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過去ログNo1
世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:朔五郎
こんなの創ってみました(笑)

大林亜紀は宮浦高校の3年生。同じクラスの大木健三郎と付き合っている。
健三郎という名はノーベル賞作家の大江健三郎から取ったらしい。

茶髪にピアスという今風の二人だが、意外にもオク手で、キスより先にはなかなか進めない。ケータイのメールを使って交換日記の様なことをしている。
亜紀の母、智世と健三郎の父、龍之介は若い頃付き合っていたが、訳あって別れたらしく、それが原因で子供達の交際には反対だった。

ケンと私は、まるでロミオとジュリエットね。防波堤の上で夕陽を見ながらアキがつぶやく。
アキの絵画の才能は周囲に認められていたが、実家の薬局を継げといわれていた。このままでは、ケンとも引き離され、好きな絵画の道にも進めなくなってしまう。本当はモダンアートの勉強をしたいのに。

ケンはアキの夢を叶えるために逃亡計画を立てる。まず、東京へ行き、そこでアルバイトをして金を作る。そしてニューヨークへ渡る。

どうせ一度の人生なら、世界で一番自由な空気を吸ってみたい。

しかし、現実は甘いものではなく、東京での苦しい生活に疲れ傷ついていく。
ある日、渋谷の街を歩く二人は、不良グループに襲われる。傷を負いながらアキを守ったケン。しかし金や携帯など、すべてを奪われてしまう。
もはや為すすべもなく、渋谷駅のベンチにうずくまるしかなかった。
アキが高熱を出した。ケンは交番から親に連絡しようと言うが、アキは帰りたくないと言い張った。そして遠のいていく意識の中で「ありがとう、好きよ、ケンちゃん」と言いながら目を閉じた。

内科教授・松本朔太郎は救命センターからの連絡を受け、搬送された亜紀の治療に当たる。重症の肺炎で死線を彷徨うが、朔太郎の懸命の治療により命をとりとめた。

やがて駆けつけた智世や龍之介も、二人の思いの強さを知り、理解を示す。
ひとまず、故郷に帰ることになった二人。退院前日に病院の屋上から超高層ビルの上の空を見ている。
少し離れたところでその姿を見守る朔太郎の耳に、優しく、懐かしいあの声が聞こえた・・・。
...2004/09/20(Mon) 23:02 ID:juX.pDTM    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:たか
ふむ、いいですね。

今の登場人物とのかかわりもあり。

いいと思いますね私は

続きが読みたいです
...2004/09/20(Mon) 23:05 ID:T/YAUzXk    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:SATO
朔五郎さん、ハッピーエンドの純愛物語ありがとうございます。これをVシネマにしたら大ヒット間違いなし!!儲かりまっせー!!冗談はさておき、映像化するとしたらこんな配役はいかが?

大林亜紀:綾瀬はるか セカチューに欠かせないですからね。同じ亜紀でも今度はヤンキーっぽさで新たな魅力を。
大木健三郎:山田孝之 彼もセカチューに不可欠です。今度はケイタツのイメージでいきましょう。
亜紀が倒れる場面では「助けて下さい」の再現を。
亜紀の母・智世:松下由樹 パート1では谷田部先生役でした。ユイカちゃんと顔かたち、ハキハキしたしゃべり方が似ているので、今度は教え子役にシフト。はるかちゃんとの母娘の葛藤に期待です。
健三郎の父・竜之介:田中幸太郎 パート1からそのままの役柄で出演。父親になっても「おまえさーん」を聞きたい!別れた恋人・智世役の松下さんと息子役の山田くんとは息の合った芝居が期待できそうです。
松本朔太郎:緒形直人 パート1の今サクのまま引き続き出演。前回みられなかったはるかちゃんとの絡みが見所。亜紀を救うための迫真の演技に期待です。
...2004/09/21(Tue) 21:40 ID:xh1cnmiI    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:朔五郎
たかさん、SATOさんありがとうございます。

もう少し、遊んでみましょう(笑)

(都内某所、1泊1500円の安宿)

「ケンちゃん、さっき話してたの誰?ヤクザじゃないの?」
「あ、いや、少し稼ぎの良い仕事しようと思ってさ。このままじゃいつまでたっても、ニューヨークへ行く金なんてたまらないから」
「ケンちゃん、もう別れよう、帰って」
「何言ってんだよ、冗談キツイぜ」
「このままじゃ、二人ともダメになる」
「だって、アキはどうすんだよ」
「これは自分の夢だから。風俗でも何でもやってお金を作る。ケンちゃんを巻き込みたくないし、変わって行く私を見られたくないの」
「アキ、落ち着け。わかった、お互いにヤバいことは止めよう」

「アキ、写真館のところの朔太郎さん知ってるだろ?」
「うん」
「あの人の昔の彼女はさ、病気で死んじゃったんだ。うちの親父が言ってたけど、彼女が苦しんでるのに自分は何もできないって、そりゃあ悩んでたって」
「その話はママから聞いたことがある」
「それに比べりゃオレはまだ幸せさ。アキの苦しみを味わうことができる。軽くしてやることもできる」
「でも」
「小学校の時にさ、高村光太郎っていう人の詩を習って、不思議に覚えているんだ」

 僕の前に 道はない
 僕の後ろに 道は出来る
 ああ 自然よ 父よ
 僕を 一人立ちさせた 広大な父よ
 僕から目を離さないで
 守る事をせよ
 常に
 父の気魄を僕に充たせよ
 この遠い
 道程のため
 この遠い 道程のため

「よくわからないけど、時代や服装や髪型が変わっても、変わったり汚れたりしないものがあるんだ。それが夢さ。夢を掴もうとする気持ちさ」
「でも」
「アキの夢を守ることが、オレが生まれて来た理由さ。それが世界のすべてさ」
「ケンちゃん」
「だから、行こう。アキの夢を叶えるために」
...2004/09/22(Wed) 00:17 ID:niZjhlcc    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:朔五郎
私、遅い夏休みで1週間ほど留守にしますので、この文章はこれで終わりにいたします。
介ちゃんと智世の間に諍いを起こさせるなど、失礼をお許しください(笑)

ちなみに、文中の詩は(ご存知とは思いますが)高村光太郎作「道程」でありました。
...2004/09/22(Wed) 03:41 ID:niZjhlcc    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:SATO
たかさん、朔五郎さんが不在の間、このスレを維持しましょう。Vシネマにすれば絶対儲かるなどど言った手前、こんな感じでクライマックスシーンの脚本を書いてみましたが・・・(朔五郎さんの書置きの続きです)

健三郎:アキの夢を守ることが、オレが生まれてきた理由さ。それが世界のすべてさ
亜紀:ケンちゃん
健三郎:だから、行こう。アキの夢を叶えるために

夜の渋谷の街を歩く亜紀と健三郎。すると行く手に二人組の姿が。チーマーだ。亜紀・健三郎危うし!
チーマーA:(亜紀に)よお、姉ちゃん。なかなかいかすピアスしてるじゃん。ちょっと遊ぼうぜ。
健三郎:待てよ。オレの彼女だぞ。お前らの相手してる時間なんかないんだ。
チーマーB:何だと、この小僧が。オレたちは姉ちゃんと遊びてえんだ。(亜紀の手をつかみ)行こうぜ。
健三郎:やめろ、何するんだ(Bの手をふりほどく)
アキ!逃げろ!(Bが健三郎の腹にパンチを食らわす)
亜紀:ケンちゃん!誰か!誰か!(周辺に助けを求める。そのはずみに携帯や財布の入ったバッグを落としてしまう)
健三郎をいたぶる二人組。亜紀の悲鳴を聞きつけて近くの店から赤いベレー坊姿の男が飛び出してきた。ボランティアの自警団のメンバーだ。
自警団:こらっ何やってるんだ
チーマーA:やべっ逃げろ
チーマーB:いただいてくぜ!(健三郎のポケットから携帯と財布を抜き取る)
自警団:(へたり込んでいる健三郎に)大丈夫か?
健三郎:すいません。大丈夫です(唇から出血。手の甲あたりからも出血している)
亜紀:ケンちゃん、大丈夫?
健三郎:大丈夫だけどさ、カッコ悪いとこ見られちゃったな。
亜紀:ううん、ケンちゃんが無事なだけでいいの。アキを逃がしてくれたんだもん、カッコ良かったよ。(健三郎に抱きつく)
自警団:(咳払いして)この時間帯だとああいう悪い連中がウロウロしている。気をつけて早く帰りなさい。

安宿に帰るために、駅に向かう二人。
健三郎:あっ、さっきの奴らに携帯と財布盗まれた。
亜紀:あたしも無い!どっかで落としたのかしら。捜してくる。
健三郎:バカ、やめろ!あんな所へ戻ったらまたひどい目にあわされるぞ。とにかく駅まで行こう。冷静になって考えなきゃ。

二人が駅に向かう途中、にわか雨が降ってくる。
ずぶ濡れになる二人。
二人は急いで駅の建物へ駆け込む。しかしお金が無い。切符は買えない。途方に暮れる二人・・・
亜紀が突然よろめく。そして、膝から崩れるように倒れ込んだ。
健三郎:(驚いて亜紀を抱き起こす)亜紀!亜紀!すごい熱だ!
亜紀:(薄目を開け、弱弱しく)大丈夫。このままじっとしてれば良くなるよ。
健三郎:そんなこと言ったって、すごい熱だぞ。とにかく出直そう。交番に行って家へ連絡して来る。
亜紀:帰らなくていい・・・だって、ここが天国だもん、ケンちゃんの腕の中・・・(意識が朦朧としている)
健三郎:もう喋るな。とにかく、夢だけは叶えような・・・(優しく語りかける)
亜紀:ありがとう・・・好きよ、ケンちゃん・・・(意識を失う)
健三郎:!亜紀・・・おい、しっかりしろ・・・(弱弱しい声で)助けて下さい・・・助けて下さい・・・
健三郎は助けを呼んだつもりだが、疲れがピークに達していて、まともな声が出ない。しかも終電が近く、利用客は慌しく行き来していて誰も二人のことを気に止めない。絶望的な光景だ。意を決した健三郎は亜紀をおぶり、近くの交番まで助けを求めに行こうとする。しかし、疲労困憊の身体では立つのがやっとだ。前へ歩けない。不審に思った駅員が飛んで来た。
駅員:どうかしましたか?
健三郎:(うつろに答える)家へ帰るんです。
駅員:家ってどこまで?
健三郎:宮浦です
駅員:そんな、歩いて帰るなんで無茶だよ
健三郎:(我に返る)すみません、彼女が高熱出して倒れたんです。助けて下さい・・・
駅員:(他の駅員に向かって)救急車!タンカも頼む!
スピンターンをして救急車到着。亜紀を病院へ搬送する。
−続く−
(次回予告)
厳しい表情で治療にあたる朔太郎・健三郎をどやしつける龍之介・涙を流し、祈る表情の智世・・・
...2004/09/22(Wed) 23:28 ID:ZiUAEAxg    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:たか
病院でのシーン

朔太郎「智世、きっと助かるよ」

智世「朔・・・亜紀を助けて・・・」
泣き崩れる智世

スケ「おまいさん、何とかしてやってくれ・・・」

朔「出来る限りのことはするよ」

スケ「頼んだよ。今、おまいさんのしてきたことを亜紀ちゃんに見せるときだ」

朔「スケちゃん・・・」
治療室へ向かう朔

スケ「なぁ、智世、あいつら・・・似てるよな」

智世「・・・・・」

スケ「あいつらも・・・同じなのかな・・・」

智世「・・・・・」

スケ「健の欲しいものを、亜紀が持ってて、亜紀が欲しいものを、健が持ってるんだよ・・・」

智世「ううっ・・・龍之介ぇ」
スケちゃんに抱きつく智世

スケ「あいつら、バカだよ・・・」

智世「うっ、うっ」

スケ「・・・・・」
...2004/09/22(Wed) 23:53 ID:6SxPvdSo    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:ごろ
突然で失礼します。ROMしてましたが、私も参加させて下さいませ。たかさんの後を受けて書いてみました。こういうのいかがでしょうか?

ー病院のシーンからの続きー
「サク!どうなの?亜紀は、亜紀は大丈夫?」
救急治療室から出てきた朔太郎に智世が駆け寄った。うとうとしていた龍之介も椅子から立ち上がる。
「うん、何とか峠は越えたようだ。大丈夫だよ。」
「ありがとう、サク・・・」
智世は朔太郎の胸に顔をうずめた。
「健三郎君も相当疲労が溜まっていたようだ。点滴を受けた後、今はぐっすり眠っているよ。」
龍之介は黙って頭を下げた。
朔太郎は微笑みながら言った
「久しぶりに朝日を見に行かないか?」

ー病院の屋上ー
「あーっ、新しい一日だー!」
朔太郎は思いっきり背伸びをした。
「たまに仕事の後、ここに来るんだ。見える景色は全然違うけど、何となく思い出すんだ。あの海を・・・」
そんな朔太郎の背中を眩しそうに見つめながら龍之介は口を開いた。
「おまいさん、変わったよ。すごくなった。すげぇ医者になったよ。」
「ほんと・・・。亜紀や健三郎君の治療の合間にも次々と運び込まれる患者さんを治療したり・・・。」
智世も感動したように言った。朔太郎は振り返り照れくさそうに笑った。
「そんなことはないよ。どこの救急病院も夜はあんなもんさ。」
智世がつぶやいた。
「何だかアキといるときのサクを思い出しちゃった・・・あっ、ごめんなさい。」
「いいんだ。大丈夫だよ。・・・。アキのいる世界に生まれてきて17年、今じゃ、その17年よりも長く生きてるんだなって・・・。でも、俺の中のどこかにアキはいるんだ。智世がそう感じたのも無理も無いかもしれない。」
二人を見ながら朔太郎は続けた。
「介ちゃん、あの時俺を殴ったよね。すげぇ痛かったよ。智世は泣いてくれたよね。アキだけじゃなくて、何ていうか、介ちゃんに殴られた痛みや智世の涙、そういうのも一緒に俺の中で生きてるんだって・・・そう思うよ。」
龍之介も笑いながら言った。
「おまいさん、あん時は俺の右手も痛かったよ。家に帰った後、ズキズキしてきてさ・・・。今でもあの痛みは覚えてるよ。」
「ありがとう、介ちゃん、智世。・・・。俺さ、以前、アキの散骨をしに帰ったとき、自転車でいろいろな場所を回ったんだ。介ちゃんは『風と潮の様子から今日は夢島の東あたりだ』なんて若い衆に指示出しながら港を出て行ったし、智世は近所のおばちゃんの顔色を見て『おぼちゃん、また貧血気味じゃないの』なんて言いながら薬を出してた。ボウズのお経をあげてる声も聞いたよ。ちょっと調子が外れてたけどね。」
三人とも微笑みあった。
「つらい思いをしたのは俺だけじゃない。でも、みんな頑張って生きてんだなって・・・。生きるってこういうことなんだって。みんなが俺に教えてくれたんだ。」

(そうだよね。アキ。生きるってそういうことだよね・・・。)
 朔太郎は朝焼けの空を見ながら「ソラノウタ」の一節を思い浮かべた。
 おまえはきく・・・。葉っぱはなんであんなに緑なの?・・・
 そこでわたしは答える・・・。なぜって、やつらは命の力にあふれているからだ・・・。
 おまえはまたきく・・・。夏が終わらなきゃいけないわけは?
 わたしは答える・・・。葉っぱどもがみな死んでいけるようにさ・・・。

朔太郎は何か思いついたように二人に言った。
「健三郎君は今日にでも退院できるけど、亜紀ちゃんは大事をとって1週間ほど入院したほうがいい。その後、俺が二人を故郷へ送っていくよ。」
龍之介が慌てて言った。
「そこまで、おまいさんの世話にはなれねえよ。」
「ここんとこ俺も働きづめでさ。休暇もけっこうたまってるんだよ。二人へのお小言はそれからにしたほうがいい。これは医者の忠告だよ。」
智世は目に涙をためて言った。
「ありがとう、サク。」

(次回予告)・・・故郷へ戻った朔太郎・健三郎・亜紀、懐かしい人々との再会、健三郎と亜紀の今後は・・・。亜紀のカバンを奪ったチーマーの黒い影・・・)
...2004/09/23(Thu) 02:41 ID:ZmpBQ0Ow    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:SATO
いやーこういうリレー方式で話をつなぐのも楽しいですね。実は、智世とスケのやりとりはどうなるのか困っていたんですよ。たかさん・ごろさん、うまく処理して下さいました。
自分としては「助けてください」をどうしてもやりたくて、その後のことを考えていませんでした・・
...2004/09/23(Thu) 10:23 ID:FUpgHTpM    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:たか
まぁ、また続きを考えなくては・・・
...2004/09/23(Thu) 11:02 ID:8qXRHuqw    

             旅先より  Name:朔五郎
帰る頃には、当然過去ログ入りしているものと思っていたのですが、ホテルのネットコーナーで覗いてみると・・・。感謝であります。

取り急ぎ、出だしの部分を書いてみます。
旅先なのでいつも以上にラフですが(笑)

6月、梅雨の晴れ間。街を一望する丘には、アジサイが咲き乱れている。うっとりするような美しい風景。亜紀に呼び出され、ここまで登ってきた健三郎。地面にビニールシートが敷かれ、スケッチブックが置かれている。
突然、肩を叩かれ振り返ると、頬に指が当たる。
アキ「へへっ、フェイスペインティング」
ケン「あ、絵具はやめろっていっただろ」
アキ「怒った?ごめんね。夏になったら泳ぎに行こうね。そしたら体中にペインティングしてあげる」
ケン「やだよ。そんなことされたらオレまで変なヤツだと思われちまう」
アキ「ちょっと、オレまでってどういう意味よ?ま、いいか。ケンちゃんは私の体にオイル塗ってね」
ケン「大胆なこと言うなあ・・・」

ケン(語り)
アキと付き合い始めたのはいつからだろう。いつの間にか、妹みたいにチョコチョコ付いて歩くようになっていた。
ぼくは、バスケット部の主将で、ポジションはポイントガード。成績は上の中といったところだ。ぼくの父、龍之介は地魚の漁と養殖をしているが、資産家の娘と結婚したために飛躍的に事業を伸ばし、加工部門を合わせると年商20億を超えている。
アキの実家は薬局で将来は店を継げと言われていた。

アキ「ケンちゃん、また英語のノート見せてね」
ケン「テスト前はいつもこうだな。本当に薬学部に入れるのか?」
アキ「ケンちゃんまで私にお説教するのね」

ケン(語り)
アキは、勉強はあまり得意でなく、ぼくに頼りきっている。おまけに、スポーツはからきしダメで、陸上でインターハイまで行った母親の血は全く受け継がれていないようだった。ただ一つ、絵を描くことについては独特の感性を発揮した。

ケン「おい、何だよ、この絵は」
アキ「ん、チュウ・ショウ・ガ。知らない?」
ケン「オレだって抽象画くらい知ってるよ。だけど、この風景の中で描くとすれば、当然デッサンだと思うだろ」
アキ「それはヘンケンというものよ」

ケン(語り)
実際、アキの絵を観れば、ピカソだってシャガールだって首を捻るだろう。しかし、ぼくたちの担任で美術教師の大沢先生は、その絵を絶賛していた。彼は長身で少し猫背だ。美術室で一人の時には、ヘッドホンで何かを聴いている。30代半ばまで独身で、瞳に愁いが感じられるので、過去にすごく悲しい恋をしたと噂されたが、単なる噂に過ぎなかったようだ。
アキの母、智世とぼくの父、龍之介は昔恋人同士だった。憎み合って別れたわけではないが、なんとなく気まずさが残っていて、ぼくたちの恋愛には反対だった。少なくとも、ぼくたちはその時、そう思っていた。しかし、本当は別の理由があった。ぼくたちは後で知ることになるのだが、亜紀という名の少女と、作家の名を付けられた少年の恋愛という「奇妙な一致」に、親は激しい胸騒ぎを覚えていた。

(続く)
...2004/09/24(Fri) 19:25 ID:8nBNSNXw    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:SATO
朔五郎さん、お待ちしてました。美術の大沢先生って映画の方の今サクみたいですね。

とりあえず、ここの書き込みをコピベして順番を並べ換えよっと
...2004/09/24(Fri) 19:34 ID:bkKvjALI    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:SATO
たかさん、母親になった智世はどうしても松下由樹さんをイメージしてしまうんですが、これってダメ?「これは?」のスレでも母親智世が登場しますが、やはり松下由樹さんが浮かぶんですよ。
...2004/09/24(Fri) 19:39 ID:bkKvjALI    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:ごろ
気がつけばトピがかなり下がっていたので、これはまずいと、慌てて続き(3人が故郷へ戻る電車の中ってかんじです)を書いて投稿しようとしたらトピ主の朔五郎さん!お帰りなさい(ってまだ旅先なんですね。)なるほど、プロローグはこういう雰囲気なんですね。また出直してきます。
...2004/09/24(Fri) 23:22 ID:HTEj3Wv.    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:SATO
Vシネマ化プロジェクトのSATOです(笑)
出来る部分から撮影は順調に進んでおりまして・・・原作・脚本・演出の朔五郎さん、脚本・演出のたかさん・ごろさん、どうもありがとうとざいます。
サントラを使ってBGMを入れる作業を開始いたしました。

シーンNo・担当者名・状況説明→サントラトラックNo・曲名
で割付しております

No3・朔五郎さん・安宿の亜紀と健三郎→No15・1987夏(オルゴール)
No6・たかさん・亜紀の無事を祈る智世・スケ→No20・空の果てへ
No7A・ごろさん・亜紀の無事を知らせる朔太郎→No15・1987年夏
No7B・ごろさん・病院の屋上でのサク・スケ・智世→No19・かたちあるもの(インストゥメンタル)
No10・朔五郎さん・イントロダクション(ケンの語りが始まってから)→No2・朔と亜紀

脚本・演出家のみなさん、これでよろしいでしょうか?
ちなみに自分で作ったシーンNo5については思案中であります。
...2004/09/25(Sat) 22:12 ID:hDmoGgr.    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:ごろ
SATOさん、ありがとうございます。やっぱり、TVのサントラ版最高ですよね!
 しかし、恐るべきはファンの皆様・・・あっと言う間にスレが下がっちゃいますよね。こちらも頑張っていきましょう!というわけで、サクの視点で書いてしまっていたものをケンの視点に書き直しての投稿です。

ー帰郷ー
 電車の揺れが心地よく響いている。でも、ぼくは居心地が悪くて座りなおした。
斜め前の窓際には松本先生が座っている。故郷に向かうこの電車に乗ってから、松本先生は何かを思い出してるかのように、ぼんやりと窓の外を見ている。何を思っているのだろう・・・。
 亜紀が退院するまでの一週間ほど、ぼくは松本先生の自宅に泊まらせてもらった。そこまで松本先生の世話になるのは気が進まなかったが、お金もなく、亜紀を病院に残したまま帰るわけにもいかず、結局、お世話になることにしたのだ。家での松本先生は笑顔を絶やさない良きお父さんって感じだった。奥さんの明希さんもやさしく接してくれた。夕食のときなど、松本先生は高校時代の自分やぼくの親父の失敗談などを面白おかしく話してくれた。無口な親父の高校時代の姿が浮かんできて腹をかかえて笑った。お陰で、親父を少し身近に感じることができた。そんな楽しい雰囲気の中、ぼくはどうしても松本先生に聞くことができなかった。「松本先生は、高校のとき大恋愛したんですか?」何度この言葉を飲み込んだだろう・・・。
 窓ガラスに映っている松本先生の顔が微笑んだような気がした。ぼくは松本先生の顔を見た。やっぱり、微笑んでいた。そのとき、ぼくの隣に座っている亜紀が言った。

「先生、先生・・・松本先生」
松本先生は我にかえってぼくたちの方を見た。
「先生って、俺のことか・・・」
亜紀は少し頬をふくらませて言った。
「松本先生はお医者様でしょ!?だったら先生じゃないですか」
「ああっ・・・そっか、そうだね・・・」
「先生は、今、すごく幸せそうな顔してましたよ。もしかして昔のことを思い出していたんですか?」
「亜紀!」
亜紀の言葉に、ぼくは思わず亜紀の袖口を引っ張った。まったく・・・相変わらずだな・・・いつも人を驚かすようなことを言うんだ。亜紀はぼくにかまわず言葉を続けた。
「そう、高校生の頃とか・・・」
亜紀はその大きな瞳をきらきらさせている。
「知ってるの?」
「はい、母に聞きました。私と同じ名前の人のこと・・・。」
「亜紀!」
亜紀の言葉に、ぼくは冷汗が流れるのを感じた。松本先生はじっと亜紀を見ていた。やがて、静かに口を開いた。
「そっか、お母さんから聞いてるか・・・。ケン、君はどうだ?親父さんから聞いてるのか?」
「いえ・・・僕はあまり・・・その・・・うちの親父はあまりしゃべらないので・・・」
「そっか。そうだよ。確かに、あの頃のことを思い出してた。あの頃・・・。亜紀ちゃんのお母さんとケンのお父さん、そして、ほら、たまに調子が外れたお経をあげる坊さん、禅海寺の住職」
「顕良さん!」
亜紀と健三郎は同時に言った。
「そう、顕良住職と、俺。・・・そして・・・」
松本先生は窓の外に目をやった。そして、再び、ぼくたちを見た。
「・・・廣瀬亜紀・・・。」
松本先生は、その名前を口に出して、微笑んだ。悲しそうな微笑・・・ぼくは初めてそんな微笑を見た。人って、こういう表情もするもんなんだ・・・。松本先生は何かふっきれたみたいに明るい表情を浮かべた。
「この5人は仲良くってね。喧嘩もよくしたけど、やっぱり一番心ゆるせる友達だった。亜紀ちゃんのお母さんと廣瀬亜紀は親友でね。二人とも足は速かったぞ。」
「こいつは全然駄目なんですよ!」
ぼくは亜紀を指差しておどけるように言った。
「ケン!」
亜紀がぼくの腕をつねった。相変わらずだ・・・すげぇ痛い・・・でも、その痛みが亜紀の体が完全に回復したことを教えたくれたようで、ぼくは嬉しかった。
「なに笑ってんのよ!相変わらずね!」
亜紀はぼくを睨みつけると、松本先生のほうへ顔を向けた。
「あの・・・私・・・お母さんに写真を見せてもらったことあるんです。その、亜紀さんって人の・・・すごく綺麗で、なんていうか、透明で、澄んだような、そんな笑顔の人でした。」
ぼくは腕をさすりながら言った。
「ぼくも、以前、松本写真館に写真を撮りに行ったとき、ちらっと見たことあります。あのウェディングドレス着ている人でしょ?同じ亜紀でも大違いだなって、痛て!」
「バカ!」
横で亜紀がふくれていた。松本先生は笑いながら言った。
「あははっ、亜紀ちゃんも十分可愛いよ。・・・そう、そうだよ。あれが廣瀬亜紀だ。アキ・・・アキと俺は付き合ってた。そして、アキは亡くなったんだ・・・。アキは亡くなる直前、『世界で一番青い空が見たい!』って言ってね。当時、修学旅行はオーストラリアでね。アキはいけなかったんだ。それで、俺は旅行から帰った後、オーストラリアのウルルで見た空のことととか、いろいろ話したんだよ。」
亜紀がポツリといった。
「白血病だったそうですね・・・。きっと、アキさん、行きたかったんでしょうね・・・。」
「うん、それで俺はアキを連れ出したんだ。ウルルの空を見せるために・・・。」
「病気の亜紀さんを!?ヤバクなかったの?」
驚いたぼくは松本先生を見た。
「あははっ、君に言われたくないよ。ケン、君だって同じようなことしたんだろう。」
「はぁ。それはそうですが・・・。」
ぼくは頭をかいた。
「いろいろ悩んだよ。担任の先生にも相談したしね。『後悔するかもしれない、後で自分を責めるかもしれないからやめろ』って言われたし。でも、最愛の人の最後の頼みなんだ。それをかなえてあげられるのは自分しかいない。もしものときは、アキの亡骸を担いで帰る、そう決意してね。で、アキを病院から連れ出した・・・。」
「無事ウルルの空を見せてあげれたんですか?」
亜紀は瞳を潤ませていた。松本先生は首をふった。
「いいや・・・。結局、空港でアキが倒れて・・・もう限界だったんだ。でも、アキは最後まで行こうとしていた。で、病院に戻されて、次の朝、アキは・・・旅立っていった・・・。」
「そんな・・・」
亜紀は、こぼれた涙をぬぐいながら言った。
「でも、アキさんは幸せだったでしょうね・・・。」
ぼくも頷いて言った。
「きっとそうだよ。そこまでしてくれてアキさんは幸せだったに決まってるよ。すごいよ、先生は!」
「うん、俺もそう信じてる。でもね、俺たち二人は、その幸せを得るために失ったものもあるような気がする。」
「どういうことですか?」
ぼくはどういう意味なのか分からなかった。松本先生は、ぼくを見据えて言った。
「例えば、アキのご両親さ。明日をも知れない病気の娘が突然病院からいなくなったんだ。そのときのご両親の気持ちを思うとね・・・今でも胸が張り裂けそうになるよ。ご両親だけじゃない。親友だった亜紀ちゃんのお母さん、ケンのお父さん、顕良和尚、みんな、アキと1分でも1秒でも長く過ごしたいっていう思いは一緒だった・・・。でも・・・、俺の行動はそれを奪ったことになる。俺はそういう思いも引きずって、アキを連れ出したんだ。」
「それじゃあ、何もしないほうが良かったとでも・・・?」
幸せな最期を迎えたはずだと思うぼくは、その言葉に納得がいかなかった。
「いや、そうじゃないよ。なぁ、ケン。自分の信念に従って行動することは大事なことだ。今回の君たちの事は十分理解できる。でも、何かを得ることは何かを失うことでもあるんだ。その失うものを心のどこかにおいておくべきだと思う。それを忘れると単に傲慢でわがままな振る舞いになってしまう・・・俺はそう思うんだ。」

 厳しい言葉だった。松本先生の言葉がぼくの心を容赦なく打った。ぼくは叩きのめされた。確かに、ぼくは亜紀が幸せになることだけを考えていた。でも、それだけだった。いい気になっていただけだ。今まで見せたことがない厳しい表情で松本先生はぼくを見ていた。その視線は、圧倒的だった。ぼくは思わず伏せそうになる自分の視線を持ちこたえることで精一杯だった。松本先生は静かな声でぼくに言った。
「分かるか?ケン」
「はい。」
「つらいぞ!」
「はい!」
「もしかしたら亜紀ちゃんのお父さんから殴られるかもしれん。」
「はい!!」
「すごく痛いぞ。」
「はい!!!」
「二人で乗り越えられるか?」
「はい!!!!」
「そっか・・・。ケン、亜紀ちゃんを守ってやれよ。」
ぼくは、涙をこらえて、頷いた。亜紀がぼくの手を握ってくれた。その手があたたかかった。

電車は、静かにホームへ着いた。
松本先生が立ち上がった。
「さあ、行こうか!」
「はい!」
ぼくたちも立ち上がった。
...2004/09/26(Sun) 17:48 ID:EAQyEPnQ    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:たか
んん、絶品ですねごろ殿ww

