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野島ドラマ初心者向け(?)に作品の分類と視聴ガイドを書いてみました。
以下の内容は管理人の独断と偏見になります

[LastUpdate:2004/3](項目1・2・3にプライドを追加)

1.テーマ別分類
2.年代による分類
3.三部作と右脳ドラマ
4.連続性のあるドラマ
5.ビデオ化されてないドラマ+DVD
6.ドラマか本か
7.もっと野島作品を楽しみたい人へ
8.終わりに…


1.テーマ別分類

それぞれのドラマをテーマ別に分けてみました。複数のカテゴリに渡る作品もあります。
好きなドラマ・面白いドラマがあったら、同じカテゴリの他の作品も楽しめるかもしれません。

シリアスな恋愛もの

「高校教師('93)」(1993) … 教師と生徒との禁断の愛。表面的には過激でも、中身はせつない「純愛」。野島氏がそのシリアスな作風を確立させた記念碑的な作品。

「この世の果て」(1994) … 天才ピアニストとクラブのホステスが、不幸の中で色々なものを失いながらも愛し合う。深くシリアス&ディープな、「無償の愛」を描いた作品。

「リップスティック」(1999) … 少年鑑別所を舞台に、孤独を抱える教官と少女が「永遠の愛」を模索する。詩的・観念的な世界観。

「世紀末の詩」(1998) … このカテゴリに入れるか微妙ですが、恋愛ドラマという枠を超えて「愛とは何か」を問うドラマ。1話完結形式で様々な愛が描かれていきます。

「美しい人」(1999) … 上記の作品群と比べてシリアスと言い切れるか微妙なところですが、野島氏が初めて「大人の愛」を描いた作品。

ライトな(明るめの)恋愛もの


初期3作 (1988-1990) … 「君が嘘をついた」「愛しあってるかい!」「すてきな片思い」の初期3作は、シリアスさは皆無と言っていいトレンディドラマです。残念ながらビデオ化はされていません。

「101回目のプロポーズ」(1991) … モテない40代の中年男と、婚約者を事故で亡くした美女との、ユーモラスかつ感動的なラブストーリー。最終回視聴率36.7%を記録した野島氏のブレイク作。

「ストロベリー・オンザ・ショートケーキ」(2001) … 4人の若者の恋が絡み合う、せつない片思いを描く。10代の瑞々しくさわやかな恋愛。初の右脳ドラマである野島氏の新境地。根底にはポジティブなものが流れている。

「ゴールデンボウル」(2002) … ボーリング場を舞台に、証券マンと主婦との恋をコメディタッチでさわやかに描いたラブストーリー。1話完結形式で毎回ボーリング勝負があり、マンガチックでもある。

「プライド」(2004) … 「ラブ&ファイト」をテーマに、恋愛ドラマとスポーツ要素(アイスホッケー)を融合させたドラマ。トラウマを抱える登場人物もいるが、底は浅く悲壮感は感じられないので、明るいドラマと言えます。

その他の恋愛もの

「高校教師('03)」(2003) … 新境地と言える世界なのでどういうカテゴリに収まるのか微妙なところです。シリアスではないですが、別に明るくもない。複雑に絡み合う心理劇?

社会問題が主テーマになっているドラマ

「人間・失格」(1994) … イジメによる少年の死と、子供を亡くした親の哀しみを真っ向から描いた問題作。

「未成年」(1995) … 比較社会への苛立ちと反抗。後半は廃校に立てこもり全面対決へ。

「聖者の行進」(1998) … 実際にあった事件をベースに、知的障害者への差別と虐待を描く。

「愛という名のもとに」(1992) … 断片的ながらも、7人の若者がそれぞれに社会的な問題に直面する。

友情

「未成年」(1995) … 18歳の5人の少年が喜怒哀楽を分かち合う青春群像。

「愛という名のもとに」(1992) … 大学を卒業し、社会人になった男女7人の苦悩と青春。

「リップスティック」(1999) … 女性版「未成年」とも言える、鑑別所内における10代の少女5人による友情。

家族愛・兄弟愛

「ひとつ屋根の下(1+2)」(1993,1997) … 両親を事故で亡くした6人の兄弟姉妹が集い、ひとつ屋根の下で暮らし始める。描かれているのは兄弟愛(家族愛)。

