管理人(FUMI)の個人的な感想です。
最終話「雪解け」感想 (3/26up) ★★★★★
終わってしまいましたね・・。
最終話で一番良かったのは、何と言っても拓郎と勇吉が再会したクライマックスのシーンです。この時の寺尾さんと二宮くんの演技は素晴らしかったですね。
私はTVドラマは演技よりもストーリー重視で見ますが、このシーンは二人の演技が脚本を凌駕していたような気がします。
今までこの親子が顔を会わせて話すシーンはまったくなかったのと、昨年秋に撮影が始まってからこのラストシーンの撮影までに半年近くの時間が経っているわけですが、まさに逢えなかった時間がこのシーンに詰まってました。抹茶茶碗にではなく二人の演技に(笑)。
うーん、本当にいいシーンでした。
展開だけを見ると最終話もオーソドックスなんですよね。再会して和解して終わり、という。何か意表をつくドラマチックな展開が待っていたわけではないのに、ただ再会しただけで深く感動できてしまうというのは、全11話で積み重ねてきたものの重みがそう感じさせるのでしょうか。
小手先の展開で一喜一憂させるのではなく、しっかりと根差して親子の断絶から雪解けまでが全11話を通して丁寧に描かれていたんだなぁ、と実感できました。倉本脚本の凄さを感じましたね。
今振り返ってみると3・6・7話のラストが私は特に印象に残っていますが、これらは勇吉と拓郎が近づいたり陰から見たりというシーンですね。やはりこのドラマは親子関係の描写が一番の見所でした。
私にとって「北の国から」は毎回いい意味でショックを受けるようなドラマでしたが、それに対して「優しい時間」は淡々と見せる大人のドラマでした。
ゆったりとした空気感は見ていて心地よかったので、それだけでもこのドラマは貴重でしたね。
なので来週から見れないのは残念ですが…「北の国から」のように2時間などのスペシャル番組としてまた見れることを期待したいです。視聴率も悪くなかったのでぜひ実現して欲しいですね。スタッフ・出演者のみなさん、素敵なドラマをありがとうございました
(*^▽^*)ノ
最終回前のわりには淡々とした内容の10話でした。
滝川と美可子の浮気話は本編とはあまり関係なかったような…。でも恐妻役の杉田かおるさんは迫力があって良かったですね。
勇吉は初めて会った六介に、親としての態度を非難されてしまいます。
オンエアではなかったけど、シナリオ本には「あんたに父親の資格はない」とまで言われてるんですね。
7話以降、自分なりに反省を積み重ねてきた勇吉ですが、とどめを刺されたような感じです。
拓郎を暖かく見守ってきた六介とは対照的で、勇吉の親としての情けなさが浮き彫りになっていました。
そして10話のテーマは9話に続いて拓郎の腕に彫られた刺青。勇吉はずっと「死神」の刺青に嫌悪感があったみたいですが、この六介の言葉によって変わっていったのでしょうか? ラストのめぐみとの会話では、もう刺青へのわだかまりは感じられませんでした。
それでも拓郎は申し訳ない気持ちからか、それともこのままでは父に会えないと思ったのか…灼熱の陶器を腕に押し合ててしまいます。悲劇のヒーローですね、拓郎は…。
朋子さんは今まで拓郎を見守ってきた人物だったけど、今回は刺青のことを問い詰めてましたねぇ。ちょっとかわいそうな感じもしました。
ただ疑問なのはあれで刺青って消えるものなんでしょうか。刺青が残ったままで火傷を負うという最悪の事態になりそうな気が。。
もう残るは最終話のみですね。私はシナリオ本を買ったものの、まだ最終話は読んでません。
寺尾聰さんが放送前からさかんに言っていましたね。最終話のラストシーンでは、ふわーっとしたような感動(?)があると。
どのような親子の雪解けが待っているのか…? とても楽しみです。
最終回は15分拡大枠(22:00〜23:09)なので録画される方は注意してください。
9話はタイトル通り、拓郎と梓の「傷痕」がテーマになっていました。
二人は自分の身体に傷をつけたことを悔みます。
一時の感情で傷つけても、何も解決はしないことを知る。
でも若い時はそういう過ちをしてしまうものです。
拓郎が父の前に堂々と現れることができない理由として、母めぐみを事故死させた他に、腕に彫られた刺青もありました。その刺青はめぐみの事故が起きる原因でもあったわけで、すべての元凶と言えます。なので刺青の話は10話へと続いていかざるを得ないのでしょう。拓郎は2つの大罪を背負っているようで何か可哀想だけど…。
そして梓に刺青を見せて自分の過ちを深く実感していた時に、勇吉がそっと残してくれていたお守りに救われましたね。
拓郎にとっては父が自分を気にかけてくれたということが、何より嬉しいことでしょうから。
最後の拓郎が涙を流すところはジーンときました…。
最近は勇吉の父親としての成長を描いた話が多かったけど、今回は久しぶりに拓郎にスポットが当たっていて良かったです。
