殺直前日記

とりあえず、生きていられればそれでいい
私は人生に何も期待しない
はっきり言って、世界に平和とか幸福はありえない
夢とか希望とか持つから悩む
(漫画家・山田花子「自殺直前日記」)

( ´~`)ノハーイ
山田花子という漫画家を
知っていますか?
(o゜~゜)oホエ?
1992年に
24歳の若さで飛び降り自殺した
カルト漫画家です
(゜~゜)
後に日記が見つけられて
それをまとめたのがこの本です
(o゜~゜)o
この本は究極のネガティブ思考で
徹底的に暗いです
(o´~`)アァー
人間の暗部・残酷さ・差別・不条理・いじめなどが
これでもかと暴かれています
(o´~`)アァー
ふみっこは初めて読んだ時
あまりの暗さと人間不信と救いのなさに
頭がクラクラして
1ヶ月ぐらい引きずりました
(´ロ`)クラクラ
山田花子の特徴は
あまりにも敏感で繊細であることです
(゜~゜)
いわば高感度センサーが体内に入っていて
他人の心理や裏表が見えすぎるのに加えて
自分のエゴやズルさをも
敏感に感知してしまうのです
( ゜д゜)ピコンピコン
そのセンサーは
みんなが普通にやっている
自分の都合のいいように解釈したり
保身したり
ごまかしたり
自己正当化したり
といったことが一切できないのです
( ゜д゜)ピコンピコン
そんな彼女から見えた世界は
弱肉強食の生き地獄であり
また自身に対する深い絶望であったわけですが
果たして人はそんな鋭敏なままで
この世界を生きていけるのでしょうか?
( ゜д゜)ピコンピコン
生きていけません
(o´~`)アァー
そんな彼女の唯一の救いは
客観視だったと思います
(o゜~゜)oホエ?
たいていの人は感情的に悲観・絶望しますが
山田花子の場合はもっと客観的で
第三者が上から眺めて分析している感じです
(゜~゜)
彼女の言葉には
恋人ごっこ、仲間ごっこ、ドラマごっこ、優しさごっこ
などのごっこ遊びが出てきます
(゜~゜)
それは人間の酷さ醜さズルさを知りつくてしまった結果
恋愛にしても友情にしても家族関係にしても
完全に冷めていて
感情の入れようがないので
対人関係がすべて演技になるのです
(゜~゜)
自身の徹底した悲観主義も
「破滅型自虐ナルシズム」と名づけて客観視して
他人事のように扱うことで
乗り越えようとしたみたいです
(゜~゜)
それはその鋭敏さゆえに
主観を保ったまま
一個人として普通に生きることが
もはや不可能になってしまったからです
(ノд-。)クスン
なので自分という主観から抜け出して
すべてを客観視することに
救いを見出そうとしたのかもしれません
(゜~゜)
そこには人間という卑小な存在を乗り越える
まったく別のあり方への
可能性が秘められています
(´~`)ノハーイ


漫画家・山田花子 名言集

社会に適応する――
プライドが退化してつまらねー大人になること
(p.32)

よく「意志が強い」とか「自分を持ってる」
とかいわれてる人がいるけど、
ただ思い込みが激しいだけ、強引なだけではないのか
アインシュタインやお釈迦様の思想も
結局はただの思い込みではないのか
(p.32)

本当の幸福なんてあるのか?
「ある」というなら証拠を見せて貰おう
みんな幸福(不幸)のフリして、楽しんでいるだけではないのか?
(p.33)

どんなに着飾って高級レストランで豪華な食事をしても
動物が餌食ってるのと同じなんだぜ!
(p.34)

動物愛護主義者なんて偽善者
自分は動物より上だと思ってる
しかも自分は"やさしい"と思ってるから始末におえない
(p.34)

正直な人とは「誠実」という仮面被ってる人のこと
やさしさ、美しさ、正しさはみ~んな子供だまし
本気にするなよ!
本当に誠実に生きようとしたらボロボロになるよ
(p.34)

