仔犬のワルツ・事件の真相に迫る!









以下はすべて最終話を見終わった人向けの内容で、ネタバレを含みます。ご注意ください。








全話終了してもスッキリしない、謎が残る最終回でしたー(><)
というわけでこのページでは、一連の事件の真相について考えていきたいと思います。
推理や指摘などがありましたらBBSの方に書いてください。

人物相関図


最終話で判明したこと

譜三彦は実は鍵二で、18年間演じていた。譜三彦は18年前の事故で死亡。

・試験の目的〜奏太郎 … 事故後に冷凍保存していた鍵二を蘇らせるため
ただし、冷凍保存した鍵二は実は譜三彦。鍵二だけがそのことを知っていた。

・試験の目的〜鍵二 … 神と悪魔のピアノの音色によって人類を洗脳し世界平和を実現するため

・グロリアを作曲したのは鍵二

・あるダンサーとの恋を、ふさわしくないとして奏太郎に引き裂かれた鍵二。その時に生まれた子がノッティー。
・葉音は譜三彦と律子の間に生まれた子。(律子は鍵二と結ばれたと思っていたが、実際は譜三彦だった)
・唱吾の母親は片岡(女医)。片岡と奏太郎は愛人関係にあったので、その時に生まれた子。

・おそらく小暮と宮西は、唱吾か譜三彦を犯人だと疑っていた。
・10話ラストで宮西が犯人らしく見せられていたのは、宮西と小暮と芯也の演技で、宮西が犯人だと唱吾を欺くため。宮西が愛児園出身というのは作り話。
・最終話冒頭、特別室で宮西が芯也が撃ったのは、監視している譜三彦(実は鍵二)に、宮西が犯人だと欺くため。
・その罠にかかったのは唱吾で、宮西に千世を殺させようとしたが、現行犯で逮捕。


一覧表:各事件の犯人は誰?その動機は?

事件内容 考えられる犯行の動機
芯也(32) 鍵二(36) 唱吾(25)
[2話] 第一の殺人
調律師・松野のひき逃げ(未遂)。
その後、入院先の病院に忍び込んで息の根を止める。

音楽の冒涜
or
不正の口封じ

音楽の冒涜

不正の口封じ
[3話] 第二の殺人
人形師・フミヨの絞殺
髪の長いカツラをかぶり、舞子を装う。

音楽の冒涜
or
不正の口封じ

音楽の冒涜

不正の口封じ
[4話] 第三の殺人
空間コーディネーター・池田の刺殺
芯也の所持品である指揮棒を凶器に使う。
--
池田は犯人を部屋に迎え入れていたので面識がある人物

音楽の冒涜
or
不正の口封じ

音楽の冒涜

不正の口封じ
[6話] 芯也の履歴書を書く
修理工場に芯也の履歴書を残すことで、
芯也に疑いの目を向けさせる。
-
[6話] 第四の殺人
舞子を殺害
18年前の鍵二の事故を解明しようとしたから?

バイク事故の真相と本当のグロリア作曲者を知った舞子の口封じのため

試験の続行に邪魔
×
特に理由はない?
事件 内容 芯也(32) 鍵二(36) 唱吾(25)
[8話] 小暮を襲う
千世を病院に連れ帰ろうとする小暮を襲う
銃殺しようとするが、ハートのアクセサリを見たことで思い留まる。この時、犯人は拳銃を奪う。

舞子殺害を追求していたから?
最終話で持っていた拳銃が証拠

試験の続行に邪魔
×
特に理由はない?
[9話] 器一は殺された?
聖香の檻の南京錠が簡単に壊れたのは、そう仕組まれていたからだと唱吾は脅える。
器一の殺害も犯人が計画?

小暮強襲の現場を
目撃されたから

生贄のため?

