくるしい

あいくるしい 第7話「家族のチーム力」あらすじ・ストーリー

#07 STORY.
オンエアを見ながら個人的に書いたあらすじ+名セリフです


第7話「家族のチーム力 (5/23up)

普段はにぎやかな真柴家の朝食。
しかし母の死を引きずる豪(市原隼人)たちが静かに朝食を食べていると、 父・徹生(竹中直人)は「なに物静かに黙ってるんだ」と怒り始める。

さらに庭で円陣を組むなど子どもたちを元気づけようとする。
しかし母の死に一番ショックを受けているのは徹生だった。

(幌) みんなが付き合っているのは、もしかして一番悲しいのは、お父さんかもしれないからです
一番悲しい人が頑張ろうとすると、つられてしまうものなんですね
僕も、そういう人になりたいと思います
一番悲しいときに、頑張ろうとする人に…



小学校。幌(神木隆之介)はトイレで紺色のビー玉を落としてしまう。
拾ったのは同級生・小6の羽生(はぶ)章司。
不良タイプの羽生は「返して」という幌の願いも聞かず、紺色のビー玉を奪って去っていく。

幌は耕作や奈々たちにビー玉を取られたことを報告。
しかし母が亡くなったことで、「もう虹なんて関係ないからいいじゃん」と奈々。
幌は「僕は虹色の戦士を集めなきゃいけないんだ。それがお母さんからのバトンだから」と。 幌は母の死を乗り越えて虹色の戦士を集めるつもりでいた。


徹生は町の巡査(塚地武雅)から、娘のみちる(綾瀬はるか)が若い男と付き合っていると知らされる。 徹生は自分に隠していたことを怒ると、みちるに「紹介しろ」とうるさい。

(みちる) いい人よ、すごく優しくて。
紹介しづらいのは、色々言われたら嫌だなってのももちろんあるんだけど、
私に、まだ自信がないからなの。
たとえばみんなに紹介して、もしダメになったらどうしようとか。
変に同情されても辛いでしょう。



病院の院長室。インターンの淳一(小栗旬)は院長である父にみちると付き合っていることを告げる。 しかし「黒木のお嬢さんはどうするつもりなんだ。この病院つぶすつもりか」と言われてしまう。 病院の事情からも婚約破棄はできなかった。
淳一は「一度みちるさんに会ってください」と頼むが、父は聞き入れようとしない。


ビー玉を取り返すため、学校帰りの羽生の後をつけていた幌と唄。
羽生は紺色のビー玉をにぎりしめ、夕陽を見ながらなぜか涙を流していた…。


翌日の学校。 体育の授業の後、耕作は教室に置かれていた羽生のズボンのポケットから紺色のビー玉を見つけ出すことに成功。 しかしその現場を羽生に見つかり、廊下に引きずり出されると耕作の空色のビー玉も奪われてしまう。

幌は羽生に近寄ると「僕が頼んだんだ」と言って許してもらおうとするが…。

(羽生) そんなに大事だったらな、放課後、朝倉神社に来い
勇気があるんなら返してやるよ
(幌) 僕、行くよ

しかし幌がケンカをして勝てる相手ではなかった。
聖子は「絶対行かない方がいいよ」と心配するが…。


母の墓参りにやって来たみちる。
すると墓の前でインターンの瀬戸(田中幸太朗)が手を合わせていた。
面識はないが、みちるは瀬戸が母の担当医の一人だったと知っていた。

瀬戸は「淳一とは上手くいってる? キスはした?」となれなれしく聞いてくる。 さらに「お母さんの薬の請求書、君に回すよ」と言うと「冗談さ、これでチャラでいいや」 と言って強引にみちるにキスを…。

突然の行為を許せず瀬戸にビンタするみちる。 しかし「俺と付き合えよ、おまえはあいつにもったいない」と瀬戸は動じない。 みちるは走ってその場から逃げる…。


昼間、部屋で妻・由美のアルバムを見ながら涙を流していた徹生。
祖父・明示(杉浦直樹)が部屋に入ってきて声をかける。

(明示) 仕事、休んだのか。
(徹生) 夜、眠れねえんだよ。 しばらく遅番に代えてもらおうかと思って。
ガキたちには元気出せって言っておいてよ、情けねえんだけど。
なんだか、気の抜けた風船みたいになっちまって。
ゆっくりやるさ。ぼんやり運転してると事故に遭う。