「人間・失格」(1994) … このドラマには恋愛的な要素はほとんどない代わりに、描かれているのは親子の繋がりであり愛情です。


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2.年代による分類

[カテゴリー1] 普通に面白い? -1990年代前半-
「高校教師('93)」(1993)
「ひとつ屋根の下(1)」(1993)
「この世の果て」(1994)
「人間・失格」(1994)
「未成年」(1995)
--
・次点
「101回目のプロポーズ」(1991)
「愛という名のもとに」(1992)

これらは90年代前半(1991-1995年)のドラマになります。野島ドラマの傾向として、高視聴率ドラマを連発していた90年代前半の作品は、対象となる視聴者層が比較的広く、それに対して10%台の視聴率で落ち着いている90年代後半から2000年代の作品は、視聴者層が比較的狭い、と視聴率的には言えると思います。(→視聴率一覧

これら90年代前半の作品はいずれも高視聴率で社会現象にまでなったものもあり、上記の5作は表面的に見ても面白く完成度の高いドラマだと思います。もちろん、深く楽しむこともできます。

次点に挙げた2作も最高視聴率は30%を越えているので単純に面白いと思うのですが、もう10年以上前の作品なので次点としました。
野島ドラマを一度も見たことがない人に対して、この中から一作だけお勧めを選ぶとしたら、「高校教師('93)」でしょうか。おそらく世間的に一番有名な野島ドラマです。


[カテゴリー2] 人それぞれ? -1990年代後半〜2000年代-
「聖者の行進」(1998)
「世紀末の詩」(1998)
「リップスティック」(1999)
「美しい人」(1999)
「ストロベリー・オンザ・ショートケーキ」(2001)
「ゴールデンボウル」(2002)
「高校教師('03)」(2003)
「プライド」(2004)

これらは近年の作品になります。上の所で書いたように、[カテゴリー1]で挙げた90年代前半の作品に比べると視聴率的には若干低いので、対象となる視聴者層は狭いはずです。
もちろん、好きな人には好きな世界です。
これらのどれかを一番好きな野島ドラマに挙げる人も当然います。


[カテゴリー3] 最高深度?
「世紀末の詩」(1998)
「リップスティック」(1999)
「スワンレイク」(2002)

これは管理人の趣味になってしまいますが、視聴率は別として最もその作家性が見られるのは「世紀末の詩」じゃないかと私は思います。
また「リップスティック」にも同様の魅力があるので、この2作品が(現時点での)野島ドラマの最高深度だと私は勝手に考えています。もちろん、異論はあると思うのですが。
この2作の間には1クール(3ヶ月)の間隔しかないので、ほぼ同時期に書かれたといっていいでしょう。

「世紀末の詩」は愛そのものを問う哲学的なドラマで、1話完結形式で1話1話の内容が濃く、集大成的な作品。
「リップスティック」は序盤は穏やかですが、終盤ではその恋愛観が痛々しいまでに突き詰められた芸術的な作品。
小説も含めれば「スワンレイク」もここに入ります。


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3.三部作と右脳ドラマ

三部作
「高校教師」(1993)、「人間・失格」(1994)、「未成年」(1995) の3作を”TBS野島三部作”と言います。
ちなみにいつ三部作になったかというと、TBS2作目の「人間・失格」制作発表時に「僕のTBS三部作のうちの2作目」と野島氏がコメントしています。
この3作に見られる共通点は

・学校が主な舞台になっていること
・主に10代の苦悩や葛藤が描かれていること
・出演者では桜井幸子さんがその3作すべてにヒロインとして出演していること

という感じです。
これらの共通点はありますが、テーマもそれぞれ違う独立した物語なので、3部作だからといって順番に見る必要性は別にないです。
いずれも野島氏の代表作と言ってよく、非常に完成度の高い3作品なので、まだ見てない方にはおすすめです。


右脳ドラマ
これは少しマニアックな話題になるかもしれませんが、「ストロベリー・オンザ・ショートケーキ」(2001)を初めての”右脳ドラマ”と野島氏は定義づけています。逆にかつてのシリアス作品は”左脳ドラマ”であると。(→参考URL:S.O.S.公式サイト)
「ゴールデンボウル」(2002)も同様に右脳を使って書いた右脳ドラマだと言っています。
「プライド」(2004)は野島氏から作品へのコメントはありませんでしたが、右脳ドラマと考えていいはずです。

この3作の右脳ドラマに見られる傾向はこんな感じです。

・登場人物を極限まで追い込んでいくような、かつてのシリアスさがない
・どちらかと言えば、悲観的ではなく楽観的(暗いというより明るい)。
・構成やストーリー展開が、論理的ではなく感覚的
・ラストは丸く収まるハッピーエンドで、後味がポジティブ。

