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POEM03:なぐさめのうた
十点満点とれないからって
そんなに泣いちゃいけないよ
誰のせいでもないんだから
原因は結果を慰めない
諦めってやつが肝心なのさ
この僕を見てごらん
枯れることもできないで
濁った水の中にたたされ
決して鏡を見ないように
無限に咲いているんだよ
もうとうに腐ってるのに
「野島伸司詩集II」 p.61より引用
ふみ
この詩は、時には諦めることも大切…ということを言っているような気がする。
”原因は結果を慰めない”
確かにそうだ。
人は原因を憎み、悔やむことが多いと思った。
でも誰のせいでもないと思えば、諦められるのではないか。
ここで言われてる”僕”は人工的な花かなんかだと僕は思った。
枯れることもできずに、自分の姿も見ることなく腐ったまま咲き続ける花。
「世紀末の詩」の3話が頭に浮かんだ。
あるべき生き方を提示しているのかもしれない。
この詩からは、野島さんの優しさを感じる。
▽1999年8月11日討論:参加者3名( ふみ、 kiku、 コロ)
コロ> 人工的な花ってなに?
kiku> 私は後半の比喩が何を示すかをずっと考えていたのだけど、まとまらなくて…
ふみ> 花ならいつか枯れますよねぇ
ふみ> でも枯れることもできないってある
ふみ> そこらへんよく分からない…
コロ> なるほど!それで人工的…
ふみ> コロはどう思う?
kiku> 濁った水は、否定的なたとえだよね。
ふみ> とにかく、よくない環境で生かされてるっていうか。
コロ> いやあ、ほんとに難しい…。
kiku> どうしようもなく生かされている僕を見てごらん、て言ってるよね。
コロ> 突然だけど、野島さんってやさしいと思う?
ふみ> やさしいかなぁ
kiku> 残酷であり優しい。
コロ> 本当はやさしくないから、人にやさしくできないから、必死でやさしくなろうとしているように見える…
ふみ> なるほど…
kiku> そう思える人は優しいんだよ。
コロ> そうかなあ>kiku
コロ> 僕は絶対にやさしくない…
kiku> 私はそう思うよ。できなくて葛藤している人は、本質は優しい。
ふみ> kikuに賛成!
kiku> コロはなぜそういいきれるの?
コロ> やさしくなりたいとは思う。でもやっぱり自分がかわいい。
kiku> 自分がかわいいと人には優しくできないと?
kiku> 自分を大切にできなければ、他人も大切にできないと思う。
ふみ> 自分を愛せる人は、他人にも優しくできるって言いますよね。
コロ> 自分より相手を想えないと本当の優しさではないような気がする。
コロ> もちろん、二人の意見には同感です。
kiku> 相手を思うということは、自分がそうしたいから思うのだから、自分のためになるんだと思うよ。言ってる意味分かるかなあ…
コロ> たぶん、僕の憧れなんだと思う、本当の優しさって
kiku> 無限に続くほどの愚かな優しさでしょう?
コロ> ほら、世紀末の恋するコッペパンの四行詩。
kiku> コロの質問の意図は?
コロ> ふみがそう感じたって書いてるから
ふみ> 優しさを感じたのは詩の前半
ふみ> みんなは諦め早い?
コロ> 確かに十点満点は難しいね。
ふみ> 僕はけっこう、あの時ああしていれば…って悔やんじゃう
kiku> 場合によるけど、しつこい方かも(笑)
コロ> いっぱいあったかな<諦め
ふみ> でも悔やんでいても前には進まない!から、諦めも大切…ってこの詩は言ってるんだと思う
コロ> 過去を諦めるってことね
kiku> この詩の後半は悲しいね。
コロ> でも過去って諦められるものなの?
コロ> 諦めるかどうかは常に今決めることのような気がするのだけど
ふみ> 一時的に諦められても、諦め切るのって難しいかも
kiku> いつまでもこだわるということ?
コロ> 何かを諦めるってことは、一方で何かを選んでいるってことじゃないのかな
kiku> 違う道を選んでいるということだろうね。
ふみ> 場合にもよるよね
コロ> 野島さんは何を諦めてもいいって言ってるのだろう
ふみ> 過ぎたことに対して…でしょう?
コロ> 過去か…僕にとって過去は大切にしまっておくものだけどな
ふみ> 嫌なことも?