謝らねえとな、親父には。
なにを?
おふくろ死んで、家の中、急に火が消えたみたいになっちまって。
俺たちもほとんど口を聞かなくなっちまって。
なんだか滅入るっていうか、逃げるように東京行っちまって。
今考えると、その方が気が楽だったのさ。
会話を探して、しまいにはくたびれちまってた。
でも、一人にさせちまった。
今は4人も孫がいるよ。
男は先に死んだ方がいいね。 女房より長く生きるのはつらいね。
なんだか実感沸かねえんだよ。
あいつ、ほんとに死んだのかな…



バイト帰りの豪が店の近くを通りかかり、声をかけた夕子(桜井幸子)。
ボクシングの話になると、夕子は竜一の過去を話し始める。

(夕子) ボロボロなのよ、彼
(豪) 挫折して、田舎にもどって
心もそうかもしれないけど
どっか悪いんすか?
記憶、なくなるんだって
長い間、ボクシングやってると
そういうのなんて言ったかしら
パンチドランカー…
うん、毎日メモをしてるの
誰に会ったか、何をしたか
じゃないと忘れちゃうのよ、何もかも…


同じ頃、奈々はアパートの押入れで鍵のついたバッグを見つける。 無理やり明けてみると、そこには大量のノートが。 竜一は毎日、日記をつけていた…。


真柴家では幌が祖父に質問していた。

(幌) 虹ってさ、どうしてこんなに明るくてきれいな色ばかりなのに、紺色があるの?
(明示) うーん、どうしてだろうなあ
もしかしたら虹は一日を表してるのかもしれないな
一日?
静かな緑で始まって、ゆっくりお日さまが上がり
やがてみかん色の夕陽がしずむ
夜だ
そうだ、やっぱり紺色って夜なんだ
でもかわいそうだね
え?
だって、夜ってみんな眠っちゃうでしょう
だからきっと一人ぼっちなんだよ


羽生との約束を思い出した幌は、急いで神社へと走る。


原沢家の母・千秋(南果歩)は、夫・篤(浅野和之)の部屋で興信所の報告書を見つけてしまう。

篤が帰宅すると、千秋は離婚届を机の上に出していた。
「どういうことだ?」と篤。

(千秋) 誤解しないで、塾の先生とは終わったわ
自分でもわからないの
自分がどんな女なのか、ずっとドキドキしていたいの
それは何でもいいの
恋愛でも仕事でも、何でも
(篤) おまえは母親だぞ、おまえは母親だ
それしか言うことないの
俺は離婚しないぞ
絶対に離婚なんかしない
あなただって、愛してないでしょ
子どもはどうするんだ? 聖子と裕太は…

そこに学校から帰ってきた聖子が二人の話を聞いてしまう。
ショックで自室に閉じこもる聖子…。


約束の時間に少し遅れて神社に到着した幌。
しかし羽生はビー玉を返そうとはせず、さらに幌の緑のビー玉も寄こせと言う。

すると隠れていた愁が背後から羽生にボールぺンを突き立てて「幌に手を出すな」と。
幌はそれをやめさせると、「僕のビー玉、羽生くんにあげるよ」と従う。

羽生は愁を頭突きで突き飛ばすと、幌に襲いかかる。

(羽生) てめえらの友情ごっこはたくさんだ!
おまえのビー玉もよこせ
(幌) その代わり教えて
なんでビー玉見ながら泣いてたのか
ふざけるな、よこせ!
僕、君と友達になりたいんだ
なにが友達だ
俺にはこれが必要なんだ
でも、本当に欲しのは友達だよね
違う、俺が必要なのは虹色のビー玉だ
戦士なんかいらねえ!