水無月家を根絶して学長になるため
[10話] 葉音を突き落とす
客船の甲板から葉音を海に突き落とす。服装が同じなので、律子を殺そうとして間違えた可能性もある。

落とした後で助けるのは変だが、
犯人ではないというアピールになるし、葉音を欺くこともできる
×
神と悪魔を求めていたので殺すのは変

ライバルを排除して学長になるため
[10話] 律子を窒息死
洗面台で律子を窒息死させる。

ライバルを排除して学長になるため
(葉音を助けた後眠っていたが、
葉音を助ける前に殺害していた可能性もあり)
×
妹に同情していたので 殺す理由はない

水無月家を根絶して学長になるため
[最終話] 教会に放火
最終試験場の教会に放火
×
教会の中にいた
×
教会の中にいた

水無月家を根絶して学長になるため
事件 内容 芯也(32) 鍵二(36) 唱吾(25)


犯人と犯行動機の詳しい推理 (7/3up)

各事件の犯人とその動機について、確実な部分から考えていきたいと思います。



0. 18年前の鍵二のバイク事故犯は?

*(7/3追記)
これは放送の中で明らかになっていますが、はじめに18年前のバイク事故についておさらいしておきます。

-18年前の事件内容-
千世の愛情はすべて鍵二にそそがれた。
そのことに嫉妬した奏太郎は、当時修理工場で働いていた孤児の芯也に、バイクの細工を依頼。
事故死が成立すれば、鍵二の代わりに養子にしてやると。
芯也は苦悩するが、奏太郎の陰謀に加担。ブレーキパッドを外して事故が起きる。そしてこの事件を契機に、芯也に悪魔の心が芽生えてしまう。

ただし、実際に負傷したのは鍵二ではなく譜三彦の方だった。
女医の片岡は病院に運ばれてきた鍵二(実際は譜三彦)を見殺しにして殺害。動機は水無月家への復讐?
生き残った鍵二は、譜三彦として18年間生きてきた…。

18年前の事件については、計画犯が奏太郎、それに加担したのが芯也、とどめを刺したのが女医の片岡
ということで、3人の人間が関わっていました。18年前なので事件としてはすでに時効。
それでは以下、確実な部分から各事件の犯人について考えていきます。

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1. 8話で小暮を襲ったのは芯也

-8話事件内容-
病院から脱走した千世を特別室で見つけ、病院に連れ帰ろうとする小暮を襲う。
(千世が食事時に使っていた?)フォークで刺した後に銃殺しようとするが、
(葉音が小暮にプレゼントした)ハートのアクセサリを見たことで思い留まる。犯人は拳銃を奪って逃走。

まず、8話で小暮を襲ったのは芯也で間違いないでしょう。

-根拠-
・ラストシーンで芯也が持っていた拳銃は、8話で小暮を襲った時に奪ったもの。

・ハートのアクセサリを見て小暮の銃殺を思い留まったのは、葉音のことが頭をかすめたから。
もしくは「犯人は心がない」という小暮の推理が当たっていた。(事実、芯也は心のない悪魔であることがラストシーンで判明)


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2. 6話で舞子を殺害したのも芯也

-6話事件内容-
鍵二のバイク事故の件で修理工場に行き、特別室を詮索していた舞子が、
何者かに殴打された後に殺害。真犯人を突き止めようとしたから殺害された?

8話でなぜ芯也は小暮を消す必要があったのか?を考えると、
6話で舞子を殺害したのも芯也だと思われます。
舞子殺害の件を追う小暮が邪魔になったので、8話で襲った。 それはすなわち、舞子殺害犯は芯也だから。

-動機と根拠-
・舞子は18年前のバイク事故(芯也が奏太郎に協力)の件を独自に追求し、「真犯人を死刑台に送る」と意気込んでいた。 相続レースを勝ち抜いていくにあたって、真相を暴こうとする舞子の存在は邪魔だった。

・舞子は特別室でグロリアの手書きの楽譜を見つけた。
おそらくその筆跡から、グロリアの作曲者が少なくとも芯也ではないことを突き止めた舞子。それも芯也にとって不都合だった。

*(7/3追記) [補足] グロリアの楽譜についてはこういう流れだと思います。
1.停電後の特別室のシーンで、舞子は鍵二と文通していたことを芯也に話す(鍵二の筆跡を舞子は知っている、と芯也は思う)
2.舞子が特別室でグロリアの楽譜を見つける。自分ではなく鍵二作曲であることがバレたので、口封じが必要になった。

といっても、器一が鍵二の手紙を代筆していたのが本当ならば、舞子は鍵二の筆跡を知らないので、グロリアの本当の作曲者にも気づけない。 それでも少なくとも芯也ではないことはわかります。もし楽譜も器一が代筆していたならば、舞子はその筆跡から鍵二作曲だと判断するでしょう。

・6話ラストシーン、ワルツがにおいを嗅ぎ分けるようなシーンが映し出されていた。 ワルツが見つけたという血のついた手袋は、おそらく舞子殺害の時のもの。


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3. 芯也の犯行はこれだけ?

