ラ・ロシュフコー箴言集

私利私欲は、あらゆる言葉を喋り、あらゆる役柄を演ずる
無私無欲の役までも (39)

友情などと呼ばれているものは、結局のところ、ただの結びつきであり、利害の相互処理や親切の交換に過ぎぬ
要するに、自己愛が、何か獲物にありつこうとして、つねに待ち構えている取引関係に過ぎぬ (83)

人間、お互いにだまされ合っていなければ
この世に長く暮らしてはいけまい (87)

われわれが嘆き悲しむとき、そこにどんな口実をつけてみたところで、悲しみの原因となっているのは、まずたいてい、利害と虚栄だけである (232)

気前が良いといっても、まずたいていは、与えるという虚栄なのだ
与える品物より、虚栄の方を好む、というだけのことだ (263)
(ラ・ロシュフコー「ラ・ロシュフコー箴言集」)

( ´~`)ノハーイ
この本はラ・ロシュフコーという
17世紀のフランス人公爵が書いた箴言集で
あまり有名ではないかもしれないけど
傑作です
(o゜~゜)o
ちなみに箴言というのは
いましめとなる短い句や格言のことです
(゜~゜)
2~3行程度の短文で
人間行動に潜む
利己心・自己愛・虚栄心などが
次々と暴かれていくのだけど
人間というものを完全に見限ったような
強烈な性悪説に驚かされます
(゜ロ゜)ギョエ!!
しかしそこには
真実味が感じられるのです
(゜~゜)
たとえば友情は
互いに利用し合う関係にすぎない
などと看破するわけですが
友人を利用しようとして付き合っている人は
あまりいないでしょう
(´~`)
しかし友情も恋愛も
それが目に見えないものでも
お互いに何らかの利益があるからこそ
その関係が築かれたり継続するのであって
嫌な人と無理して付き合う人もあまりいないでしょう
(o゜~゜)o
そう考えると
良好な関係であれば
お互いに意図していなくても
必然的に利用し合う関係になります
(゜~゜)
しかし利用し合う関係であることを
意識したところで
自分にも相手にもいいことはないはずです
(´~`)
人間は本質的に利己的な存在であるけれど
私利私欲や自己愛を
互いに剥き出しにしていたら
円滑な社会生活を送れないだろうし
殺伐とした世界になるでしょう
(´ロ`)
なので人は
利己心や自己愛という事実から目を背けて
そんなものないかのように振舞うことに
自分をも欺くことに
成功したわけです
(o゜~゜)oホエ?
つまり人間というのは
ほんとうのことなんて知らずに
他人からも自分からも
騙され続けている方が
実は幸せみたいです
(*´~`)フラフラ
本物の善行など実践不可能なので
偽善で十分なのです
(*´~`)フラフラ
真実とは残酷なものでしかなく
嘘や偽りにこそ平安があるのです
(*´~`)フラフラ
この世に酔っ払いが多いのも
そういうことかもしれません
(*´~`)ヒック
しかし人は時に
その心地良い幻想から
覚醒してみたくなる時
何の役にも立たなくても
ほんとうのことを知りたくなる時があります
(゜~゜)
そんな時に人間の幻想を打ち砕き
ほんとうの姿を教えてくれるのが
この箴言集です
(*^~^*)ノハーイ


ラ・ロシュフコー 名言集

自然は、われわれを幸せにするために、
体の器官をうまく整えてくれたが、自惚れまでおまけにつけてくれた
われわれが自分の欠点を知って苦しまなくてすむように、こんな配慮までしてくれたらしい (36)

われわれは、何事も自分とのかかわりによってしか愛せないのだ
自分自身よりも友達の方が好きというときですら、結局は、
自分の好み、自分の喜びを追って友を愛しているにすぎない (81)

人間は、敵に欺かれたり、友に裏切られたりすれば大騒ぎするくせに、
たびたび自分で自分を欺いたり、裏切ったりしていて平気である (114)

たまに自惚れることでもなければ、
この世にそう楽しいこともあるまい (123)

虚栄がけしかけないと、人はほとんど喋らない (137)

われわれは、友達の不幸などどうでもいいのだ
それが自分の友情を印象づける機会ともなれば (235)

利害は、あらゆる種類の美徳、悪徳を総動員する (253)

礼節とは、自分にも礼儀を返してもらいたい
礼儀正しい人と思われたい
こんな願いの現れである (260)

恋ほど、自己への愛が厚かましくのさばる情念は、ほかにない
だから、いつも自分の心の安らぎを失うくらいなら、愛する人の平安を犠牲にしようとする (262)

怠惰は、全く見栄えはしないが、しばしば、もろもろの情念の覇者となる
それは、生涯のいかなる大望をも行為をも侵害する
そして、いつとはなく、情念や美徳を破壊し、滅ぼし尽くしてしまう (266)

われわれは、友の友情を、大げさに吹聴するものだが、
それは、感謝の気持ちからというより、
とかく、自分はこんなに重んじられている、ということを知らせたいからだ (279)

たいていの人たちの感謝とは、
今後、もっと大きな恩恵を授かりたい下心にほかならぬ (298)

われわれにも、断じて見せかけにだまされない場合がある
だが、それは、利害の小さいときだけである (302)

利欲は、われわれのあらゆる罪悪の根元として責められているが、
同時に、われわれのさまざまの善行の根元として誉められる資格も持っている (305)

人は節度を美徳に仕立てあげた
偉人たちの野心を抑制し、凡人たちの不運と無能を慰めるために (308)

恋人同士がずっと一緒にいて、ちっとも退屈しないのは、
自分たちのことばかり喋っているからだ (312)

愛する人に、本当のことを言われるよりは、
欺かれている方が、まだしも幸せなときもある (395)

立派な行為を心から誉め称えるとは、
いわば、自分もその行為に参加することなのだ (432)

われわれが、他の欠点を克服するにつれて、
今度は、自惚れがのさばってくる (450)

敵の不幸を憐れむ気持ちには、とかく、善意よりも高慢が強く働いているものだ
われわれが相手に同情を示すのは、こちらが優位に立っていることを見せつけるためである (463)

同情されたいとか、感心されたい気持ちが、
とかく、われわれの打ち明け話の大部分を形作る (475)

まことの親切くらい、稀なものはない
親切なつもりの人々が、ふつう持っているのは、
ご機嫌とりか、気の弱さか、そのどちらかにすぎない (481)

恋をしていても、愛する相手のことは放ったらかしで、
ひたすら自分の情熱に没頭する
それほど自分のことで頭がいっぱいの人々がいるものだ (500)

利害こそ、自己愛の魂である
魂を奪われた肉体に、視覚も、聴覚も、意識も、感情も、運動もないのと同じように、
利害から引き離された自己愛には、もはや、見たり、聞いたり、感じたり、動いたりする力はない
だから、自分の利害のために陸海を問わず走り回った人が、
他人の利害のためには急に中風病みになったりすることが起こる (510)

※( )内の数字はページ数ではなく各箴言に振り当てられた番号

ラ・ロシュフコーの本

岩波文庫 ラ・ロシュフコー箴言集
角川文庫 ラ・ロシュフコー箴言集 運と気まぐれに支配される人たち
(翻訳が異なるが内容は同じ。このページで引用している訳は角川文庫)

関連リンク
ラ・ロシュフコー - Wikipedia

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