頑張って埋もれないようにしないと、皆さんで頑張りましょう。

私に出来ることならやりますんでよろしくお願いしますww
...2004/09/26(Sun) 20:55 ID:aDLz5oSQ    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:SATO
ごろさん、傑作です。泣けてきます。ウゥ・・・
...2004/09/26(Sun) 21:21 ID:YbGiG55I    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:SATO
このスレもそうですが、他のサイドストーリーを書き込んだスレを読んでいると、サントラを聴いてもいないのに、「朔と亜紀」の旋律が頭の中で聴こえてくるんですよ。いやー完全に「幻聴」に悩まされています。
...2004/09/26(Sun) 21:27 ID:YbGiG55I    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:たか
これは絶対に完結させるべきですねww
...2004/09/26(Sun) 21:27 ID:aDLz5oSQ    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:ごろ
たかさん、SATOさんをはじめいろいろな方のサイドストーリーを読んでると、ホントに「朔と亜紀」のBGMが聞こえてきますよね。サイドストーリーの達人のお二人に触発されて書き始めましたが、書きたくなるんですよね。朔太郎は魂の再生を無事に遂げましたが、ドラマ「世界の・・・」が終わり、喪失感にさいなまれる僕たちは、こうやって物語を紡いでいくしかないんでしょうかね・・・。僕もサントラを聞きながら書いてます。立派な中毒者です(笑)
...2004/09/26(Sun) 22:48 ID:EAQyEPnQ    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:SATO
朔五郎さんとごろさんが描く亜紀(智世の娘の方)は無邪気で天真爛漫で可愛らしいですね。本家の第一話でサクにいろいろイタズラして笑う亜紀(本家)のイメージに近いかな?
...2004/09/28(Tue) 00:10 ID:Kut2dgeA    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:みっきー
これ、すっごくいいです。ドラマ化したら、あたし絶対見ますよ☆
...2004/09/28(Tue) 20:36 ID:chT2SJRA    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:朔五郎
帰ってきました。続きを書きます。

ケン(語り)
そろそろ、文化祭の準備がはじまる季節だ。
ぼくたちのクラスの催し物は、結局、劇に決まった。
このような場合、なんといっても一番重要なのはヒロイン選びだ。女子生徒たちは圧倒的にマサミを支持した。
マサミはクラス委員で、成績は学年でも1、2位を争っていた。陸上部では短距離のエース。
しかも、清楚なお嬢様といった雰囲気を持ち、まさに生まれながらのヒロインだった。
 
マサミ「みんながそう言ってくれるなら・・・。やらせていただきます」

ケン(語り)
次にその相手役を決める。マサミの意見を聞いてみることになった。

マサミ「私、できれば大木君にお願いしたいんですけど」

ケン(語り)
クラス中の視線がぼくに集まった。拒める雰囲気ではなかった。視界の隅に、うつむくアキの姿が写った。
その日のホームルームは結局そこで終わりになった。演目、その他の配役などは2人で考えるということにして。

マサミ「ねえ、どんな劇がいいと思う?」
ケン 「い、いや、無難なところでロミオとジュリエットとか」
マサミ「うーん、あれは昔からの定番だからなあ。それより源氏物語なんか、どう?」

 ヒカルとアオイは人もうらやむ二人。
 しかし、アオイは何となく体調の不良を
 覚えていた。
 ヒカルの元彼女の六条先輩は、心変わり
 したヒカルがあきらめきれず・・・

ケン 「ちょ、ちょっと待って。いくらなんでも文化祭でやるには過激すぎるんじゃ・・・」
マサミ「そうかなあ」
ケン 「だいたい、その六条先輩ってのは誰がやるの?」
マサミ「それは、私」
ケン 「え?」
マサミ「アオイの役は、大林さんがいいと思うんだけど。大木君から話しておいてくれない?」

アキ 「えーっ、ヤダヤダヤダ。そんなの絶対にイヤ」
ケン 「だよなあ・・・。おれも、もう降りたいよ」
アキ 「ふふ、何だかんだ言っても、うれしいくせに。
だって永遠のアイドル、マサミだよ。狙ってるのは五人や十人じゃないんでしょ。私なんかジャマだよねー」
ケン (ため息)
アキ 「もう、いいよ」
ケン 「何が?」
アキ 「このチャンスを逃さない方がいいよ。私のことは、もう気にしないでいいから」
ケン (沈黙)
アキ 「案外、今ここで私が熱出して死んじゃった方がうれしかったりして。いいよ、それでも。ユーレイになって、ケンちゃんの新居に忍び込んでやる。寝てる間に、顔にラクガキしちゃうもんねー」
ケン 「いい加減にしろよ」
アキ 「あ、怒った?大丈夫よ、寝室に入るなんてエッチなことしないから」
ケン 「そうじゃなくて。あのなあ、どうしてオレが怒ってるか、わからないの?」
アキ (うつむく)
ケン 「熱出して死ぬなんて、そんな不吉なこと言ってホントになっちまったらどうするんだよ。悲しむ人が何人いると思ってるんだ?だいたいな、世の中には、もっと生きたくても生きられない人がいっぱいいるんだよ。そういう人が聞いたらどう思う?」
アキ 「ごめんね、私が悪かった」
ケン 「わかれば、いいよ」
アキ 「ごめんね、ケンちゃん、私を嫌いにならないで」

ケン(語り)
流れ落ちる涙を拭おうともせず、アキはいつまでも泣きつづけた。抱き寄せた肩が激しく震えている。

ケン 「もし、アキがいなくなって、一番悲しむのはオレだってこと忘れないでくれよな」

(続く)
...2004/09/29(Wed) 02:07 ID:/GCuznag    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:朔五郎
帰ってきました。
しかし、ごろさん、たかさん、SATOさん、皆さんすごいですねー。
読めば読むほど、すごいと思います。
...2004/09/29(Wed) 02:39 ID:/GCuznag    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:けん
感動しました。続きを楽しみにしています。
...2004/09/29(Wed) 03:45 ID:wE8vy4tk    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:たか
朔五郎殿、お帰りwww

いやぁ、いい作品になりましたよww
...2004/09/29(Wed) 14:38 ID:YQX1QLjk    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:みっきー
どれもこれも素敵な作品ばっかですよね!!
...2004/09/29(Wed) 19:06 ID:XfbheUD6    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:ごろ
みっきーさん、けんさん、ご感想ありがとう!
朔五郎さん、お帰り!お待ちしてました。セカチュウ第2世代(ケン、アキ、大沢先生、マサミ)も揃いつつありますね。マサミ・・・気になる存在です。これらの第2世代に第1世代がどうかかわっていくかにも目が離せないですね。
...2004/09/29(Wed) 19:45 ID:NhJwDwiA    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:SATO
Vシネマ化プロジェクトのSATOです。
キャスティングの追加発表です。

大沢先生:大沢たかお 映画版「世界の中心で愛をさけぶ」今サク役で有名。亜紀と健三郎をさりげなく応援する先生役として、山田君・はるかちゃんとどのようにからむか楽しみです。

マサミ:長澤まさみ 映画版「世界の中心で愛をさけぶ」亜紀役。健三郎・亜紀との三角関係になりそうな難役にのぞみます。あまりヤナ役回りにすると映画ファンからヒンシュクを買いそうなので我々スタッフの腕の見せ所か・・・

原作者の朔五郎さん、いかがでしょうか?
...2004/09/29(Wed) 22:10 ID:5pz2ZZqQ    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:たか
いいですねSATO殿ww
追加するとすれば・・・

律子:柴咲コウ 映画版「世界の中心で〜」律子役。
一流のスタイリストとして活躍中。現在は朔の故郷で生活中。特技はすぐにタネのばれそうなマジック。

いかがでしょう??ダメなら却下していただいて結構ですよww
...2004/09/29(Wed) 22:58 ID:YQX1QLjk    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:SATO
↑アハハ・・たかさん、ナイスです!
絶対に誰かがそう言い出すと思ってました。
...2004/09/29(Wed) 23:32 ID:5pz2ZZqQ    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:朔五郎
SATOさん、たかさん、モチOKです。

ただ、マサミは結構「怖い」かも。
映画ファンサイトから「殴り込み」かけられないかちょっと心配です(苦笑)
...2004/09/30(Thu) 02:00 ID:cUleQBwU    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:朔五郎
(廣瀬家の墓)
智世、亜紀の月命日にお参りする。花を手向け、手を合わせる。

智世(心の中で)
「亜紀、今月も来たわよ。あんたが亡くなってもう30年近く経つね。うちの娘の年が亜紀に追いついたわ。亜紀、あんたは天国なんかじゃなくて、すぐそばにいてくれそうな気がする。だから今日は聞いてね。
うちの娘のことなんだけど、介ちゃんとこの健三郎くんと付き合ってるのよ。ケンちゃんはとってもいい子よ。でもね、あの頃の朔にどこか似ているのよ。それにね、朔と同じように、作家にちなんだ名前がついてるでしょ?どうしてもあんたと朔のこと思い出しちゃうの。いつかどこかに連れて行かれちゃうような気がして、なんだか怖いの。
 私のダンナはね、ほんとに普通の人なの。いつも娘と私のことが最優先。次にお店が大事でね、遊ぶわけでもなく、文句言うわけでもなく、一生懸命生きているわ。私、あの人と一緒になって、結構幸せなのよ。だから
娘にも平穏に生きて欲しいんだ。
 娘に、付き合いに反対する本当の理由を言えないのはつらい。たとえ言ったとしても納得するわけないしね。
 亜紀、あんたの名前をもらっておきながら、こんなこと言ってごめんね。気を悪くしないでね。
 もしあんたが朔の奥さんになって、今も生きていてくれたら、いろいろ愚痴言ったり、子育てや、お受験の話もできたのにね・・・」

(体育館)
後輩達「ナイス、シューッ」
   「やっぱ、大木先輩はすげえよな」
ケン 「よし、今日はここまで。1、2年はボール片付けて。シンジ、すまんが、あと頼むわ」
シンジ「お、今日は文化祭の練習か?あんなイイ女独り占めしよって。お主もワルよのう」
ケン 「オレにはアキがいるから」
シンジ「は?また、あっさりと。お主はいいヤツじゃ」
ケン 「んじゃ、また」
シンジ「おう」

(教室)
ケン 「待った?」
マサミ「ううん、私も今、練習終わったところ」

 メールの着信音
ケン 「あ、オレだ」

 アキだよ。ゆうべメールできなくて、ごめんね。それだけ。

ケン 「(小声で)なんだよ」

ケン 「あ、あの、配役のことなんだけど・・・」
マサミ「(予想していたかのように)大林さん、嫌だって?」
ケン 「実は、そうなんだ」
マサミ「わかった。じゃあ、私から山川さんに頼んでみるわ」

 メールの着信音
ケン 「ご、ごめん」

  今日は私の好きなものを書きます。
  第100位から第1位までみーんなケンちゃん

マサミ「(皮肉まじりに)まるで、誰かがどこかで見てるみたいね」

(校庭)
ユイ「(あきれて)アキ、もういい加減にしたほうがいいよ」

ケン(語り)
この時はまだ、本当のアキを知らなかった。
こんなふうに、ひとつづつ近づいて、いつかひとつになるのだろう、漠然とそう考えていた。
バスケ部の最後の大会も終わり、あと数日で夏休みに入ろうとしていた。

(続く)
...2004/09/30(Thu) 02:11 ID:cUleQBwU    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:みみずく
皆さん、こんにちは!
素敵なセカチューサイドストーリーですね。読んでて色々想像して嬉しくなってしまいました。
公式サイトの掲示板も今日を持って終わりとなりました。でも、ここでまたのんびりと皆さんとサクとアキについて語り合えたら・・と思います。
新参者ですがどうぞ、よろしくお願いします。

これからももっとたくさんのセカチューサイドストーリーが出来そうですね!楽しみです♪
...2004/09/30(Thu) 11:57 ID:Hwm49Dc6    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:ごろ
こんにちは。「世界の・・・2」の続きを!といきたいところですが、本筋とは関係ないものを書いてしまいました。「世界の・・・2」のエピソードってかんじでしょうか。余分ならカットして下さい。>SATO監督。
帰郷したサクと真のシーンです。

朔太郎は、「廣瀬真」と書かれた名札を確認した。その名札がかかっている病室のドアを静かにノックした。
「・・・はい、どうぞ」
中から懐かしい声が聞こえた。朔太郎は、ドアを開けた。
「失礼します。松本、・・・松本朔太郎です。」
真は、リモコンを操作してベットの角度をあげた。
「おお・・・サクか?」
真は照れくさそうに笑った。
「・・・しっかりと挨拶も出来るようになったな・・・サク・・・。まぁ、立ってないで、この椅子にでも座りなさい。」
朔太郎はベッドの脇にある椅子に座った。
「お墓参りの後、ご自宅のほうへ伺ったら、入院されていると奥さんから聞きまして・・・」
「そうか、家内も余計な事を・・・」
「いえ、私がお会いしたくて、『いつなら会える』と、しつこく聞いたものですから・・・奥さんも止む無くって感じで教えてくださいました。」
真はうなずきながら言った。
「ご覧のとおりさ。胃の大半はもっていかれたよ。・・・担当の先生の説明では、一応、胃潰瘍らしい・・・。」
朔太郎は、真の顔を見た。すっかりと白髪になり、頬も痩せこけている。しかし、老眼鏡の奥に光る、その目は朔太郎の記憶のままであった。黄疸の症状もみられない。術後の経過も順調のようだった。
「でも、お元気そうで安心しました。」
真も朔太郎の顔をじっと見ていた。
「まあ、教授先生もそう言うのだから大丈夫なんだろう。元気そうだな、サク。充実してるってかんじだ。家族の皆さんも元気かね?」
「はい、お蔭様で皆元気にやっております。」
「そうか・・・明希さんや一樹君にもまた会いたいものだな。帰省のたびに墓参りしてくれて、家内とふたりでいつも感謝してるよ。」
「ああっ、今回は私ひとりなんです。」
「そうか、それは残念だな。一樹君もずいぶん大きくなっただろうな・・・。」
「ええ、反抗期なんでしょうか、最近、何かと反発するようになってしまって・・・。」
「はははっ、誰しも通る道だ。」
真は嬉しそうに笑い、手でお腹を押さえた。
「笑うとお腹が痛くってな・・・」
真は窓の外を見た。空の青さが鮮やかだった。

「なあ、サク。俺は前だけを見て、がむしゃらにやってきた。」
「はい。」
「でも、あれ以来、たまには立ち止まって、足元もしっかり見ることも大切だなって、そう教えられたような気がしてな。」
「はい。」
「休みの日には、家内とふたり弁当を持って、あっちこっちブラブラと歩き回ったりするようになったよ。」
「・・・そうですか・・・」
「うん、そういうとき、ふと気づかされることがあるんだな。」
「どんなことですか?」
「うーん、例えば、あの家の庭先には、こんな花が咲いていたんだなとか、そんな他愛もないものだけど・・・」
真は言葉を続けた。
「いつも仕事の行き帰りに歩いていた道にしても、はじめて歩く道のような気がしたり。・・・家内は歩くのが遅いだろ。だから、ふたりで歩くときは、家内のペースに合わせるんだ。すると『ああ、これが家内の歩いてる道なんだな』って思えたりする。同じ道なのにな。・・・おかしいだろう。」
「いいえ・・・、なんとなく分かるような気がします。」
真は朔太郎を見た。
「そうか・・・。・・・あれ以来、生きるってどういうことなんだろう?って考えはじめたけど、未だに分からない・・・。もともと俺はそういうことを考える人間じゃなかったしな。苦手だ。でも、こうして、病に倒れて病院のベットでひとり寝てると、家内と散歩していたときのことをやけに思い出してね。もし、俺がこのまま死んでしまったら、家内は、あの道を、どう感じとって歩くのだろうか、その時、俺のことを感じとってくれるのだろうか、とかね。生きるって、もしかしたら、感じるってことなのかもしれんな・・・。」
「そうかもしれませんね。」
朔太郎と真は互いに微笑みあった。
「東京へはいつ戻るんだ?」
「明後日には戻ろうと思っています。」
「そうか、じゃぁ、その間、しっかり親孝行するんだな。君のご両親にもすっかりご無沙汰してしまった。よろしく伝えてくれ。」
朔太郎は頭を下げた。
「はい、それでは失礼します。」
朔太郎は、ドアを開けようとしたが、真の方を振り返った。
「・・・廣瀬さんも・・・一日も早く退院されて、奥さんとご一緒にまた散歩して下さい。」
「ありがとう。」
真は白髪ばかりになった頭を下げた。


病院を出て、朔太郎はふと気付いたかのように立ち止まり、真の病室の窓を見上げた。

二人とも、最後まで『廣瀬亜紀』という名前を口にしなかったな・・・。でも、それも当然かもしれない・・・。ぼくの中にも『廣瀬亜紀』は行きつづけており、そして、廣瀬さんの中にも『廣瀬亜紀』は生ききつづけているからだ。二人とも亜紀の存在を感じながら話し合っていたからだ・・・。

真の病室の窓には青い空が映っていた。
朔太郎は再び歩き出した。
...2004/09/30(Thu) 18:27 ID:eYw5UGuQ    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:けん
朔五郎さんのサイドストリー楽しく読ませていただいています。私の名前もけんとつくので、なんか自分がいるみたいで、けっこうはまっていますよ。
また続きを楽しみにしていますので頑張って下さい
...2004/09/30(Thu) 22:16 ID:UeY2I84.    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:朔五郎
ごろさん、さすがですね。
でも、・・・やっぱりガンですか?ちょっと心配です。
...2004/10/01(Fri) 15:45 ID:UKaq7mgU    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:朔五郎
続きです

ケン(語り)
高校最後の夏休みも目前となった。

(放課後、高校の廊下)
ケン「部活が無くなると、なんか時間を持て余しちゃうね」
アキ「文化祭の準備も無いしね、残念ながら」
ケン「なんか、トゲのある言い方だなあ。それにしてもシンジ、少しは元気になったかな」
アキ「ユイの話では、だいぶ立ち直ってきたみたい。泣いてるから抱きしめてあげたの、なんてノロけてたわ」
ケン「(苦笑して)勝手にしてくれ」
アキ「ケンちゃんも私に抱かれたい?」
ケン「(照れながら)最近、暑い日が多いからなあ」
アキ「やっぱ、マサミのほうがいいか」
ケン「そ、そんなんじゃ、ないよ」

ケン(語り)
バスケ部最後の大会は地区予選を順調に勝ち上がった。特にシンジの攻守にわたる貢献は見事の一言だった。
ここで勝てば、県大会に進出するという一戦、相手は強豪の松崎高校だ。
試合は一進一退、しかし終了目前でリードを許してしまった。残りあと5秒、ぼくはすべてを託してシンジにパスを出す。この3ポイントが決まれば逆転だ。しかし、シンジのシュートは惜しくも外れ、ぼくたちの「夏」は終わった。
キャプテンなら、自分で切れ込んで撃つべきだった。自分が負うべき責任を、シンジになすりつけてしまった・・・。
泣き崩れるシンジの肩にタオルを掛けて、ユイはシンジに寄り添っていた。そしてぼくたちに小さく頷いた。私に任せて、というように。

アキ「(すねるように)なんか、ユイがうらやましい・・・あれ、まただ」
ケン「なに?」
アキ「最近、ケータイの調子が悪くて、届いてもいない
のにメールの着信音が鳴るのよ」
ケン「オレには何も聞こえなかったぜ」
アキ「えーっ、耳おかしいんじゃないの?」

ケン(語り)
廊下の突きあたりは美術室だ。大沢先生が出てくるところだった。

大沢「おお、ちょうど良かった。2人とも時間はあるか?そうか、じゃ、ちょっと入ってくれ」

大沢「そこに座って。夏休み中に進路についての三者面談やるわけだけど、その下調べだ。まあ、君たちは付き合ってるようだから、一緒でいいだろう。あ、その前に(姿勢を改めて)これは他の生徒にも言ってることだが、夏になるとどうしても気持ちが開放的になる。保健の時間に習ったように最低限、避妊だけは忘れるなよ」
アキ「私たち、全然そんなじゃないです」
大沢「(ほっとしたように)そ、そうか、今時めずらしいな。教師としては、とてもありがたい」
アキ「別に、好きでそうしてるわけじゃないですけど」
ケン「(小声で)お、おい、アキ」
大沢「はは、続きは二人だけでやってくれ。さて、本題だが、大木、君は水産学部志望だったな」
ケン「はい」
大沢「ただ、前にお母さんと話した時に、事業を継ぐために経営学部というのも出たぞ」
ケン「オレ、海が好きですから」
大沢「そうか、大木の成績なら文理どちらでも行けるだろう。三者面談の時までにご両親とよく相談しておくこと」
ケン「はい」

大沢「さて、大林」
アキ(身を縮める)
大沢「わかってるようだな。ま、休み中の過ごし方にかかってるということだ。君の場合はどうしても薬学部に入らなきゃならん。大木、ちょっと面倒みてやってくれ」
ケン「は、はい」
アキ「先生。私、本当は大学なんか行きたくないんです」
大沢「ほう」
アキ「絵の勉強がしたいんです。それで専門学校に・・・」
大沢「なるほど、これは、ぼくの専門分野だな。じゃ、聞くが君は何のために絵を描いてるんだ?」
アキ「何のためにって、好きだから・・・」
大沢「好きだけじゃ、メシは食えんぞ。それに、この際ハッキリ言っておくが、今のままじゃ君の絵は、それほど伸びない」
アキ(うつむく)
大沢「君の絵は、確かに発想が斬新で、その点期待させるものはある。でもな、何か響いてくるもの、メッセージみたいなものが感じられないんだ。何のために描くかという、動機づけが必要だな」
アキ「(目を上げて)先生は、大沢先生は、なぜ描いているんですか」
大沢「理由はこれだよ」

ケン(語り)
それは携帯用のMDプレーヤーだった。

ケン「いつも聴かれてるものですね?」
大沢「そうだ、君たちも聴いてみるか?」

ケン(語り)
ぼくたちは、思わず顔を見合わせた。聴いてみたい気もするが、なんだか怖い気もした。たとえば、女の人の声で「・・・バイバイ」なんて入ってたらどうしよう。

ケン「(恐る恐る)聴かせていただきます」

ケン(語り)
街角のざわめきが聞こえた。人々がおしゃべりをしている。英語だ。アートという単語が聞き取れる。中年の男が歌っている。ざっくばらんでとても楽しそうだ・・・。

ケン「先生、これは」
大沢「歌が聞こえるだろう?それはニューヨーク・ニューヨークという歌だ。ぼくの少年時代のかけがえのない思い出だ。そこには世界で一番自由な風が吹いていた。あの日までは・・・」

(続く)
...2004/10/01(Fri) 15:55 ID:UKaq7mgU    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:たか
朔五郎殿、早く続きが読みたいですww

いやぁ、私も昨年、受験生でしたから・・・
感じ分かります。
でも、大学受験はもっと厳しいんだろうなぁ・・・
...2004/10/01(Fri) 17:05 ID:mjpwkrTk    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:ごろ
アキの幻聴?も気になります。ニューヨーク・ニューヨークの歌に象徴される大沢先生の過去、気になりますね。気になることだらけです。(笑)朔五郎さん、私も続きが待ち遠しいです。
 35のシーンは、私自身、最終回の真と今サクのシーンが好きで、それで、この2でもあったらいいなってかんじで書きました。亜紀を父として愛した真と恋人として愛したサクの男同士の、互いに亜紀のことを思いながらの、そんな語らいを私自身見てみたいと思ったもので・・・。真ファンの方、勝手に入院させてすみません。
...2004/10/01(Fri) 19:06 ID:.yVASV66    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:朔五郎
続きです

ケン(語り)
街角のざわめきが聞こえた。人々がおしゃべりをしている。英語だ。アートという単語が聞き取れる。中年の男が歌っている。ざっくばらんでとても楽しそうだ・・・。

ケン「先生、これは」
大沢「歌が聞こえるだろう?それはニューヨーク・ニューヨークという歌だ。ぼくの少年時代のかけがえのない思い出だ。そこには世界で一番自由な風が吹いていた。あの日までは・・・」

大沢(回想)
父親の仕事の都合で、ぼくは少年時代をニューヨークで過ごした。ぼくの家は郊外の一軒家で、そのとなりには、ひときわ大きな豪邸があった。
その家の主はコンピューター関連会社の社長だった。大金持ちにもかかわらず陽気なニューヨーカーで、彼の周りにはいつも人の輪ができた。
ヤンキースの大ファンで、勝ち試合の後にスタジアム全体に流れる「ニューヨーク・ニューヨーク」をよく口ずさんでいた。
若い頃、アートを志した時期があったということで、大邸宅の庭や部屋の一部を芸術家の卵に開放していた。まあ、金持ちの道楽というところだ。
ある日、ぼくが隣りの庭を覗いていると、そのおじさんが、こっちへ来いと手招きをした。そこでは、お互いに作品の感想を言い合ったりしていたんだ。
「タカ、この絵を観てどう思う?」と聞かれたぼくは、生意気にも覚えたての英語で意見を言った。皆が、ほう、という顔をした。それからは、ぼくも彼らの中に入って絵を描くようになった。チビだから馬鹿にされるなんてことはなかった。
ぼくは、みんなの作品を遠慮なく批評した。そのかわり、ぼくの絵もボロクソに言われたものさ。人種も、男女も、年齢も関係なかった。おじさんはビール片手にニコニコしながらそれを見ていた。
仲間の一人が、小さなギャラリーで個展を開くことができたのも、おじさんの口利きがあったからだ。それが終わったあと、セントラルパークで打ち上げをしたんだ。ポップコーンとホットドッグをほお張ってね。おじさんも駆けつけてくれた。ぼくはその時、初めてビールを飲んだ。うまいとは思わなかったけど。

ケン「そのおじさんは、いまでもお元気ですか?」
大沢「(遠くを見るように)亡くなったよ。この打ち上げのあとすぐに」
ケン「えっ」
大沢「2001年9月11日・・・」

大沢(回想)
信じられない光景だった。飛行機がビルに激突している。あれは、おじさんのオフィスがあるビルだ。アメリカの繁栄の象徴が今、崩壊していく。街全体を死の恐怖が覆った。
おじさんの体は焼き尽くされ、家族の元には骨のひとかけらももどらなかった。
ぼくたちは日本へ帰ることになった。別れの日、おじさんの奥さんがぼくに1本のビデオテープを渡してくれた。あの打ち上げの時、誰かが撮ったものをダビングしてくれたんだ。
「タカ、彼も私もあなたを本当の息子のように思っていた。悲しいことだけど、これも神のご意志よ。彼のことを覚えていてあげてね」と。

大沢「おじさんがしてくれたように、若い人たちに、自由に芸術を楽しむすばらしさを教えてあげたい、そう思ってぼくは美術教師を目指した。描きながら、あの歌を聴いていると今でもおじさんが横に立って絵を観ているような気がするよ」

大沢「大林、君の人生はまだ始まったばかりだ。自分が生きている理由を、ゆっくりと考えてみたらどうかな」

ケン(語り)
外に出ると、水色の空に白い三日月が浮かんでいた。

ケン「・・・アキ、たこ焼きでも喰いに行こうか?」
アキ「ごめんね、ケンちゃん。今日は一人で考えながら帰る」
ケン「アキ・・・」

ケン(語り)
月のかかっている方向へアキは歩いていった。
アキの中で強いもの、真っ直ぐなものが目覚めようとしていた。いままで本人すら気づいていなかった何かが。
いままでぼくの後をついて歩いていただけのアキ。5キロ走ではマサミに3周遅れにされ、ベソをかいていたアキ。
そんなアキが、今、自分の足でスタートラインに立ち、走り出そうとしている。
それを止めることは、もう誰にもできないだろう。

(続く)
...2004/10/02(Sat) 14:15 ID:igrwHOKE    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:SATO
朔五郎さん、素晴らしい・・・涙が出てきますよ。あの同時多発テロで慕っていたオジさんを失った大沢先生の心情がよく表現されていると思います。
...2004/10/02(Sat) 18:06 ID:uR735M02    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:たか
とても感動しました。
いや・・・感無量ですね・・・

すごいですね、世界レベルの話が展開されてますよ
...2004/10/02(Sat) 18:15 ID:I5fHwQu.    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:ごろ
 今でも忘れられないですからね、あの光景は。陰のある大沢先生の謎が9・11にあったとは・・・予想外でした。朔五郎さん、なかなか重厚な物語になってきましたね!
 ところで、皆さんに提案なんですが、「世界の・・・2」の主題歌ですが、平井堅の「思いが重なるその前に」ってのはいかがなもんでしょうか?
...2004/10/02(Sat) 18:37 ID:.M5pkoes    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:たか
ごろ殿、私もいいと思いますww

後、未来君も出してあげればいかがでしょうか???
...2004/10/02(Sat) 18:47 ID:I5fHwQu.    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:SATO
未来君は少年時代の大沢先生ということで。彼には英会話の特訓をやってもらわなければいけませんな。
...2004/10/02(Sat) 18:51 ID:uR735M02    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:たか
SATO殿、それがいいですなww
...2004/10/02(Sat) 22:06 ID:GZUszojE    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:朔五郎
皆様、ご批評ありがとうございます。

ニューヨークの話は、二人がなぜNYを目指すのか、という理由付けをしなければならないため、必死で考えました(苦笑)
実はこの話を書いた直後に書店に行ったら、「マンハッタンの中心で、アホと叫ぶ」という本が並んでまして、
余りのタイミングと、タイトルの情けなさにヘタりこみそうになりました(笑)

ごろ様
もはや重症のセカ中毒の私は、この間行った夏休みの北海道旅行でも、レンタカーは「思いが・・・」がCMに使われているカ○ーラフィルダーを車種指定で借りました。すると、ウルルならぬサルル(沙留)という街にたどりつき、運命を感じてしまいました(笑)
ちなみに、サルルは、流氷で有名な紋別市の少し北にあります。

あと、原作者の私がアキのキャラを二転三転させるために、皆様が書いてくださった作品とズレてしまう恐れがあります。あとですり合わせが必要になった場合、知恵をお貸りしたいと思います。

無理やりつじつま合わせ
1987年 廣瀬亜紀逝去
2001年 同時多発テロ発生 大沢17歳(帰国)
2004年 大林亜紀6歳 大木健三郎6歳
2016年 大林亜紀18歳 大木健三郎18歳 大沢32歳
したがって、この物語は2016年頃で、本家亜紀の死から約30年が経過しています。
    
...2004/10/02(Sat) 23:05 ID:wOdYnvME    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:たか
朔五郎殿>そうですか、亜紀の死後30年ねぇ・・・・・・・2016年、私はですね・・・28歳ですか。

何か、本とか書いてそうな気がします・・・
...2004/10/03(Sun) 15:18 ID:41qt780k    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:ごろ
 今までと同じで「さん」でいいですよ〜。でないと、私も朔五郎様と改まって呼ばないとならなくなります。
 「マンハッタンの中心で、アホと叫ぶ」う〜む、腰が抜けそうですね(笑)
 やはり、ケンとアキがニューヨークを何故目指したのかって必要ですからね。9・11を持ってこられたあたり「やられた・・・脱帽」っていうかんじでした。
 サルルがあるとは!朔五郎さん(さん、ですみません)この話を書くのは運命だったんですよ!「思いが・・・」の歌詞を読むと、ケンとアキをはじめとする「世界の・・・」の登場人物の姿を思い浮かべてしまうのです。「瞳をとじて」に続いて平井堅には泣かされます。
 時系列の確認、ありがとうございます。私もだいたいこの線だろうなって書いてましたが、矛盾点もあるようで(サクと真のシーンの一樹の年齢など、反抗期って、おいおい!ですよね)修正しないといけませんね。キャラの立ち上げも難しいと思います。私も本編の続きを書いているのですが、朔五郎さんの執筆状況を見ている状態です。当分はサイドストーリーっぽいの中心かな(邪魔にならない程度で)。
 1つの案ですが、無謀にもニューヨークを目指して東京へ行き、挫折を味わった二人が大沢先生の話などを聞いて・・・ってなかんじでもストーリーは流れるかなと思いますが、いかがでしょうか。
...2004/10/03(Sun) 18:21 ID:mTptbGe6    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:朔五郎
ごろさん
わかりました、お互い「さん」ということで(^^)

