Name:ぽん太
| | 昨晩、映画版DVDを借りて家内と一緒に見ました。 原作も、テレビドラマも見ていません。
そこで、映画の中で判らない部分があるのでお詳しい方お教えてください。
1)ラジオの懸賞でサクがウオークマンを手に入れるのですが、亜紀はサクのハガキの内容が気に入らず、少し距離を置くような仕草を見せるのですが、実際、亜紀はいつ自分の体調に異変があることを知ったのでしょうか?窓ぎわで薬のようなものを飲むシーンがあったように思うのですが......。
2)朔太郎が律子とつきあい始めたきっかけは、友人に紹介されたということですが、その時朔太郎は律子があのカセットを運んでくれていた少女だと知っていたのでしょうか?確か二人は、下駄箱の前で17年前に出会っていましたよね。
お詳しい方お教え下さい。
高校生のサクを演じた森山君の演技は、「いっぱいいっぱい」という感じでしたが、それゆえ秀逸だと思い感心しました。
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...2005/03/31(Thu) 11:27 ID:.xHf371I
Re: 映画について教えてください。 Name:にわかマニア
| | 2時間ちょっとという限られた時間の中で物語を完結させなければいけない映画は,背景や状況の設定を必要最小限度に留めざるを得ないため,時として説明不足に陥ることもあります。「端折った」と見るか「テンポがいい」と受け取るかは様々ですが,これらは楯の両面の関係と言えるでしょう。
さて,律子の登場の仕方ですが,この映画の七不思議の一つといっていいくらい唐突ですし,常識的にはありえない設定の仕方になっています。 まず,朔太郎という名前が,どちらかと言えば珍しい名前ですから,どこかで「珍しい名前だけど,昔,そういう名前の人にテープを届けたことがある」くらいの会話があっても不思議ではありません。また,足に事故の後遺症があるということからすると,「どうしたの?」「テープを届けにいく途中で事故にあって」という会話もあった筈です。いずれにしても,婚約まで進んだ2人が,お互いのことを何も知らないというのは不自然極まりないことです。 映画化と前後して,映画版と原作の隙間を埋めるものとして「指先の花」という本が出ましたが,こちらは,朔太郎は荒んだ生活に堕ちた存在として,律子は素性の知れない人と簡単に一線を越えるような存在として描かれ,2人の婚約も前後の見境なしの不純異性交遊の果てに既成事実が先行した結果という描かれ方で,少なくとも,少年少女の皆さんには見せられない内容になっています。 ただ,原作の最終章のわずか数頁にしか登場しない「再婚相手」が朔太郎の魂の彷徨からの復活に果たす役割に着目し,その存在を膨らまして描くという制作側の着眼点は高く評価すべきだとは思います。その際,「2人にとって縁のある人」という位置づけにしたのも一つの見識でしょうが,もう少し,そこを丁寧に描いていれば,ご質問のような違和感も感じなくて済んだでしょうし,「指先の花」のような純愛冒涜ノベライズの入り込む余地もなかったでしょう。
亜紀が体調の異変に気付いていたか,気付いていたとしたらいつかも解釈の分かれるところです。 連ドラでは,Xデーから逆算して各話のカルテを作り,それに見合う形でエピソードを埋め込んでいくという緻密な構成をとっています。例えば,口内炎を気にしながらのファーストキス(第2話)や,陸上練習中の立ちくらみ(第4話),精密検査の呼び出しを振り切って夢島に行った夜の幻聴(無人島なのに電話の呼出音)と,帰路に倒れての緊急入院(第5話)などです。 限られた時間にテーマを凝縮して表現しなければならない映画は,これほど丁寧に描くことはできませんが,薬を飲むシーンをさりげなく挿入しています。しかも,その薬は瓶入りの市販の薬ではなく,処方箋に基づき調剤されたものでした。少なくとも,この時点で何らかの原因で通院していたことになります。 映画版の亜紀は相手に何でも話すというキャラではありません(むしろ,孤高の存在として描かれています)から,登場人物間のやりとりで「今,通院している」というようなことが語られることはありませんでしたが,気になるところではあります。