上記2つの犯行は芯也で確定的だと思われます。
じゃあ芯也の犯行はこれだけか?というと、それも違いそう。

-根拠-
・最終話ラストシーン:
葉音の「ずっと待ってる」に対して、「何を言ってる、僕は死刑だ!」と答えた芯也。
上記の2件だけでは死刑にならないはずなので、他にも犯行を重ねていたと考えられます。

・最終話ラストシーン:
葉音の「血のついた手袋を見つけた」に対して、「それだけじゃないだろう。君はいつから…」と答えた芯也。
その手袋が6話の舞子殺害の時のものだと仮定して、「それだけじゃないだろう」と答えたのは、6話以外にも犯行を重ねていた証拠。

というわけで、上に挙げた[1][2]以外にもいくつかの犯行を芯也がやっていたはず。
まず10話の犯行を考えてみます。


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4. 10話の二つの犯行

-10話事件内容-
試験終了後、甲板にいた葉音を海に突き落とす。
また、洗面台で化粧を直していた律子が窒息死。二人とも同じ白い服を着ていた。

上の表にまとめたように、鍵二にはこの二つの犯行の動機が見当たらないので除外します。
よって10話の犯行は芯也唱吾に絞られるでしょう。

芯也犯行説: 葉音突き落とし

-動機-
・葉音を突き落とした後で助けるのは変だが、そうすることで犯人ではないというアピールになるし、葉音をも欺くことができる。

-矛盾点-
・二人とも、もしくはどちらかが溺れ死ぬ危険性があるのに、そこまでやるのか?という点。
(パートナーの葉音が死んでしまったら学長レースから脱落してしまう)

・甲板で葉音が見当たらず「まさかっ!」と言って海を覗き込んでいたが、自分で落としておいてああいう態度を取るのは変。(視聴者に対する演技? 笑)

芯也犯行説: 律子殺害

-動機-
・最終試験に残ったのは芯也=葉音と、律子=ノッティーの2組だけ。
律子を殺害することで、戦わずして学長になろうとした。もしくは最終試験を有利に運ばせようとした。

・葉音の母親は律子。自分が学長になるにあたって律子の存在は邪魔だった?

-矛盾点-
・葉音を助けた後にベッドで眠っていたので、律子を殺害する余裕はない。(葉音を助ける前に律子を殺害していた可能性もあり)

・律子を殺害してもノッティーがいる以上、奏太郎は試験を続行させた可能性が高い。 それならば律子よりもノッティーを殺した方が都合が良かったはず。(実際、譜三彦がノッティーのパートナーになった)

すべての犯行が芯也であれば、それはそれで収まりがいいけど、ちょっと矛盾点が多いのが気になります。
次に唱吾の動機。

唱吾犯行説: 葉音突き落とし&律子殺害

-動機-
・10話でパートナーの幸子(知樹)が敗退して行き詰った唱吾が、残ったライバル(芯也と葉音、律子とノッティー)のうち、一人づつを殺害することで学長になろうとした。

・それは同時に、水無月家を根絶やしにすれば唱吾が財産を乗っ取れることを意味する。

芯也の可能性もありますが、唱吾の方が矛盾点はないです。
とりあえず10話の犯人については保留しておきます。次に最終話の犯行について。


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5. 最終話の放火と、千世と奏太郎の殺人未遂

-最終話事件内容-
・試験会場である教会に、何者かが放火。その時、中には芯也、鍵二、葉音、ノッティーがいた。
・唱吾 … ナイフ片手に千世の殺害をもくろむが、未遂で逮捕。
・片岡久枝(女医) … 最終試験後に奏太郎の手術を担当。その時に毒殺しようとするが、未遂で逮捕。

教会に放火した人物は、手袋をしていた。
鍵二と芯也は手袋をしていないし、その時教会の中にいた。
その後に唱吾が千世を襲っていたことを考えると、放火したのは唱吾で間違いないはず。