ごろさんの案は、こんな感じでしょうか。

1、高圧的な智世に反発するアキ
2、ネットか何かでモダンアートのことを見て、とにかくNYまで行けばなんとかなると勘違いする
3、故郷を飛び出し、東京で痛い目に遭う。
4、サクの世話になり、一緒に帰郷する。
5、大沢先生に油を搾られ、その時に9.11の話を聞く
6、(仮に)あ、もしかして子供のために絵本をかいてあげるなんていいかも・・・

そうか、結末の収まり方はこのほうが良さそうですね。
それでは、一応「東京篇」の前までこのまま書きまして
そこでいったん止めて、みなさんの知恵をかりるというのはどうでしょう。

あと、智世のキャラがイマイチ浮かばず苦戦中です。40台後半の智世ってどんな感じでしょう。言い回しなど気づいた点がありましたらお願いします。
...2004/10/03(Sun) 20:24 ID:5RSUrU5o    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:たか
40代の智世ですか・・・う〜ん・・・
言動を少し落ち着かせた感じでいいんでは??
どうしても智世が年をとったのを想像すると、松下由樹になってしまって(汗

あ、すみません、またべらべらと勝手に意見を述べてしまって。
...2004/10/03(Sun) 20:28 ID:41qt780k    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:ごろ
 朔五郎さん、気を使わせてすみません。今後もよろしくお願いします。たかさん、ご意見ありがとうございます。
 朔五郎さんの「まとめ」のような感じにすると、SATOさんやたかさんのシーンも生きてくると思うんですよ。夢をかなえるために、とにかくN.Yへ、そのために東京へって、才能はあるが、まだいまいち自立できないアキ、それを後押しするケン。SATOさんの「助けてください」のシーンが前半のクライマックスってかんじです。その後、たかさんのシーン、帰郷の電車のシーンでサクの思いもよらない重い過去&大沢先生の芸術に対する原点、これらのことでアキの中で何かが変わり芽生えるってな雰囲気になるのかな。そのときのケンの在り方、マサミ(ぼくは勝手に敵役になるのかななんて想像してました。)の存在、など難しいですが・・・。後半のクライマックスをどう持ってくるかが問題ですね。果たして、ケンは、アキは、どこで、どう愛を叫ぶのか・・・。
 智世のキャラですが、たかさんご指摘のように、ぼくも少し落ち着いたかんじを想像してました。ただ、昔の仲間との会話などには、高校の頃の智世が垣間見えるってかんじかな。
...2004/10/03(Sun) 20:57 ID:mTptbGe6    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:SATO
最近はアイデアも出さずに傍観者となったSATOです。
たかさんと同じで、私も40代の智世は松下由樹をイメージしています。大人になった智世とスケとの掛け合いをたかさんが別スレ「これは・・・」に書き込まれてますので、参考にされたらいかがでしょうか?あのキャピキャピした智世がそのまま大人になってもいいんじゃないですか?歯に衣着せぬ智世は亜紀にとってはコワーイ存在なんでしょうけどね。
...2004/10/03(Sun) 20:59 ID:.tbt7Ggs    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:たか
ごろ殿>そうですね、これからの道が開けてきましたね。
後半のクライマックスは・・・難しいですね・・・
とりあえず、目先に目を向けていくべきだと思いますね。律子の登場もまだですからね・・・どこかで出してきて欲しいですね。大沢先生の奥様など、案はいろいろありますんで。またよければ私のアイデアもどこかで入れてくれたらうれしいですww
...2004/10/03(Sun) 21:03 ID:41qt780k    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:ごろ
たかさんの「これは・・・」スレの薬局でのスケと智世の、ポンポンとしたやり取り傑作ですよね。あれ大好きです。

この「世界の・・・2」でのスケと智世は、僕自身は、高校卒業後、しばらく付き合って、その後、破局したって想像しておりまして・・・。もう少し影があるってかんじで書いておりました。

設定としては、帰郷したケンとアキ、ケンは大林薬局に謝りに行くがアキパパに殴られる。その後のスケと智世が会い過去を回想する。「世界の・・・2」のサイドストーリーって感じで書きかけでボツにしようと思っていたので未完成です。ご参考までに。

ー龍之介と智世ー

智世は、堤防の上でぼんやりと海をみていた。燃え尽きようとしている太陽のおかげで、刻々と海の色が変わっていく。智世の足元にはポメラニアンがじゃれついていた。
「なにぼーっとしてんだよ。」
その声に、智世は振り返った。スーツ姿の男が近づいてくる。
「龍之介・・・」
「女がひとり夕日にたたずむって、なかなか絵になってたよ。」
「ばか・・・。そんなこと言っても何も出ないわよ!」
龍之介はしゃがみこんで、ポメラニアンの体をなでた。
「そっか。そりゃ残念だ。・・・ここにはよく来るのか?」
「うーん・・・」
智世は足元にあった小さな貝殻をつま先で小突いた。
「・・・犬の散歩にね。あなたは、来なくなったわね。ここには・・・」
「そうかな。」
「そうよ。あの頃、あなたは仕事を終えた後、よくここで海を見てたわ。私はそんな龍之介を見るのがすきだったなぁ・・・。」
智世は、風で乱れた髪をかきあげた。
「だいたい龍之介は、そんな格好は似合わないわよ。」
龍之介は自分の胸元を見下ろした。
「自分では決まってるっと思っているけど、それに、これ、結構高いんだぞ。」
「あなたは、鉢巻しめて、白いTシャツに腹巻してるのがお似合いよ。」
龍之介は苦笑しながら言った。
「相変わらず、きついな」
ポメラニアンの頭を撫でて、龍之介は立ち上がった。
「大林さんは、まだ許してくれそうもないか?」
「そうね。まだ、もうすこし時間がかかるかも・・・。うちの人もケンちゃんをあんなにひどく殴って、引っ込みがつかなくなってるのもあると思うわ。」
「まあ当然と言えば当然だな。うちのバカ息子がアキちゃんを連れて駆け落ちしたんだからな・・・」
「アキも悪いのよ・・・」
「まったく・・・俺たちの子供がこんなことになるなんて、思ってもみなかったな」
「私たちの子供・・・」
智世は、小さな声で龍之介の言葉を繰り返した。
「そうだよ。サクと亜紀、そして、ケンとアキ・・・どうしてこう俺たちの周りには世話のかかるやつばかりなんだろうな」
龍之介は笑いながら智世を見た。智世は海を見つめたままだった。そんな智世を見て、龍之介も表情を改めた。
「・・・俺も人のことは言えないか・・・。」
龍之介も智世の見つめている海を見た。
「俺も・・・いろいろ迷惑かけちまったからな・・・」

ー過去ー

夕暮れの港は、一日の仕事を終えた船が戻ってきて賑やかだった。漁師たちは、今日の釣果やこれから繰り出す盛り場のことを機嫌よく話している。そんな喧騒の中、黙々と後片付けを終えた龍之介は操舵室に置いてある一升瓶を取り出して傾けた。
「飲みすぎはいかんぞよ。何事もほどほどに」
龍之介は声のしたほうを見た。中川顕良が僧服のまま立っていた。
「なんだボウズか。お前さんも飲むか?」
「いや、拙僧は人前で酒は飲まんことに・・・そんなことより、いい加減その呼び方やめろよ。」
顕良はデッキに降り立ち、あたりを見回した。綺麗な場所を見つけると、顕良は腰を下ろした。そんな顕良の姿を見て龍之介は笑いながら言った。
「ボウズはボウズだからいいじゃねぇか。」
「バカ言え!こう見えても、俺は・・・拙僧は、この町じゃ、ちょっとした顔なんだからな。」
「ボウズは、お前さんのあだ名だ。幼馴染の俺があだ名で呼んでも可笑しくないだろ?」
「まぁ、その話はまた後だ。それよりスケちゃん、最近、智世と会ってないだろう」
「お前さんには関係ないよ。」
「なぁ、スケちゃん。高校卒業してからさ、お前と智世が付き合い始めたとき、俺はすごくうれしかった。」
龍之介は、一升瓶を傾け続けた。
「やっぱり、サクとアキちゃんのことがあったしな。スケちゃんと智世だけでもさ、うまくいったらいいなって、そう思ってたんだ。」
龍之介は、かまわず酒を飲んだ。顕良はたまらず怒鳴った。
「それがなんだ!フラフラフラフラしちまって!酒場の女の尻を追い回してんじゃねぇよ!」
「わめくなよ。聞こえてるよ。」
「なぁ、スケちゃん、知ってるのか?智世は見合いしたんだぜ。」
龍之介の一升瓶を傾ける手がとまった。
...2004/10/03(Sun) 21:43 ID:mTptbGe6    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:SATO
朔五郎さんとごろさんとの打ち合わせで方向性が見えてきましたね。メデタシメデタシ(随分無責任な発言ですな)
最終的に亜紀が絵本作家になるというアイデアは是非採用しましょうよ。亜紀は自分のできる範囲で夢をかなえる幸福感に気付く。本家・廣瀬亜紀の夢が智世の娘に受け継がれる。智世母娘が亜紀の墓前に夢を受け継いだことを報告する。ということで締めるというのはいかがですか?
...2004/10/03(Sun) 21:57 ID:.tbt7Ggs    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:たか
ふむ、SATO殿、それはいいアイデアですね。

そこに至るまでに、ケンや大沢先生、あるいは、マサミとのかかわりを描いていけばいいと思いますww
何かきっかけというものも必要になるんではないかと、また私の勝手な意見で申し訳ありません
...2004/10/03(Sun) 22:00 ID:41qt780k    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:たか
ごろ殿の続きを・・・ごろ殿、すみません勝手に・・・

龍之介「それは、本当か?」

顕良「ああ、相手はバリバリの堅物だそうだ」

龍之介「いつだよ」

顕良「ちょっと前になるかね」

龍之介「なんでなんだよ」

顕良「何でってそりゃお前・・・」

龍之介「あいつ・・・」

顕良「お前さんと別れて、別の幸せを探しにいったんだろう」

龍之介「俺じゃ幸せじゃないのかよ」

顕良「それは智世自身が決めることなんだよ」

龍之介「そうか・・・」
物憂げに遠くを見つめる・・・

顕良「後悔してるのか?」

龍之介「いや、それは無いさ」

顕良「お前さんも、見合いするか?」

龍之介「自分の相手くらい自分で探すよ」

顕良「そうか、お前も少しは大人になったんだなぁ」

龍之介「前から大人だって」
少し微笑み・・・

顕良「拙僧にも少しいただけるかな」
と杯を差し出した

龍之介「少しと言わずによーけ飲んどきな」

顕良「いいや、少しだ」

龍之介「ははは。しかたねぇなぁ」
その夜は満月だった・・・綺麗な満月を見ながら、顕良と龍之介は酒を口にしていた・・・

いかがでしょう。ごろ殿、すみません勝手に使ってしまい。
...2004/10/03(Sun) 22:15 ID:41qt780k    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:SATO
たかさん、賛同いただき、ありがとうございます。
亜紀が絵本作家になるまでのあらすじです。

絵本作家になりたいと言い出した亜紀に対して、智世はある条件を出します。それは薬学部に合格し、薬剤師免許を取ること。智世としては確実に食べていける手段だけは身につけておいて欲しいという親心でした。大沢先生の「好きなだけではメシは食えんぞ」にダメ押ししたわけです。そこで亜紀はケンの助けを借り(実質は家庭教師?)ながらも見事に薬学部合格をはたし、智世の条件をクリアしました。大学時代は薬学部の勉強と絵本の勉強を両立させ、卒業と同時に絵本作家としてデビューしました。

とまあ、こんな感じです。
...2004/10/03(Sun) 22:34 ID:.tbt7Ggs    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:たか
SATO殿、いいですな。
そんな感じで行きましょうww

ごろ殿や朔五郎どのにも協力してもらえればいいですねww
...2004/10/03(Sun) 22:39 ID:41qt780k    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:朔五郎
「高圧的な智世に反発するアキ」のシーンです

(大林家)
達明「俺はアキのことはアキ自身に決めさせたほうがいいと思うよ」
智世「だめよ。この店を継がせるわ」
達明「俺の甥っ子が再来年、薬学部を卒業するんだ。場合によっては、店を任せてもいいと思うんだが」
智世「とにかく、だめ。勉強に身が入らないようなら付き合いも止めさせないと」
達明「(智世の目を見ながら)おまえ、店を継がせるというのは、本当にアキの将来を考えてのことか?」
智世「(やや動揺して)ど、どういう意味よ?」
達明「(少し考えて)おまえ、何を心配してるんだ?」
智世「なによっ、何が言いたいの?はっきり言ったらいいじゃない!」
達明「付き合いを止めさせるのが目的か?」
智世(沈黙)
達明「そんなことで縛り付けても、何もならんぞ。付き合ってる彼は、なかなかいい子じゃないか。近所で会ったときも、ちゃんと挨拶するしな。家柄もいいし、問題ないんじゃないのか」
智世「イヤよ、とにかくイヤなのよ」
達明「大木さん、の息子だからか?」
智世「そうよ、知ってるじゃない。あいつはね、高2の時、私をほっぽり出して東京の女のところに行っちまったのよ。そのおかげで陸上の大会に出られないで、私だけならともかく、友達にまで迷惑をかけて。アキが付き合ってるのはそんな男の息子なのよ」
達明「・・・ウソつくんじゃないよ」
智世(息を呑む)
達明「一度でも惚れた男のことを、そんな風に言うのはよせ。憎み合って別れたんじゃないことは俺も知っている。どうした、おまえらしくないじゃないか。あの子のどこが気にいらないんだ?」
智世(うつむいて、唇をかむ)

智世「(心のなかで)あの子は、あの男は、きっとアキをどこかに連れていってしまう・・・」

(大木家)
ケン「ただいま」
優子「あら、お帰り(優しく微笑む)」
ケン「母さん、今日、大沢先生と話をしてね、三者面談までによく相談しておけって」
優子「そう、お父さんも私もね、健三郎の好きなほうでいいと思ってるわ。ただね、現場のほうは今のところ人手も足りてるから、経営に専念してもいいのかなってね、ちょっと思っただけ」
ケン「でもオレ、海が好きだから」
優子「やっぱり、お父さんの息子ね」

(大林家)
アキ「・・・ただいま」

足早に店を通り抜け、自分の部屋に入るアキ。スケッチブックを手に出てくる。

智世「ちょっと待ちなさい。どこに行くの?」
アキ「防波堤」
智世「だって、もう夕方じゃない。あの子に会いに行くの?」
アキ「そんなんじゃ、ない。一人で将来のことを考えたいの」
智世「そんな必要ないわよ。あんたは店を継ぐの」
アキ「お母さん、私、やりたいことがあるのよ」
智世「生意気なこと言うんじゃないよ」

いきなりアキを平手打ちにする智世

アキ「あっ」

スケッチブックを落とすアキ。しかし、すぐに顔を上げ智世の目を見返す。智世、内心たじろぐ。

智世「(心の中で)どうしたの、アキ。今までのあんたならベソベソ泣いてすぐに謝ったじゃない。何があったの・・・」

(続く)
...2004/10/03(Sun) 22:42 ID:5RSUrU5o    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:たか
またまた勝手に続き失礼(ペコリ

亜紀「私、絵描きたいの・・・」

智世「あなたは、うちの薬局をつぐことになってるのよ」

亜紀「いやだ、私は絵を描くの・・・」
必死に抵抗する亜紀
智世はスケッチブックを拾い上げて、なんと破り捨てた・・・

亜紀「ああ、私の・・・」
大粒の涙が亜紀の頬をつたう・・・

智世「とにかく、次そんなことを言い出したら家に入れないからね」

亜紀「うっ・・・うっ・・・ぐすん」

智世「わかったら早く戻って勉強しなさい」

亜紀「は・・・い・・・」
その夜・・・亜紀が勉強している間・・・

達明「お前、今日のはひどすぎるぞ」

智世「何がよ」

達明「亜紀のスケッチブックを破っただろう」

智世「あんなものがあるから亜紀は薬剤師になろうとしないのよ」

達明「だから、亜紀の将来を俺達が決めることはないだろう」

智世「あの子は薬学部に入れるの」

達明「最近のお前、おかしいぞ」

智世「私は普段通りです」

達明「何をそんなにあせったようにしてるんだ?」
続く・・・

勝手に使って&へたくそですみません(ペコ
...2004/10/03(Sun) 22:55 ID:41qt780k    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:朔五郎
みなさん、ありがとうございます。

SATOさん
「最後に亜紀の墓前に絵本作家になったことを報告する」これはもう決まりでいいと私は思います。

ごろさん
「アキは、ケンはどこで愛をさけぶか」
ものすごく安易な考えですが、ラストで新婚旅行で行った自由の女神の前で。いくらなんでも、ですか(苦笑)

たかさん
いや、いろいろアイデアがでて、勉強になります。これからもよろしく。

さて、一番最初に考えた自分なりの設定はこんな感じでした。ご意見をお願いします。

1.テーマ
 人間が生きている理由

2.目的地
世界2:NY
アートを学びたいというアキの夢のため。ある程度の期間滞在することが前提。そのため、行く前にそれなりの資金が必要。しかし、受験間近の2人がアルバイトに精を出すのは不可能。しかも、智世は交際に強硬に反対しており、このままだと引き裂かれてしまう。ケンの家は金持ちだが、「駆け落ち」を援助するほど甘くはない。それ故、一時東京に逃げ、NY行きの資金を作ろうとする。(もちろん、無謀な話です)

(比較)本家:ウルル
もはや、死を覚悟した亜紀の最後の願いをかなえるため。着いてからのこと、帰りのことはほとんど考えていない。亜紀の死が迫り時間が無い、究極の極限状態。それ故、親(祖父)のスネをかじるのもやむを得ない。

3.アキ
最初は典型的天然キャラ。しかし、自分が生きている理由を考えだすことにより、強いもの、真っ直ぐなものが目覚める(弔辞を読む廣瀬亜紀のイメージに近づいていく)見た目はパンテーンのCM風、ピアスあり。

4.ケン
バスケ部キャプテン、責任感強く、男女問わず人望がある。アキのことは妹のようにかわいいと思っている。多少アキのことを低く見ているかもしれない。しかし、アキの変化を見て焦りを覚える。アキの夢を叶えるため自らの将来を省みずアキを支えようとする。NYに行ったら、バスケで磨いた身のこなしを使い、大道芸で生活費を稼ごうと思っている。(もちろん、無謀な話です)
見た目は、軽い茶髪。

5.智世
基本的に娘アキのことは深く愛している。しかし、亡き親友廣瀬亜紀と娘、サクとケンが重なって見える。(廣瀬亜紀がウルル行きに連れ出されたように)娘がどこかに連れて行かれるのではないかと不安に苛まれる(それは現実となる)しかし、その不安を周囲に話しても理解されるわけもなく、交際に反対する理由を龍之介のせいにする(ひどい話です)サクの行為(ウルル行き)を非難する気はないが、娘のことになれば話は別。薬局を継ぐことと受験を「利用して」アキとケンを引き裂こうとする。
...2004/10/04(Mon) 01:18 ID:MLa.efXg    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:たか
そうですね、いいと思います。

後は大沢先生、マサミ、達明なんかも書いていただければありがたいですww
...2004/10/04(Mon) 15:10 ID:cEmZYfKA    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:ごろ
SATOさん
 その結末、いいですね。智世が処女作を持って供えるってシーンが浮かんできます。

朔五郎さん
 キャラ起こし、お疲れ様です。参考になります。

たかさん
 スケと智世の続き、書いてくれたんですね。ありがとうございます。たかさんの続きを読んで、ぼくなりに、もう少し、この話を転がしてみることにしました。

ー龍之介と智世(過去の続き)ー(56・59の続き)

顕良と別れた後、龍之介はどこをどう歩いたのか、気がつけば大林薬局の前まで来ていた。もちろん店のシャッターは閉じられ、2階の窓も灯りが消されていた。龍之介は、智世の部屋の窓の下までくると、しゃがんで小石をひとつ取り上げ、投げようとした。
「・・・何してんだよ、俺って・・・」
龍之介は、拾った小石を見つめた。
「今さら、あいつに会ってどうしょうっていうんだよ・・・」
その時、遠くのほうからクルマが近づいてくる気配がした。龍之介は反射的に電柱の影に身を寄せ、クルマをやり過ごそうとした。クルマは静かに薬局の前で止まり、ヘッドライトが消えた。助手席側のドアが開き、智世が降り立った。運転席の男もクルマを降り、智世の方へ歩いていった。男は申し訳なさそうに智世に言った。
「今日は、突然、ドライブにお誘いして、それにこんなに遅くなってしまって・・・」
智世は、首を振り答えた。
「ううん、楽しかったです。今日はお店も暇だったし、母にも『達明さんと行って来たらいいわ』って送り出されたものですから」
達明は2階を見上げ言った。
「遅くなったお詫びをご両親にもしたいのですが」
「ほんとに大丈夫ですから。達明さんだから、うちの両親も心配していないと思うし、それに、もう寝てると思います」
「そうですか・・・。じゃあ、日を改めることにします。それじゃ、おやすみ」
達明は運転席のドアを開けようとした。しかし、思い直したように智世の方を見た。
「あっ、・・・智世さん、ぼくは無理やり両親に引っ張られて、お見合いの席に行きました。でも、そこで、あなたを見て、あなたの笑顔、飾り気のないあなたの笑顔を見て、お見合いに来て良かったなって思いました。ぼくは、これからもずっと、あなたの笑顔を見ていたい・・・そう思っています。」
智世は、驚いたように目を見開き、うなずくだけだった。
「でも、ぼくは急ぎません。ゆっくりでいいんです。ゆっくりと、ぼくのことを分かって下さい。そして、分かっていただければ、その時返事を下さい。」
達明は、頭を下げると、慌てたようにクルマに乗り込み去っていった。智世はクルマのランプが消えるまで、その場で見送った。

「ごほんっ」
後ろから突然咳払いがしたので、智世は驚いて振り返った。
「龍之介?」
「あいつか?その、智世の見合い相手って」
「そうよ」
「やさしそうな人だな。真面目そうで浮気もしそうにないな。俺と正反対か」
「そうね。まるで正反対っ!」
「ありゃ、これまた手厳しいな」
「それより、こんなとこで何してんのよ」
「あっ、うん、その、・・・ほら、ボウズ、そう、ボウズとさ、ちょっと飲んで散歩してた」
「じゃあね。不審者に間違われないように。」
智世は家へ入ろうとした。龍之介は、そんな智世の小さな背中を見て言った。
「なぁ、俺たち、もう一回やり直さないか」
智世は振り向きもせず、そのまま止まったままだった。
「俺、俺も真面目になるからさ。」
智世は振り返った。
「何言ってんのよ、あんた、自分の言ってること分かってるの」
「うん、分かってるよ。もう浮気もしないし」
「浮気なんて、そんなのどうでもいいの」
「・・・それじゃ、もう俺のこと嫌いになった?」
「ばか、何言ってるの。・・・好きだよ・・・。」
智世の目から涙がこぼれそうだった。龍之介は嬉しそうな顔をした。
「それなら問題ない。」
「でも・・・」
「でもって・・・そっか、さっきの見合い相手か。そうだ!俺たち、この町を出よう。東京へ行こう!」
「えっ、そんなの無理よ。突然、そんなこと言われても・・・」
「突然だからいいんだよ。駆け落ちってさ、突然するもんなんだ。今度の金曜日・・・夜の7時に、いつもの堤防で待ってるよ。待ってるから」
龍之介は駆け出した。智世は、龍之介の姿が闇に消えるまで見ていた。龍之介の姿が消えると、智世は怒ったような、そして、泣いたような、そんな表情でつぶやいた。
「・・・ばか・・・」
...2004/10/04(Mon) 19:01 ID:MFIZ1w2Y    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:朔五郎
キャラはこんなので、どうでしょう?

1.達明
一見して普通のオジさん。しかし、娘や妻を思う気持ちはハンパではない。まじめな男。女遊びなど持ってのほか。智世の過去を知りながらも、そのすべてを受け入れる包容力をもつ。ケンのことは結構気にいっていたが、それが裏切られた時、いったいどうなるか・・・

2.大沢先生
見た目は大沢たかおそっくり。少年時代、芸術を楽しむすばらしさを教えてくれた人を、同時多発テロにより失った。しかしその人は彼の芸術の原点として、今も彼の中に生き続けている。律子という婚約者とまもなく結婚予定。婚約者にくだらない手品を延々と見せられ、少々お疲れ気味。

3.マサミ
見た目は長澤まさみ(木庭子町時代)そっくり。クラス委員。成績抜群。陸上部では短距離のエース。基本的には清純派だが、策謀を巡らすなどプチ悪女の一面を併せ持つ。マジックという隠れた特技を持つ。ケンを巡りアキと争うことになるが、負けを悟り、「バイバイ」と風のように走り去っていく。
...2004/10/04(Mon) 22:28 ID:MLa.efXg    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:ごろ
朔五郎さん、いい感じで出揃ってきましたね!マサミのイメージ、ぼくも同じです。

「スケと智世」、ボツにしかけましたが、たかさんのお陰で、自分なりにハマってきました(笑)本編が始まるまでのつなぎとしてUPしときます。

ー龍之介と智世(過去の続き)ー

波の音が静かに響いている。それが龍之介には自分の心臓の音のような気がした。時計の針は7時を回っていた。何度か携帯電話で智世に連絡をとろうと思ったが、そのたびに龍之介は思いとどまった。必ず来てくれる・・・。龍之介はそう信じていた。足音がした。智世が駆け寄ってきた。
「遅せよー。さぁ、乗って」
龍之介は軽トラックの助手席のドアを開けた。智世は動かなかった。
「どうした?さあ、行こう」
「龍之介っ!やっぱり駄目だよ。あたし行けないよ」
「どうして?・・・なっ、すべてを捨てて東京へ行ったらさ。俺、真面目に働くし酒も控えるしさ。浮気もしない。新しくやり直そう!」
智世は首を振った。
「だめ、だめなの、あたし龍之介が分かんないよ。」
「今までのことは謝るからさ。さあ、行こう」
龍之介は智世の手を引いた。智世はその手を振り払った。
「だめ、行けない。あたし龍之介が見えないのよ!」
智世の瞳から大粒の涙が流れた。
「ねえ、どうして?どうしてなの?龍之介っ!どうして受け止めてくれなかったのよ!」
「・・・」
龍之介は呆然と立ち尽くした。
「お酒飲んでもいい!浮気なんかどうでもいい!あたしをしっかりと受け止めてくれたら!それだけで良かった!」
智世は泣きながらも龍之介の目をしっかりと見つめた。
「あたし、ずっと不安だった・・・。亜紀が亡くなってから・・・サクがこの町を出て行ってから・・・。あたしだけ幸せになっていいのかなって・・・ずっと亜紀の写真に問いかけてきた・・・。亜紀は、亜紀は何も答えてくれない・・・ただ、微笑んでるだけ・・・。あんたが受け止めてくれたら、あたしは思い切って飛び込んでいけたかもしれない・・・」
龍之介は目を閉じて聞いてるだけだった。
「そんな時に達明さんとであったのよ。達明さんのこと、まだ好きどうか分からないわ。でも、あの人といると、あたし、ほっとするのよ。なんだか安心できるの。あたしを暖かく包んでくれるのよ・・・。あたし、もう、そんな暖かさを捨てるなんて出来ないよ!」
智世は、決然と言った。
「あたし、あたしはこの町にいる。ごめんね、龍之介。さよなら」
そう言い残すと、智世は走り去って行った。

龍之介は、軽トラックにもたれ、走り去る智世の姿を見送ることしか出来なかった。さすが元陸上部だよな・・・。足り去るのも早いよ、智世・・・。
「大木・・・さん、ですよね?」
達明が立っていた。
「ああっ・・・そうだけど・・・」
「薬局の方へ寄ったら、智世さんが走っていく姿を見かけたので・・・失礼とは思いながら、話を立ち聞きしてしまいました。」
「そう、まっ見てのとおりで・・・。でも、何で俺が大木って知ってるんです?」
「ご存知かもしれませんが、私たちお見合いをしました。それから何度か智世さんとお会いしましてね。」
「そうらしいですね・・・」
「ええ、その時、彼女、高校時代の話とかいろいろ面白おかしくしてくれて・・・。その中でも大木龍之介っていう人の話をするときの彼女の顔が輝いてましたから・・・それで何となく・・・」
「そうですか・・・」
「私は、智世さんに会ったばかりですが、智世さんのことが好きです。そして、私は智世さんのすべてを受け入れてあげられる自信があります。」
「・・・」
龍之介は何の返事もしなかった。達明は、かまわず言葉を続けた。
「智世さんを幸せにします。それでは失礼」
達明は、軽く頭を下げた。

雨が降ってきた。最初は小雨だったが、そのうち大粒の雨が龍之介を容赦なく濡らした。
智世・・・、ごめんな・・・。実は、俺もそうだったんだよ。俺も不安だったさ。だから酒に逃げたり、ほかの女にちょっかいかけてみたりしたのかもな・・・。正面きって、お前さんを受け止めてやれなかったよ・・・。龍之介の顔から幾筋もの滴が落ちた。龍之介には、それが雨なのか涙なのか分からなかった・・・。

(もう1回くらいで終わりにします)
...2004/10/05(Tue) 00:22 ID:iIjzmBsw    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:朔五郎
ごろさん
達明がケンをブン殴るシーン、期待してますよ!
ちゃんと医師も待機させてありますので(笑)

マサミのラストの一例として、こんなのはどうで
しょう(^^)

マサミ「大木君、最後にひとつだけお願いがあるの。ケン・・・、ケンちゃんて呼んでいい?」
ケン 「・・・うん」
マサミ「すてきだよ、ケンちゃん」

マサミ、背伸びをして、ケンの頬にキスをする

マサミ「・・・バイバイ」

マサミ、風のように走り去っていく
...2004/10/05(Tue) 02:31 ID:7U9Po0TU    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:たか
ごろ殿>私的に、スケと智世は書きやすいんですね。
まわりに、そういった人がいるんでww

朔五郎殿の設定でいいと思います。
マサミなんかはいい味でてると思いますよ。

早く作り上げたいですねww
...2004/10/05(Tue) 15:30 ID:O9kpr0OU    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:ごろ
たかさん、やっぱり人間観察が大事ですよね。こういう話を作るには。朔五郎さん、あまり期待をされると困りますが、まぁ、楽しんでやっていきましょう!

