プライド
A Story of Love & Fight...
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レビュー

「プライド」レビュー


管理人の個人的な感想です。
私は脚本の野島伸司さんのファンなので、ここでは野島ドラマファンとしての感想になります。


1/12放送 第1話「愛と青春の絆」 (1/13up)  ★★★★☆
1話はあまり期待しないで見ましたが、思ったより面白かったので満足です。
何と言っても今作は木村拓哉さんの主演なので、ドラマも木村さんに合わせて作られるのかなと思いましたが、やっぱり野島さんの脚本だ!というものが随所に感じられたのが嬉しかったです。

なんとなく「古臭さ」も感じたけど、逆にそれがこのドラマの世界観になっているんでしょう。この点は賛否両論別れそうですが…。

あとスポーツものの物語って、本物の緊張感には勝てないと思うからあまり好きではないのだけど、1話を見る限りではホッケーシーンはそれほど多くなさそうですね。

ストーリーは、(ハルと亜樹の)「ゲーム恋愛」という刹那的な関係から始まったところが面白いと思いました。
ハルにはホッケーが、そして亜樹には海外に行ったきりの恋人がいて、互いに本気の恋愛ができないし求めてもいない状況。だからゲーム的な関係は互いにデメリットもないし、傷つかずに済む。それでも次第にゲーム関係から恋愛関係に発展していくんでしょうけど。

でも亜樹が恋人を待つのをやめて、ハルと結ばれてハッピーエンドっていうのは単純すぎるし、それは今まで野島さんが否定してきた愛の形なんですね。孤独に耐えきれなくて手放すのは愛ではない、といったような。だから、この二人の結末がどうなるのか楽しみです。

気になったところでは、元コーチの時任さんがいきなり死んでしまいましたね…。
このあっさり具合から、プライドは基本的に明るいトーンのドラマなんだなと思いました。

木村拓哉さん演じるハルは、心にバリアを張っているような感じで、まだ自分を出していないですね。つかみどころのない感じがします。 ゲーム恋愛は表面的なものでしかないので、「本気」になった時とのギャップが出ると面白そうです。

竹内結子さんが演じる亜樹は、奥ゆかしさや一途さがいいですね。まさに「古き良き時代の女」。 だから彼の帰りを待ち続けるわけだけど、ハルとのゲーム恋愛を受け入れたのは、やはり孤独だから?

でもそう簡単にハルに本気にならないだろうし、一途に待ち続けてもハルとの恋が進まないし、、、という葛藤が、今後面白そうです。

ということで、1話は面白かったです。


1/19放送 第2話「孤独に負けない強さ」 (1/20up)  ★★★☆☆
「メイビー」の連発はあまり面白いと思えないなぁ…。

1話はハルの影の部分に興味がひかれたけど、それは母に見捨てられたから、という理由でした。 それにしてもハルって”カッコいい”男性ではないですね。見る前は、キムタクだしもっと英雄的な部分が多いと思ったけど、身勝手だったりすぐに茶化したり、人間的な弱さを多く持っていると思います。チームでは英雄的存在だけど、アイスホッケーのシーンは少ないので。

そういう人間味のあるキャラクターなのは好感が持てますね。 おそらくハルという人物には、こんな弱い男でも愛して欲しい、という願望が込められているんだと思います。 ヒーローとしてではなく、一人の人間としての。これは野島ドラマに多いパターンです。

そんなハルという人物を、日本を代表するヒーロー・キムタクが演じる…というのもなんだか面白いです。


1/26放送 第3話「美しきリーダーの形」 (1/27up)  ★★★★☆
3話は結構楽しめました。
3話は本当の優しさとは何か?がテーマになっていたと思うけど、安易な優しさを与え合うことよりも、互いを高め合いたいというハルの言動が良かったです。
ハルのスポーツマンとしての生き様が初めて見られましたね。カッコいい!

チームメイトに厳しいハルに対して、そんなハルが気になって見守る亜樹。 孤高のヒーローとそれを包み込む母性という感じだけど、ハルはアイスホッケーさえあればいいと言いつつ、亜樹の存在をどこかで嬉しく思っているんですね。
「人生=アイスホッケー」でしかなかったハルが、誰かを真剣に愛することになる(であろう)過程が見られた3話でした。


2/2放送 第4話「男の友情と女の意地」 (2/3up)  ★★★★★
4話は今まででも1番面白かったです。
このドラマは「古臭い」とか「セリフが寒い」という評価があるけど、私もそれは同感です。 だから引いてしまう部分もあって、あまり深く入り込めなかったり。