幌から緑色のビー玉を奪い取った羽生。
すると耕作、奈々、聖子がやって来て、幌を守るように羽生を取り囲む。
羽生は観念したのかビー玉を必要とした理由を話し始める。

(羽生) 母さんが…手術をする
助からないかもしれない
(奈々) どこかで聞いたような…
俺が悪さばかりして、心配かけたせいだ
だから願をかけた
七色揃えられれば、母さんは助かるって
きっと、助かるんだ…


強がっていた羽生も泣き始めてしまう。

(幌) 僕、お祈りするよ
羽生くんのお母さんの手術が、成功するように
(羽生) ふざけんなよ
なんでおまえが、俺のために祈るんだよ
だって、それが友達でしょ

幌は残っていたオレンジ色のビー玉を羽生の手に持たせると、
靴と靴下を脱いで素足になり、目の前の神社でお百度参りを始める。

耕作、奈々、愁、聖子もそれぞれのビー玉を羽生に渡すと、素足になり幌に続く…。
歌を歌いながら、夜遅くまでお百度参りを続ける幌たち5人の戦士。


夕子から事情を聞いて、竜一のアパートにやって来た豪。
再度、ボクシングを教えて欲しいと頼み込む。

(豪) やっとわかったよ、なんであんたが奈々を引き取ってんのか
憶えてらんないからだろ
試合中とは言え、ひと一人の命を奪ったことを、憶えてらんないからだろ
だから、いつまでもその罪悪感を忘れないために
そのために奈々をそばに置いてんだろ
人間でいたいからだろ
(奈々) そうなのかよ
あんないっぱい、毎日毎日メモ取らなくちゃならないくらい、忘れちゃうのかよ
そうなのかよ!
(竜一) …そうだ
だから、ボクシングなんてやめろ
一度取りつかれたら終わりだ
いまどき流行んねえし、日本ランクぐらいじゃ働かなきゃ食っていけねえ
だけど、ボロボロになっても上がっちまう
なんだかわかんねえけど、その時しか生きてる実感が沸かなくなる
薬みたいなもんだ
奈々、おまえの親父だって取りつかれた一人だ
だから、良かったなと言った
少なくとも、もう闘わなくて済むからだ
あげくはこのザマだ


「俺も生きてる実感ってのが欲しいんだよ!」と土下座して頼む豪。
すると竜一にも心境の変化があったのか、「明日朝5時に来い、死ぬほど鍛えてやる」と…。


めずらしく、自分から会いたいと言って淳一を喫茶店に呼び出したみちる。
キスされたことは隠したが「あの人嫌い」と瀬戸のことを話す。「いいヤツだよ、唯一の親友なんだ」と淳一。

病院からの呼び出しですぐに帰ることになった。
別れ際、みちるが車に乗った淳一に告げる。

(みちる) 私、真柴みちるは、あなたのことが好きです。
この歳で恥ずかしいけど、生まれて初めて男の人を好きになりました。
(淳一) ありがとう、受け止めるよ。全力で。

淳一は笑顔で去っていく。


後日。羽生の母の手術は成功し、一命を取りとめた。
「前に同じ病気で手術された人はお亡くなりになられたの。あなたぐらいのお子さんもいて、とてもお気の毒だったわ」と看護婦は羽生に話す。


学校の休み時間、羽生は幌たちに手術が成功したことを報告する。

(羽生) おまえのお母さん、死んじゃったんだな
(幌) …うん

「もう俺には必要ない」と言って7色のビー玉を返す羽生。
すると幌は「これ、羽生くんのだよ」と言って紺色のビー玉を渡す…。


夕方、真柴家のベランダからは美しい夕陽がしずむのが見えた。

(みちる) お姉ちゃん、この夕陽のみかん色が一番好きなんだ
(幌) 僕もだよ
だってみかん色って、お母さん思い出すんだもん


一番悲しいときに、一番頑張ろうとする人になりたいです
あの夕陽みたいに、まん丸で
それは、ニコニコ笑う、お母さんの色
みかん色の、やさしいやさしい、お母さんの…



徹生は仕事中、立ち寄った食堂に休憩で入る。
するとそこには妻・由美にとてもよく似た女性が働いていた。
衝撃を受ける徹生…




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