 スケと智世の続きの最期です。ドラマではスケのために皆が駅へ走りました。今度は智世のために走らせたかったです。ボウズお疲れ様です(笑)。地元に残る選択をし東京へ行かなかったスケと智世、東京へ飛び出したケンとアキ、そんな対比が出来たらなぁ、と思って書きました。

ー龍之介と智世(過去の続き)ー

顕良がお茶をもって部屋に戻った。龍之介は、腕枕をしたまま禅海寺の庭を見つめたままだった。
「スケちゃん、まあ、お茶でも飲みなよ。」
「・・・」
龍之介は、その姿勢を崩さず、ぼんやりとしている。今朝、顕良が境内の掃除をしているとき、ぶらっと龍之介が訪れたのだった。顕良は、そんな龍之介の背中に語りかけた。
「智世の結婚式、お天気でよかったよな。俺さ、昨日、式に出ていろいろなこと思い出してきて・・・、胸がこう熱くなっちゃったよ。」
「・・・」
「智世もいろいろ悩んだと思うよ。で、結局、あいつは、ぬくもりっていうか、安らぎっていうか、それを選んだんだろうな。あっ、別に、スケちゃんにそれがないっていうわけじゃないよ。何て言うかさ、俺たちの間には、やっぱり、廣瀬亜紀っていう存在が多かれ少なかれ影響してると思うんだ。」
「・・・」
「智世もさ、きっとそうだと思うよ。スケちゃんのこと好きだけど、スケちゃんといるとさ、どうしてもあの頃ことを思ったりとか、そういうのあると思う。うまく言えないけどさ。亜紀ちゃんのことは、サクだけじゃなく俺たちにも重い出来事だったんだよ。だから智世の選択も間違いじゃないと思うよ。なあ、分かってやれよ。」
龍之介が突然体を起こし、顕良の方を振り返った。
「ボウズ、あいつら確か、新婚旅行に出発するの今日だったよな。お前、さっきそう言ったよな。」
「ああ・・・確か、昨日の式で司会の人がそう言ってたよ。二人は、今朝、いったん実家に戻って、それから旅行へ出発するって。」
「何時だ?」
「そこまでは知らんよ」
「聞いてくれ」
「えっ・・・聞いてどうすんだよ」
「いいから聞いてくれ」
「スケっ!いい加減にしろよ!あきらめろよ。」
「いいから聞けっ!」
顕良は龍之介の真剣な目を見て、携帯電話に手を伸ばした。
「出ないかもしれんぞ・・・。出発前でばたばたしてるだろうし・・・。・・・あっ、顕良です。・・・まだ居たんだ・・・。うん、昨日の式は良かったよ。・・・うん、で、こっちは何時に立つの?・・・あっ、そう。・・・うん、良い思いでたくさん作ってこいよ。・・・あっ、俺?・・・結婚?・・・誰か紹介してよ。はははっ・・・うん・・・ごめんな出発前の忙しいときに。それじゃ」
顕良は電話を切った。
「飛行機の時間までまだ余裕があるから電車で空港まで行くらしいよ。9時ぐらいの・・・」
龍之介は、顕良が言い終わらないうちに部屋を飛び出した。
「スケちゃん!」
顕良も龍之介を追いかけた。

「はぁ、はぁ、どこ行くんだよ、はぁはぁ・・・」
ようやく龍之介に追いついた顕良は、息をはずませた。
「はぁ、はぁ・・・宮浦駅・・・9時だろ?」
「ああっ、そうだけど・・・はぁはぁ・・・行ってどうすんだよ・・・」
「はぁ、はぁ・・・」
龍之介も肩で息をしている。
「なぁ、スケちゃん・・・はぁ、はぁ・・・無茶すんなよ・・・」
「はぁ、はぁ・・・無茶なんかしねぇよ・・・ただ・・・はぁはぁ・・・あいつにひとつだけ・・・はぁはぁ・・・言い忘れたことがあって・・・はぁはぁ」
「そっか・・・はぁはぁ・・・それならいいけどな・・・しかし・・・なんで走ってんだよ・・・自転車とか・・・はぁ・・・はぁ・・・バイクとかクルマとか・・・使えば・・・」
「ばか・・・はぁはぁ・・・それを早く言えよ・・・苦しい・・・」
「はぁはぁ・・・突然・・・飛び出したの誰・・・言う暇なんか・・・なかったぞ・・・はぁはぁ・・・」
龍之介が遅れがちになった。
「どうした、スケちゃん・・・はぁはぁ・・・早くしねえと・・・間に合わないよ・・・はぁはぁ」
「・・・心臓が飛び出しそうだ・・・はぁはぁ・・・ボウズ・・・先に行っといてくれ・・・」
「俺が・・・先に行って・・・どうすんだよ・・・酒ばっかり・・・飲んでるからだ・・・ほら、頑張れ」
ようやく宮浦駅が見えてきた。電車はすでにホームに入っていた。
「はぁはぁ・・・あれか?ボウズ」
「はぁはぁ・・・きっとそうだ・・・ほら、頑張れ・・・ああっ発車・・・した・・・」
電車は静かにホームを離れた。
「ちくしょー・・・」
龍之介は立ち止まると肩で息をした。

電車が走りはじめ、開いた窓から風が吹き込んできた。達明は窓を閉めようと立ち上がった。その時、かすかに何かが聞こえたような気がした。達明は窓から少し顔をのぞかせた。電車の後方を男が二人走りながら何かを喚いている。龍之介ともう一人は僧服の男だった。達明は窓を閉めようとした。その時、達明の耳に彼らの叫び声がはっきりと聞こえた。達明は窓を閉めるのを止め、智世を見た。
「智世・・・」
「うん、何?」
智世は微笑んで達明を見た。
「君の、・・・君の大切な友達が来てるよ」
智世はあわてて窓の外を見た。龍之介と顕良が走っていた。龍之介が手を振って叫んでいる。
「智世ーっ!おめでとうーぉ!けっこん、おめでとうーー!!!」
智世は、うれしそうに微笑んだ。
「・・・ばか・・・」

電車がスピードを上げ、走り去った。龍之介も顕良も道にへたり込んだ。
「はぁはぁ・・・なあ、ボウズ」
「はぁはぁ・・・なんだよ、スケ」
「はぁはぁ・・・聞こえたかな?」
「はぁはぁ・・・そんなの知らねえよ」
「はぁはぁ・・・冷てえな、ボウズのくせに」
「はぁはぁ・・・スケ・・・しばらく話しかけるな・・・苦しい」
「はぁはぁ・・・ごめん・・・」

ー龍之介と智世(現在)ー

太陽はすっかり姿を消した。ゆっくりと夜の闇がその色を濃くしている。
「なぁ、智世、俺たちはうまくいかなかったけど、ケンとアキちゃんはうまくいってほしい。俺はそう思っている。」
「私、私は・・・もう大切な人を失いたくないわ・・・」
「やっぱり、不安を感じてるのか?」
「・・・感じていないと言えば嘘になるわ。私も主人もケンちゃんのことは、いい人だと思っている。でも、それだけじゃ駄目なのよ、私には・・・」
「そうか・・・でも、俺は亜紀が空の上から見守ってくれてる、そんな気がする。頑張れって、そう言ってくれてる気がするよ。」
「・・・ごめん、そろそろ行かなきゃ・・・」
「そっか」
龍之介はポメラニアンを抱き上げた。それを智世は、龍之介から受け取った。二人の手が触れ合った。
「それじゃ、行くわ」
「ああ・・・智世、幸せか?」
「ありがとう、幸せよ。」
智世は、もう一度繰り返した。
「ありがとう」
智世は龍之介に微笑みかけ、くるっと踵を返した。

ー龍之介と智世ー(完)
...2004/10/05(Tue) 19:37 ID:iIjzmBsw    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:SATO
朔五郎さん、ごろさん、たかさん、私が考えた結末に賛同いただき、ありがとうございます。そろそろ執筆にかかろうと思いますが、他の部分をロクに執筆もしないで、「助けてください」と結末の美味しいとこどりしちゃっていいんでしょうかね?

ごろさん作の「サクと亜紀パパ」「スケとトモヨ」は独立した短編としても通じる力作だと思います。

朔五郎さん、登場人物の設定は、中々いい線いってますよ。達明(智世の夫)の配役はどうしようかな・・・森本レオさん、村田雄浩さんが候補ですが。

たかさん、スケと智世の掛け合いは絶品です。
...2004/10/05(Tue) 19:46 ID:Ey7fzrpA    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:朔五郎
これは、「駆け落ちを決心するキッカケ」かな?

アキ(語り)
夏休みの間、家にいても気詰まりなので、街の図書館に行って受験勉強する日が続いた。
閉館の時間になり、夕暮れの街に出る。
・・・メールの着信音が鳴っている。
夢島へ連れて行ってと頼むと、ケンは黙って頷いた。
暗い海の上を音もなく船は進む。島に着く頃、陽は完全に落ちていた。
昇ってきた月も雲に隠れた。島全体が闇に包まれホタルが舞う。
ひときわ明るい光が、ふわり、と目の前を横切った。
それを追って二、三歩進み、振り返るとケンの姿は消えていた。
導かれるように歩いていくと、浜辺に出た。

雲が吹き払われ、月の光が満ちる。
無数の白いさかなが跳ねるように、さざなみが光っている。

アキ「なんて美しいひとなの」

アキ(語り)
波打ち際に一人のひとが立っている。長い髪が月の光に輝いている。

歩み寄る二人

亜紀「(微笑みながら)私のこと、お母さんから聞いている?」
アキ「・・・はい」
亜紀「(アキの髪にふれながら)お母さんのことを許してあげてね。智世が、あなたのお母さんが、あなたのことをどんなに愛しているか・・・あなたを叩いたりして、どんなに後悔しているか・・・」

アキ、亜紀の胸に頬を寄せる。

アキ(語り)
このひとは泣いている。でも、どうして、どうしてこのひとの涙はこんなに暖かいんだろう。

亜紀「私が冷たくなくて、不思議?でも私は幽霊じゃないわ。今もあなたたちと一緒に生きているのよ」

アキ、顔を上げる

亜紀「あなたが生まれたとき、とっても可愛くて、いい匂いのする赤ちゃんだった。私も智世の赤ちゃんを抱っこしてしてあげたかった」

亜紀、アキの頭を抱き、髪をなでる

亜紀「あなたが夜中に熱を出した時、あなたのお父さんとお母さんは大騒ぎして、一睡もしないで看病していたわ」

アキ、涙を浮かべる

亜紀「あなたは彼のことが好き?」
アキ「はい。でもケン、彼の気持ちはまだわからない・・・」
亜紀「大丈夫。今、この時、この世界のどこかで、あなたのことを必死に捜しているはずよ」
アキ「でも、お母さんも、もう付き合うなと言うし・・・」
亜紀「智世は、いつかきっとわかってくれるわ。あなたはあなたの道を行きなさい。あなたは私が欲しかったものをみんな持っている」

 真っ白なスケッチブックにたくさん絵を描いて、
 それを観てくれる人がいて、
 その人と手をつないで、どこまでも歩いて、
 そしていつか、
 新しい命の芽生えを体に感じて、
 その命を胸に抱いて、
 つなぐ手が、だんだん増えて・・・

亜紀、アキの涙を指で拭い、月の方に顔をむける
大粒の真珠のような月、海の上に白く輝く道ができている

亜紀「彼はきっと、あなたを守ってくれる。二人であの道を歩いて行くのよ。そして、あなたの夢がかなった後、年を取って淋しがりやになるお父さんとお母さんにやさしくしてあげてね。かわいい子供の顔を見せてあげてね。あなたがしあわせなことを、見せてあげてね・・・」

遠くでアキを呼ぶケンの声が聞こえる

亜紀「さあ、行きなさい。彼のところへ」

亜紀、静かにアキの背中を押す。
アキ、歩き出す。
背後から、声が聞こえる

亜紀「月が沈まないうちに行くのよ。この島に泊まっては、だめ・・・」

光る波打ち際
アキ、嗚咽をもらしながら、それでもケンの声のする方へ歩き続ける。

ケン「・・・アキ、アキ」

アキ(語り)
目を開けるとケンがいた。

ケン「どうした、アキ。もう閉館だぞ」

アキ(語り)
立ち上がって、ケンの肩に額を押し付けた。
涙が溢れ出た。
...2004/10/06(Wed) 01:51 ID:CMCE/OxY    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:朔五郎
62と73の間に、1つ2つ、ツナギを入れます。

SATOさん
どうぞ、どうぞ、よろしくお願いします。

ごろさん
73は、「亜紀が空の上から見守ってくれてる」という
セリフに、発作的に反応してしまいました(苦笑)
...2004/10/06(Wed) 02:16 ID:CMCE/OxY    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:ごろ
SATOさん
 結末を思いついたSATOさんが、やはり適任でしょう。よろしくお願いします。

朔五郎さん
 「発作的に」・・・分かりますよ、それ。ぼくがこうして「世界の・・・2」に書き始めたのも「発作的」みたなものですから(笑)。それにしてもシーン73きれいですね。それに、東京行きの前に、このシーンが入ることで、結末のシーン(墓前報告)に自然とつながったって思えます。このシーンでアキの中に種が植えられたって感じですね。そして、様々な体験を通して立派に開花したアキが亜紀に報告する・・・うーん、すごい!(ひとりで既に感動してしまった・・・)
 「真っ白なスケッチブック」っていう亜紀の詩ともおもえるところ、特に印象的です。「ソラノウタ」にもつながりますし、絵本作家っていう、幼い命の心に種を植え付ける仕事も暗示しているような
、そんな気がします。うーん、朔五郎さん、「発作的」に書かれた73、すらっと読めば、幻想的で綺麗なシーンですが、実は、すごい重要なシーンでもあるような、そんなシーンであると思います。
...2004/10/06(Wed) 04:26 ID:Eib53yHE    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:たか
いいとこ取りとは思いませんし、そこを考えたSATO殿がやっていいと思います。73のシーンはとても綺麗、美しいと思いますね。

凄く重要なシーンだと思いますね。

だんだんわくわくしてきましたよwwwww
...2004/10/06(Wed) 13:52 ID:.ZlVPOaI    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:ごろ
SATOさん、「独立した短編・・・」という過分なお言葉ありがとうございます。でも、やっぱり、この世界2があればこそです。

電車のシーンの後、大林家でケンが殴られるシーンです。

「申し訳ありませんでした。」
ケンは大林薬局の店の床に手を突いて頭を下げた。
いきなり胸倉をつかまえられ、衝撃を受けた。
気がつくと、ケンは床に倒れていた・・・。
「やめて!お父さん!」
アキがケンの体にかぶさってきた。ものすごい力がアキを払いのけ、ケンの体を持ち上げた。
衝撃!
気が遠くなりそうだった。でも、口の中に広がる血の味がケンの意識をはっきりとさせてくれた。体をどう動かしていいのか分からなかった。なんとか再び土下座ができた。
「も、もうしわけありませんでした・・・。」
再び胸倉をつかまれ、ケンの上体が起き上がった。そこには、怒りをあらわにした達明の目があった。

どことなく亜紀に似てるな・・・。やっぱり親子だよな・・・。不思議と、そんな場違いな思いがケンの頭をよぎった。おいおい、健三郎君よ、場違いなことを考えてんじゃねぇよ・・・。

その目を見つめながら、ケンは口を開こうとした。その口は、よく動かなくなっていた。

なんだ・・・自分の口じゃないみたいだ・・・。そうだ・・・歯医者で麻酔を打たれた時のようだな・・・あのやぶ医者め、二度と行くもんか・・・おい、健三郎!違うだろう!・・・今は関係ないだろう・・・そんなことは・・・。

ケンは頭を少し振って、何とか口を開くことができた。自分の声が遠くで聞こえてるようだった。
「でも・・・でも、決して・・・軽はずみな・・・思いで・・・したわけでは、ありません・・・亜紀の、亜紀さんの夢を・・・」
「ひとの娘をひっさらって、死ぬような目にあわせて、それのどこが軽はずみじゃないんだ!」
ケンの体は再び床にたたきつけられた。
「いいか、二度とうちの娘には近づくな!まったく、おまえたちは一体何なんだ!」
「おまえ・・・たち・・・って・・・!?」
健三郎は、その言葉に耳を疑った。
「ああ、親も親なら子も子だな!」
「あなた!今はそんなことは関係ないじゃないですか!」
智世が間に割って入ってきた。
「お前は黙ってろ!亜紀!こっちへ来るんだ!」
亜紀は腕を引っ張られ、奥の方へ連れて行かれた。
「お父さん、ひどいよ!少しはケンの話も聞いてあげてよ・・・」

亜紀の声が遠くなった・・・。ケンは、床に仰向けになった。天井のシミも何故か怒っているように見えた。
「ケンちゃん・・・、大丈夫・・・?」
智世が、ケンを抱き起こそうとしてくれた。
「大丈夫です・・・。それより・・・うちの親父が・・・何か」
「ああっ・・・何でもないのよ。気にしないで。・・・病院へ行こうか?ひどく殴られたちゃったし・・・」
「いや、大丈夫です。松本先生にも言われてますし・・・。これくらいのことは覚悟のうちです。」
「サクが・・・そうなの・・・。お薬ぬってあげようか?」
「大丈夫です。」
ケンは、ようやく立ち上がることができた。
「あの、まだきちんとお話をしていません。どうしても亜紀の、亜紀さんのお父さんにお話を聞いてもらいたいので・・・。」
智世は、少し悲しそうな顔をした。
「・・・うん、分かったわ・・・。でも、今は、うちの人、ちゃんと聞けるような状態じゃないから・・・。今日のところはこれで帰って。一人で帰れる?」
「・・・そうですか・・・分かりました・・・大丈夫です。失礼しました。」
フラフラっと出て行こうとするケンの手を、智世はつかんだ。
「あっ、ケンちゃん。これだけは分かってあげて。主人は決してあなたのことを認めていないわけじゃないのよ。むしろ逆で、私がふたりの交際に反対してたの・・・。主人はケンちゃんのことを信頼していたわ。それだけに、きっと裏切られたような気持ちがしたんだと思うの。」
「そうだったんですか・・・。」
こういうことなんだね、松本先生・・・。おれの軽はずみな行動が、少なくとも、ひとりの人を悲しませ、ひとりの人の信頼を裏切っていたんだな・・・。
店を出ると、日差しが眩しかった。痛みが増してくるようだった。口元に手をやった。だいぶ腫れてきてるようだった。振り返ると、智世が心配そうにこちらを見ていた。健三郎は軽く頭を下げ、家の方へ足を向けた。

(続く)
...2004/10/06(Wed) 22:12 ID:Eib53yHE    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:SATO
うーん、やっぱり達明役は村田雄浩さんかな?
普段は飄々としているけど、怒ったときの形相は物すごく怖そうですからね。

でも、読んでてホント、達明が怖かった〜
...2004/10/06(Wed) 22:47 ID:DAlJye4U    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:朔五郎
たかさん、ごろさん、評価して頂いてありがとうございます。

ごろさん
うーん、スゴい。父の怒りはやはり怖かった・・・。

たかさん
律子のキャラ、もう少し詳しくいただけないでしょうか。

さて、ケンとアキの今後ですが
「現役で合格させますか?それとも1浪させますか?(特にアキ)」
それによって、話の進み方が違ってくると思うので。

あと駆け落ち決行は9月中旬頃(文化祭の少し前)で
帰ってくると、文化祭は終わっているという線がいいと思いますがいかがですか?

この場合、ケンが抜けることで劇がめちゃくちゃになります。頭のいいマサミは何とか切り抜けますが、

A.行く前に打ち明ける
責任感の強いケンは危険とは思いながらもマサミに打ち明け、後を頼む。二人が帰ってきたとき、マサミは怒ってはいない。
B.黙って行ってしまう
悩んだすえ、チクられることを恐れて、マサミには黙って行ってしまう。二人が帰ってきたとき、当然ハンパじゃなくムカついている。
 
どちらがいいでしょうか。
...2004/10/06(Wed) 22:57 ID:CMCE/OxY    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:ごろ
娘を持つ父親の反応ってああいうかんじかななんて・・・(娘をもつ父親として力入ってしまいました。笑)達明役は村田雄浩さんというSATOさんのキャスティング、村田さんからは、ぼくも怒られたくないですね、怖いです。

朔五郎さん、構成のご提案お疲れ様です。
 二人とも現役合格させてはどうですか?アキも頑張って合格し、とりあえず、智世を安心させるというかんじかな?でも、1浪したら、それはそれで面白いかもしれませんね。悩むとこです。
 文化祭については、マサミには黙っていってしまう。(シンジには打ち明け、後を頼んでおく。シンジは同じクラスでしたっけ?はっきりしてませんよね?)その結果、マサミの怒りはアキに余計向けられるっていうかんじでしょうか。シンジとユイの関係にも多少の影響を与えてしまうということも考えられます。
...2004/10/07(Thu) 00:18 ID:ZSrrpdew    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:SATO
朔五郎さん、今後の展開について私見を・・・

アキ:一浪の末、薬学部に合格。智世との約束を果たす。大学時代はダブルスクールで絵本の勉強も開始。大学卒業と同時に絵本作家としてデビュー。

ケン:地元の大学の水産学部に現役合格。浪人中のアキの家庭教師となる。アキの夢をかなえるためには、とにかく智世との約束を果たすしかない、と献身的にアキに接し、その姿に智世や達明のわだかまりが氷解していく。

駆け落ちについて
事前にマサミに打ち明けるAパターンを支持します。展開についてはこのようにしてみたらいかがでしょうか。

東京行きを打ち明けたときにマサミは激しく動揺し、ケンの身を案じて引き止める。それでも行くというケンにもはや自分が入る余地はないと悟る。
ケンとアキが行方不明になって大騒ぎになっているのにいたたまれなくなったマサミは大沢先生に事実を打ち明け、「二人を助けて下さい!」と泣きつく。二人が病院に搬送されたと知ったとき、ホッとするマサミに大沢先生は言う。「あいつら、ご両親からはきつく叱られるだろう。俺も担任として言うことは言わなければならない。クラスの連中も色眼鏡で見るだろう。だから、お前だけはあいつらを温かく迎えてやってくれないか。」
ケンとアキが再び登校してきた日、マサミは校門で二人を待ち構えていた。二人に温かい言葉をかけて迎え入れる。
そして、最後にアキのいる前で朔五郎さん作の以下のセリフが出ます。

マサミ「大木君、最後にひとつだけお願いがあるの。ケン・・・、ケンちゃんて呼んでいい?」
ケン 「・・・うん」
マサミ「すてきだよ、ケンちゃん」

マサミ、背伸びをして、ケンの頬にキスをする

マサミ「・・・バイバイ」

マサミ、風のように走り去っていく

チャンチャン!
...2004/10/07(Thu) 00:22 ID:G6rsQ79A    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:朔五郎
私はとりあえず、文化祭あたりまで創ることを(勝手に)考えておりまして、マサミに打ち明けるかどうか
きちんとしておかないと、後半のごろさん、SATOさんにうまく引き継げないと思ったわけです。あ、たかさんはどこらへんを書かれますか?

ごろさんは、マサミのストーリーについて何かプランをお持ちだというニオイがしますが、いかがですか(笑)

やっぱり、アキは現役ではキビシイですかねえ(苦笑)

あと、駆け落ちとなると、「初めての夜」なんてのも出てくるんでしょうねえ。でも「1泊1500円の安宿」じゃねえ(涙)
...2004/10/07(Thu) 01:19 ID:q8qqeiT2    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:ごろ
SATOさん
 アキの一浪という展開は面白いですね。ケンが献身的に家庭教師をする姿を見て、両親の態度も氷解していくって自然ですし。

 文化祭については、別の案として、マサミに黙っていったとしたら、帰郷後、ケンはマサミに「どうしてシンジには相談して、相手役の私には一言の挨拶もないの!」と責められ、ケンはマサミにある種の弱みを持つことになってしまう。アキには「自分の夢なら他人を巻き込まず自分で頑張るべきよ!」となじる。いったんアキはその言葉に落ち込むが自分への叱咤激励ととらえることで受験勉強に奮起する。微妙な三角関係が生じる。しかし、なんとかケンを自分の方へ向けさせたいとするマサミだが、結局、無理だと悟り、「朔五郎さん作ケンとマサミの結末」を迎える。

ーアキとマサミの決着案ー

アキ「正直言うと、あなたのこと、嫉妬したわ。」
マサミ「それは私のほうよ。アキはケンにあれだけ愛されてるんだもの。それに、アキは、それだけの努力をしたわ。私ね、望むものは手に入るって、うぬぼれていた。でも、そうじゃないのね、『手に入る』って、結局、受身。頑張って『手に入れる』ってことをあなたは教えてくれた。」
アキ「マサミ・・・、あの時、あなたは私に『自分の夢なら自分で頑張って手に入れるべきよ!』って言ってくれた。あの時は、私、ひどく落ち込んだし、ケンとも別れようかなんて考えたりしたこともあるよ。」
マサミ「ごめんね、私、何も分かってなかったわ。」
アキ「ううん、マサミはスポーツも勉強も出来るけど、人知れず努力してるもの。私、知ってるわ。だから、マサミのあの言葉、今では私の宝物だよ」
マサミ「・・・アキ・・・あなた、変わったわ、いい女になったね。魅力的よ」
マサミは右手を差し出した。その右手をアキは握り締めた。
マサミ「絵本作家になるのが夢でしょ?これから大変ね。負けないで」
アキ「うん、頑張るよ。絵の勉強も両親の説得も」
マサミ「何かあったら相談にのるわ。それじゃ」
マサミは去っていった。

マサミ・・・あなたは、いつか夢で出会ったあのひとが遣わしてくれたひとなのかも・・・。アキは自然とそんな思いがした。

(思いついたままのラフスケッチ状態です・・・朔五郎さんの幻想シーン「アキの夢」にリンクさせてみました。)SATOさん案の「さわやか系」でもいけますし、この「ちょっと悪女系」でもいけるかな・・・?

朔五郎さんやたかさんはいかがですか?
...2004/10/07(Thu) 01:24 ID:ZSrrpdew    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:たか
とりあえず、律子のキャラを詳しくしてみます。

律子・・・大沢先生の妻。ファッションデザイナーだが、今は休業中。悲劇の中心にいた大沢を、唯一包んで上げられる存在。特技は料理、手品。

大沢先生の自宅のシーンか何かを作り、そこで登場させていただければいいと思います。

ごろ殿、部活では「さわやか系」劇、ケンや亜紀といるときは「悪女系」というのはいかがでしょうか???
...2004/10/07(Thu) 13:21 ID:VjZVSWYM    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:たか
亜紀の一浪のシーンなんか作ってみました・・・・・(おそらく没になるかと・・・

ケンの携帯が鳴った・・・アキからだ

ケン「もしもし、アキ?どうだった??」

アキ「あのね・・・」

ケン「どうしたんだよ???」

アキ「ダメだったんだ・・・」

ケン「そうか・・・・・」

アキ「帰ったら、またお母さんに叩かれるかな・・・」

ケン「大丈夫だよ。きっと。頑張ったんだから」

アキ「でも・・・・」

ケン「大学ってのは難しいモンなんだよ。特に薬学とか、司法学とか医学は。何人、いや何百人、へたすりゃ何千人と浪人するんだろうよ」

アキ「・・・・・」

ケン「それでも、浪人した人にだって夢はあるんだ。ここの大学に入って、こんな仕事に就きたいって」

アキ「ケンちゃん・・・私・・・」

ケン「アキだってそうだろ?薬学部にいって、薬のこと勉強しながら、絵描きたいんだろ?」

アキ「ケン・・・ちゃん・・・」
アキは涙声になっていた・・・

ケン「もう一年辛抱だ。な、アキ。次はいけるって」

アキ「ケンちゃん・・・ありがとう・・・」

ケン「迎えに行こうか???」

アキ「そうしてもらおっかな」

ケン「じゃ、駅まで迎えに行くよ」

アキ「ありがとう」

ケン「ああ、じゃな」

アキ「うん。待ってるね。バイバイ」
どうでしょうか??
没ですかねぇ?????

朔五郎殿、SATO殿、ごろ殿。返信待っとるぞよww
...2004/10/07(Thu) 18:12 ID:VjZVSWYM    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:ごろ
たかさん
 うーむ、さわやか系と悪女系をミックスときましたか!高校時代にそんな娘がいたら、ぼくが一番に虜になってしまいそう(笑)。85の「アキの一浪決定」シーン、さすが、こういう会話は、たかさんの真骨頂ですね。やはり、同世代で感性がいいからなんでしょうか。ぼくはどうしても「おじさん系」ですね(笑)
...2004/10/07(Thu) 19:13 ID:ZSrrpdew    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:たか
お、ごろ殿。待ってました。

真骨頂だなんてお恥ずかしいww

なんか、こういうのが書きやすいんですよね。
ごろ殿のおっしゃる通り、世代ってモンなんでしょうか???

ミックス案は友達にこんな娘がいたのでミックスしてみましたが、使っていただけるかな???
...2004/10/07(Thu) 19:25 ID:VjZVSWYM    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:ごろ
たかさん
 ぼくとしては、たかさんの「不合格」シーン、全く問題ないですよ。っていうか必要でしょうね。
マサミと文化祭の件は、朔五郎さん・SATOさんの感想待ちですね。

今までの整理をしてみました。数字は投稿ナンバーです。タイトルは便宜上とりあえずつけました。

ー「世界の・・・2」本編ー
1.原案(すべてはここから)
10.プロローグ(ケンとアキ)
23.マサミ
33.母の想い&文化祭打ち合わせ
62.達明と智世
63.亜紀と智世
73.アキの夢
3.安宿にて
5.助けて
6.病院
7.病院2
15.帰郷
77.父の怒り
・・・
85.不合格

(38・41の大沢先生は、帰郷後のどこかに挿入予定)

「世界の・・・2」サイドストーリー
(DVD化の時のおまけ予定(笑))
35.サクと真
56・59・66・68・71.龍之介と智世

今のところ、こんなかんじでしょうか?抜けてるかもしれません。今後も、これらのシーンの間に挿入されたり、変更があるでしょうが、とりあえずってとこです。
...2004/10/07(Thu) 20:57 ID:ZSrrpdew    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:たか
ごろ殿、ありがとうございますww

DVD化か・・・失礼ですがマジ笑いました。

大沢先生は物語上重要な人物だと思いますね。
出演どころが見ものですなww

いや、出来上がったらマジでDVDにしたいですね。
...2004/10/07(Thu) 21:01 ID:VjZVSWYM    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:SATO
たかさん、私の案(アキの一浪)をうまくまとめてくれてありがとうございます。ホント、さわやかですねー

皆さん、駆け落ちの前にしろ、後にしろ、アキとマサミのバトルは必ずあると思いませんか?
激しいバトルがあってこそ、ごろさん・朔五郎さんが考えられた「さわやかに去っていくマサミ」が生きてくると思います。

※私は女の子同士のバトルってよくわからないので、想像で書くしかないのですが、どなたかうまく書けそうな方っていらっしゃいます?

ごろさん、駆け落ちをケンがマサミに打ち明けた場合とそうでなかった場合をそれぞれを言いだしっぺ同士で書きませんか?落としどころ(朔五郎さん、たかさんにも知恵をお借りしたい)を決めておいて、そこに至るまでをパラレルワールドということでいかがです?私は事前に打ち明けたとして書いてみますね。
...2004/10/07(Thu) 21:37 ID:fOAmmT1w    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:たか
む、難しいですねぇ(汗

女同士の対決ねぇ・・・これもまた難しいですね・・・
...2004/10/07(Thu) 21:41 ID:VjZVSWYM    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:SATO
全然関係ないですが、今晩10時から松下由樹さん(谷田部先生役・ここでは母親智世役)主演の「大奥第一章」が始まります。壮絶な女性同士のバトルが展開されるようですが、かなり陰湿な感じがしますので、アキとマサミのバトルシーンの参考にはしないほうがいいと思います。
...2004/10/07(Thu) 21:41 ID:fOAmmT1w    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:朔五郎
私も、A、Bで並行して進めるのは、とても良い考えだと思います。
いや、ホント両方見てみたいです。
SATOさん、ごろさん、いかがですか?