でもこのドラマの「時代遅れ」感は、制作サイドの確信犯なんでしょうね。 今の時代から見ると、「古き良き」にこそ新鮮さがあるのでしょう。

『笑われたっていい。古いって言われたっていい』というクラブに乗り込んだ時の亜樹のセリフ。このセリフが「プライド」の精神性を表していると思います。 現代へのアンチテーゼとして、「古き良き」言動を恥ずかしげもなく全面に出す男と女たち。

この古き良き世界観はあまりリアリティはないかもしれないけど、ロマンチックでいいですね。亜紀のこのセリフのシーンはしびれました。

でも一方で4話の大学生たちのように、「古い」って言って笑う人もいるわけですが。よってこのドラマは好き嫌いは別れる気がします。


2/9放送 第5話「心の傷」 (2/10up)  ★★★☆☆
5話は心の傷がテーマでしたけど、その大和のトラウマが「取って付けた」ような感じがしました。残念ながら…。もっと深刻だったり引きずるようだったら納得できるけど、もう5話内で解決してしまったみたいだし。

「プライド」は基本的に明るいトーンのドラマだからか、こういうシリアスなエピソードを入れてもなんだか胸に迫るものが感じられないです。 だから個人的には、3話・4話のようなどこかハジけた青春ものの方が面白いですね。それでも、二人が走るシーンや夜の事故現場で語り合うシーンはけっこう良かったですけど。

それにしても、ハルが遺族の家を訪れて深刻な話をした後に、父親の「メイビー」発言は一体どういうことなんでしょうか。。(苦笑)
その意味不明さが強烈な印象として残っています。。


2/16放送 第6話「母へ」 (2/17up)  ★★★★★
6話は「母へ」というタイトルなので、親子の愛情物語かなと思いきや、最後に裏切られる展開が意外でした。印象的なストーリーでとても良かったです。

そしてハルと亜樹は結ばれたけど、果たしてこれはハッピーなことなのだろうか?という疑問が。
ハルは、亜樹が一途に2年も待ち続ける古風な女性だから惹かれたのでは?
亜樹は結局、彼の帰りを待てなかったので、「古き良き女」ではなくなってしまった気が。
この点に矛盾を感じましたが、まあ、今後の展開で説明があるかもしれません。

亜樹の彼氏(夏川)をどこか悪者というか、愛のない人間にしてしまえば解決は簡単だけど、安易にそういう解決はして欲しくないです。

あとは、容子のセリフが良かったです。

> 優しい人が好きなんていう女の子はダメよ
> 自分が優しくない証拠だから
> 愛情をいっぱい持ってる子は、相手に優しさなんて求めないの


これは、愛されたいか、それとも愛したいか、という違いのことなのかな?
誰かに愛されたいと望むばかりでは、誰かを愛する心の余裕がない。
逆に愛情を与えることができる人間は、無理に見返りを求めたりはしない。

それが、息子に何かを求める母親像(松坂慶子)と、すべてを与える母親像(亜樹)で対比されていた気がします。 このように、6話は亜樹がより母性的に描かれていたので、ハルと亜樹は恋人というより母子関係のような感じもありました。


2/23放送 第7話「波乱」 (2/24up)  ★★★☆☆
一気に別れ(?)が訪れてしまいましたね…。でも話は続いていくわけだから、どうしても今後の展開の前フリのようにも感じました。ここで一度離れたということは、最終的には二人は結ばれるんだろうなぁと。
ただ、すれ違いのシーンはせつなかったですね。この時の二人の心境を考えると深いものも感じられます。

あとは突如出てきた「氷の女神」って何?という感じだけど、 兵頭のセリフからは、自分を追いつめてストイックに生きるか、それとも愛のぬくもりの中で穏やかに生きるか、という対立があるようです。

アイスホッケーにすべてを捧げるために、本気の恋愛はしないと決めているハルが、誰かを愛することを知る、つまりホッケーだけの人生に別れを告げて、Born to Love(愛するために生まれてきた)を知る…。そういうこと?

でも前者のストイックな生き様も簡単に否定できないと思うので、今後は「氷の女神」を巡る展開も楽しみになってきました。兵頭はシブいところが気に入っています。兵頭も「古き良き時代の男」ですね。


3/1放送 第8話「悲劇」 (3/3up)  ★★☆☆☆
8話は微妙…。疑問を感じるシーンが多かったです。

疑問点
・恋人の前で「金目当て」でしかないことを見せ付けるという百合のキャラクターにリアリティを感じにくい。 そんな打算的な人間を、「古き良き男」である大和が嘘をついてまで恋人でいたいというのが前から理解できない。 グリモンのキャプテンに結婚してくれと必死に頼むのも「?」。そこまでして百合を幸せにしたいという大和の動機が何なのか見えてこない。

・夏川は実は嫉妬深くて独占欲が強い男? でもそこまで亜樹に執着心があるのなら、なぜ2年間も連絡を取らなかったのか? 次回予告の「ハル=いい人/夏川=悪い人」という見せ方も単純。

・夏川「寂しさから過ちを犯すこともある」
に対して
ハル「真実しかなかった」
はどういうことなのか?