-動機と根拠-
唱吾と片岡久枝(女医)は親子であることが最終話で判明します。 4話で律子が、奏太郎と久枝の愛人関係を指摘していたので、この二人の間に生まれたのが唱吾のはず。

そして18年前の鍵二の交通事故の時に、病院に運ばれてきた鍵二(実際は譜三彦)を、 久枝は助けられたにもかかわらず殺した。

ここには愛人という立場からの、千世への嫉妬と水無月家への復讐(?)といった動機があったはず。
実際、鍵二が死んだことで水無月家は象徴を失い、千世は壊れてしまった。(実際に死んだのは譜三彦だけど)。

そして最終話。終盤の方で、唱吾は千世を、久枝は奏太郎をそれぞれ殺そうとした。 水無月家を根絶やしにすれば、唱吾が水無月家の財産と学長の座を独占的に受け継ぐことができる。 そのために母親の久枝も協力した。

そう考えると教会に放火したのも唱吾で確定のはず。 教会に向かう芯也と小暮の会話を久枝がそばで聞いていたので、それを唱吾に電話で伝えた(唱吾が携帯を受けるシーンあり)。 教会の中には譜三彦(実際は鍵二)と芯也がいたので、ライバル二人をまとめて排除できます。

最終話の犯行からわかるのでは、唱吾&女医の母子もまた、芯也と同じように金に目がくらんだ悪人だということ。
この二人が他に犯行を重ねていてもおかしくありません。
次に9話の犯行について。


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6. 9話の器一殺害は計画的?

-9話事件内容-
草原での野犬ピアノバトル。バトル終了後、聖香の檻の南京錠が簡単に壊れ、野犬たちが襲いかかる。
助けに向かった器一が負傷して死亡。
南京錠が壊れやすく細工されていた、と唱吾は脅える。

誰が意図するでもなく、偶然に鍵が壊れた、という可能性もありますが、
意図的なものだとしたら、これも芯也唱吾のどちらかだと思われます。

芯也犯行説

-動機-
器一は8話での小暮強襲現場を目撃しています。
8話の犯人は芯也で確定だと思われるので(↑上の方の[1]参照)、口封じのために殺した、と考えられます。
また相続レースに勝ち残るにあたって、一人でもライバルを消しておきたかったのかもしれない。

-矛盾点-
8話で芯也を目撃したと思われる器一が「犯人は誰か?」と問われて、近くに芯也がいたにもかかわらず、上空を指差していた理由は不明。
考えられるのは、1話で器一は一番大切なものに「家族」を挙げていたので、家族の平穏を願って芯也をかばったというもの。

唱吾犯行説

-動機-
・唱吾と女医の久枝(母子関係)は最終話、教会で芯也と譜三彦(実際は鍵二)を、病院で奏太郎と千世をそれぞれ殺そうとした。
それに加えて10話の律子殺害を唱吾と仮定すると、残る水無月家一族は器一のみ(葉音とノッティーを除けば)。
つまり、唱吾(と久枝)は水無月家の根絶を企てていて、その手始めが器一だった、と考えられます。

・7話で愛人の子であることを器一に指摘され、「薄汚いブタがっ!」とののしられ、殴られた唱吾。
「殺したければ殺せばいい」と言う唱吾に、「望みどおりにしてやるぞ」と器一。器一が去った後に「その言葉そのまま返すよ」と唱吾。よって復讐をしたと考えられる。

-矛盾点-
壊れやすい南京錠の仕掛けに気づいて、ついに兄弟が殺害されたことに脅えていた唱吾。
自分の犯行だとしたら、そこまでネタをバラして脅えるのは変。
(そうすることで自分は犯人ではないというアピールをしたかった?)

南京錠について *(7/3追記)

・野犬が誰を襲うかはコントロールできない。
・野犬に襲われたのは「人間」だけ。聖香の檻だけではなく、犯人のパートナー以外の鍵がすべて細工されていた可能性もあり。

うーん、9話に関しては二人ともに可能性を感じるので、これも保留。
殺害計画はなくて、事故だった可能性もあります。
最後に2〜4話について。


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7. 2〜4話のテストを仕切っていた者たちの連続殺人犯は?

