その他の情報など (TV雑誌記事より抜粋)
◇設定などについて
[ザテレビジョンより]
野島氏:京介の設定は、(亡き妻に似た人造人間をつくり上げた)フランケンシュタイン博士のようにしたい、というアイデアから。
あの劇的な純愛を現代的に見せたかった。
伊藤P:極限状態で初めて見えてくる人間の本質を描きたいんです。
京助は、みゆき自身が好きなのか、妻に似ているからひかれるのか、悩みます。
それは彼が誠実で愛をちゃんと考えているから。
みゆきも自分が奥さんの顔をしているから優しくされるのかという疑問を克服しようとします。
◇エンディングに流れるタイトルバックについて
[ザテレビジョン・TELEPALより]
雨が降ったある夜、20階建てのクラシックなホテルの下りエレベーターという設定。
エレベーターは京介の人生を象徴。そこにみゆきと次郎が乗り込んできて、穏やかだった人生に波風を立てていく…。
ラストに飛び散る羽毛は誰かの魂の発露で、結末の鍵になるそう。
◇タイトル”美しい人”の意味
[ザテレビジョンより]
岬が女性たちを美しい人に変えるという意味はもちろんだが
「岬の過去には憎しみの感情の時代があり、今はそれを封印している。岬は自分が”人格的に美しい人”でありたいとも願っている」と伊藤P。
◇野島氏の田村正和さんに対するコメント
[TV LIFEより]
僕は田村正和さんというのはラブストーリーがハマる、日本では非常に希有な役者さんだと思うんですよ。
できればラブストーリーだけやっていただきたいくらいの。
僕は田村さんをイメージすれば、いくつもラブストーリーが作れるというか、僕にとっては、それくらいスゴい人ですね。
美しい人でありたいと願う京介という男は、田村さんのイメージです。
ものすごく高潔な感じがするんですよ。
浮名を一切流してないじゃないですか。
プライドというか魂のレベルの高潔さで…それは、美しいなあ、と。
◇「別冊TVライフ・秋ドラマの本」掲載の伊藤Pの「美しい人」制作日誌より抜粋
<企画の発端>
大体、ドラマの企画っていうのは別のドラマを作っているときに考えるんですよ。
「美しい人」は3年前の秋くらいに野島君と話をしていいたときに、彼が、「ティーン向けの話もいいけど、僕は大人の恋愛も書きたい」というようなことを言ってて、大人の恋愛ドラマだったら、やっぱり田村正和さんがベストだねとか、そういう話をしたんですね。
その後、田村さんにも出演交渉をして、ただ、かなり先までスケジュールが埋まっていたので、田村さん待ちみたいな状態になりましたね。
<美容整形について>
野島君が「リップスティック」を書き上げた今年の5月から一気に内容を詰めていった。
美容整形外科医に取材に行ったりとか、ね。
やっぱり美容整形外科医って面白いんですよ。
医者といっても命にかかわる仕事じゃないから、患者を断ることができるんです。
それは普通の医者とは決定的に違う。
ある意味、美容医師、エステティシャン的な側面も持っているし、カウンセラーのような面もある。
顔や体に対するコンプレックスをまず聞いて、その原因を探り、その上で顔や体を変えていくという。
そういう世界が非常に面白いなと、取材をして感じましたね。
<主題歌について>
僕と野島君が組んだ作品の中では、これは「高校教師」以来の恋愛モノなんですね。
で、主題歌も森田童子的なモノがいいんじゃないかと漠然と思っていて、例えばフレンチポップスの女性ボーカルとか、そういう感じがハマると。
そういう曲をいくつかクローズアップした中にジェーン・バーキンがあったんです。
野島君も僕も気に入って、これでいこう、と。