他人から「いい人」「やさしい人」といわれる人
実はそいつにとって都合のいい人ってことなの
(p.36)

正義―勝った方。悪―負けた方。
この世では所詮、多数or強い方が正しいということになる
建前では「人間平等」だが、実際にはそうではない
多数or強い方が、何が正しいかを一方的に決めている
(p.94)

世間の常識や他人の基準に合わせると失敗する
人は「常識」というウソに操られて不幸になっている
(p.94)

人はそれぞれ別の基準を持っている
イヤな奴、許せない奴がいるのはどーしようもないことだが、
「人それぞれ」ということを表面だけでも認め合えば世界は平和になる
ところが、この世では、少数派や弱い者は
多数派や強い者の基準に無理に合わせられている
抑圧された弱い者は、もっと弱い者をいじめてうっぷんを晴らす。きりがない。
(p.96)

人は数々の苦しみ乗越えて、
いつか目的地に辿りつけるという幻想を抱いているが、
一つの苦しみが終わったらまた次の苦しみがやってきて、死ぬまで続くだけ
(p.97)

みんなウソつき、裏切り者、他人を当てにするな!
誰も信じるな!
一人ぼっちで生きていくんだぞ!
(p.100)

ウソつきになった方が人と上手に付き合える
お互いに平和でいられる
人間に裏表があるからこそ、世の中平和なんだよ
(p.100)

みんな言うことと、実際にやることを区別してるんだぞ
人の言ってることを真に受けるとひどい目に合うよ
みんな口先では「正論」言うくせに、行動では反対のことしてる
(p.101)

自分のために生きるのが一番いい
他人のために生きてる奴はいない
なのに「エゴはよくない」と思いこんでいる私はいつも損してる
「エゴ」は正しいのだ
(p.102)

この世界では何をやっても駄目な私を他者の視点で客観視して、その救いのない絶望的な姿を見ているとだんだん愉快な気分になってくる(破滅型自虐ナルシズム)
私は惨めさと情けなさを噛みしめながら&愉快な気分に浸りながら、どうしようもない自分の姿を漫画に描いている
(p.144)

漫画家・山田花子の本

殺直前日記 [1996年刊]
殺直前日記 完全版 [1998年刊] (読者からの手紙などを追加)
山田花子の漫画作品

関連リンク
山田花子(漫画家) - Wikipedia

ふみっこブログ  ふみっこの冬休み  内向人間の外向哲学  内向人間の内向哲学  内向型と外向型  社会の価値  社会人間への矯正  使われる人間の誕生  万能の力を持ったもの  理想社会の現実  農耕が造った社会  悲劇の誕生  死にいたる病  バタフライ・キス  逆説のニヒリズム  倫理とは何か  人間とは何か  ラ・ロシュフコー箴言集  殺直前日記  二十歳の原点  暗い作品研究所  ガラクタの世界  にせものの世界  パパラギ(文明人)の世界  不平等な世界  他者と共存する世界  絶対的な世界  自由価値の世界  価値のない世界  自由意志の世界  弱肉強食の世界  日本人の価値  もうひとつの世界  人はなりたい自分になる理論  勉強の合理性  人間は非合理的な生きもの  空想哲学から成功哲学へ  考えることをやめる   やりたくないことをやめる  愛はなぜ終わるのか  人を愛する理由  明るい――暗い  客観的事実――主観的価値  環境決定論  正義と悪  理不尽な世の中  人生の一回性  人が死ぬ理由   希望の正体  思い込む宗教――疑う哲学  神の死と虚無主義  どうでもいいんだよ  思考  独我論  みんな夢でありました  人生は夢のようなもの  我々はどこから来たのか、我々は何者か、我々はどこへ行くのか  みつばちの話  世界がもし100年の物語だったら  宇宙の終わり  ただの偶然  聞かない方が一番ためになること  このサイトについて   ふみっこプロフィール   メールフォーム