-2〜4話事件内容-
2話:調律師(松野)のひき逃げ。
3話:人形師(フミヨ)の絞殺。
4話:空間コーディネーター(池田)の刺殺。
--
この三人は皆、何者かから多額の裏金を受け取っていて、試験を勝ち残らせるための不正をしていた。
(もしくは、敗退しそうになったらそれをもみ消して勝ち残らせるとか)
4話の池田が裏金をもらっていたかは微妙ですが、女神像のそばに死体と共に空のアタッシュケースがあったので、おそらく受け取っていた。

序盤の2〜4話の、3人の連続殺人について。これが一番の難題だと思われます。
候補は芯也鍵二唱吾の3人。

芯也犯行説

-考えられる2つの動機-
A.芯也以外の人物が買収していた。(1話で大切なものに音楽を挙げている)芯也が、音楽の冒涜を許せずに殺した。(買収した人物に金は戻ってこない)

B.買収していたのは芯也。試験後、口封じのために自ら殺した。(金を取り戻せるという利点もあり)

-矛盾点-
A.芯也は学長(金や権力)が最終目的なのに、音楽の冒涜程度で殺人までするのはおかしい?

B.あれだけの大金をどう用意したのか?など。詳しくは↓検証Bの芯也を参照

鍵二犯行説

-動機-
音楽を愛する鍵二が、買収して不正をしていた可能性はほぼゼロ。
何者かが買収して、その不正を知った鍵二が、音楽の冒涜を許せずに殺した。(買収した人物に金は戻ってこない)

-矛盾点-
・鍵二は繊細な平和主義者だから殺人はしない?
・不正が許せないなら、試験官だけ殺して(買収していた可能性の高い)華子を見過ごすのはおかしい?

唱吾犯行説

-動機-
唱吾が「音楽の冒涜」をキーワードに殺していた可能性はほぼゼロ。
そうするとありえるのは、唱吾が買収して、口封じのため金を取り戻すために殺した、というもの。
経理担当の唱吾は大金を集めやすい立場にいる。実際、7話で経費を水増ししていたことが発覚(使用用途は不明)。

-矛盾点-
・パートナーの歌乃に有利な問題や試験内容はひとつもなかった。

うーん、誰が犯人かわかりません。ということで細かい検証を。

検証A. 不正の内容はどのようなものだった?

2話 … 「答えを教えなかった」(けどその生徒は勝ち残った)と調律師は言っていた。
3話知樹のピアノだけ重りがついていなかった。
4話 … 裏金をもらっていたかは微妙なので、不正があったかは不明。ただ暗闇箱という試験は葉音に有利。

検証B. 誰が裏金を渡していたのか?

華子 … 素直に考えれば華子のはず。息子を裏口入学させたという前科があるし、3話の試験は知樹だけが有利だった。 3話の人形師も「お目当ての子を勝たせたよ」と言っていたけど、それに該当するのは知樹しかいない? *(7/3追記)

-矛盾点-
・6話、100万円の小切手で喜々としていた華子に、アタッシュケース数千万円(数億?)の大金は用意できない?

唱吾 … 大金を用意できるのが唱吾。実際、7話で経費水増しの事実が発覚。

-矛盾点-
パートナーの歌乃に有利な問題や試験内容はひとつもなかった。

芯也 … 不正をしてでも葉音を勝ち残らせて、学長になるため。

-矛盾点-
・あれだけの大金を芯也はどうやって用意したのか?
・2話で葉音は傘を持ってきた時に偶然試験に参加したので、それを計算して調律師を買収したというのはほぼ無理(次の問題までに1日間隔があったのでその間に買収した?)。
・3話の試験はパートナーの葉音に有利な点はなかった。

検証C. 最終話:犯人とその動機のヒントになる発言

最終話、教会での鍵二と芯也の会話。

(鍵二) この二人の才能は生まれながらのものだ。
その才能の開花には、幾多の犠牲が必要だった。音楽の神への生贄と言ってもいい。
(芯也) 100人の才能ある生徒、特殊な試験、エンジェルの導き。
調律師、人形師、空間コーディネーター、彼らは音楽を冒涜した
(鍵二) お前は、俺が犯人だと? いずれにせよ、怪物のような二つの結晶が…