たかさん
不合格、私も経験があります(涙)でも、いいシーンですね。
「努力したけどダメだった」というのは重要ですよね。
遊んでてダメだったじゃ、コワ〜いお仕置きが待ってますよね。
...2004/10/07(Thu) 22:17 ID:lDqw8h3k    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:朔五郎
ごろさん、SATOさんへ

ちなみに、マサミの「バイバイ」というのはあくまで1例ですので、気になさらずお願いします。
...2004/10/07(Thu) 22:26 ID:lDqw8h3k    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:ごろ
SATOさん、朔五郎さん
 ふむーパラレルワールドときましたか・・・(笑)。実は、僕もマサミVSアキって場面は来るだろうなっとは思っていましたが、やはり、女同士の、それも高校生(未来の、ですよ!)のバトルって、ちょっと僕の手に余るので、その場面は、どなたかにお任せって安易に考えて・・・(汗)。でも、面白いかもしれませんね。やれるとこまでやってみましょうか。

とりあえず、マサミのさわやかに去っていくって収束点はいいとして(さわやかに去らしてあげたいですよね)、それをどの時点にするか、ですよね。SATOさん案だと、高校時代ってかんじがしますし、僕の案だとアキ一浪後大学合格時って想定ですので・・・。その辺も気にしなくていいですか?
...2004/10/07(Thu) 22:41 ID:ZSrrpdew    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:ごろ
でも、そうなると駆け落ち前のシーンにも影響が出てしまいますよね。やはり、ここは僕よりも具体的なイメージを持っているSATOさんの案で行きましょう!
...2004/10/07(Thu) 22:54 ID:ZSrrpdew    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:たか
そうですね。駆け落ち前のシーンはSATO殿に任せましょうか。

マサミvsアキは結構きついシーンになるんじゃないですか???演じる方もきついかと(笑

また、私に出来ることがあればなんでも申しつけください。頑張りますので。よろしくお願いします。
...2004/10/07(Thu) 23:19 ID:VjZVSWYM    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:SATO
大役をおおせつかりまして・・・身にあまるお話・・・
たった今、「大奥第一章」見終わりました。おふく(春日局)を演じる松下さん、迫力ありました。ラストの高島礼子さん演じる江与の方(三代将軍家光の母)との対面では、火花がバチバチッときてましたよ。でも、アキVSマサミのバトルの参考には全然なりませんね(笑)
...2004/10/07(Thu) 23:32 ID:fOAmmT1w    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:たか
あれは・・・・参考にはなりませんでした・・・

何かいい参考になるようなものないですかねぇ・・・

やはり実際にそういう場面に直面した人がリアルに書けると思うんですが・・・

女友達に聞いてみようかな。でも怖そうですし(汗またなにか参考があれば書きますww

もうこんな時間か・・・それでは・・・また明日
...2004/10/07(Thu) 23:35 ID:VjZVSWYM    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:ごろ
SATOさん、よろしくお願いします!

ちょっと気が軽くなったところで(笑)、77の続きです。帰宅したケンとスケのシーンってとこです。

ー父と息子ー

家の玄関を開けると、母の優子が飛んできた。優子はケンの様子を見て顔色を変えた。
「どうしたの?ケンちゃん。あなた!ケンちゃんが!」

親父がこんな昼間に家にいるなんて珍しい。これで親父からも殴られたら完全なノックダウンだな・・・。2ラウンドKOか・・・。松本先生・・・覚悟はしてたけど、やっぱり、すげぇ痛いよ・・・。

ケンは、抱きかかえようとする優子を押しのけた。
「大丈夫だよ・・・親父いるの?」
「ええ・・・さっき帰ったきたところよ・・・。」
ケンは、リビングのドアを開けた。父の龍之介はスーツの上着を脱いでネクタイをゆるめているところだった。
「まぁ、座れよ。」
龍之介は顔をソファの方へ向けて言った。ケンは崩れるようにソファに身をあずけた。
「ほんとに無茶ばかりして・・・。あなた、なんとか言ってやってください。」
優子はおろおろするばかりだった。
「ああ、大丈夫だ。ケンには俺から話するから、お前は席を外してくれないか。」
「でも・・・。」
「男同士の話だから。」
心配そうな優子を龍之介はリビングから連れ出した。再び部屋に入ってきた龍之介は、手にタオルと缶ビールを2本を持っていた。
「ほれ。冷やしとけ。」
龍之介は濡れたタオルをケンに投げ渡した。
「サクから・・・、いや、松本先生から電話があってな。お前が大林さんのところにお詫びに行くってな。」
そう言いながら、龍之介は缶ビールをテーブルに置き、シャツの袖をまくりあげた。
たくましい腕だった。でも、妙に色が白かった。子供の頃、たくましく日焼けした親父の腕は憧れだったのにな・・・。
「俺も顔を出そうかって言ったけど、松本先生がお前だけで行かせてやってくれって言うもんだから・・・ほれ、飲めよ。」
龍之介は缶ビールを開けると、ケンの前に置いた。そして、もう一本の缶ビールを持って向かいのソファに腰をおろした。
「どうした。飲めよ。消毒がわりだ。・・・どうせ隠れてこそこそ飲んでるんだろ?」
「ああ・・・うん・・・」
ケンは一口ビールを飲んだ。
「痛てぇ・・・」
口の中の傷にビールがしみた。血の味がした。
「痛いか?まずいだろ?・・・でも、その味はよく覚えておくんだな。」
龍之介は、そう言うとビールを一口飲み、テーブルに置いた。
「なあ、ケン。殴られたやつより殴ったやつのほうが、ひどく傷ついてる場合だってあるんだ。」
「・・・うん・・・。」
「自分の思いを拳に乗せて、相手を思いっきり叩きつける・・・、それは結局、自分にも跳ね返ってくるもんだ。それも、日がたつに連れてな。だから、大林の親父さんのことも分かってやれ。」
「うん、殴られて当然だと思うよ。帰りの電車の中で松本先生にも言われたしね。」
「そうか・・・サクがな・・・」
「松本先生ってすごいよね。恋人を病気でなくしたのに、頑張って医者になってさ。やさしくて、強くて、そして、厳しくて・・・。」
「そうか・・・サクからいろいろ話を聞いたのか。」
「うん、帰りの電車の中で。・・・その・・・、廣瀬亜紀さんのこととか。」
「廣瀬亜紀・・・か・・・。」
龍之介はそう言うと、ソファの背もたれに体をあずけた。
「まあ、お前は、今のサクしか知らないからな。あいつは、サクは、お前が思うようなスーパーマンみたいなやつじゃないよ。」
「どういうこと?」
「廣瀬亜紀が亡くなったとき、あいつはその場にいなかったんだ・・・。」
「どこにいたの?一緒に空港へ行って、それから、病院へ戻ったんじゃ・・・。」
龍之介はケンを指差して言った。
「1週間前の、お前さんと同じだ・・・。病院には居たけどね。疲労のあまり意識を失って寝てたんだ。だから、廣瀬の臨終の場にはいなかったんだ。」
「そうだったの・・・。」
「だから、後で、いくら『幸せそうな顔をしてた』とか『最期にお前の名前を呼んだ』とか、そういうことを聞かされても、あいつ自身は、納得いかなかったろうし、自分を許せなかっただろうな・・・。」
「・・・そうなんだ。」
「あいつは、あいつなりに覚悟をして廣瀬をオーストラリアへ連れて行こうとした。でも、駄目だった。で、その後、ほんのちょっと気がゆるんで・・・。その結果、意識を失い、その間、廣瀬は亡くなった。まあ、俺だってあいつの立場なら気が狂いそうになるな。」
「そうだよね・・・。」

ケンは、一週間前のことを思い出していた。
もし、もしも、あのとき、アキがそのまま帰らぬ人となってしまったなら、ぼくは、ぼくは、どうしていただろう・・・。こんなことを考えたのは初めてだった。ぼくの意識が戻ったときは、松本先生のおかげでアキは回復に向かっていた。静かな寝息を立てて眠るアキの顔を当たり前のように、ぼくは見てただけだった・・・。
龍之介の言葉がケンの思いをさえぎった。

「その後、しばらくして、あいつは何かにとりつかれたように勉強を始めた。・・・とりつかれたって言うより、何かから逃げるようにって言う方が正しいかもな。少しでも立ち止まれば、その何かに追いつかれてしまう・・・。それが怖くて必死で逃げてる・・・。そんな勉強の仕方だったな・・・。それ以来、あいつは、俺たちともあまり遊んでくれなくなったよ。」
龍之介はいたずらっぽくに笑った。
「で、見事、医学部合格・・・だ。でも、あいつは卒業式の日、式に出ることなく一人で町を出てった。なあ、ケン。大学、それも医学部合格だ。普通なら胸張って卒業式に出るもんだ。まぁ、あいつにとっちゃぁ、何でも良かったんだろうな。熱中できるものであればな。でも、大学に合格してしまえば、今度は、どうやって、その何かから逃げる?逃げる術がないとすりゃ、自分が逃げるしかないだろう。だから、あいつは町から出て行ったんだ。誰にも別れを告げることなく、逃げるように町を出て行ったんだ。それから17年。あいつはこの町に帰ってこなかった・・・。」
「えっ、17年間も・・・」
「そうだ。17年も、あいつは逃げていたんだよ。医者っていう職業もあいつにとっては逃げる手段だったかもな。廣瀬との別れが病院だったから、それで医者ってやつを選んだのかもしれない。廣瀬の仇をうつとか、この世から白血病をなくすとか、そんな高尚なことより、何て言うか、『廣瀬亜紀の死』っていうものに近い場所にいられる、『廣瀬亜紀の死』を忘れないで身近に感じられる、そして、難しい仕事に熱中していれば、何かから逃げられる、それであいつは医者になった、そんな気がするな。」

ケンは、改めて龍之介の顔をしみじみと見直した。
松本先生、そして、それを理解している龍之介にしても、なんて深い心の奥底を持っているのだろう・・・。廣瀬亜紀という一人の少女の死が、人間をそこまでにしてしまうものなのか・・・。一週間前、ぼくが病院のベットで意識を取り戻したとき、ぼくの目に最初に飛び込んできたのは、松本先生の笑顔だった。『アキは・・アキは?』って言うぼくに松本先生は、静かなやさしい声で『大丈夫だよ。』って、うなずきながら言ってくれた。安心できる笑顔だった。でも、あの笑顔の裏には、ぼくには想像もつかない様々なことがあったのだ・・・。電車で見せた悲しそうな微笑の意味が、ぼくは少しだけ分かったような気がした。

龍之介は立ち上がりながら、ケンに言った。
「まぁ、今では、あいつも、白血病の若き権威、松本朔太郎教授先生だ・・・。あいつは、何かから逃げようとしていたのかもしれないが、結果的には、その何かに近づいていったのかもしれないな・・・」
「その『何か』ってなんだろ?」
「さぁ、それは俺には分からんよ。それは『廣瀬亜紀への愛』かもしれんし、『廣瀬亜紀の死』かもしれん。『廣瀬亜紀の存在そのもの』かもしれん・・・それより、ケン、今日はとりあえず、ゆっくり体をやすめろ。明日からだな。今後のことを考えるのは。」
龍之介は、シャツの袖を元に戻し、ネクタイを締めなおした。
「会社に戻るの?」
「いや、大林さんのところへ行く。バカ息子のしでかしたことを父親としてお詫びしておかないといけないからな。もっとも、大林さんが会ってくれるかどうか・・・。お前たちが東京へ行ってから何度か足を運んだんだが、いつも門前払いだったから。」
「・・・ごめんなさい。」
龍之介は、ケンをじっと見つめた。
「・・・。サクほどじゃないにしても、お前さんも覚悟を決めてやったことだろう?自分なりに、どうケリをつけるかだな・・・」
龍之介はそう言うと、上着を着て部屋を出て行こうとした。
「あっ・・・。お父さんと大林さん・・・亜紀のお父さんとの間に何かあったの?」
龍之介の動きが止まった。
「・・・前にも言ったと思うが、高校卒業後、俺たちは、俺とアキちゃんのお母さんとはちょっと付き合ってたことがあってな。でも、結局、俺がふられちゃったってわけだ。その後、彼女は大林さんとお見合いをして結婚したんだ。それだけだ・・・。何か言われたのか?」
「えっ・・・うん・・・アキのお父さんが『親も親なら子も子だな』って・・・」
「・・・そうか・・・うーん、・・・まぁ、俺も若い頃、すぐ東京へ行こうっていう変な癖があってな・・・。一度は、お前さんと同じ高校生の頃、もう一度は・・・智世・・・アキちゃんのお母さんを連れて行こうとしたことがあった・・・。でも、俺はお前と違って両方とも失敗したけどな。」
「へえーそういうことあったんだ」
「ああっ、だから、お前さんの気持ちはよく分かるよ」
ケンは、クールな経営者のイメージしかなかった龍之介の素顔に触れたような気がして妙に嬉しくなった。そのせいか、いつも頭のどこかにある疑問がケンの口から出た。
「あっ、そうだ。どうして俺の名前は健三郎なの?やっぱり、小説好きのお祖父ちゃんがつけたってわけ?」
「ああっ、そうだ・・・。いろいろ候補はあった。でも、最終的には俺が選んだ。」
「なんで選んだの?」
「俺には、この世で大切な男が三人いるからな、・・・サクとボウズ、それから、生まれてきたお前さんだ。それで、健三郎ってわけだ。」

龍之介は振り向きもせずに肩越しにそう言うと、部屋から出て行った。部屋に残されたのは、ケンと飲み残された缶ビールが2本・・・。龍之介の飲み残したビールの缶から水滴が1つ流れ落ちた。
...2004/10/07(Thu) 23:40 ID:ZSrrpdew    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:たか
〜祝100レス突破〜

いやぁ、起きててよかった(笑

この続き楽しみにしてたんすよww

「健三郎」の由来も明らかになりましたしね。

ごろ殿は私と違い、「お父さん」を描くのが凄くうまいと思います。私にはとても真似できません。
すごいと思います。

これから先が楽しみですねww
...2004/10/07(Thu) 23:47 ID:VjZVSWYM    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:ごろ
たかさん、起きてて早々に読んでくれたんですね。ご感想ありがとうございます。うーん、記念すべき?100レス目を踏んじゃいましたね。ぼくで良かったんでしょうか・・・(実は、日付が変わって、今日、誕生日なんです・・・て関係ないですよね(苦笑))

さて、無事?帰郷したケンとアキ、今後がたのしみですよね。SATOさんの描くマサミVSアキ、朔五郎さんの駆け落ちにいたるシーンなどなど。興味はつきません。たかさんも書いてくださいね!たかさんの作品って、どこでもすっぽりと違和感なくはまり込む不思議な魅力がありますからね。期待して待ってます!

ケンとアキを帰郷させることにしてしまった自分としては、シーン100で、ちょっとその責任を果たせたかなって、ほっとしています(笑)これからも、皆さんのお邪魔にならないように「発作的」に書くでしょうから、よろしくお願いします。

ドラマ放映終了後も掲示板を維持して、遊ばしていただいている管理人様、感謝しております。
...2004/10/08(Fri) 00:27 ID:Bpp9qtEE    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:SATO
アキとケンの駆け落ちですが、とりあえずあらすじです。先日の81をごろさん、朔五郎さんのアイデアも入れてリライトしました。

東京行きを打ち明けたときにマサミは激しく動揺し、ケンの身を案じて引き止める。
マサミ「アルバイトしてニューヨーク行くお金をためるなんて無茶よ。学校やめるの?大学は?事業は継がなくていいの?」
ケン「アキの夢をかなえるためなんだ。俺に出来ることだったら何だってやるつもりなんだ」
マサミ「アキさんのために、どうして大木君が自分の将来を捨てなければならないの?」

マサミはケンが何も見えなくなっていることを感じ、今度はアキを呼び出した。

マサミ「あなたが絵の勉強したいのなら頑張りなさいよ。ニューヨークでもどこへでもお行きなさい。でも、これはあなたの夢なんでしょ?何で大木君まで巻き込むの?」ここでマサミvsアキのバトルとなるが、マサミの言うことが正論であり、アキは気持ちが揺れる。アキは一人で東京へ行くとケンに言うが、「アキの夢をかなえるために、俺に出来ることは何でもする」というケンの熱意に押され、二人で東京へ向かった。

翌日、ケンとアキは学校を無断欠席。大木・大林両家では二人の失踪で大騒ぎになっていた。大沢先生も連絡を受けていたが、クラスが動揺することを憂慮してこの事実を伏せることにする。だが、マサミは二人が東京へ行ったと直感した。翌日以降も二人の無断欠席が続く。町でも二人がいなくなったと噂になり初めていた。シンジとユイも二人のことを心配している。
放課後、いたたまれなくなったマサミは美術室へ駆け込んだ。
マサミ「先生!大木君と大林さん、東京へ行ったんです。」
大沢先生「どういうことだ。どうしてお前が知っているんだ。とにかく、落ち着いて話してみろ」
マサミはケンやアキとのやり取りを先生に話した。

マサミ「(泣き出す)先生、大木君を・・・ケンちゃんを助けて下さい・・・心配で心配で、もういてもたってもいられなくて・・・ゥゥ・・・」
大沢先生「好きなんだな、大木が・・・」
マサミ「でも、大木君にはアキさんが・・・もう、あたしが入り込める場所がない・・・(ボロボロ泣く)」
大沢先生「そうか・・・・」
マサミ「あたし、これまで勉強でも、陸上でも人に負けたことなんてなかった・・・」
大沢先生「そうか・・・」
マサミ「でも、今度だけは、アキさんに負けた・・・(ワンワン泣く)ケンちゃんを止められなかった・・・」
大沢先生「そうか・・・気が済むまで泣くがいい・・・」

(シンジとユイが気にして美術室へ入って来ようとしたが、大沢先生が目配せをして二人を追いやった。)

マサミは涙が枯れるほど泣き、とりあえず落ち着きを取り戻す。
大沢先生「今日のところは気が済んだか?これから俺は大木たちを捜しに行くから、安心して待ってるんだぞ」

マサミを帰したあと、大沢先生は大木家と大林家へ向かった。二人のことで両家の両親と話し合うためである。
善後策を話し合って帰宅した大沢先生のところへ深夜、連絡が入る。ケンとアキの二人が病院に収容されたとの知らせだった。

とりあえず前半です。
時系列的には
3.安宿にて
5.助けて
6.病院
と並行しています。

次回は二人の無事を知った大沢先生とマサミを中心に書く予定です。
...2004/10/08(Fri) 00:58 ID:GXSzVFFE    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:朔五郎
駆け落ち直前です

ケン(語り)
水曜日、この街にいるのもあとわずかだ。日曜日の夜には計画を実行する。何だか世界の色が違って見える。早くその日が来て欲しいような、なんだか名残惜しいような妙な気分だった。カウントダウンが1つ進むように、今日の授業が終わった。

帰り道、二人無言で歩く。

アキ、小さくため息をつく。
 
アキ「準備、できた?」
ケン「・・・大体」
アキ「パスポート、忘れないでね」
ケン「うん」

二人とも、また無言になる

アキ「ケンちゃん、なんだか怖いね」
ケン「バレることが?」
アキ「ううん、自分たちが変わってしまうかもしれない、って」
ケン「そ、そうか」
アキ「今の自分でいられるのも、あと少しなのかもって」
ケン「アキ、今なら引き返せるけど」
アキ「ケンちゃんは、もう、止めたい?」
ケン「いや、決めたことだから」
アキ「ねえ、今日、時間ある?」
ケン「あるけど」
アキ「じゃあ、ちょっと付き合ってくれる?」
ケン「いいよ」

ケン(語り)
アキとぼくは松本写真館にやって来た。じいちゃんは店の中で居眠りをしている。

ケン 「こんばんは」
潤一郎「ひっ、あ、ああ居眠りしちまった。年取るとこれだからいけねえ。あれ、どっかで見た顔だな。ああ、大木水産の若社長と薬局の跡取り娘か、大きくなったなあ。まあ、あんたたちは俺にとっても孫同然だ。今日は
何だい」
富子 「あんた、サクから人間ドッグの案内が来てるよ(バサッと封筒を放る)」
潤一郎「バカ、客が来てるんだよ、ったく。お、おお、悪かったな、うちの朔太郎が東京の渋谷中央病院というところにおってな、毎年、人間ドッグに入れってうるさいんだよ。だから医者なんかにならずに店を継げって言ったのに。あ、あれ、何だったっけ?」
アキ 「写真、撮って欲しいんですけど」
潤一郎「ああ、そうか。もう願書出す時期か。まかしときな、受かるようにバッチリ撮ってやるからな」
ケン 「あ、違うんです。ふたりで・・・」
潤一郎「あ、ああ?(舌打ちをして)なんだ、あんたたちもそうかい。最近はヘンなことが流行っちまってるねえ、嘆かわしい、親御さんが聞いたらどう思うかねえ」
ケン 「は、はあ?」
潤一郎「ペアでヌードってやつだろう?この間も来たよ」 
アキ 「(小声で)ユイたちだ」
潤一郎「(いまいましげに)ほら、そっち入って、さっさと脱いで」
ケン 「い、いえ、あのヌードじゃなくて」
潤一郎「(ほっとしたように)ああ、そうか、結婚写真かい。そんじゃ衣装出してこなきゃ。(しんみりと)でも、あんたらなあ、あんなもん特別な事情でもない限り、あせって撮るもんじゃねえぞ」
アキ 「今のふたりを、そのまま撮って欲しいんです」
潤一郎「ほう、じゃ、衣装は・・・」
アキ 「このままで、いいです」
潤一郎「そうかい。でも、不思議だねえ。あんたたちを見てると、あるカップルを思い出すんだよ。ふたりともなんか面影が。いや、あんたたちには関わりないこったな。よし、そこに立ちな」

ふたり、移動する

潤一郎「ほら、もっと寄って。おい、そこの色男、ちゃんとエスコートして」

ファインダーを覗く潤一郎

潤一郎「(心の中で)そっくりじゃねえか・・・」

潤一郎「よし、撮れた。(ディスプレイを見ながら)これでいいかい?最近はデジタルになったから、失敗がなくて助かるわ。土曜日頃にはできてるから取りに来な」
ケン 「3枚お願いします」
潤一郎「3枚ね、よし、わかった」

外に出たふたり

アキ 「終わったね」
ケン 「うん」

ケン(語り)
最後の儀式が終わったような気がした。もう戻れないような。

ケン(語り)
土曜日の帰りに写真を受け取った。

アキ 「(一枚の写真を目に止めて、心の中で)亜紀さん・・・」

外に出たふたり

ケン(語り)
歯車は回り続ける。明日、街を出る時に、それぞれの家宛てに写真を送る。列車に乗る直前にポストに入れれば、次の日に配達されるだろう。
ぼくには、もうひとつやることがある。1週間後に迫った文化祭に、ぼくは出られない。マサミに謝らなければならない。
...2004/10/08(Fri) 03:38 ID:bfuv4QKI    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:朔五郎
シーン104について
1、このシーンのラストは土曜日の午後です。
(私的には)
2.日曜日に列車に乗ります。その直前、ポストに写真を投函します。家族へのお別れです。もう戻れないかもしれない、自分達が変わってしまうかもしれない、と彼らなりに悲壮感を持っています。
3.計画では、そのままNYまで行くつもりです。

SATOさん、よろしくお願いします。

ごろさん、たくさん発作を起こしてください。
たかさん、もっともっと書いてください。

頼り切ってる原作者より(苦笑)
...2004/10/08(Fri) 03:58 ID:bfuv4QKI    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:たか
じゃあ、マサミとケンの会話を・・・
アキと別れた後、ケンはマサミの携帯に電話をかけた。


ケン「もしもし、マサミ?今あいてる?」

マサミ「あいてるけど、何で?」

ケン「話あるんだけど・・・防波堤まで来てくんない?」

マサミ「今すぐ?」

ケン「ああ、悪いな」

マサミ「ううん、じゃ。10〜15分で着くと思うから」

ケン「待ってるよ」

ケンはマサミが来るまでの間、何度も溜め息をついていた。そこへマサミ登場

マサミ「溜め息ばっかついてるとシワ増えるよ?」

ケン「マサミ・・・・」

マサミ「で、話って何?」

ケン「あのさ・・・・俺・・・」

マサミ「何よぉ、はっきりしなさいよ」

ケン「俺、来週の文化祭出れないんだ・・・・」

マサミ「え、何でよ?あんなに練習したじゃない」

ケン「悪い、どうしてもやることがあるんだ」

マサミ「今から代役探せって?無理じゃない」

ケン「勝手なのは分かってる・・・だけどどうしてもしなくちゃならないんだ・・・」

マサミ「そのしなくちゃならないことって何よ」

ケン「それは・・・いえないよ・・・」
マサミはケンの持っている袋に気付いた。松本写真館とかかれた袋に・・・

マサミ「それは何よ」
袋を指差し言った

ケン「なんでもいいだろ」

マサミ「見せて」

ケン「いやだ」
マサミが袋に手をやった

ケン「あ、おい、やめろ」
取っ組み合いになる二人。ケンがマサミを振り切った。マサミは地面にたたきつけられ、肘から血が出ている
ケン「あ、大丈夫・・・」
手を差し出したが、マサミにはたかれた

マサミ「どうせ・・・大林さんでしょ・・・」
マサミの目には大粒の涙が・・・

マサミ「どうしてよ・・・なんで・・・」

ケン「もういいだろ・・・お前は関係ないんだ・・・話はそれだけだから。先生と相談して代役見つけてよ」

マサミ「バカ・・・大嫌い」

ケン「ああ、嫌いでいいよ」
ケンの言葉がマサミに突き刺さる

マサミ「早く帰ってよ。話は終わったでしょう」

ケン「分かってるよ、じゃあな」
ケンの走り去る姿を最後まで見ていたマサミ

マサミ「大嫌いなわけないじゃない・・・」
マサミはその場に声を上げて泣き崩れた。

空には美しい夕焼け・・・ケンとアキの旅立ちは・・・もうそこまで来ている・・・

といった感じでいかがでしょうか???

この展開だとマサミvsアキが出来るか心配なんですが・・・
...2004/10/08(Fri) 14:16 ID:HBzDNdL6    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:ごろ
SATOさん
 103の「あらすじ」、なるほど、ですね。優等生のマサミは優等生らしくケンとアキを説得するが、行ってしまう二人に一種の挫折感を味わうという感じですね。で、マサミの失われたものに対する気持ちの高ぶりがアキとのバトルへ、という流れでしょうか。

朔五郎さん
 旅立ち前に写真を撮るとは・・・ぼくの電車のシーンをもご配慮いただいたようで有難いです。年老いたサクパパ登場もいいですね。そして、チラッとシンジとユイの現代的な(正確には近未来的なんでしょうが)恋人のあり方も垣間見えて興味深いシーンです。それにしても、話の上とは言え、いざ駆け落ちをさせようとすると、いろいろ大変ですよね。お疲れさまです。そうそう、以前、朔五郎さんは「安宿」のことで、ちょっと後悔されていたような書き込みをされたと思うのですが、ぼくは、尾崎豊の「I Love You」をイメージして、いいと思いますよ!

たかさん
 106の会話、103のSATOさんの前半のニュアンス(どこまでマサミに打ち明けるか)と若干違いますが、泣き崩れるという点では,103と共通すると思います。優等生&憧れの的であったマサミのプライドが傷つき、十分バトルへ突入できると思いますよ。

ぼく自身、しばらく、皆さんの作品の読者になろうかなって思ってましたが、早くも発作が・・・(笑)帰宅後のアキの様子も書かないと・・・なんて。
...2004/10/08(Fri) 18:55 ID:Bpp9qtEE    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:たか
マサミはケン達が旅立った後、綺麗だった長髪を、
バッサリとショートヘァーにするというのはどうでしょうか??従来を映画のようにし、旅立ち後を今のようなショートヘアーにするといった・・・
どうでしょう??だめですかねぇ・・・

SATO殿、ごろ殿、朔五郎殿。待ってるぞよww
...2004/10/08(Fri) 20:52 ID:fFJZy6Z2    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:ごろ
たかさん、マサミのショートヘアいいと思いますよ。でも、ますますバトルが怖くなりそうな気が(笑)

100の続きってかんじで書きました。このあたりだと、皆さんのお邪魔にならないかなって思いましたので。それにしてもパソコンに向かって難しい顔をして女子高校生の会話を考えてる自分を思うと何だか変ですね(笑)

ー女友達ー

「私たちどうなるのかな・・・」
アキは、机の上で腕枕をした。
「ねえ、ケン。何とか言ってよ」
机の上に飾ってある写真たての中のケンは無邪気に笑っているだけだった・・・。
「ばか・・・」
写真のケンのおでこを人差し指ではじく。『痛てぇなーなにすんだよ!』という声が聞こえてきそうだが、写真のケンは笑ったままだった。
家に帰ってから3日が経とうとしていた。父の達明からは外出禁止を言い渡されている。もっとも学校からも一週間の停学処分を受けているので、むやみに外出するわけにもいかない。
「アキ、ユイちゃんが来たわよ。」
母の智世の声にアキは部屋を飛び出した。音を立てて階段を駆け下りた。
「ユイー」
「アキ!元気!?」
店のレジの前で、ユイが手を振っていた。薬棚を整理していた父は何も言わなかった。
「上がって。」
アキは、ユイの手を引っ張った。
「ちょ、ちょと、そんなに引っ張らないでよー。あっ、おばさん、お邪魔しまーす」
手を引っ張られながら、ユイは智世に会釈した。

「ふーっ。」
部屋のドアにもたれてアキは溜め息をついた。
「ユイー。よく来てくれたわ!息がつまりそーだったのよ。」
ユイは、アキのベットに勢いよく腰を下ろした。小柄なユイの体がはずんだ。
「帰ってくるならメールくらいしてよ。メールしても返事はこなくなるし、ケータイにかけてもでないしさ。」
「ごめん。ケータイ、盗られちゃってさ。それに私、体壊して入院してたんだよ。」
「そーなんだ。」
アキは、椅子に腰をかけた。
「ね、ねっ。学校のほうはどう?」
「うーん、あんたたち二人がいなくなってからは、みんな色々と噂してたよ。教室にぽっかりと空席が2つっていうのも、みんな、最初のうちは気になってたようだけどね。今じゃ、あんまり言わなくなったな。二人が学校に出てきたら、それはそれで、また噂になると思うけどね。まっ、それもしばらくの間よ。世間ってそんなもんよ。」
ユイの、芸能番組のコメンテーターのような口ぶりに、アキは笑った。
「文化祭はどうだった?」
「あっ、あれね。結局、大木君の代役にさ、シンジが立候補してね。」
「うん。」
「私は、やめなさいよって言ったけど、本人はすっかりその気になっちゃってさ。でも、ああいう性格でしょ、シンジ。台詞もろくに覚えなくて、本番もアドリブばっかり・・・」
「・・・そうなんだ。」
「そうよ、受け狙いにはしっちゃってさ。それが結構受けたりしたもんだから、すっかりいい気になってたよ。『おれ、役者になろうかな』なんて・・・全く何考えてんだが・・・。ただ、マサミは可愛そうだったよ・・・」
「そっか・・・マサミにも迷惑かけちゃったな・・・。ね、ケンのことは何か聞いてる?」
ユイは首をふりながら言った。。
「全然・・・音信不通なの?大木君とは?」
「そう、お父さんが完全に頭にきちゃって・・・。帰ってきたときは、ほんとすごかったんだから。あんなに怖いお父さん見たの初めてだった。」
「おやじパワー炸裂ってとこね。・・・それはそうと、あんたたち、どうだったの?」
ユイは身を乗り出した。
「どうって、何が?」
「何がはないでしょ。つまり、あれ、よ。大木君と・・・」
アキは、顔を赤らめた。
「ばか!何言ってんのよ!」
「とぼけっちゃってさ、可愛い!ついに、あんたたちも結ばれたのね、うんうん。よし!ここは、私が、一肌ぬいだげるわ。大木君の様子探ってきてあげる。」
「ほんとー、ありがとう、ユイーっ。」
「善は急げっていうから、早速、行ってくるわ!どうせ、大木君も自宅待機でしょう?」
ユイは、ドアノブに手をかけようとしたが、急に、振り返った。
「そのかわり、『たこ焼きパパさん』でいいから、おごってね。」
アキは、笑いながら言った。
「おやすい御用でござる。」
その時、ドアにノックの音が響いた。ユイがドアを開けると、智世がジュースとシュークリームをのせたお盆を持って立っていた。
「あら、ユイちゃん。もうお帰り?」
智世は、ユイが手にカバンを提げているのを見て言った。
「あっ、えーっと、急用を思い出しちゃって・・・。」
「そうなの、ゆっくりしていけばいいのに。」
ユイは、お盆の上を名残惜しそうに見ながら言った。
「あっ、ありがとうございます。私、今、ダイエット中ですから、・・・それでは失礼します。アキ、またね。ばいばい!」
智世は、不思議そうな顔をしてアキを見た。アキは小首をかしげ視線をそらした。

(続き・・・ユイがケンの家でみたものは・・・)
...2004/10/08(Fri) 22:00 ID:Bpp9qtEE    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:たか
続き気になりますね。
ユイは何を見たのか!!!楽しみですね。

ユイ役は誰にさせますかね(笑
勝手にユイのプロフ作ってみます(笑

ユイ・・・アキの親友。クラスではマサミについで美少女に名があがる。部活動は吹奏楽。天然系だが、実はものすごく焦点の鋭い娘。特技は、料理。
自宅は産婦人科(笑
どうでしょうか???
...2004/10/08(Fri) 22:16 ID:fFJZy6Z2    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:くれい
部外者が意見を言って申し訳ありません!!