雪解けも近いはずですが、そこに至るまでの父・息子のそれぞれの愛情が暖かくていいな〜と改めて思いました。
展開は本当にゆったりとしているけど、だからこそそれぞれのシーンで感じられる愛情や思いやりを静かに楽しめるドラマですね。
8話は緊張感のあるストーリーでした。
でも「北の国から」と違って、自然の脅威がそれほど強調されてなかったですね。
やはり今作は親子の絆が一番のテーマなのでしょう。
拓郎が高校生の時に家庭教師をしていた堂本は、拓郎の過去を勇吉に語ります。
拓郎はかつていじめられていました。拓郎は穏かな性格だし、「暴走族」というイメージからは遠いと感じていたので、今回明らかになった過去に納得です。
友人の追悼のために刺青を彫ったという拓郎。ただそれが「死神」というのはどうなんでしょう^^; 演出の問題かもしれませんが、あの映像には違和感がありました。そして家庭教師や母に刺青を見せることを拒んだ拓郎は、後悔しているんでしょうか? まだよく分かりませんでしたが、10話のタイトルが「刺青」みたいなので、今後さらに語られるのでしょう。
そして勇吉は拓郎の想いを知ることになります。「今はまだ許してもらえないけど、あなたに着いていくと彼は泣きました…」。いいですね。
本当は拓郎だって苦しんでいたし、深く後悔していたはず。
でも勇吉は憎しみに駆られた結果、自分のことばかりで、拓郎のことを考えてあげられる余裕がなかった。
だから拓郎の本当の気持ちも分からなかったんだけど、自分の狭量さに気づいたことで、親子の雪解けへとまた一歩近づきましたね。
7話は大きな事件もなく、今までの中でも特にゆったりと見れました。
朋子・老紳士・老婆・元同僚など、周囲の人々に影響されることで、勇吉が拓郎への接し方を見つめ直して成長していきましたね。
父と過ごした幼い頃の日々を回想して、「貧しくて何もなかったけど、あの頃の暮らしが一番良かった」というサブちゃん演じる老紳士の台詞。
この老紳士は夜逃げした後に別の土地で成功を収めたという設定みたいですが、本当に幸せだったのは家族と過ごした時間だった。
家族サービスで富良野に旅行に来た元同僚が、かつての自分と重なって見えた勇吉。仕事に没頭して金銭的な成功が得られても、それが家族の幸せとは比例しないということを実感した勇吉。
仕事を理由に、いかに今まで家族をないがしろにしてきたか…勇吉は初めて実感したのかもしれません。
そしてゲストのお婆ちゃんの愚直なまでに息子を信じる気持ちは、勇吉にはないものでした。
親だからこそ、子を信じてあげるべきなんですね。
最後の「小さな自分の周りを見つめていく」という勇吉の決意、良かったです。
ラスト、外から部屋の中の拓郎を見つめた時の勇吉は、まさに「父の顔」でした。この時の寺尾聰さんの表情もすごかったです。
ドラマチックではなかったですが、7話は勇吉の成長が丁寧に描かれた回でした。
このままいけば親子の仲も大丈夫だと思うけど、でもまだ残り4話あるので、まだまだ波乱があるんでしょうね…。
5話まででじっくり描かれてきた勇吉と拓郎の関係が、ガラスのように壊れてしまいそうな、もしくは大きく進展していきそうな…6話は見ていてそんな緊張感がありました。
ゲストの存在感は今までにも増して薄かったですが、本編の親子関係のストーリーに満足できる回でした。
梓はクリスマスイヴの夜に、勇吉と拓郎を引き合わせようとします。
最初は余計なことのようにも感じたけど、この親子にはこのぐらいの荒治療が必要なんでしょうね。
今までは梓の行動に疑問を感じる部分も多かったけど、6話ではペアペンダントをプレゼントするなど梓なりの「優しさ」が感じられました。
それでも拓郎が走り去っていく後ろ姿はせつなかったです。今までの中で一番の名シーンかも…。
”ずっとそばにいると あんなに言ったのに…”という「明日」の歌詞と見事にマッチしていました。。
3話では拓郎が勇吉の姿をこっそり見に来るシーンがありましたが、予告では勇吉が拓郎の姿を外から見るシーンがあったので、今後は今までと逆のような感じになっていくのでしょうか…。
毎回めぐみを相手に自問自答しながら勇吉も成長していく、というストーリーでもあるみたいなので、拓郎が近くに居ると知ったことで、勇吉の心境がどのように変化・成長していくのかも今後楽しみです。
4話がインパクトのある話だったので、それに比べると5話はゲストの存在意義が希薄だったりと、少し地味に感じられました。
まあこのまったり感が「優しい時間」の魅力でもあるわけだけど。。
5話は勇吉と梓の和解がテーマでしょうか。
前回勇吉とのやり取りで一方的に激怒した梓ですが、拓郎や朋子から話を聞いたことで、人間的な成長が見られましたね。ただ私は勇吉が梓に酷いことを言ったとはあまり思わなかったので、少し感情移入しにくかったところもあります。
前回から気になるのはやはり音成さんの件です。
香典を返しに来た時の奥さんの言葉には「今さらもらっても…」というような憎しみの気持ちも含まれていたのでは?