*(7/3書き換え) 「彼らは音楽を冒涜した」という芯也のセリフ。
最終話の他のシーンでも唱吾が華子にそう語るシーンがあったので、おそらく有力な事件動機として兄弟の間で知れ渡っていたことなのでしょう。 そして二人(芯也と唱吾)に「音楽の冒涜」というキーワードを語らせるということは、3人の試験官殺害の動機は、不正の口止めよりも「音楽の冒涜」を許せずに殺した、と考えた方が妥当かもしれません。

では犯人は誰か?というと、
1. 1話で大切なものに「音楽」を挙げている芯也が、不正を許せずに殺害した。
2. 鍵二が世界平和のテープのために、音楽を冒涜した人間を「神への生贄」にしていた。
音楽の冒涜が犯行動機であれば、この二人のどちらかになるはずです。

あとは「お前は、俺が犯人だと?」という鍵二のセリフをどう受け止めるかによりますね。
この時鍵二は含み笑いだったので、「芯也、犯人はお前だろう?」と言いたげでもありました。

検証D. 4話:空間コーディネーターの刺殺は芯也だけが可能?

2〜3話の殺害とは少し異なる4話の空間コーディネーター・池田の刺殺。
池田は音楽の女神像の元に葬られた。よって犯行動機は「音楽の冒涜」であることは確かなはず。

休憩中に表で、芯也に直接「(音楽や芸術は)太ったブタどものエサに過ぎない」と侮辱した池田。
つまり犯行動機へと繋がる「音楽の冒涜」を聞いていたのは芯也だけ。(警備員の鍵二が監視カメラ等で聞いていた可能性もありますが)
さらに池田に罵られた直後に、芯也はすぐそばにあった音楽の女神像を意味深に見つめてた。 *(7/3追記)

というわけで、4話に関しては芯也の犯行の可能性が高いはず。
自分の所持品である指揮棒をあえて凶器に使ったのは、自分を犯人に仕立て上げようとする架空の犯人を捏造して、警察の疑いを逸らすためだったと。

結論. 2〜4話の犯人は誰?

結局、誰が犯人でも矛盾点があるので、ハッキリとはわかりません。
裏金を渡したのが誰かすら明かされなかったというのは残念ですね。

ただ4話に関しては芯也の犯行の可能性が高いので、2〜3話も芯也と考えた方が素直だと思います。
3話、車の中で芯也が苦悩するシーンがあったけど、犯人が芯也ではなかったとしたら意味のないシーンです。
よって、まだ心のかたすみに善意が残っていた芯也が、人を殺めたことに苦悩していた、というシーンだったと。


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8. 結論:犯人は誰? 〜2つの仮説〜

今までのおさらいです。(↑クリックでその項目へ移動)

2〜4話(試験官3人):芯也 ()
6話(舞子):芯也 ()
8話(小暮):芯也 ()
9話(器一):芯也 or 唱吾 ()
10話(葉音&律子):芯也 or 唱吾 ()
最終話(放火):唱吾 ()

矛盾点はあるものの2〜4話の犯行を芯也だと考えると、残る問題は10話と9話の犯人。
結局、どの要素を重視するかによって犯人が違ってくるので、二つの仮説が成り立ちます。

A. 芯也単独犯説

すべての犯行は芯也
9話と10話の犯行に唱吾が候補になるのは、最終話での放火と千世殺害未遂の罪があるからですが、
結局、唱吾の犯行は最終話だけだったと考えると、残りの犯行はすべて芯也だと考えることができます。

-根拠-
最終話で唱吾が二つの犯行(放火&千世殺害未遂)をしたのは、小暮と芯也の演技によって、宮西が犯人であると勘違いしたから。
今なら犯行を重ねても自分ではなく宮西の犯行になると思ったからこそ、最終話で2つの犯行に及んだ。
よって最終話以外は唱吾は何もしていない、と考えることができます。

ちなみにこのおとり捜査に芯也も協力したわけで(芯也の提案かも?)、芯也はまんまと唱吾を犯人に仕立て上げ、自分の今までの罪をなすりつけることができた、と考えると、 芯也の悪魔性と唱吾の悲惨さが強調されます。唱吾は最終話にだけ踊らされたピエロだったと。