コロ> うん
コロ> ほとんど意識の届かない心の底に沈めておくの
ふみ> 忘れるなんて無理だと思う
ふみ> kikuはどう?
kiku> 過去があるから今の自分があって、確かにしまってあるね。
kiku> それよりも、十点満点とることがそんなに重要なことではない、ということも感じる。
コロ> そうそう、完璧主義じゃなくていいんだよって言ってる感じ
ふみ> なるほど
kiku> 心を楽にして、難しく考えるなってね。
kiku> 私はこの詩のそういう部分が好き。
kiku> 後半は悲しいけど…
コロ> 後半は諦めていないような…
コロ> 何点で充分なのかな?
kiku> 何点なんて言えないと思うね。
コロ> 点数なんていらない?
ふみ> 点数にあまりこだわるなってことじゃない?
コロ> 別に偏差値のこといってるわけじゃないよね<点数
kiku> たとえてあるんだと思う。<点数
コロ> 何をたとえてるんだろう
ふみ> 偏差値のこととかも含んでるんじゃ?
kiku> 自分がうまくいかなくて泣いてしまうようなこと
コロ> あるある
コロ> 泣かないけど(笑)
kiku> その中には偏差値も入るだろうね
ふみ> その人の中で価値観が高ければ…>偏差値
コロ> 点数つけて区別するなってことかな
kiku> ううん、ここではそこまで言っているかどうかは分からないな。
ふみ> 点数に拘ってない人は、10点満点取れなくても、何とも思わないだろうし
コロ> 僕は自己評価の点数のことを言ってる気がする
ふみ> 自己評価の点数?
kiku> 最高の出来具合が10点
コロ> 僕は5点くらいで満足かな。6点とったら、もうHAPPY!
コロ> 4点とったらBLUEになるけど…
kiku> それを諦めが大切だとなぐさめてる。
コロ> でもねえ、5点はあくまで僕の中での5点だから、はたして慰められるかな?
kiku> そこで、僕を見てごらん、になるんだよね。
コロ> そうか!>kiku
コロ> 野島さん、腐ってるから1点くらい?(笑)
ふみ> 他人から見たら1点でも、自分としては10点ってこともあると思う。
kiku> それが自己評価
コロ> 僕がこの詩を難しく感じるのはどこか鈍感になってるからだと思うんだ
コロ> 言われなくたって、いっぱい諦めてきたから…
kiku> だからね、それでいいんだって言いたいんだと思うよ。
コロ> 結局、前後半で印象が違うのはどうゆうことなのだろう
コロ> 後半はどう感じた?>ふみ
kiku> 鏡を見ないように、ていうのはどう捉えた?
コロ> どうして透き通った水じゃないんだろう
ふみ> とにかく後半は、みじめな自分
ふみ> そんな僕を見て元気出してくれって、僕は感じたけど。
コロ> 頑張れって?
ふみ> こんなみじめな僕もいるんだから…って
ふみ> みんなはどうとらえた?
コロ> 諦めたくても諦められない、そんなふうにもがいているような…
kiku> 私は、僕の悲痛さを知ってよ、君はまだまだそのくらいのこと大丈夫さっ、て感じ。これも僕の「叫び」
コロ> おお、今回は3人別れたね
kiku> 本当は僕が一番なぐさめてほしいような…
コロ> それはいえる>kiku
kiku> 「だれか僕を救って、なぐさめて下さい」結局ここにいく解釈になっちゃうよ。私は(笑)
コロ> 同感!
ふみ> そうかもしれない…
ふみ> じゃあ最後に一言づつ(笑)
コロ> もう難しく考えるのはやめよう(笑)
ふみ> うん、感じたままに…
kiku> たどり着く場所は「やっぱりここか」て感じだね。
感想
taki
この詩は素直に受け取ってはいけないと感じた。
なぐさめは優しいようだがそうではないと。
10点のつまらないプライドなど捨ててしまえ、と言ってるように感ずる。
しかし、詩編を読む時に作者の人柄を考慮する必要はないと思っている。
それは、やはり憶測でしかないから。
ここでの語りべはなぐさめなれることは望んでないように思う。
自己を憐れんでいるのではなく、状態を受け入れたプライドが口を開いたのではないか。
これは、朽ち果てている者のプライドから来たちょっとしたおせっかいみたいに見えました。
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