この点については,このサイト中の「映画版ヒロイン像」でも話題になっていますので,ご参考にしていただければと思いますし,このほかにも,「謎解き」のスレ等で,いろいろと映画や原作やドラマの気になった点を取り上げていますので,ご一読ください。
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...2005/03/31(Thu) 12:37 ID:siZ6Dnhg
Re: 映画について教えてください。 Name:ダメ人間
| | こんにちわ、ぽん太さん
さて、1)ですが、多分倒れるまで知らなかったのでは? 確かに薬を飲むシーンがありましたがそれが何の薬かは明らかになっていないし 倒れるまで「もしかして悪い病気なのでは?」と亜紀が不安になるシーンもありません。 (と言うのはドラマではそういうシーンがあるからです) 薬のシーンは、多分見ている側に「忍び寄る白血病の影」みたいのを印象付けようとしたのかな?と思います(例え薬が白血病と関係なくても)。
2)は知らなかったでしょう。 運命の輪廻みたいなことがこの映画のテーマでもあるようですし、 確か大沢サクが「君(律子)があの時の少女だったのか」みたいに驚くシーンがありませんでしたっけ?(ちょっと記憶が薄くて定かではないですが)
ぽん太さんがもし関東在住の方なら来週一週間昼間の再放送枠(今GOOD LUCKをやっている枠)で セカチューのドラマ版をやるのでご覧になってみてください(ってドラマの製作者みたいだな)。 映画を最初に見た方にはそのイメージが付いていると思うので 最初は入りにくいかとは思いますが(特に大人サクの緒方直人)、 「まあ、どうせ二番煎じだろ」ぐらいの軽い気持ちで見始めてみてください。私がそうでした。
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...2005/03/31(Thu) 13:01 ID:ZTO2sYvo
Re: 映画について教えてください。 Name:ぽん太
| | にわかマニアさん、ダメ人間(そうではないと思いますが)さん。
ありがとうございます。心に気がかりであった点が、少し晴れた様に感じました。長尺でストーリーを展開できない映画故の制約のため、少し説明不足な感はいたしかたないと思いますが、実際映画を製作された方々が私達に伝えようとしていた点については自分なりに理解できましたので、それはそれで良かったのかなと思っています。
話は唐突に変わりますが、私は長年カメラを趣味にしています。そこで、映画の中のカメラまわしでとても気になったことがあるので書かせてもらいます。カメラでは広い風景(範囲)を写すために広角レンズを、狭い範囲や、人物の背景をぼかし、人物を浮かび上がらせるために望遠レンズを使ったりします。ただ、広角レンズを人物撮影に使用した場合には、人物をスクリーンの中心にそえるためにかなり被写体(この場合サクと亜紀ですが)に肉薄する必要がありますし、その為に画面のゆがみも生じてしまいますので一般的にあまり好んで使われません。(少なくとも私はあまり見たことがありません)。具体的には水平線が弧を描いて丸くなるように見える部分です。私には終止非常に気になって仕方ありませんでした(良い意味でですが)。この場合、カメラと役者さんの距離は相当近かったと思いますので、監督と役者さんとの(気持ちの距離?)も相当に近かったのかななどと勝手に考えていますが、不思議に思います。
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...2005/03/31(Thu) 14:38 ID:.xHf371I
Re: 映画について教えてください。 Name:にわかマニア
| | 映画のカメラワークの素晴らしさについてのお話がありましたが,篠田さんは本作が「白鳥の歌」となりました。同氏には日本アカデミー賞の撮影賞が贈られましたが,いい供養になったのではないでしょうか。 改めて,謹んでご冥福をお祈りいたします。
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...2005/03/31(Thu) 17:59 ID:siZ6Dnhg