もちろん妻を残して簡単に死んでしまった音成さんにも問題があるわけで、借金に応じなかった勇吉が悪いというわけでもない。
でもあの香典にはおそらく200万入っていたのだろうし、今は勇吉も貸してあげれば良かったと後悔しているはず。
このドラマって分かりやすい善人や悪人は登場しないですね。人間は皆、情けないところがあったり、優しいところがあったりする…と。
3年前の事故時には、めぐみが拓郎に何かを問い詰めていたという新事実が発覚しました。
ただあの回想シーンの映像からすると、明らかに運転を妨害していたので、事故も仕方がなかったような気も…。
一人で罪を背負って生きている拓郎が可哀想だなぁという感が強まりました。もちろん拓郎にも非があったのだろうけど、拓郎の気持ちを考えるとせつないですね…。
音成の借金、梓の横領?、1000万円の結納金など、今回はお金が絡むシビアな話が多かったです。
人間はお金に惑わされやすいものですが、そんな中でもどうやって自分の正しさとか信念を維持できるか?というようなテーマを感じました。
音成の借金問題は、「優しさ」について考えさせられますね。
安易に助けを差し伸べることが、本当の「優しさ」ではない…。
もしかしたら借してあげることは、勇吉にとって簡単なことだったのかもしれません。
でもそれでは音成のためにはならないと勇吉は考えたのでしょう。
人に厳しく言うこと、厳しい人間であることはそれなりに体力のいることなので、そういうことを正面から言ってくれる人って貴重ですね。
ですが意外にも音成は自殺してしまいます。
勇吉の厳しさに裏打ちされた「優しさ」が裏目に出たわけですが、それでもめぐみは「厳しい人がいなかったら世の中どんどんダメになるから必要」だと言う。
めぐみの言うことには確かに同意できますが、やはり人の死とは重大なことであり、あえて葛藤を残しているように感じました。
本当の優しさとは何なのでしょうか…? 丸く収まらずにそういう問いに逆戻りしてしまうような奥行きが感じられます。
一方、梓はまたヒステリックな人物に逆戻りしてしまいましたね。
その身勝手さに見ていて少しイライラしてしまうところもありましたが…。このヒステリックな梓の性格も今後の展開のキーになっていくのかな?
3話は今までの話の中でも内容が濃かったです。
親子の断絶とその絆の再生が「優しい時間」の一大テーマですが、今まではどの程度の溝なのか、よく分からなかったんですね。
それが今回の2つの回想シーンで見えてきました。
勇吉と拓郎は富良野(北時計)で一度再会していました。
せっかく会いに行ったのに、父にあんな態度を取られたらさすがに会いにくくなるでしょうね。
様子を見に行っても、声をかけることができないラストの拓郎がせつなかったです。
そして回想シーンの勇吉は、「森の時計」で働いている時のような穏かさはなくて、厳しさと拓郎への憎しみが感じられました。
一方、梓の過去も明らかになって、1〜2話で見られたヒステリックな性格も納得。でも今は拓郎との仲が順調に見えるけど、今後波乱がある?
今回のゲスト(高校教師)は2話に続いて存在感が少し薄かったですが、自分よりも相手のことを優先的に考えられることが「優しさ」ということなんでしょうか。
謝ってすっきりしたいという自分のためのわがままを、勇吉は見抜いたんですね。
拓郎の師匠の六介は豪快な人物で、息子との再会シーンには暖かみがあって良かったです。
ということで3話は文句なく面白かったです。3話で判明した親子の確執も、本来なら1話の段階で見せるようなシーンだと思いますが、じっくり時間をかけて描かれていくのは贅沢な作りですね。
今後も親子のすれ違いが丁寧に描かれていくのでしょう。そんな穏かな時の流れを楽しみたいです。
2話は1話ほどまったりしてなくて、静かに物語が動き始めた感じ。
拓郎と梓のシーンが多かったど、梓はなぜヒステリックに皿を割りまくっていたんでしょう? 1話での皿を壊した後の反応も少し変だったし、何らかのトラウマとか精神的なものがあるのかな?