ユイ役は誰がいいかというたかさんの書き込みを見て
直感ですが、石原さとみさんか黒川智花さんあたりなんてどうかなあと。
まあ石原さんは主役級でないとダメかも知れないですが(苦笑)
黒川さんは年下になりますが、ドラマで長澤さんと共演されてましたし。
...2004/10/08(Fri) 22:30 ID:p7DIS8zk    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:ごろ
たかさん、ユイの自宅が産婦人科ってとこ、思わず笑っちゃいましたよ。とんでる系のユイのパパもきっと、あけっぴろげで「はい、ここで力んで!大丈夫、大丈夫!」なんて妊婦を励ましてる姿まで想像してしまった・・・(笑)
...2004/10/08(Fri) 22:31 ID:Bpp9qtEE    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:たか
ユイが出てきた瞬間?に「あ、この子は産婦人科の娘だと」一人で勝手に考えてましたすみません。
朔五郎殿やSATO殿にも登場願いたいですね。
...2004/10/08(Fri) 22:43 ID:fFJZy6Z2    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:ごろ
くれいさん
 ご提案ありがとうございます。黒川さんってTBSの「逃亡者」に出てた人でしたっけ?いいかもしれませんね。あっ、それから部外者だなんてとんでもないです。ぼく自身、このスレを読んでる読者の一人です。発作が起こって執筆までしてしまった重症の中毒者、ただそれだけなんですよ。
...2004/10/08(Fri) 23:49 ID:Bpp9qtEE    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:朔五郎
告白シリーズ

実は、私の最初のイメージでは
ユイ(カ)だったのですが、キャラが一人歩きしてしまい、似ても似つかない、ぶっとびムスメになってしまいました(苦笑)
シンジはサッカーの小野伸二選手のイメージです。TBSの「ランク王国」で「カレ氏にしたいスポーツ選手」第1位だったので。さすがに出演交渉してもムリでしょうね(笑)
あと、龍之介の年商が20億というのは今話題の「ライブドア」がその位だと聞いたからです。
...2004/10/08(Fri) 23:49 ID:hX6TJAIU    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:SATO
えー、それでは、私の103あらすじとたかさんの106をミックスしてドラマ化します。

106のつづき、日曜日の早朝(AM7:00) 二人の旅立ちの日です。

(マサミの自室)
目を真っ赤に泣き腫らしたマサミ。ほとんど眠れなかった様子。
マサミ「大木君、大嫌いなわけないじゃない、ちょっとだけでいいからわたしを見て・・・大林さんのことで何をしたいの?」
マサミは胸騒ぎを感じる。
マサミ「やっぱり、大林さんと話そう。大木君が無茶しないように止めなきゃ・・・」

マサミはアキの携帯に電話をする。

マサミ「大林さん?あたし。ちょっと話があるんだけど、会えない?」
アキ「いいけど、今ちょっと手が離せないんだ。(旅立ち前の荷物チェック中)1時間後に宮浦駅でなら会えるけど」
マサミ「わかった、じゃ、そのころに駅へ行くわ」

マサミ「1時間後に宮浦駅?こんな朝早くに出かける用事でもあるのかしら」

AM8:00 宮浦駅改札口付近

アキは旅行カバンを持って人待ち顔である。マサミがやって来た。

マサミ「おはよう、あら、旅行に行くの?」
アキ「うん、ちょっと・・・話って何?電車の時間もあるからあまり長くは話せないんだけど。」
マサミ「それはあなたの答え次第よ。じゃ、端的に聞くわ。大木君と旅行に行くんでしょう?」
アキ「!(明らかに動揺している)」
マサミ「どうやら図星みたいね。実はね、きのう大木君から呼び出されたの。文化祭出られなくなったて。訳を聞いたらやらなければならないことがあるからって。はっきり言わなかったけど、あなたがなにか絡んでるんじゃないの?」
アキ「・・・・・」
マサミ「黙ってちゃわかんないわよ。大木君を連れてどこ行くつもりなの?」
アキ「・・・実はね、絵の勉強をしたいの。それで東京でお金作って、ニューヨークへ行くのよ。ケンちゃんと一緒に。」
マサミ「!何を雲つかむようなこと言ってんのよ!ニューヨーク?絵の勉強?ちょっと大沢先生に褒められたからって勘違いするんじゃないわよ!」
アキ「勘違いしてるつもりはないわ。もっと絵がうまくなりたいから勉強しに行くのよ。」
マサミ「(呆れた様子で)そのこと家の人に言ったの?」
アキ「・・・それは・・・」
ピシャッ(マサミがアキを平手打ちする)
アキ「・・・」
マサミ「(物すごいケンマク)そんなコソコソしなきゃならないことに大木君を巻き込まないでよ!あなたの夢物語で彼の人生をメチャクチャにしないでよ!あたしだって大木君のこと好きなんだから!あなたなんかよりずっと幸せにしてあげる自信あるんだから!・・・」
アキ「わたしはケンちゃんを愛してる。ケンちゃんもわたしを愛してくれている。今度のこともケンちゃんが応援してくれているの。だから、邪魔されたくない。お願いだから二人で行かせて。」

ケンが走って来る。リュックサックをしょっている。マサミは背中を向けていたので、ここまでのやり取りを知らない。

ケン「アキ、悪い悪い」

マサミが振り向いた。

ケン「(びっくりする)何でマサミが・・・」
マサミ「大林さんから聞いたわ。お願い、行かないで。(泣き顔になる)何のアテもなしにニューヨーク行くなんて大木君らしくない。黙っていなくなったらお父さんもお母さんも悲しむわよ。シンジもユイも心配するわよ。もうバスケも出来なくなるし、二度と帰って来れなくなるかもしれないのよ・・・だから、行かないで・・・お願い、あたしのそばにいて・・・一緒に文化祭やって・・・(ボロボロ泣きながらケンの腕にすがりつく)」
ケン「(マサミの手を振りほどきながら)マサミ、すまん、俺はどうしてもアキの夢を応援したい。だから、行かせてくれ。」

電車がホームに入って来る

ケンはアキの手つかむ

ケン「さあ、アキ、行こう!」
二人はダッシュして電車に飛び込んだ。

あとに取り残されたマサミ。

電車のドアが閉まり、ゆっくりと動き出す。

マサミ、電車を追いかけて走り出す。

マサミ「待ってー!大木くーん!ケンちゃーん!大嫌いだなんてウソだよー!」

マサミ、ホームにうずくまり、嗚咽する。

マサミ「ウッ・・ウッ・・・ケンちゃん、必ず帰って来てね。アキさん、お願い、ケンちゃんを不幸な目にあわせないで・・・・」

(電車の中)
アキ「何か・・・マサミに可愛そうなことしちゃったな・・・」
ケン「俺が悪いんだ。昨日マサミに余計なこと言っちまったもんだから。黙ってればこんなことにならなかったんだ・・・マサミにこんな辛い思いさせなくてすんだんだ・・・」

ケン「ここまで来たらもう後戻りできないな。二人の前途を祝して、そしてマサミが新たな幸せをつかめるよう祈って乾杯しよう」
ケンとアキは缶ジュースをあける。
アキ「そうだね。乾杯!」

アキ「あっいけない!写真をポストに入れるの忘れてた!」
ケン「俺もだ、電車乗るのがギリギリだったからすっかり忘れてたよ」
アキ「しょうがない、終点についたら出そうか?」

いきなり予定が狂って、二人の行く末は前途多難の予感・・・

(続く)

いやーアキとマサミのバトルを描くのに疲れました。私としてはこれが限界です。皆さん、加筆訂正等していただいて結構ですよ
ケンとアキについてはこのまま「3.安宿にて」に直結しましょう。

次回は二人が来なくなって大騒ぎになっている学校の場面をマサミと大沢先生を中心にあらすじを詳しくして書きたいと思います。
...2004/10/09(Sat) 00:14 ID:2ganbMFE    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:SATO
朔五郎さん、ユイのイメージは当初は本仮屋ユイカちゃんをイメージしてませんでした?私はそうだったんですけどね。シンジは誰だっけ・・・と思ってたらサッカーの小野選手だったんですか・・・いやーそこまで想像力が働きませんでした。

たかさん、ユイの家が産婦人科だとするとお父さん役(もし出てきたとしたら)は誰にします?西田敏行さんはダメよ。「白い巨塔」の金にもの言わせて野心満々のスケベ親父のイメージが強いもので・・・
...2004/10/09(Sat) 00:22 ID:2ganbMFE    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:SATO
朔五郎さん、父親龍之介はライブドアの堀江社長をイメージしたんですか?確かに智世じゃないけど、あの人はスーツよりもTシャツの方が似合いますよね(笑)
...2004/10/09(Sat) 00:26 ID:2ganbMFE    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:SATO
このスレは書き込む皆さんがプロデューサーであり、脚本家であり、演出家です。私以外にも、スレを立ち上げた朔五郎さん他常連さんが数名いますが、読んでるだけのあなた、書き込み大歓迎ですよー。
...2004/10/09(Sat) 00:44 ID:2ganbMFE    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:朔五郎
SATOさんへ
そうです、ユイは最初は本仮屋ユイカさんでした。でも、今はその面影はなくなってしまいました・・・
龍之介はやはり、田中幸太郎クンで。堀江社長ではちょっとイメージが違います(笑) 

告白その2
ごろさん、文化祭を丸く収めて頂いてありがとうございました。当初はこんなのを考えてました(笑)
1.マサミのマジックショー
隠れた特技のマジックで大喝采を浴びる。ヒロインとして、今まで以上に大ブレイクする。サイドとして、文化祭を見に来ていた大沢先生の婚約者・律子は「君も彼女に手品を習ったらどうだ?」とイヤミを言われる。
2.台本を書き換える
マサミが台本を書き換え、ヒカルを寝たきりという設定にしてしまう。これが実現していたら「セカチュー恐怖の法則」により、アキではなく、ケンのほうが生死の境をさまよったかも。
...2004/10/09(Sat) 00:48 ID:R0oHpXTI    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:SATO
ごろさん、ユイとアキの会話、いい味出てますよ。次回のケンの家での出来事、楽しみにしてます。
僕もこういうヒョウヒョウとした感じの話を書いてみたいです。
...2004/10/09(Sat) 01:10 ID:2ganbMFE    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:朔五郎
智世がケンとアキの交際に不安を抱くキッカケですが
「名前が作家と同じだから」(だけ)ではいかにも苦しいので、こんなシーンを創ってみました。


信号のない十字路。軽自動車で配達を終えた智世が一時停止する。交差する川沿いの道を、左のほうから二人乗りの自転車が走ってくる。

智世「危ないなあ。あれっ、アキじゃない」

自転車が智世の前を横切ろうとする瞬間、29年前の朔と亜紀の姿がフラッシュバックし、目の前のケンとアキの姿と重なる。

智世、たとえようのない不安を感じ、次の瞬間、その不安の意味に気付く。

智世「・・・アキ(手で顔を覆う)」
...2004/10/09(Sat) 01:48 ID:/fgtnx/w    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:SATO
朔五郎さん、松本写真館で撮った記念写真を家族に送ることになってましたよね。私、それ忘れてたんですよ。さっき読み返してみて気付きました。それでケンとアキが電車に乗ってから出し忘れに気付くという展開にさせていただきました。
まあ、マサミが現れるという予定外の出来事があってケンもアキも気が動転してしまったということにさせて下さいな。私もバトルの方に気をとられて写真のことはすっかり忘れてたもので・・・
...2004/10/09(Sat) 02:05 ID:2ganbMFE    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:ごろ
SATOさん
 103のたかさんのシーンから116へと、うまく流れましたね。ただ、旅立ちのホームにマサミが登場し、アキに平手うちまでするとは・・・意表をつかれました。でも、それで、二人の旅立ちがよりドラマティックになったかもしれませんね。ついに旅立っていきましたね・・・。

朔五郎さん
 文化祭の件、マサミの手品とかそこまでは思いつきませんでした。僕がぱっと抱いたイメージは、事情を察したシンジがフォローしようとするが、お笑い系に走ってしまい、舞台でおろおろするばかりのマサミってかんじでした。その後、ケンに去られた悲しみと舞台での恥ずかしさに、ひとり泣くマサミ。学校に復帰したケンとお笑いに走ったシンジは、そのことを33の会話でちらっと登場した山川さんなどのマサミの取り巻きになじられ、落ち込むケン。そんなイメージで書かせていただきました。

109の続きです。109で含みを持たせた「続く」を書いてしまい、後で後悔しました(笑&汗)。このシーンは、二人の駆け落ち→助けて→帰郷という前半の終わり、そして、後半への続きっていうかんじです。今後、学校へ復帰したケンとアキ、マサミVSアキ、大学受験、アキの不合格へとなだれこむのでしょうか。ますます楽しみですね!

ー女友達(続き)ー

「わたし、あの後、どうしていいか分からなかったわ・・・。本当に二人ともいってしまうだもの・・・」
マサミはティーカップを置くと、ケンの顔を見つめた。
予想外のマサミの突然の訪問にケンは驚き、用件を聞いて帰ってもらおうと思ったが、母の優子が『せっかく尋ねて下さったのだから』と半ば強引にマサミを部屋にあげたのだった。
「次の月曜日、登校したら、やっぱり、空席がふたつあって。本当に行っちゃたんだって・・・私の胸もぽっかり穴があいたような・・・。そのうち、ふたりが駆け落ちしたらしいっていう噂が立って、先生たちも騒ぎ出すし・・・。私、ふたりには悪いと思いながら、大沢先生に相談したの。ごめんなさい。」
「いや、いいんだ。そんなことは・・・。事情を知ってる学級委員としては当然だよ。文化祭のこともあるしね。俺は別に気にしてないよ。・・・ああっ、そうだ、文化祭どうだった?こんなこと聞ける立場じゃないのは分かってるけど、やっぱり気になってね。」
「なんとかなったわ、シンジ君がうまくやってくれたから。心配しないで。でも、大木君が本当にそこまでするなんて。ちょっと意外だったな・・・。」
マサミは、椅子から立ち上がると、くるっと体を回した。マサミの綺麗な髪とスカートが一瞬ふわっと浮き上がった。ケンは慌てて目をそらした。
「髪短くしたんだね」
「ええ、前から切ろうかな、なんて思ってたから・・・髪、切ったら、なんだかすっきりしちゃって・・・。似合わない?」
「いや、そんなことないよ。ただ、前と少しイメージが違うから」
「良かった」
マサミは、そのまま壁にかけてある絵の前まで歩いていった。
「大林さんも大林さんよね・・・。自分の夢なのに、大木君まで巻き込んで・・・」
「あっ、いや、アキは別に悪くないよ。俺が勝手に計画立ててアキを連れ出したんだから。」
「そうかしら・・・私はそうは思わないわ。・・・ねえ、この絵、大林さんの?」
マサミは絵を見つめたまま、ケンに尋ねた。以前、アキがケンのために描いてくれた抽象画だった。
「うん、あっ、ああ、そうだよ。分かる?」
「ええ、なんとなくね・・・。大林さんの雰囲気が感じられるから」
「へえー君も絵が分かるんだね。」
「そんなことないわ。彼女が描くような絵なんて私には分からないな・・・。大沢先生は『大林は、ものがちがうな』っていってたことあるけどね。私は、もっと普通の、風景画とか、そういうのが好きよ。」
マサミは、そう言いながらも熱心に絵を見ている。
「ねえ」
マサミが突然、ケンのほうを見た。ケンは思わずどきっとした。
「・・・何?」
「大木君の夢って、やっぱり、アキの夢をかなえることなの?」
「えっ・・・ああっ、そうだけど・・・」
「そう、じゃぁ、もし、その夢がかなった後は、大木君どうするの?」
「どうって・・・」
ケンは戸惑った。
「答えられない?それとも、そこまで考えてなかった?・・・結局、アキの夢はアキのものなのよ。私ね、大木君って自分の可能性に気がついていないって思うな。アキも大木君にそこまでしてもらって、心から嬉しく思っているかしら・・・。逆に、重荷になってるかも・・・。あっ、ごめん。私、別に大木君のしたことを否定してるわけじゃないわ。ただ、もっと大木君に自分自身のことも考えてほしい、自分の可能性を大切にしてほしいなって、そう思ったから・・・。じゃぁ、今日はこれで帰るわ。また学校でね。」

玄関まで見送った優子は、嬉しそうにケンに言った。
「ほんと、いいお嬢さんね。休んでいる間の授業のノートをわざわざ届けてくれるなんて。マサミさん、学級委員をしてるんですってね。」
ケンは、マサミから渡された5冊のノートを見た。やけにそれが重く感じられた・・・。

「あっ」
ケンの家から出てきたマサミを見たユイは、驚いて立ち止まった。マサミは、そんなユイの表情を見ておかしそうに笑った。
「あら、・・・ユイの家ってこの辺だっけ?」
「あっ、う・・・ううん、ちょっと、気分転換に遠回りして・・・帰ろうかな、なんて・・・」
「ふーうん、なるほどね。・・・大林さんによろしく言っといて。」
マサミは、ユイの返事もまたずに去っていった。ユイは、その姿が見えなくなると携帯電話を取り出そうとしたが、アキが携帯電話を持っていないことに気付き、思い直した。
「・・・アキ・・・油断大敵よ・・・」
...2004/10/09(Sat) 05:14 ID:RTf4E3uk    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:くれい
やはりユイはモトカリちゃんでしたか。
いや〜失礼しました。
...2004/10/09(Sat) 08:42 ID:GvNRqS1E    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:SATO
ごろさん,私の拙い旅立ち劇からうまくつなげて下さいました。私はここにつながるように学校での大騒ぎから二人が見つかるまでを大沢先生とマサミを中心に書かせていただきます。

翌日月曜日に登校したときにはショートにしていたということにしましょう。二人に去られて傷心のまま美容院で髪を切ったということでどうでしょう。
...2004/10/09(Sat) 09:51 ID:EoTJTA.k    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:たか
ショートヘアー案の採用ありがとうございますww

ユイは・・・誰がいいでしょうねぇ・・・鈴木えみなんかは???ん〜どうでしょう・・・

SATO殿、女のバトル、ナイスだと思いますよ。
いい感じですね。
...2004/10/09(Sat) 10:50 ID:j18n6bII    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:たか
山川さんねぇ・・・下の名前が決定したら、またプロフ作ってみますねぇww
...2004/10/09(Sat) 11:07 ID:j18n6bII    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:SATO
ある日のワイドショー

「サッカー日本代表・小野選手 あの人気ドラマの続編に特別出演!」

司会者「ということで、小野選手がドラマに初挑戦したという話題です。」
レポーター「はい、昨年夏に放送された「世界の中心で愛をさけぶ」の続編に小野選手が出演しているんですよ。今、すごい話題になってますので、早速撮影現場へ取材に行ってきました。」

(撮影所・どこかの体育館)
レポーター「今日はここでバスケットボールの大会のシーンの撮影中です。あっ小野選手がいました。サッカーと違う動きにちょっと戸惑っている様子ですが、何とかサマになってますね・・・」

山田孝之君「サッカー日本代表なんて雲の上のような人と共演できて夢のようですよ。すごく気さくな人なんで、とても楽しく撮影させてもらってます」
本仮屋ユイカちゃん「小野選手とはちょっと、イー感じな役です。へへっドラマを楽しみにしてください」

レポーター「今日の撮影は無事終わりました。おや、小野選手が即席サイン会をやってますね。」
(綾瀬はるかちゃんと長澤まさみちゃんが引き上げてくる)
レポーター「あっはるかちゃん、まさみちゃん、小野選手からサインもらったの?」
はるかちゃん「イェーイ!これでーす!(サイン色紙を見せる)」
レポーター「二人は恋敵同士ということだけど?」
まさみちゃん「そうでーす!今もどちらが先にサインもらうかでバチバチッ!ときちゃいました・・(笑)」
はるかちゃん・まさみちゃん「観てくださいねー」

司会者「現場はとても楽しそうな雰囲気ですね」
レポーター「そうですね。私もサインもらおうかと思ったんですけど、残念ながら、時間がなくてもらえませんでした。小野選手の談話です。演技については全くの素人ですが、ピッチに立っている気持ちで、真剣にやってます。共演の人たちも若い方ばかりで、助けてもらって感謝してます。ということでした。」
司会「ありがとうございました。それでは次の話題です。」
...2004/10/09(Sat) 12:06 ID:EoTJTA.k    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:たか
ぷぷっ。思わず笑いが・・・すみません。

いやぁ、面白いですねww安住アナにこれやってもらいたいですよ(笑

まぁ、小野選手はオランダにいるので、撮影は、オフシーズンに帰国したときしか無理ですねww
...2004/10/09(Sat) 12:08 ID:j18n6bII    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:朔五郎
シーン73の続きになります

ケン(語り)
今日も午後から図書館にやって来た。にわか雨が上がって、つかの間の涼しい風が吹いている。図書館の入り口の脇の植え込みの前に、メモ帖とペンを持ったアキが立っていた。

ケン「アキ」
アキ(振り向く)
アキ「(うれしそうに)見て、カタツムリの赤ちゃん」

ケン(語り)
植え込みの木の葉の上に小さなカタツムリが這っていた。

ケン「スケッチしてたのか、見せて。え、ええっ」

ケン(語り)
メモ用紙の上には、カタツムリが描かれていた。生き生きとして、ツノを振り振り今にも動き出しそうな。

アキ「ちょっと、驚き過ぎじゃない?」
ケン「あ、い、いや、こういうのも描けるんだ」
アキ「失礼ね。抽象画っていうのはね、基礎がなけりゃできないのよ」
ケン「へえ、でもこれホントによく描けてるね。オレにくれない?」
アキ「ダメ」
ケン「どうして?」
アキ「だって、私の作風じゃないもん」

ケン(語り)
アキはまだ、お母さんとギクシャクしているらしく、このところ元気がなかった。でも今日はいつになく楽しそうだ。

二人、図書館に入っていく。
二時間過ぎた頃、

ケン「ジュースでも飲まない?」
アキ「うん」

アキ「あ、ちょっと来て」

アキ、インターネット閲覧コーナーに入って行く。

アキ「ねえ、美術館巡りに付き合って。ええと、ほら、これがモーマのホームページだよ。わあ、新作展始まったんだ」
ケン「MoMA?ああ、ミュージアムオブモダンアートか。わかるわかる、アキの好きそうなのばっかりだ」
アキ「いいな、ニューヨークに住んで、ちょくちょく行けたらなあ。あ、カタツムリの形をした美術館もあるんだよ。これ、ニューヨーク・グッゲンハイム美術館。この丸い建物の中は吹き抜けになってて、まずてっぺんまで昇って、渦巻きの道を作品を観ながら降りて来るんだよ・・・」

ケン(語り)
夢を見るような顔で、アキはいつまでも話し続けた。受験勉強している時とは別人のようだ。

アキ「この色づかい、すごいなあ。実物を観てみたい」

ケン(語り)
こんなに幸せそうなアキは見たことがなかった。アキのお母さんは、この笑顔を見たことがあるんだろうか。

ケン(語り)
閉館の時間だ。いっしょに図書館を出る。

ケン「どうしたの?」
アキ「何が?」
ケン「なんだか、うれしそうだから」
アキ「うん」
ケン「カタツムリを見つけたこと?」
アキ「うん、でもほんとはね、ケンが来る前、もうひとついい事があったの。来る途中、すごい雨になってあわてて入り口のところに駆け込んだの。そしたら、そこで小さな女の子がママのことを待ってた。私はその子の話相手をしてあげてたの。しばらくして雨は上がって、女の子は外に出て行った。そして、あの木の前に行って、葉っぱのほうを指さしながらこっちを見るの。そこには、あのカタツムリがいたわ。私がちょこちょこって、その絵を描いてあげたら、とっても喜んでくれてね、ママと帰って行くとき私に手を振ってくれたの」
ケン「ふーん、そうだったのか」
アキ「ケンちゃん、子供の目って、きれいだね。どんなに青い空より澄んでいるね。私もいつか、あんなきれいな色を出してみたいな・・・」
ケン「・・・アキ、オレには、なんとなくその絵が想像できるよ」
アキ「(うれしそうに)え、ホント?」
ケン「うん、真っ青な空に巨大な目玉が浮かんでいて、題名は、空の詩・・・」
アキ「あっ、ひどい。もう最低!」
ケン「はは、ごめん、冗談冗談・・・」

ケン(語り)
こんな笑顔のアキと、どこまでも歩いて行きたい。その時、ぼくはそう思った。
...2004/10/09(Sat) 16:41 ID:R0oHpXTI    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:朔五郎
くれいさん
当スレでは、随時、原稿、アイデア、感想などを募集しております(笑)これからもよろしくお願いします。

ごろさん
いつもながら、さすがですね。細かい描写など、とても勉強になります。これからもよろしくお願いします。

SATOさん
モトカリさん、新しい境地に挑戦ですね。それにしても、小野伸二選手が来たら主役が喰われそうですね。(ケン、ピンチ!笑)それから、写真の件、メンドウ臭い設定をしてしまい、申し訳ありませんでした(謝)
これからも、よろしくお願いします。

たかさん
女が髪を切るときは・・・。怖いですなあ。ところでたかさんはケン、アキ、マサミと同年代だと思うので、同じ視点からの作品をよろしくお願いします。
...2004/10/09(Sat) 17:10 ID:R0oHpXTI    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:SATO
朔五郎さん、ワイドショーはちょっと遊んでみました。本当にこんなことになったら撮影所付近は厳戒態勢になるでしょうね。一般ギャラリーはシャットアウトということで(笑)
...2004/10/09(Sat) 17:57 ID:EoTJTA.k    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:たか
同世代はお任せあれww

頑張りますww
こういうのって、やっぱりいろいろな年代の人が集まってやると凄くいい作品になると思いますよww

山川さんのプロフ・・・まだスケッチ段階といった感じですが。

山川玲子・・・これまた美少女。背がスラっと高い。部活動は、長身を生かしバレーボール。
密かなるシンジファン(笑
といった感じですかねww
演じるは・・・未決定です
...2004/10/09(Sat) 18:11 ID:AQ0hERDI    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:SATO
月曜日の朝
ケンとアキが旅立った翌日の教室

マサミが入って来る
髪の毛がショートになっている

ユイ「あれっ、マサミ、髪切ったの?」
マサミ「うん、ちょっと気分変えてみようと思ってね・・・(軽くため息、元気がない)」
ユイ「乙女が髪を切るというのは余程の覚悟がいるものよ。さては、失恋か?」
マサミ「(胸にグサリとくる)」

(解説)ユイは芸能レポーターよろしく、色々な情報を集めて回る好奇心旺盛な娘です。マサミは昨日のことをもうかぎつけているのか、と思ってグサリときたのでした。でも、この時点では、さすがのユイも昨日のことは知りませんでした。

マサミ「まあ、何でもいいじゃん!(無理に明るく返事をして、さっさと自分の席に着く)」
ユイ「そっか、じゃ、今日も元気に行こう!」
(土日に何かあったと直感するユイ)

一時間目はホームルーム。大沢先生が入って来る。
ケンとアキの席は当然あいている。
大沢先生が出欠を取り終わる。
大沢先生「今日はケンとアキが欠席だな。」

マサミ「(ぽっかりあいた二つの席を見て)やっぱり・・・行っちゃった・・・」
ユイ「(二人ともいないことに怪訝な表情)」

大沢先生「それじゃ、マサミ、来週の文化祭のことで、議事進行を頼む」
マサミ「(うわの空)」
大沢先生「おい、聞こえてるのか?」
マサミ「は、はい」

(明らかにマサミの様子は変である)

文化祭の打ち合わせが始まる。

トントン・・・教室のドアがノックされる
大沢先生は廊下に出る

A先生「大沢先生にお客様です。お二人見えてますので、応接室にお通ししてあります」
大沢先生「今、授業中です。待ってていただくわけにはいきませんか?」
A先生「そうお話したのですが、かなりお急ぎの様子です」
大沢先生「そうですか、わかりました」

大沢先生「(教室の生徒たちに)すまん、ちょっとはずさなければならない用事が出来た。君たちだけでやっててくれ」

※大沢先生への突然の来客。はたして誰なのでしょうか?(続く)
...2004/10/09(Sat) 18:57 ID:EoTJTA.k    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:ごろ
SATOさん
 執筆のみならず番宣活動(笑)もご苦労様です。サッカーファンをも取り込むとは・・・さすが敏腕プロプロデューサー(笑)旅立ち後の描写も興味深く読ませていただいてます!