そもそもハルと亜樹がなぜ1話ラストでゲーム恋愛を始めたかというと、夏川が帰ってくるまでの間、互いの寂しさや孤独を埋めるためだった。 それが本気になったとしても、亜紀には海外に彼(夏川)がいたわけだから、悪く言えば浮気なんですね。それなのに、ハルや亜樹にそういった葛藤がまったくないのが疑問です。

まあ、今後の展開に期待します…。


3/8放送 第9話「号泣」 (3/9up)  ★★★☆☆
8話は疑問が多かったですが、9話はけっこう良かったと思います。
単純に「ハル=いい人/夏川=悪い人」にはならなかったですね。ホッとしました。

ハルの復讐はやりすぎ!っていう見方が当然あるだろうし、夏川もまた、単なる悪役ではないことを感じさせる9話でした。 夏川はもっといい人になって、ハルと競い合って欲しいです。

でもハルの復讐って、それだけ亜樹を大切に想っていたことの裏返しなんですね。
やりすぎではあるけど、人間味や愛情がそこには感じられます。

あと9話では、「ハルは待っててくれる女の子じゃないとダメなの」という亜樹の告白がありました。
この「待つ」っていうのは、2年間待ち続けた夏川のことですよね。
夏川を待ち続けることができなかった自分だから、自己嫌悪があったということでしょう。今までそういうそぶりがまったくなかったのが疑問でしたが、やはり亜樹には葛藤があったわけですね。古き良き女として。

だけどハルの方はというと、何の罪悪感も見せずに(6話で)亜樹と結ばれたのだから、ハルは亜樹の「心清くないことへの自己嫌悪」に対して何とも思ってないのでは?
このセリフの時点では、亜樹の目指す愛情は志の高いものだけど、ハルはそれに対応しきれてないと思う。そして亜樹は一人で突っ走っている気が。うーん、まだよくわかりません。。


3/15放送 第10話「希望」 (3/16up)  ★★★☆☆
7話〜9話で亜樹に傾いていたハルが、またアイスマンとしての自分を取り戻しました。 でもその結果、亜樹を愛することもできなくなってしまいましたが…。

ハルは何事にも真剣なので、どちらか一方を選択しなければならない。
そしてハルは亜樹ではなくホッケーを取った。そして自分に合う女はどこにもいないと言った。それに対して亜樹は「ハルは誰も愛そうとしない」と非難した。
ここにきてハルの自己愛にスポットが当たっていると思います。

だから最終話でハルは「自分の夢を追いかける」ことよりも、「人を愛することの大切さ」に気づくんだと思います。この10話で言っていたことを否定して。
それならメッセージが主題歌の「Born To Love」(愛するために生まれてきた)にも繋がる。

でもそうするとホッケーというかNHLの夢を捨てなければならないわけで、どうなるのかな?
ホッケー(NHL)の夢を追いかけつつ亜樹とも結ばれる、っていうのは、今まで兵頭を通して語られてきた「ホッケーか女か」の対立が崩れてしまうと思います。
まあ、意外性のある最終話になることを期待。


3/22放送 最終話「愛という名の誇り」 (3/24up)  ★★★☆☆
最終話は意外にオーソドックスな展開でしたね…。拍子抜けしてしまうほどにきれいなハッピーエンドでした。
不満も残りましたが、、ハルの帰国後のインタビューのシーンが、最終話で一番良かったです。兵頭が投げかけていた問いの答えにもなっていました。

結局「プライド」はエンターテイメント作品に仕上がっていたので、楽しめる人にはいいドラマだったんだと思います。見た目も、豪華な出演陣と目新しいアイスホッケーで、華やかな感じだったので。

今思えば、前半は「青春」のトーンが良かったです。スポーツマンたちの爽やかな青春というか。ただ後半、夏川の登場で恋愛ドラマになってからは、疑問を感じてしまうシーンが多くなったのが残念でした。

ということで私は前半(1〜6話)が好きです。後半は、兵頭コーチがからむシーンが良かったです。
名シーンや名セリフがある一方、不満や疑問もそれなりにあり、というドラマでした。

私の感想はノベライズ本についてに続きます。

おまけ:私的ランキング

○好きな話
1.4話「男の友情と女の意地」
2.6話「母へ」
3.3話「美しきリーダーの形」

○好きな挿入歌
1.Let Me Live (5話・走るシーンなど)
2.Too Much Love Will Kill You (2話・レンタルビデオ見るシーンなど)
3.I Was Born To Love You (主題歌)



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