BBSで野島ファンの方の意見を見ていると、左脳ドラマが好きという人は右脳ドラマが軽いからイマイチで、逆に右脳ドラマが好きな人は左脳ドラマは暗くてダメという人が、それなりに多い印象があります。
もちろん、右脳ドラマ左脳ドラマどちらも好きとか、そういう分類に関係なく作品によるという人もいます。

左脳+右脳ドラマ
「高校教師('03)」は初めての左脳+右脳ドラマということです。
確かにその世界観は、左脳ドラマとも右脳ドラマとも微妙に違う新境地になっています。
構成は左脳で、書く段階では右脳でということです。詳しくは野島氏本人が語っていますのでリンク先をご覧下さい。(→参考URL:高校教師公式サイト)


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4.連続性のあるドラマ

続編ではないけど、テーマ的に連続性が感じられるもの


「高校教師('93)」(1993) → 「この世の果て」(1994)

どこか弱さを持つ男と、母性的なヒロインが共に堕ちていくことで、愛の本質に迫る極限的な恋愛。という構成が似ているので、どちらか一方の作品が面白かったらもう一方もおすすめです。

「世紀末の詩」(1998) → 「リップスティック」(1999)

この2つのドラマは愛という概念そのものを追いつめている点で共通性があります。
「世紀末の詩」が愛の理論だとしたら、「リップスティック」はその愛の理論を受け継いだ実践ではないかと。両方見るとその愛の理論がよりよく分かると思います。

「スワンレイク」(2002) → 「高校教師('03)」(2003)

ほぼ同時期に書かれた作品です。直接的にわかりやすく、ではなくて、象徴的に描いているところ、ある種の心理劇であるところに類似性が見られます。これはテーマとは別に作風としての類似性ですね。

連続性のないドラマ
「高校教師('93)」「高校教師('03)」

「高校教師('93)」と「高校教師('03)」はタイトルはまったく同じですし、舞台が同じ高校だったり共に藤村知樹が出演したりしていますが、テーマ的にも雰囲気的にもまったく異質と言っていい作品です。
前作からの続きもの(続編)でもないので、まったくの別物と考えた方がいいでしょう。93年版のシリアスさは2003年版にはありません。
この2作はそれぞれの作品の持つ「良さ」が異質なものだと思うので、両作とも大好きという人は結構少ないんじゃないかと思います。


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5.ビデオ化されてない野島ドラマ+DVD

○初期作
「君が嘘をついた」 (1988)
「愛しあってるかい!」 (1989)
「すてきな片思い」 (1990)
--
「フードファイト」(2000)

これら初期3作とフードファイトは残念ながらビデオ化・ノベライズ化されていません。
DVDでも出ていないので、再放送の機会を待つしかない状況です。

○DVD
野島ドラマは何作品かDVD化されています。
DVDの発売状況はTOPページの一番下に一覧表を載せています。


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6.ドラマか本か

今から過去のドラマを見るとしたら、レンタルビデオ・DVD・再放送か、もしくはノベライズかという選択肢があるわけですが、映像で見ても本で読んでも「ストーリーを楽しむ」分においてはあまり大差ない気がするので、好きな方でいいと思います。
もちろん細かい部分でカットされているシーンやセリフなどがあるので、両方見るとよりよくわかるはずです。

ここでは映像と本で大きく違う部分を挙げておきます。

「リップスティック」(1999)
最終話のうち、残り半分ぐらいの展開とラストシーンが結構違います。(個人的には映像の方がいいと思います)


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7.もっと野島作品を楽しみたい人へ

野島氏はドラマ脚本以外での仕事として、詩集、絵本、小説を近年発表しています。
「野島ドラマ好き!」とか「ドラマはだいたい見てしまった」という人は、ぜひ読んでみて下さい。
詳しくは以下のコンテンツをご覧下さい。

作品一覧 > 詩集 「野島伸司詩集1〜3」
作品一覧 > 絵本 「コオロギくんの恋」「コオロギJr.の愛」
作品一覧 > 小説 「スワンレイク」「ウサニ」


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8.終わりに…

野島作品は、作品ごとによってテーマも作風もけっこう異なります。
どの作品を面白いと感じるかは人それぞれなので、あなたにとって好きな野島作品をぜひ見つけてくださいね。

以下のコンテンツも視聴にあたって参考になると思います。

人気投票結果 … 好きな野島ドラマの人気投票結果。
野島作品一覧 … 作品一覧と番組データ。



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