朔五郎さん
 なぜニューヨークへ、なのか、そこへ至る過程が徐々に明らかになってますね。カタツムリと女の子のエピソードも将来の夢への伏線ってかんじでいいですね。

たかさん
 山川さんのキャラまで考えていただいき恐縮です。チラッと出てきたので使えるかな、なんて軽く考えていたので、なんか申し訳ないです。
...2004/10/09(Sat) 20:20 ID:X0yWKWCA    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:SATO
135からの続きです

(応接室)

大沢先生が入って来る。
大沢先生「お待たせしました。あっ、大林さん。」

待っていたのはアキの両親、達明と智世だった。

智世「アキは今日、学校に来てますか?」
大沢「?(何故こんなこと聞くのか理解できない様子)今日は休みですよね?」
智世「実は、昨日の朝からいなくなったんです。夜も帰って来ないんです。そしたら、今朝、こんなものが・・・(泣き出す)」

智世が差し出したのはアキから送られた速達の封筒だった。中から写真が出てきた。先週、松本写真館で撮ったケンとのツーショット写真である。しかし、封筒には写真しか入っていない。大沢先生が封筒をよく見ると、「東京・渋谷」の消印が押してあった。

大沢先生は、緊急事態であることを察知した。アキが家出したのだと。

大沢「家出するような心あたりはありますか?」
智世「あの子、その写真の子(ケン)と駆け落ちしたんですよ!(半狂乱状態)」
達明「落ち着きなさい、智世。実は、あの子は前から絵の勉強をしたいと言っておりました。しかし、我が家の事情で、薬局を継いでもらわなければならないので、どうしても薬学部に行ってもらいたいのです。本人もそのことはわかっているとは思うのですが、最近、受験勉強の方がおろそかになっていて、智世の方から注意したんです。ただ、頭ごなしに絵を禁止すると本人のやる気にも影響すると思いまして、薬学部に入ったら絵の勉強をやってもいいと話すつもりだったんですが・・・」
大沢「お父さんのその考えは素晴らしいと思います。絵にしても、その他の芸術にしても、その道のプロになるには何年も下積みをしなければなりません。しかし、世の中のルールとして、人間は、下積みであろうが、何であろうが、生活の糧を得なければならないんです。薬剤師の免許を取り、薬局で働きながらでも絵の勉強は続けられますし、プロになるチャンスもありますよ。」
達明「ありがとうございます、しかし、アキはどこへ行ってしまったんでしょうか?」
大沢「実は・・・今日は健三郎君も学校に来ていないんです。お母さんのおっしゃることが当たっているかも知れません・・・」
智世「じゃ、あの子はやっぱり駆け落ちを・・・」

プープー(応接室の内線電話が鳴る)
大沢「大沢ですが、えっ!はい、転送して下さい。
大沢です。どうも、お世話になっておりまして、ええ、実はアキさんのご両親がお見えになっていて、今、そのことで話合っているところです。はい、では後ほど」(電話を切る)

大沢「健三郎君のお父さんから電話がありました。やはり一緒のようです。昨日の朝からいなくなったそうです。同じように写真が届いたそうです」
智世「ああ・・・(よろめく)」
達明「智世、大丈夫か?」
大沢「お母さん、気を確かに。とにかく、二人を捜しましょう。私からも彼らの携帯に電話してみます。二人は必ず帰ってくる、今はそう信じましょう」

休み時間 廊下にて

シンジ「ケンとアキが二人とも来ないなんて変だよな」
ユイ「大沢先生も、ホームルームほっぽらかしてどうしちゃったのかしら?次の美術も休講なんでしょ?何か変。それからマサミよ。今日のマサミ、すごく変。来た時からうわの空で、さっきの文化祭の打ち合わせだってボロボロだったじゃない。何かあるな・・・よし、調べてみよう」
シンジ「おいおい、あまり人のことに興味本位で首突っ込まないほうがいいんじゃないのか?」

(美術室)
大沢先生がアキの携帯を呼び出す。しかし留守番電話になっていた。
大沢「アキか、大沢だ。至急連絡くれ」

そして大沢先生は再び応接室へ。今度は龍之介が待っていた。

※朝からケンとアキの家出の対応に追われる大沢先生。ユイも何かおかしいと感ずきはじめました・・・(続く)
...2004/10/09(Sat) 21:47 ID:EoTJTA.k    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:たか
少し話が飛びますが、その日の放課後の話を・・・

下駄箱にて・・・

ユイ「絶対何かあるんだよね、あの二人」
ぶつぶつと呟いていると、後ろからひときわ大きな影が・・・山川玲子だった。

レイコ「何つぶやいてんの?」

ユイ「ん、あぁ、ちょっとね」

レイコ「そっか。さ、帰ろ」
レイコとユイは中学校からの親友のようだ

レイコ「今日、授業中にさ、すごい形相で大沢先生が廊下走ってくの見たんだけど、何かあったのかな?」

ユイ「ああ・・・らしいね・・・」

レイコ「ユイもなんかあったの?」

ユイ「いや、私は何もないよ」

レイコ「そっか。たこ焼き食ってこうよ」

ユイ「お、いいね」
たこ焼きパパさんへ移動

レイコ「そうそう、今日さ、マサミ髪切ってたよね」

ユイ「ああ、そうだよねー超びっくりしたよ」

レイコ「ありゃ、失恋だわ」

ユイ「だよねー絶対そうだよ」
シンジ登場

シンジ「うまそうじゃん、いただき」

ユイ「あ、ちょっと、こら」

シンジ「やっぱここのたこ焼きはうめぇや」

ユイ「ったく。おめーはいっつもだなぁ人の物を・・・」

シンジ「お、山川じゃん」

レイコ「え、あ、は、はいっ」
レイコの顔は赤かった。シンジとはあまり喋ったことはないレイコ

シンジ「顔、赤いよ?熱でもあんじゃね?」
シンジはレイコの額に手をやった。レイコはますます赤くなった

レイコ「だ、大丈夫だよ」

ユイ「あーシンジがいるから照れてんだ」

レイコ「ち、違うよっ」

シンジ「それよりよ、ユイ、何か分かったか?」

ユイ「どうもあの二人・・・」

シンジ「何だよ」

ユイ「駆け落ちっぽい・・・」

シンジ「あ??マジかよ??」

レイコ「え?え?ちょっと、どういうことよ?」

シンジ「あいつら・・・・」

ユイ「まだ、はっきりと分かった訳じゃないんだ・・・応接室でそんなこと話てたのが聞こえただけだし」

シンジ「それで、あいつらどこへ・・・」

ユイ「わかんないよ・・・」

シンジ「山川なんか知ってるか?」

レイコ「え、う、うーんと・・・」

シンジ「分からないならいいよ」

ユイ「マサミも多かれ少なかれ関係してるんじゃ・・・」

シンジ「あいつ・・・今日おかしかったぞ・・・」

ユイ「呼び出して聞いてみる・・・?」

シンジ「あぁ、あいつ絶対何か知ってるぜ」
二人の会話をじっと見ていたレイコが・・・
レイコ「あの・・・私・・いない方がいいと思うし帰るね・・・」

ユイ「え、いてもいいのに」

レイコ「用事もあるし・・・ごめんね・・・」

ユイ「あ・・・うん、バイバイ」

レイコ「シンジ君、バイバイ」

シンジ「おう、またな」

レイコは走って帰っていった・・・自分はあの場所に居たくなかったのだろう・・・ユイとシンジのやり取りが見ていられなくなったのだろう・・・

シンジ「早く呼べよ」

ユイ「あーもう、うるさいな今鳴らしてるんだから」
プルルル・・・

マサミ「もしもし、ユイ?何?」

ユイ「大至急タコパパまで来て」

マサミ「え・・・うん。分かった。、待ってて」

ユイ「うん、じゃ」

シンジ「こりゃ面白くなってきたぜ」

ユイ「あんたも興味本意じゃないの」
続く・・・

といった感じです。私的に、ユイ、レイコ、シンジは三角関係ですね(笑
...2004/10/09(Sat) 22:58 ID:AQ0hERDI    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:SATO
137の続き

(応接室)

龍之介「うちのバカ息子がとんでもないことやらかしまして・・・申し訳けありません。」
大沢「お父さん、今はとにかく、二人が無事に帰ることを考えましょう。」
龍之介「そうですね、失礼しました。ケンのやつ、アキちゃんにゾッコンでしてね、あの子が書いた絵をもらってきて、居間に飾ったりしてるんですよ。
アキちゃんには色々勉強を教えたりしていて、本当に献身的にやってました。最近、あいつはアキちゃんが親から絵を描くのを反対されてる、オレは何がしてやれるんだ、とよくこぼしてました。私は、そのことはアキちゃん自身で解決する問題だから、お前はそっと見守ってやれ、とアドバイスしました。
でも、あいつは何かアキちゃんにしてやりたかったんでしょうね。心おきなく絵の勉強が出来る場所を探してやりたかったんでしょう。私の高校時代の親友がやったように・・・」
大沢「その話、去年退職された谷田部先生から伺いました。送別会の席で私のクラスの健三郎君やアキさんの話をしたら、その子たちの親は私の教え子だと懐かしそうにおっしゃってました。白血病研究で有名な松本教授も教え子の一人だったんですよね。その方が高校生のときに付き合っていた女の子がオーストラリアのウルルの空が見たいと言い出したので、散々迷ったあげく、入院先の病院から連れ出した。しかしその女の子は途中で亡くなった。白血病だったそうですね。」
龍之介「そうです。サク、いえ松本教授とは小さいころからの大親友だったんですよ。」
大沢「そういう友人っていいですよね。今の社会的地位がどうあれ、お父さんにとっては松本教授はサクなんですね。」
龍之介「ええ、私も会社社長という地位はありますが、サクからはスケちゃんと呼ばれる仲ですよ」
大沢「お父さん、健三郎君がそこまでアキさんのことを思っているのなら、大丈夫です。きっと二人で帰ってきますよ。そう信じましょう。私も早く帰ってくるように二人の携帯に電話しておきます」
龍之介「お手数おかけします。私もこれから捜します」

応接室から大沢先生と龍之介が出てくる。

物影からユイが姿を現す。なんじゃ、この娘は・・・スパイ映画か「くの一」映画を見ているようです。

ユイ「うーむ、もしかして・・・?」

そこへうつむいた表情のマサミが通りかかる

ユイ「あっマサミ、マサミってば・・」

マサミは返事もせずに行ってしまう

ユイ「変なの、先週までと別人みたい。」

(138へ続く)
...2004/10/09(Sat) 23:21 ID:EoTJTA.k    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:たか
SATO殿、私の方使ってもらえますか??
...2004/10/09(Sat) 23:25 ID:AQ0hERDI    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:SATO
たかさん、了解です。こういう高校生同士の会話はお任せしますよ。ということでたかさんに合わせて、139では大沢先生とスケの会話をユイが立ち聞きしたことにしました。そしてあなたの138につなげましょう。
...2004/10/09(Sat) 23:42 ID:EoTJTA.k    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:SATO
たかさん、マサミが来てからのユイとシンジのやり取り楽しみにしてます。
この調子だと、次の日には学校で噂が広まってしまいますね。それで、いたたまれなくなったマサミが大沢先生に泣きつく展開というのはどうでしょうか?
...2004/10/10(Sun) 00:39 ID:YBMCY2KA    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:朔五郎
たかさん、レイコはかわいいですね(笑)

SATO監督、お疲れ様です。面白いです。くの一ですか、個人的にはこういうの大好きなんで、大喜びで読んでます。

余談ですが、CDTVで「かたちあるもの」は3位でした。
...2004/10/10(Sun) 01:57 ID:4iybE5qQ    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:たか
SATO殿、わざわざ変更ありがとですww

マサミが来た後の展開は今スケッチ状態です。
もう少し待ってくだされww
...2004/10/10(Sun) 08:47 ID:3Cqqp3O2    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:SATO
たかさん、律子さんの出番が近いですよ。月曜日の朝からケンとアキの家出騒ぎで大沢先生はクタクタになってるはずです。奥さんなのか恋人なのかは分かりませんが、「今日は生徒の家出騒ぎで参ったよ・・・」とグチをこぼす大沢先生を優しく受け止めてもらいたいですね。
...2004/10/10(Sun) 11:42 ID:J43bQNQg    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:たか
SATO殿、待ってましたよ。

リッちゃんいよいよ登場。重要人物、大沢先生のサポート役ですからね。柴咲さんも気合入ってるんではないでしょうか(笑
...2004/10/10(Sun) 16:48 ID:3Cqqp3O2    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:ごろ
駆け落ち後の大騒ぎも佳境に入ってきましたね。一読者として楽しんで読ませていただいています。

私のほうは、アキが絵本作家を意識する「きっかけ」のシーンを思いついたので書いてみました。3回分くらいになるでしょうか・・・。時系列としては、たかさんの88「不合格」の後くらいかな、なんて思っています。

ー空と海ー

突然、アキが声をあげた。
「あっ、一樹さん!」
驚いたケンが振り返ると、一樹が自転車に乗って防波堤の方へやってきた。
「やあ!久しぶり」
一樹は自転車を止めると、防波堤に上がってきた。アキが駆け寄っていった。
「いつ、こちらへ?」
「うん、昨日の晩だよ。」
「東京ではお世話になりました。」
アキはそう言うと、頭を下げた。ケンも慌てて頭を下げた。
「いや〜、ぼくは何も世話なんかしてないよ。なにしろ貧乏暇なしのインターンだからね。」
アキが東京で入院している間、ケンは朔太郎の家に泊まらせてもらったが、確かに、その間、一樹の顔をあまり見ることはなかった。一樹は、医学部を卒業後、研修医として昼は大学病院、夜は別の病院で夜勤と忙しく働いている。東京での最後の晩、アキの退院祝いにと、松本家で夕食を共にしたくらいだった。あの夜の夕食は、つい落ち込みがちになるケンとアキを暖かくもてなしてくれ、今でも、時々、二人は懐かしく思い出す。
「一樹さんは、お散歩ですか?」
「あっ、うん。そうだよ。こっちに帰ってきた時は、こうやって、あちこち回るんだ。この町の景色っていいよな。」
アキは一樹の乗ってきて自転車を見た。
「それにしても、すごい自転車ですね。お尻が痛そうー。」
「おい、アキっ」
まったく、何を言い出すことやら・・・。ケンは、アキを横目で睨んだ。
「あははっ、なにしろ親父が高校の頃から使ってたやつだからな。年代モノさ、お陰で尻の皮が厚くなったよ。」
「あはははっ。」
無邪気に笑っているアキの瞳がキラキラしてきた。まずい、まずいぞ、これは・・・。こういう目をしているときのアキは何を言い出すか分からないからな・・・。ケンは身構えた。
「あの、一樹さんにひとつ聞いてもいいですか?前から不思議に思っていることがあって・・・」
「うん、何?」
「一樹さんは、松本先生の実の息子さんじゃないですよね?」
「アキっ!」
「あははっ、そんなことか」
一樹の明るい笑い声にケンは救われたような気がした。
「そうだよ、親父とぼくは血のつながりはない。でも、親父がいなかったら、ぼくもいなかったよ。だから、ぼくをこの世に送り出してくれた松本朔太郎は、ぼくの親父だよ。」
「えっ、どういうことですか?」
ケンは思わず一樹に問いかけた。
「なによ、私ばっかり注意して!ケンだって聞いてるじゃん!」
「あっ」
ケンは頭をかいた。
「これじゃ、ぼくは取材を受けてる芸能人みたいだな・・・。ぼくのお袋は未婚のまま、ぼくを身ごもっちゃってね。実の父親はどうしょうようもない男だったらしい・・・。で、このままおろそうかって悩んだらしいんだ。」
「そうだったんですか?」
「うん、その時、今の親父がお袋に『産めよ』って言ったらしい。それで、お袋もぼくを産む決心をしたそうだ。その親父の一言が無ければ、ぼくは、こうして存在しなかった。だから、そういう意味で、ぼくの父親は松本朔太郎だ。まぁ、親父がどういうつもりでそう言ったのか・・・」
「やっぱり、廣瀬亜紀さんのことがあったからでしょうか?」
アキの言葉に、ケンは息を呑んだ。こんどこそまずいぞ・・・。しかし、一樹の反応はケンの予想を裏切るものだった。
「あっ、なんだ知ってるの?うん、確かにそれはあるだろうな。そうそう、今も、廣瀬亜紀さんのお墓参りを親父としてきたところだよ。その後、親父は廣瀬さんのところへでも顔を出しにいったのかな。ぼくは、こうして君たちから質問攻めに会ってるけどね。」
一樹は防波堤に腰をおろした。ケンとアキもその横に座った。
「あの頃、親父は廣瀬亜紀さんのことを引きずっていたらしいからね。もうこれ以上、ひとつの命が、生きようとする命が失われるのが耐え切れなかったのかもしれないな。だから、お袋に『産めよ』って言ったのかも・・・。ぼくが物心ついた時から、松本朔太郎っていう人は、何かの時には、ぼくたちの側にいてくれた。誕生日のときには、いつもプレゼントをもってきてくれたりさ。だから、この人がぼくの親父になる人なんだ、今は都合があって、なれないけど、いつか、一緒に住んでくれるって自然と思ってたな・・・」
アキがしみじみと言った。
「一樹さんにとって、松本先生は自然な存在だったんですね。そして、お母さんの明希さんも、そんな松本先生を受け入れたんですね。」
「ああっ、そうだね。あの二人の間には隠し事はないからな・・・」
「素敵ですね、そういう関係って・・・」
ケンは一樹の顔を見た。
「でも、松本先生の中では、どういう折り合いをつけてるんでしょうか?その、なんて言えばいいか、その・・・廣瀬亜紀さんと奥さんの明希さんのことですけど・・・。」
「うーん、それは難しいなぁ・・・。本当のところは本人でないと分からないだろうな・・・。」
一樹は、両手を後ろについて空を見上げた。澄み切った青空だった。
「ただ・・・。うーん・・・ただ、息子のぼくが感じることなんだけど・・・。親父にとって、廣瀬亜紀さんて、この空のような存在なのかもしれないな。『空への憧れ』ってかんじだろうか・・・。それに対して、うちのお袋は、海のような存在、『海への想い』ってかんじかな・・・うまく言えないけど、なんとなく、そう思えるな・・・」
やさしそうな微笑を浮かべている一樹の横顔を見て、ケンは思った。やっぱり、似てるよな・・・。この人は、やっぱり、松本朔太郎の息子さんだ。
「空への憧れ・・・海への想い・・・」
アキが一樹の言葉を繰り返し、つぶやいた。一樹はうなずきながら言った。
「うん、手の届かない空、確実に存在してるけど触れることの出来ない空、命をはぐくんだ母なる海、その中に存在している親父って、もしかしたら、世界で一番幸せな男かもしれないな・・・。『廣瀬亜紀という空』と『松本明希という海』、そんな世界の中心に、松本朔太郎はいるんだなって・・・。ぼくはね、こっちへ帰ってきたら、必ずこの堤防に来るんだ。こうやって、ここに座って目を閉じると、なんだか親父の気持ちがわかるような気がするからね。」
ケンもアキも自然と目を閉じていた。
風の音がした・・・。
波のざわめきがした・・・。
「でもね・・・。」
一樹の言葉に二人は目を開いた。
「でも?・・・なんですか?」
アキは小首を傾げ、一樹を見た。
「その海はたまに嵐になってね」
「あらし・・・?」
ケンも不思議そうに一樹を見た。一樹は笑いながら言った。
「そう、嵐になるときがあってね。その嵐がひどいのなんのって、そうなったら親父も、その世界から逃げたいらしく病院に泊り込んだりしてさ。それでぼくの携帯電話にしょっちゅう電話してきて『おい、母さんの様子はどうだ?』とか、うるさくてね。こっちも家にいるほうじゃないからね。『そんなの知らないよ』って言ったら、親父はおろおろするんだ。」
「あはははっ、やっぱり松本先生でも夫婦喧嘩するんですか?」
ケンは笑いながら一樹に聞いた。
「うん、原因はたいしたこと無いんだけどね。たまに揉めてるな、あの二人は。ま、それだけ仲がいいんだろうけどね。」
アキも笑いながら一樹に抗議した。
「もー一樹さんったら!私、せっかく感動してたのにーっ!」
「あはははっ、ごめんごめん!あっ、そうだ、君たちに見せたいものがあるよ。うちにおいで」

(続く)
...2004/10/10(Sun) 18:21 ID:LDhB1mxg    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:たか
ごろ殿間に入ってすみません

マサミが来た後のやり取りを書きましょうか。

ユイ「なーんかレイコに悪いことしちゃったかな」

シンジ「そんなことねぇだろ。向こうも用事あるって言ってたし」

ユイ「まったくあんたって奴は・・・鈍いんだから」
そこへマサミがやってくる・・・

マサミ「ユイ、あれ、シンジもいたの?で、話って何?」
一気に空気が変わった・・・

ユイ「マサミ、ケンとアキの事、何か知ってるわね」

シンジ「今日のお前は朝からずっとおかしかった」

マサミ「別に、ちょっと寝不足なだけで、ボーっとしてたのよ」

ユイ「隠し事って、辛いでしょ」

シンジ「一人で抱え込むなよ」

マサミ「別に抱え込んでなんか・・・」

ユイ「駆け落ちしたんでしょう?あの二人」

マサミ「どこでそれを・・・」

ユイ「応接室の前で大沢先生がチラッともらしてたのよ」

シンジ「本当なのか?マサミ」

マサミ「・・・ええ」

ユイ「やっぱり・・・」

シンジ「どこへ行ったんだよあいつら・・・」

マサミ「東京へ行って・・・お金稼いで・・・NYへって・・・」

ユイ「NY???何考えてんだあいつ・・・」

マサミ「大林さんの夢を叶えたいんだって・・・」

シンジ「けど、どう考えたってそりゃ無理だろう、何で止めなかったんだよ」

ついにマサミは泣き出した・・・こらえていたのだろう・・・

マサミ「ちゃんと・・・止めたよ・・・」

ユイ「じゃ、どうして・・・」

マサミ「大木君のしたいことさせたげたかったのよ・・・ううっ」

ユイ「だからシンジも言ったけど、無理だってことに気付かせられなかったの?」

マサミ「だって・・・私・・・好きなんだもん・・・大木君が」

ユイ「だったらなおさらじゃない、ちゃんと引き止めてあげないと・・・・」

マサミ「大木君は覚悟してたのよ・・・大林さんのこと・・だから・・・私・・・できなかった・・・最後の一声がかからなかった・・・ごめんなさい・・・ごめんなさい・・・私のせいで・・・大木君に何かあったら・・・私・・・」
その場に崩れ落ちるマサミ

シンジ「そうなっちまったもんは仕方ねぇんだ。大丈夫だよ、ケンは人一倍悪運は強いから、心配すんな」

ユイ「でも・・・やっぱり心配ね・・・東京でしょ・・・悪い人だっていっぱいいるだろうし・・・」

マサミ「うう・・・ごめんなさい・・・」

ユイ「マサミは悪くないよ・・・」

シンジ「先生に伝えた方がよくないか?」

ユイ「ええ、今日はもう遅いね・・・大沢先生って帰るの早いでしょう・・・仕方ない・・・明日にしましょう・・・」

シンジ「ああ、そうだな。マサミ・・・帰ろう」
マサミの手をとる

マサミ「ううっ・・・ごめんなさい・・・本当にごめんなさい・・・」


ユイ「仕方ないって・・・もう遅いから、帰ろう」

マサミ「はい・・・」

もう日が落ちるのが早くなっていた・・・これからどうなるのだろう・・・不安だけが・・・3人の胸をよぎっていた・・・

といった感じでどうでしょう???
修正・追加などもお申し付けくださいww
...2004/10/10(Sun) 18:57 ID:758dhlZU    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:ごろ
 たかさん、ここでは当たり前のことですからね。お互い様ですよ(笑)
 とりあえず、皆さんの邪魔にならないところをということで・・・。147の続きです。

ー空と海 その2−

「ただいまー。お祖母ちゃん、お父さんは帰ってるかな?」
一樹は玄関を開け、祖母の富子を呼んだ。
「サクはまだ帰ってないよー。」
台所の方から富子の声がした。
「お客さんが来てるんだ。」
「お客さん・・・誰だい。」
富子が前掛けで手を拭きながら玄関にやってきた。
「おや、まーぁ、大木さんとこのケン坊じゃないか、こちらは、あー、アキちゃんかい?二人とも大きくなって」
ケンとアキの思いもよらない訪問に富子は目を丸くして喜んだ。ケンは照れくさそうに頭を掻きながら言った。
「あのー、そのケン坊って、ちょっと・・・。」
富子は長身のケンを見上げた。
「なに言ってんだよ!今でこそ、一人前の顔してるけど、あんたがオムツをしてるときから、あたしゃ知ってるんだからね。ケン坊はケン坊だよ!さぁさぁ、立ってないで、アキちゃんもほら、二人ともあがって」
アキは小さな声でケンに言った。
「ケン坊だって・・・うふっ。」
ケンはアキを肘で小突いた。一樹もケンに言った。
「ケン、気にしなくていいからさ」
富子は一樹に言った。
「カズ坊も、ほら、二人を案内しなよ。」
一樹は苦笑しながら二人を見た。
「ほらね・・・。ぼくも同じだからさ・・・。」
三人は顔を見合わせ爆笑した。

居間に通されたケンとアキはかしこまって座った。そんな二人を見て、一樹は言った。
「そんなにかしこまらずに、別に面接とかそんなんじゃないんだし。」
「そうだよ、ほら、ケン坊、足をくずして。アキちゃんもラクにしなさい。今、お茶を入れてくるからね。そうだ、羊羹があったかね・・・。」
富子はあわただしく台所へ行った。
ケンとアキは身を乗り出し、小さな声で言った。
「すごいですねぇ・・・。」
一樹も声をひそめた。
「すごいだろ。松本家では最強だよ。ぼくなんか実の孫のように可愛がってくれてさ。感謝してるよ」
「なにをひそひそ話してんの。はい、どうぞ。」
富子は、お茶をだしながら一樹に言った。
「あっ、そうだ。おじいちゃんに頼まれたものを届けないといけないから、ちょっと写真館に行かないといけないのよ。ケン坊もアキちゃんもゆっくりしといてね」
一樹は笑いながら言った。
「うん、いいよ。お祖母ちゃんもゆっくりしておいでよ。そのほうが、こっちもゆっくりできるし。」
「ばか、あんたは一言多いの!そうそう、あんたたち二人のことね、あれこれ言う人もいるけどさ。あんまり気にするんじゃないよ。」
富子はケンとアキを交互に見ながら笑みを浮かべた。
「ありがとうございます。」
ケンとアキは素直に頭を下げた。

「一樹さん、見せたいものって何ですか?」
アキは興味深そうに一樹に聞いた。
「あっ、それだ。忘れてたよ。親父がいないからな・・・。でも、親父はいつ帰ってくるか分からないしな。まぁ、いいか。ちょっと待ってて。」
一樹は部屋を出ていった。部屋に残された二人は、あたりを見回した。ケンがアキに言った。
「小さい頃、親父に連れられて、この家に来たことあるよ。あんまり記憶にないけどね。」
「うん、私も、お母さんに連れられて来たことあるよ。そのときは飴玉もらったよ。でもさ、松本のお祖母ちゃんって元気よね」
「そうだな。しかし、ケン坊には参ったよ。」
「うふふっ、私もケン坊って呼ぼうかな?」
「よせよ、かっこ悪い」
その時、一樹が戻ってきた。手に一冊のスケッチブックを持っている。
「これだよ。」
「えっ、でも、松本先生に内緒でいいんですか?」
アキは心配そうに尋ねた。一樹は何も気にしていないかのように言った。
「うん、大丈夫だと思うよ。親父は『機会があれば、あの二人にも見せてあげたいな』って言ってたからね。特にアキちゃんは画家志望だから興味あるかもね。」
差し出されたスケッチブックをアキは受け取った。

 ソラノウタ

そのスケッチブックには、そう記されたあった。

(続く)
...2004/10/10(Sun) 20:50 ID:LDhB1mxg    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:SATO
たかさん、続きサンキューです。良い感じですよ。
申し訳ないですが、次の日に大沢先生へ三人で相談するところまでお願いしていいですか?そこで再度マサミをワンワン泣かして下さるとうれしいんですが・・・
というのはですね、律子さんとマサミが絡む展開を考えてるんですよ。

1.大沢先生に三人で相談に行く。(大沢先生は既にケンとアキの家出のことは知っていますが)
2.マサミがワンワン泣く。大沢先生も対応に困ってしまう。
3.クタクタになった大沢先生は律子に会い、グチを聞いてもらう。
4.律子は親身になってグチを聞いてあげる。そのときに、手品が得意なマサミに興味を示す。
5.マサミはケンの家にノートを届けたりして再アタックしようとするが、気持ちを変えられず、ますます落ち込んでしまう。
6.マサミを心配した大沢先生は、何かやってれば気がまぎれるだろうと考えて、律子の手品のコーチを頼む。(マサミと律子の出会い)
7.律子への手品のコーチはマサミにとって良い気分転換となった。
8.律子はボランティアで老人ホームへの慰問活動をしていた。マサミを誘い、手品を披露させる。
9.マサミの手品は老人ホームで拍手喝采を浴びる。
10.マサミは老人ホームの人気者となり、自分が生きている実感を取り戻す。将来は国家公務員となり、福祉行政に携わることを夢みるようになる。
11.目標を得たマサミは受験勉強に励み、東京の一流大学に現役合格。立ち直るきっかけを与えてくれた律子と大沢先生に深く感謝する。
12.卒業式の日、ケンとアキにさわやかに別れを告げる。ここは朔五郎さんの69とごろさんの83を使いましょう。
13.マサミは老人ホームで最後の手品を披露し、東京へ旅立つ。

ということでマサミと律子のストーリーを考えました。律子はマサミを立ち直らせる重要人物として登場します。

※マサミはケンを失ったかわりに、福祉行政に携わる夢を得ました。とりあえずマサミについてはこれでハッピーエンドとしましょうよ。
...2004/10/10(Sun) 21:05 ID:YBMCY2KA    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:たか
そうですね。いいですね福祉介護ですかww

ではSATO殿には、大沢先生の自宅シーンからをお任せしますね。

新たなるマサミの旅立ちといった感じですねww
...2004/10/10(Sun) 21:09 ID:758dhlZU    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:ごろ
卒業までのアウトラインが見えてきましたね。ぼくも流れを読んで、83の手直しなどしてみます。
...2004/10/10(Sun) 21:24 ID:LDhB1mxg    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:SATO
ごろさん、一樹が出てくるとは意外でした。
誰を一樹役にしようかな・・・
えーい!面倒くさい! 平井堅さんに頼んじゃえ!