-この説の犯行結果-
2〜4話(試験官3人):芯也
6話(舞子):芯也
8話(小暮):芯也
9話(器一):芯也
10話(葉音&律子):芯也
最終話(放火):唱吾

B. 唱吾久枝〜水無月家の根絶計画説

最終話で唱吾は、放火によって芯也と譜三彦(実際は鍵二)を、そしてナイフ片手に千世を殺害しようとした。
一方、女医の久枝も奏太郎を手術ミスで殺害しようとした。久枝は18年前にも鍵二(実際は譜三彦)を助けずに殺している。

この二人に殺されかかった(殺された)人間を並べると…

・水無月奏太郎 (未遂)
・水無月千世 (未遂)
・水無月鍵二 (未遂)
・水無月譜三彦 (殺害)
・水無月芯也 (未遂)

このように、唱吾久枝の母子は、水無月家の面々ばかり5人もの殺害を企てた。
よって、この二人は水無月家を根絶し、その財産を乗っ取る計画を持っていたと考えられます。
残る水無月兄弟は9話の器一と10話の律子なので、この二人の殺害犯も唱吾だったとすると、
結局、未遂も含めて水無月家の殺害はすべてこの母子だった、という説が成り立ちます。

-この説の犯行結果-
2〜4話(試験官3人):芯也
6話(舞子):芯也
8話(小暮):芯也
9話(器一):唱吾
10話(葉音&律子):唱吾
最終話(放火):唱吾

この二つの説のどちらかが、可能性が高いと思いますが、
2〜4話の犯行がそもそもよくわからないので(鍵二かもしれないし)、色々なパターンがありえますね。
結局のことろ、明確な犯人像は打ち出すのは不可能…?(苦笑)



・上記の内容への指摘や、記述のおかしいところ
・他の推理や、ここに決定的な証拠がある!というのに気づいた方
は、ぜひBBSこちらのスレッドへの書き込みか、メールフォームからご連絡ください。



*(7/3リンク)
ワルツファンの方が各事件の解釈を書かれているのでここからリンクさせてもらいます。合わせて参考にしてください^^
(ヴェルガァさん作成)
★「 仔 犬 の ワ ル ツ 」残された“謎”解き編(1)〜主な事件〜
★「 仔 犬 の ワ ル ツ 」残された“謎”解き編(2)〜その他〜

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その他の疑問


1. 幸子について

*(7/3書き直し)
6話で相続レースに途中参加した覆面ピアニスト・幸子
6話のバラの開花テストに参加したのは、もちろん本物の幸子。
で、いつ知樹と入れ替わったかというと、おそらく7話のマザーによる試験の時は、すでに知樹に入れ替わっていたはず。
根拠は、7話のテスト前に知樹は鏡を凝視していたけど、マザーが幸子の心を語る場面で、その鏡にヒビが入ったので。

どういう経緯で二人が入れ替わったのかはよくわかりません。

8話、トンネルでのピアノバトルでは、知樹が真っ先にバスから降りていたので、すぐに幸子に変装したのでしょう。よって8話の幸子も知樹。9話も知樹です。
そして10話のピアノバトル後、病院で息を引き取ろうとする知樹に、幸子の精神が乗り移ったと思われる看護婦が語りかけていました。 そのシーンから分かるのは…

1.幸子が微笑んだだけで知樹は奇跡的に回復する。
2.「さっき生まれたあの赤ちゃんの中に私は…」と言い残した後に、看護婦は倒れこむ。

ここから推測できるのは、幸子は天使だということ。
そして、色々な人体に乗り移れる(?)存在であるということ。

あの看護婦は、知樹の近くにいた看護婦に、幸子の精神が一時的に乗り移っただけだと思います。
ピアニストとして育てられてきたと思われる幸子が、短期間で看護婦にはなれないし、次は赤ちゃんに乗り移ろうとしていたので。

色々な身体に乗り移れる存在だとしたら、じゃあ6話とそれまでの幸子は一体何だったんだ?という疑問が沸くけど、
よくわかりません。それまでは母親と共に普通の生活を送っていたけど、ピアノバトルに参加したことで、もしくは6話で知樹が起こした(?)超常現象に影響されて、何かが変わっていったのでしょうか。
そして今は10話で産まれたプリマドンナの赤ちゃんとして生きているはずです。


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ラストシーンはどうなったの?


謎のラストシーンについてページを参照してください。




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