拓郎がなぜ爪ブラシを歯ブラシと間違えたのか?というのもよく意味が分からないシーンでした。単に爪ブラシの存在を知らなかっただけ?(笑)。 拓郎が梓と父の意外な関係を知ってしまったことで、この三人の関係が今後複雑なものになってきそうです。
今回のゲストは新婚カップル。共に性体験がないので、初体験を迎えて衝突してしまったという二人。
これもテーマが分かりにくかったけど、机上の知識に拠りかかっていても、相手(女性)のことは分からないってことかな?
んーでも茶髪について少し大げさに捉えていたことも含めて、時代感覚が少しズレている感じが2話はしましたね。
それを古臭い!と言わずに好意的に捉えると、これは倉本氏のアンチテーゼなのでしょうか。息子が茶髪にしたら時代のせいにせず怒っていいし、早熟化しているけど成長のペースも人それぞれなんだと…。
あとは常連客の顔ぶれも毎回微妙に変わるみたいで、1話とは違いましたね。それぞれほんの少しの出演ですが、こういうところも凝ってるなぁと思います。
見ていてじんわりと、静かな感動が湧き上がってくるドラマで、期待以上に良かったです。
前半は少し退屈に感じられるところもありましたが、後半の暖炉での水谷との会話〜亡き妻との会話のあたりは完全に引き込まれました。
ストーリーを簡単に振り返ると、海外駐在経験もあるエリート商社マンで、仕事人間だった勇吉(寺尾聰)が、妻・めぐみ(大竹しのぶ)の死を機に会社を辞め、妻の故郷である富良野に移住して喫茶店を開くという話。
めぐみが「森の生活」という本を読んでいた回想シーンがあったように、故郷の富良野で落ち着いた生活を送るのは、めぐみの希望であったはず。
妻の生前にはそれが叶わなかったものの、今までの仕事人間だった自分を改めるかのように、もしくは妻への贖罪のために、富良野の森で静かな時を過ごす勇吉。
そんな勇吉の元を訪れた水谷夫妻ですが、水谷(時任三郎)は過去の勇吉の姿と重なります。
取り返しのつかない妻の死を前にして、改めて妻と過ごした時間の少なさと、仕事漬けだった人生を省みるも、もう時間は元にもどらない…。
人は失った時に初めてその大切さに気づく…このやるせなさがたまらなくせつないです。
それと同時に暖さが感じられるストーリーでもありました。妻はもういないけれど、従業員や常連客らが誕生日パーティーを開いてくれる。
この周囲の人間の「優しさ」に、見ていてるこちらまでもが何か救われたような気持ちになりました。そしてこの優しさが、妻を死なせた息子・拓郎への態度にも影響を与えていくのでしょう。
「北の国から」とはけっこう違うドラマという印象ですが、同じく丁寧に作り込まれた良質なドラマであることは確かですね。舞台の「森の時計」も見ていて心地の良いすてきな空間でした。来週から本当に楽しみです!
「優しい時間」は倉本聰さんの久しぶりの連ドラ、しかも舞台は富良野ということで「北の国から」ファンとしては期待が高まります! 発表されている人物設定を見ると、それだけでも「北の国から」を彷彿とさせるものがありますね。
・田中邦衛(五郎)
→ 寺尾聰(勇吉)
・石田あゆみ(令子)
→ 大竹しのぶ(めぐみ)
・吉岡秀隆(純)
→ 二宮和也(拓郎)
・れいなど純の恋人役
→ 長澤まさみ(梓)
こんな感じ?
東京から富良野への移住や、妻に先立たれるのも同じですね。テーマである「父と子の絆」も純と五郎の関係を通して描かれていました。
ただ「北の国から」を振り返ってみると、大自然の中で生き抜く姿や本当の豊かさとは何かなど、文明批判が大きなテーマになっていました。「優しい時間」では、それよりも「人間の絆」によりスポットが当たっているような感じがします(現段階の情報では)。
番宣を兼ねた1月9日の特番(
→参照)も、ドラマの雰囲気や出演者のみなさんの演技はとても良い感じでした。毎週「優しい時間」が感じられるドラマになるといいです。1話が楽しみです!