あとですね、律子には老人ホームへ慰問に訪れて歌を歌わせちゃいましょう。曲は勿論「かたちあるもの」です。
...2004/10/10(Sun) 21:54 ID:YBMCY2KA    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:たか
えーでは、翌日の学校のシーンを

授業が終わり、放課後、職員室へ突撃することになっているマサミ、シンジ、ユイ

ユイ「さて・・・行きましょうか・・・・」

シンジ「ああ。ほれ、マサミ、行くぞ」

マサミ「うん・・・・・」
この日もマサミはおかしかった・・・加えて、ユイ、シンジも妙な静けさだった。

ユイ、シンジ「失礼します。あの、大沢先生いますでしょうか?」

A先生「え、ああ、いますよ。大沢先生、生徒がお呼びです」

大沢「はーい」
走ってくる大沢。

大沢「おお、お前達、どうした?何か相談か?」

シンジ「あの、ここじゃ少し話しにくいので、美術室を開けてもらえませんかね」

大沢「・・・・・分かった。じゃお前達は先に行っててくれ、鍵を取ってすぐ行く」

ユイ「すみません」

シンジ「ありがとうございます」
シンジとユイは一礼をし、美術室へ向かった

ユイ「マサミ、置いてくよ。早く」

マサミ「うん・・・・・」
そして美術室・・・

大沢「で、話って何だ?」

ユイ「あ・・・あの、アキとケンが駆け落ちしたって・・・」

大沢「どこでそれを聞いたんだ」
少し怒鳴るような感じでそう言った。

シンジ「ユイが昨日応接室で話してるのをチラッと聞いたって・・・」

大沢「まったく・・・」

ユイ「アキ達の居場所は分かってますか?」

大沢「大急ぎで捜査中なんだが、あいつら、携帯も出ないし・・・」

シンジ「あいつら、東京にいるんですよ」

大沢「何?東京?何で東京に・・・」

ユイ「その後、NYに行くつもりらしいんです・・・」

大沢「何を考えてるんだあいつらは・・・こんな大事な時期に・・・」

シンジ「なんでも、ケンはアキの夢を叶えるんだ何とかって・・・」

大沢「夢・・・?絵か・・・?」

ユイ「東京でお金稼いで、それでNYに行くって・・・」

大沢「大体分かった、だが、なぜお前達がこのことを知っているんだ?」

ユイ「マサミが・・・宮浦駅を出発するときに二人に会ってるんです」

大沢「何?本当かマサミ?」

マサミ「はい・・・・」
今にも泣き出しそうな声だった

大沢「なぜ止めなかったんだ?」

マサミ「止めはしました・・・けど・・・」

大沢「けど、何だ?」

マサミ「私・・・大木君が好きなんです・・・」

マサミ「止めようと思った・・・行って欲しくないと思った・・・けれど・・・大木君はどうしてもと大林さんの夢を叶えるって覚悟を決めていて・・・私にその覚悟を曲げることが出来なかったから・・・私・・・ごめんなさい・・・・先生・・・ごめんなさい・・・」

マサミは大声を出して泣き始めた・・・そして大沢先生にしがみついて泣き崩れた・・・

大沢「で、でもだな、知っていたなら昨日のうちに言いにくるとかだな・・・」
ここまで人に大泣きされたのは初めての様子

マサミ「ごめんなさい・・・・ごめんなさい・・・・」

大沢「え、と、とりあえず居場所は分かったんだ、一歩進展じゃないか、な」

本来なら、「なぜ止めなかったんだ」とか、「なぜ昨日のうちに言いに来なかったんだ」と怒る場面なんだろうが、大沢先生は泣いているマサミを前に怒ることが出来なかった・・・・これも彼女の悪女ぶりなのかというくだらないことが心のどこかに浮かんだ・・・そして・・・

大沢「とりあえず、マサミは俺が何とかするよ、ありがとな。ケンの家とアキの家に連絡しておくから、お前達はかえって勉強だ」

ユイ「え、は、はい」

シンジ「ありがとうございました」

ユイ「それじゃ、失礼します」

大沢「おお、じゃあな」
ガラガラ、ピシャ。

大沢「マサミ、お前は悪くないよ」

マサミ「けど2人に万一のことがあったら・・・私・・・」

大沢「事を悪い方へ考えるな。な、大丈夫だ、きっと」

マサミ「はい・・・」

大沢「泣きたいだけ泣くんだ・・・マサミ・・・」

マサミはまたものすごい勢いで泣き始めた・・・・・その後、1時間半でマサミは落ち着き・・・

マサミ「それじゃあ・・・先生・・・ご迷惑おかけしました・・・」

大沢「いや、辛いのによく話してくれたよ。ありがとう」

マサミ「はい・・・では・・・失礼します」
ガラガラ、ピシャ

ドアの閉まる音と同時に、椅子へ座り込んだ

大沢「ああ、疲れた・・・」

大沢「あ、早く連絡入れないと・・・」
と言うとダッシュで職員室へ戻った・・・

といった感じでどうでしょう??

また追加・修正があれば言ってくださいww
...2004/10/10(Sun) 21:55 ID:758dhlZU    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:SATO
たかさん、私のリクエストに答えてくれてサンキュー!です。
ちょっと確認していいですか?大沢先生がダッシュで職員室へ戻って連絡した先はケンとアキの家ですよね?

私はこれから大沢先生が律子にグチる場面に取り掛かろうと思います。
クタクタの大沢先生は自宅に帰らず、行きつけのスナックに律子を呼び出して、グチグチ・・・という展開を考えています。
...2004/10/10(Sun) 22:40 ID:YBMCY2KA    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:たか
えーハイ、そうです。アキ宅とケン宅です。

続きはお任せします。頑張ってくださいww
...2004/10/10(Sun) 22:42 ID:758dhlZU    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:朔五郎
SATOさん、ごろさん、たかさん
後半部、絶好調ですね!
いや、すごい展開ですね。

前半部も、頑張って書きます。
...2004/10/10(Sun) 23:27 ID:4iybE5qQ    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:朔五郎
131の続きです

ケン(語り)
ぼくにとって、アキは、長い間かわいい妹だった。ふと気付くと、携帯のメールを使って、たあいもない話(いまさら自己紹介もないだろうに)をしたり、軽くキスしたりして「彼女」になったアキがいた。でも、二人ともまだ高校生だ。それぞれ別の大学に進めば、また新しい出会いもあるだろう。アキもいつか、ぼくのことなど忘れてしまうのだろうと思っていた。
でも、絵の話をしている時のアキの笑顔を見て、予感がしたんだ。
ぼくはアキから離れられない。きっと、ずっと前から決まっていたことなんだって。
三者面談も終わった。ぼくは地元の大学の水産学部を受けることに決めた。

(大木家・ケンの部屋)
ケン(語り)
夏休みも残り少なくなったある日、久しぶりにアキが家にやって来た。

ケン「で、相談って、何?」

階段を昇ってくる足音

アキ「うん、あのね・・・」

足音、部屋の前で止まる。

優子「(部屋の前で)健三郎、ちょっと開けてちょうだい」
ケン「あ、ちょっと待って」

ケン、ドアを開ける。優子、和菓子と冷抹茶を盆に載せて入ってくる。

優子「(微笑みながら)アキちゃん、久しぶりね」
アキ「(ペコリとしながら)はい、ごぶさたしてました」
優子「最近お顔を見なかったから(ちらりとケンを見て)健三郎が何か失礼なことをしたんじゃないかと思って心配してたの」
アキ「いえ、ケン、あ、大木君にはいつもお世話になってます」
優子「そう、ならよかった。これ、口に合うかどうかわからないけど、どうぞ」
アキ「は、はい。ありがとうございます」
優子「じゃ、ごゆっくり」

優子、ドアを開けながらちらりと二人のほうを見た後、出て行く。階段を下りる足音。

アキ「(ほう、と息をついて)わあ、高級なお菓子。ケンのお母さんって、上品できれいだよね」
ケン「そう?でも、風呂の中で氷川きよしとか歌ってたりするんだよね。あ、黙ってろって言われてたんだ・・・」
アキ「ほ、ほんと?ちょっとだけ気が楽になった。ねえ、お母さん、私のこと、どう思ってるのかな・・・」
ケン「どうって?」
アキ(赤くなってうつむく)
ケン「アキはさ、なんか妹みたいな感じでよく家に来たりしてたじゃない。だから安心してるんじゃないの」
アキ「いもうと、か(心もち肩を落とす)」
ケン「でも、将来は、もしかしたら嫁になるかも、とか思ってるんじゃないの」
アキ(右手を胸にあてる)
ケン「アキ、それって、変じゃない?」
アキ「え・・・」
ケン「普通、まずオレの気持ちを聞くでしょ」
アキ(うつむいたまま)
ケン「オレはさ、・・・」
アキ「私、ずっと待っていた。気付いて欲しかった。中学校で、卒業生代表で挨拶をするケンちゃんを見て憧れちゃった。だから同じ高校に入ったってわかった時、すごくうれしかった。だけど、ユイとかは、どんどん先にいっちゃってうらやましかったな。ケンちゃんとは、きっと時間切れになっちゃうんだろうなあって。でも、この間、絵の話に付き合ってくれた時、すごくやさしいなって思ったの。家では、勉強しろ、店を継げ、そればっかり。ケンちゃんだけは私の話を最後まで聞いてくれた」
ケン「オレはさ、あの時、アキの笑顔がすごく大事だと思ったよ」
アキ「ありがとう。ね、ケンちゃん、目をつぶって。いいと言うまで開けちゃだめだよ」

アキ、ケンの前に立ち、ケンの手を握る。

アキ「ケンちゃんは、10年後の自分が想像できる?」
ケン「ん?」
アキ「私の10年後。日曜日、私はアトリエで絵を描いている。そばでは子供が遊んでいる。目がきれいで、元気のいい双子の男の子よ。絵の具箱をひっくり返して大変なことになってる。やさしいパパが子供たちの面倒をみてくれる。私はとってもしあわせになっているわ」

アキ「次はケンちゃん」
ケン「うん」
アキ「10年後、ケンちゃんはしあわせ?」
ケン「しあわせだよ」
アキ「10年後、ケンちゃんのそばに、好きなひとはいる?」
ケン「いるよ」
アキ「そのひとは、だれ?」
ケン「・・・」
アキ「マサミ?」

ケン(語り)
つないだ指が震えている。たまらず目を開けた。
目に涙をためて、震えているアキがいた。

アキ「あ、だめ、目をあけ・・・」

ケン、アキを抱きしめキスをする。

アキ「ずるい、ずるいよ、ケンちゃん」

アキ「ケンちゃん、私を待っててくれる?」
ケン「・・・え?」
アキ「私、家を出る。どこかに行って絵の勉強してくる。三者面談でも、私は一言もしゃべれなかった。このままじゃ私の未来は全部決められてしまう。ケンちゃんと付き合うのも、もう禁止だって」
ケン「だって、だって、無茶いうなよ」
アキ「お願い、帰って来れる時まで、私を待っていて」
ケン「・・・」

ケン(語り)
どうしよう、頭の中が真っ白だ・・・

(続く)
...2004/10/10(Sun) 23:36 ID:4iybE5qQ    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:SATO
(解説)
大沢先生はカラオケスナック「竜の爪」の元常連。カラオケ好きの妻・律子もここの元常連で、二人はここで知り合った。マスターの謙太郎(演:仲代達矢さん)は二人の愛の行方を温かく見守り、実の息子と娘のように可愛がっていた。結婚後は二人の足がやや遠のき気味で寂しい思いをしている。

カラオケスナック「竜の爪」
大沢先生が入って来る。

マスター「久しぶりじゃないか、タカ。来るなら来るで電話一本ぐらいしろよ。飛びっきりのパスタを用意したのに・・・」
大沢「お久しぶり、マスター。いきなり行って驚かしてやろうかと思って・・・」
マスター「顔見せてくれてうれしいよ。取り合えずロックでいいかい」
大沢「うん」
マスター「りっちゃん(律子のこと)は元気かい?」
大沢「相変わらずだよ。手品はちっとも上達しないし・・・。そうそう、最近ボランティアで老人ホームへの慰問を始めてね、手品じゃダメだからって歌うたってるらしいんだ。」
マスター「ほー、そうかい。りッチャンは元々歌がうまかったからな。俺もホームに入ってりっちゃんの歌聞かせてもらおうかな」
大沢「まだ早いよ、マスターは」
マスター「ところで、りっちゃんも来るのか?」
大沢「そうだ、いけない。まだ電話してないんだ」
マスター「早く電話しろよ。晩飯の用意始めたりしてたら怒られるぞ、新婚の色男さんよ」
大沢「はい、はい(律子に電話をかける)あ、俺。マスターのところに居るんだけど、今から来いよ。え、食材もう買っちゃったって・・・?」
マスター「おい、ちょっと替われ。あ、りッチャンか。久しぶりじゃないか。まだ用意始めたわけじゃないだろ?じゃ、食材持ってこっち来な。俺が料理してやるよ。タカのやつ、いきなり来るからさ、待ってるよ。(電話を切る)」

マスター「何かあったんだろう、タカ。急に来るってことは・・・?」
大沢「うん、昨日・今日と学校でいろいろあってね、もう、クタクタなんだ・・・」
マスター「三年の担任だったっけ?受験も近いし、いろいろ難しい時期だよな」

(大沢先生は結婚前はこの店の常連だった。学校で嫌なことがあっても、飾らない性格のマスターや包容力のある律子と一緒にいると自然に心が癒された。今回はケンとアキの家出騒ぎとマサミの大泣きでクタクタになり、前と同じようにマスターと律子に話を聞いてもらいたくて店に足が向いたのであった。)

律子が食材を持って入ってくる

律子「お久しぶりー、マスター、元気だった?」
マスター「おう、元気だったよ。しかし、りっちゃん、綺麗になったなー」
律子「お世辞はよしてよ、チップなんか出さないわよ」
マスター「はいはい、正規料金でいただきます。食材出しな。料理してやるよ。」
律子「悪いわ、マスター。この人のためにとっておきの手料理作るつもりだったんだから。わたしにやらせて。」
マスター「そうかい、それじゃ、奥様のご指示に従って、お手伝いさせていただきます」
律子「ええ、お願いします」
(律子はカウンターの中に入り、マスターと一緒に料理を作り始める。大沢先生は二人を微笑ましく見ながらロックを飲む)

律子「さあ、出来たわ。それでは、召し上がれ」
(三人で食べ始める)
大沢「うまいっ」
マスター「りっちゃん、ますます料理が上手くなったな。」
律子「今日はマスターに手伝ってもらったから」
マスター「そんなお世辞言ったって、酒代は安くしないからな」
(三人で笑いあう)

律子「あなた、何かあった?急にこっちに来いなんて。昨日も何か考え込んでたし・・・」
マスター「俺もさっき聞こうとしてたんだ。」
大沢「昨日・今日と学校でいろいろあってね、正直言ってクタクタなんだ」
律子「うん・・・」
大沢「実は・・・俺が担任している生徒が二人で家出したんだ・・・」
律子「!」
マスター「!」

(続く)
...2004/10/11(Mon) 00:39 ID:76ZdWiUE    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:SATO
159より続く

大沢「実は・・・俺が担任している生徒が二人で家出したんだ・・・」
律子「!」
マスター「!」

マスター「二人で家出って・・・男同士かい、女同士かい・・・」
大沢「それが・・・ケンとアキなんだ・・・」
マスター「!あの大木水産の社長の息子がか!?」
律子「アキちゃんって大林薬局の娘さんでしょ?」
大沢「そうなんだ・・・どうしてこんなことになったんだ・・・(ため息)」

(大沢先生は昨日・今日あったことをマスターと律子に話した。双方の親との対応に追われたこと、携帯で呼び出してもケンもアキも返事をよこさないこと、二人の家出を目撃したマサミが大泣きしたこと・・・)

大沢「俺は、あいつらの担任として何をしてたんだ・・・
三者面談のとき、アキは一言もしゃべらなかったんだ。お母さんがポンポン話を進めて何が何でも薬学部へ、ということになったんだ。あの時、アキに言うことないのか、と聞けばよかったんだ・・・アキは絵を描きたがっていた・・・俺はそれをよく知っている。だから、薬屋やりながら絵を描けばいいじゃないかって言ってやればよかったんだ・・・
アキのお母さんは寝込んでしまったらしい・・・」
律子「うん・・・」
大沢「ケンとアキが付き合っていることも知っていた。でも、ケンはしっかりしていて、三者面談の時も水産学部へ進学すると自分ではっきり言った。だからあいつについては安心してたんだ・・・家出するなんて想像もしなかった・・・俺はケンのことをわかってるつもりで何もわかってなかった・・・」
律子「・・・・」
マスター「・・・・(黙って大沢先生に水を出す。悪酔いしそうな予感がしたからです)」

大沢先生のグチはまだ続きます
...2004/10/11(Mon) 12:43 ID:Jd741FqI    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:SATO
160より続く

大沢「マサミも可愛そうなことした・・・あいつはクラス委員、陸上短距離走のエース、成績優秀・・・キラキラ輝くヒロインそのものだった。おまけに手品が得意で、去年の文化祭ではヤンヤの喝采を浴びていたよ・・・そんなあいつが別人のように元気がなくなってしまったんだ・・・ケンが好きなんだ、だから情が移ってしまって、二人の家出を止められなかった・・・・可愛そうなくらい自分を責めていた・・・俺はマサミに言った。お前は悪くないよと・・・(ため息)悪いのはこの俺なんだ。三者面談でアキにひとこと言っておけばこんなことにはならなかったんだ・・・ケンとマサミを巻き込むこともなかったんだ・・・」
律子「あなたのやってることは間違ってないよ。ケンちゃんとアキちゃんの親御さんと誠心誠意話し合ってるじゃない、必死でケンちゃんとアキちゃんに呼びかけてるじゃない、マサミちゃんのこと受け止めてあげてるじゃない・・・あなたに出来ることはちゃんとやってるわ。だから自分をそんなに責めないで・・・」
大沢「ありがとな、でも、ケンとアキが無事に帰ってくるかどうか・・・親御さんにもマサミにも悪いことは考えるなと言っておきながら、自分自身が一番悪いことを考えてしまうんだ・・・」
律子「そうね・・・あなたの口からそんなこと言えないよね。だから、いいよ、私には言っても・・・」
マスター「・・・・」
大沢「ありがとう、律子・・・」

(酔いが回ったのか、大沢先生は寝てしまう)

マスター「苦しかったんだな、タカは」
律子「この人、ここへ来て安心しちゃったのね。気持ち良さそうに寝ちゃって・・・」

ということで、大沢先生の長〜い長〜い二日間が終わりました。

一方、東京に出たケンとアキを待ち受ける運命は・・・(3,5,6,7に戻ります)
...2004/10/11(Mon) 16:48 ID:GDSMpk1E    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:たか
続きを楽しみにしてました。

いやぁ、いい感じですねwww
朔五郎殿の続きが早く読みたいですよww
...2004/10/11(Mon) 17:11 ID:az4tDCO.    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:ごろ
SATOさん、お疲れ様です。怒涛のような作品の連続アップ、読者としても保存・整理作業に追われておりました(笑)

今までの、このスレの投稿作品(ぼくのサイド編やSATOさんの番宣編含む)と6万文字を軽く超えてるようです。う〜むっ、すごい!
...2004/10/11(Mon) 17:12 ID:Iy/Y2KPQ    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:たか
とりあえず、登場人物と出演者(笑)まとめてみました

ケン(山田孝之)
アキ(綾瀬はるか)
松本朔太郎(緒形直人)
大沢先生(大沢たかお)
律子(柴咲コウ)
龍之介(田中幸太郎)
優子(未定・個人的に黒木瞳)
智世(本仮屋ユイカor松下由樹)
大林達明(未定)
ボウズ(柄本祐)マスター(仲代達矢)
ユイ(未定・鈴木えみ?石原さとみ?黒川智花?本仮屋ユイカ?)
マサミ(長澤まさみ)
レイコ(未定。背の高い方希望)
シンジ(小野伸二)特別出演(笑

主題歌「思いがかさなるその前に」 平井堅

挿入歌「かたち あるもの」柴咲コウ(老人ホームで)
「朔と亜紀」←「ケンとアキ」にしようかと(笑

て感じですか???かなり豪華なメンバーだと思いますねww
意見・追加・修正あったら言ってくださいww
...2004/10/11(Mon) 17:25 ID:az4tDCO.    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:ごろ
たかさんもお疲れ様でした。やはり、主人公とその友達関係の部分って同世代のたかさんが必要不可欠ですからね。後半も期待しています!

優子→黒木瞳、いいですね!今にでもイメージできます。達明はSATOさん案の村田さんかな。智世とユイは難しいですね。ユイカちゃんに出てほしいし、松下由樹さんもはずせないし。マスターが仲代さんとは・・・。渋い演技が楽しみですね。
...2004/10/11(Mon) 17:50 ID:Iy/Y2KPQ    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:たか
では、達明は村田雄浩さんでww

智世とユイが難しいですね・・・

レイコは・・・どうしましょうか・・・
...2004/10/11(Mon) 17:57 ID:az4tDCO.    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:くれい
遠慮なく言わせていただきます(笑)
レイコ役は背が高いということで、それこそ
鈴木えみさんあたりでしょうか。
でも長澤まさみさんや綾瀬はるかさんも背が高いから
それ以上だとなかなかいないかもしれないですね。
...2004/10/11(Mon) 20:24 ID:GjvuVL8I    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:たか
くれい殿ご意見ありがとうございますww

そうですね、レイコを鈴木えみにしましょうか。
そうすると、彼女はまたも三角関係になりますね(笑)ウォーター○ーイズでも三角関係でしたし
...2004/10/11(Mon) 20:29 ID:kqiq4NF.    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:朔五郎
今日、渋谷へ行きました。駅のところで「12年後、アキはここで倒れるのか」と思うと、感無量でした(笑)
Bunkamuraでモダンアートの展覧会を観ましたが「アキの好きそうなの」がゴロゴロありました。ケンの部屋にピッタリの絵も見つけましたよ(笑)

ところで、「朔と亜紀」の中に、ピアノの旋律で「タタタン、タン、タン」というリズムが何回も出てきますけど、あれは「サクちゃん、ア、キ」という呼びかけになってるんでしょうか?

配役の選考、お疲れ様です。背が高いといえば栗原恵(バレーボール日本代表)がいますけど(笑)
...2004/10/11(Mon) 20:46 ID:oI8I5ZJY    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:たか
渋谷ですかぁ〜いいですねぇ・・・私は関西人ですので・・・・

「朔と亜紀」については・・・ん〜どうなんでしょう???なんかそんな気もするようなしないような
...2004/10/11(Mon) 20:49 ID:kqiq4NF.    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:ごろ
朔五郎さん、やはりケンとアキがN.Y前に東京を目指したのが分かる気がします。ぼくもたかさんと同じで関西なもので(笑)

アキの絵本作家への「きっかけ」(149)の続きです。やはり、アキは「ソラノウタ」と遭遇しなければならぬ運命だったのでしょう。皆さんの名場面とともに・・・。

ー空と海 その3−

表紙に記されたタイトルを見て、アキの中に何かがひらめいた。

夜空に浮かぶ月・・・。月明かりに照らされた海・・・。
あっ、あのときの・・・。あの夢の風景・・・。

アキは、そっと表紙をめくった。

 生きていくあなたへ

あのひとだ・・・。アキの耳に、いつか夢で見た「あのひと」の声が聞こえた

 もしもおまえが
 枯れ葉ってなんの役に立つの?ってきいたなら

 わたしは答えるだろう
 病んだ土を肥やすんだと

アキは、大沢先生が話してくれたニューヨークで起こった悲しい出来事を思い出した・・・。
突入していく旅客機・・・。崩壊していくビル・・・。失われる多くの命・・・。病んでるこの世界・・・。

 おまえはきく
 冬はなぜ必要なの?

 するとわたしは答えるだろう
 新しい葉を生み出すためさ

アキの頬に、母からぶたれたときの痛みが蘇った・・・。
母の悲しみに満ちた目・・・。不安な表情・・・。破りすてられたスケッチブック・・・。

 おまえはきく
 葉っぱはなんであんなに緑なの?

 そこでわたしは答える
 なぜって、やつらは命の力にあふれているからだ

アキは、雨の図書館の前で、カタツムリの絵を描いてあげた小さな女の子の笑顔を思い出した・・・。
小さな手・・・。輝きに満ちた瞳・・・。駆け出していく小さな体・・・。躍動感あふれる小さな体・・・。

 おまえはまたきく
 夏が終わらなきゃいけないわけは?

 わたしは答える
 葉っぱどもが、みな死んでいけるようにさ

アキは、東京の安っぽい宿でケンが詠ってくれた詩を思い出した・・・。
押し寄せる不安・・・。力強く詩を詠うケンの横顔・・・。ケンの腕の中で感じた胸の鼓動・・・。薄れゆく意識の中で聞いたケンの叫び・・・。

 おまえは最後にきく
 隣のあの子はどこに行ったの?

 するとわたしは答えるだろう
 もう見えないよ

 なぜなら、おまえの中にいるからさ
 おまえの脚は、あの子の脚だ

 がんばれ

最後の一言を見て、アキの瞳から涙がこぼれた・・・。

(当初の予定では、これで終わるつもりでしたが、まだ書ききれていませんので、もうちょっと続きます)
...2004/10/11(Mon) 21:37 ID:Iy/Y2KPQ    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:たか
あっ!!!!!!!!プリンセス・メグか!!!!
気付かなかったですねww

ん〜悩みどころですよ・・・・

ごろ殿、いやはや、素晴らしいですねww
すごく感動しました。結構まとまってきてるんでは
ないでしょうか???
...2004/10/11(Mon) 22:42 ID:kqiq4NF.    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:SATO
ごろさんの「空と海シリーズ」本家とのリンクもあって素敵です。

私はマサミをあんな目にあわせた責任がありますので、しばらく立ち直りストーリーの方に専念したいと思います。
...2004/10/11(Mon) 23:05 ID:LZDYXdik    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:ごろ
いや〜もう書いてるうちにどんどんイメージが膨らんでしまって・・・。こうなったら、みなさんにご登場願うことにしました(笑)
171の続きです。

ー空と海 その4ー

「どう?読んだ感想は・・・」
その声に3人とも顔をあげた。朔太郎が立っていた。
「あっ、お父さん。いつ戻ったの?」
一樹は、少し慌てたような顔をした。朔太郎は腰をおろしながら言った。
「今、さっきだよ。お墓参りの後、廣瀬さんところにご挨拶して、それから、写真館に寄ったら、お祖母ちゃんから二人が来てるよって聞いたもんだから。」
「いらっしゃい、ケンちゃん、アキちゃん。久しぶりね。」
明希も部屋に入ってきた。
「あっ、ご無沙汰しています。ご一緒だったんですか?東京ではお世話になりました。」
ケンは、そう言うと朔太郎と明希におじぎをした。アキも涙を拭いながら頭を下げた。明希は嬉しそうに二人に言った。
「ほんと、久しぶり。何だか、ふたりともしっかりしてきたわね。見違えちゃった。そうそう、ちょうど廣瀬さんところでケーキいただいたのよ。みんなでいただきましょう。」
明希は、そう言うと立ち上がろうとした。
「明希さんもゆっくり座ってなさい。私がするから」
「あら、お母さん、戻ってらしたんですか?あっ、お父さんも・・・」
明希は驚いた表情で、富子とその後ろに立っている潤一郎を見た。
「みんなが帰ってきてるのに仕事でもないだろう。今日は臨時休業だよ、明希さん」
潤一郎は嬉しそうに笑った。
「何いってるの!毎日、開店休業のくせに!」
富子はそう言い残し、台所へと去っていった。潤一郎は照れたように頭を掻いた。部屋中に笑いが響いた。

「これが廣瀬亜紀の最初で最後の絵本だよ。」
朔太郎の言葉にアキはうなずいた。
「私、この絵本、なんだか、初めてじゃないような気がして・・・」
みんながアキの顔を見た。
「・・・その、古い友達に久しぶりにあったような、懐かしくて、暖かくって、嬉しい、そんな感じです。それに、私、夢を見たことがあるんです。亜紀さんの。」
「そんなことがあったんだ・・・」
朔太郎は、感慨深げにアキを見た。
「はい、あれは、確か東京へ行く前でした。ほら、ケンちゃん、あの時よ。夏休みのとき図書館で」
アキはケンを見た。ケンは、しばらく考えていたが、思い出したように言った。
「ああっ・・・そういえば、一度、図書館でアキが居眠りをしたときがあったっけ。あの後、確か、そんな不思議な夢を見たとか言ってたな・・・」
「ふーん、それだと、まだ私たちに出会う前ということになるわね。不思議ね。」
明希も不思議そうな顔をして朔太郎を見た。朔太郎は静かに言った。
「・・・アキちゃんが東京で倒れて、病院に運ばれてきただろう。その後、病状が回復して、その寝顔をケンと見てたとき、実は、俺自身、もう二人のアキのことを思い出してたんだよ。」
「亜紀さんと、それに、私のこと?」
明希の言葉に朔太郎はうなずいた。
「うん、そうだ。高校生のとき、病院のベッドで寝ている亜紀・・・。そして、ほら、君は、一度、バイクにはねられただろう。飛び出した一樹を助けようとして。あの時の君だ。」
「あっ、あれね。ぼくが原因で・・・。何もこんなとこで言わなくても・・・。今でも、あれはトラウマになってんだからさ。」
一樹が申し訳なさそうに頭を掻いた。
「トラウマになってるひとがバイクで走り回るの?バイクは危ないからやめなさいって言ってるのに!」
明希は一樹を睨んだ。
「あれー、それもこんなところで言わなくても・・・怖い怖い・・・嵐の前触れかな」
一樹はケンとアキの方を見て肩をすくめた。
「まぁ、俺が言いたかったのは、今まで多くの患者さんを診てきたけどね。そんな想いに駆られたのは、アキちゃんが初めてだったんだ。それに後で、アキちゃんが絵画に興味があって将来は画家志望って聞いてね。だから、この亜紀の絵本を見てもらいたいなって思ってたんだ。」
「そうだったんですか・・・不思議なことがあるもんですね。なぁ、アキ。」
ケンも、その不思議な縁に何かを感じているようだった。アキは朔太郎に聞いた。
「亜紀さんは、絵本を作るのが夢だったんですか?」
「うん、絵本の編集者になることが夢だったよ。もちろん、将来的には、自分でも絵本を描いてみたかっただろうな。俺は、芸術的なこととか分からないけどね。絵そのものだけでも、見る人の心にうったえかける力を持ってるだろ。そして、言葉や文章も読む人の心にうったえかける力を持ってる。絵本ってさ、その2つの力があるものなのかなって・・・。亜紀はさ、そのへんのことに惹かれたんだろうな。」
朔太郎の言葉にアキは納得したようだった。
「そうかもしれませんね。私は、文章とか書くの、どちらかと言うと苦手ですけど・・・。」
「そうそう、アキは動物的だからね。」
「もーっ、ケン!茶化さないでよ。私、亜紀さんの夢を見た後、別の日なんですけど、図書館の前で小さな女の子にカタツムリの絵を描いてあげたことがあるんです。その時、その子、『おねえちゃん、このカタツムリさん、なんて言ってるの?アメアメフレフレって歌ってるのかな?』とか私に聞いたりしたんです。その時、『この子に絵本を作ってあげたら、喜んでくれるかな』なんて思ったこともありました。」
朔太郎は『ソラノウタ』を見ながら言った。
「絵本ってさ、幼い子供の読み物だろ。でも、それだけに、大切で、おろそかに出来ないものなのかもしれないな・・・。俺にしても、小さい頃に読んでもらった絵本のこととかは、漠然としか覚えていないけどね。でも、俺のどこかで、その絵本の内容って生きてると思うんだ。俺はね、絵本を作るって、幼い命に種を植え付ける、そんな作業かな、なんて思う。その子が大きくなっても、決して枯れることなく、そのひとのどこかで必ず芽生えて、成長して、息づいてる・・・。亜紀は、きっとそう思っていたんだろうな。」
朔太郎の言葉に、みんな『ソラノウタ』を見つめた。

突然、富子が言った。
「ちょっと、サク。もっとわかりやすく言ってくれないかい。ここには3人のアキがいるんだからさ。」
潤一郎があきれたように言った
「なんだ、お前、分かってなかったのか?」
「じゃあ、あんたは理解できてるの?」
「だから、アキが絵本作るんだろ」
「そのアキって、どのアキだよ」
「・・・」
「ほら、みなさい!あんたも分かってないの!」
部屋中が笑いに包まれた。

朔太郎は、心の中で母の言葉を繰り返した。
ここには3人のアキがいる・・・。
朔太郎は、そっと『ソラノウタ』に触れた・・・。

(あと1回で終わります・・・ってこればっか・・・続く)
...2004/10/11(Mon) 23:21 ID:Iy/Y2KPQ    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:朔五郎
158の続きです

ケン(語り)
どうしよう、頭の中が真っ白だ。

突然、激しい雨が降り出す。大粒の雨が窓を叩く音。

アキ「私、もし、ケンちゃんがマサミのことを思っているのなら、もう、いいかなって思った。どうせ誰も理解してくれないなら、お母さんの言うとおり薬学部に行って、薬剤師の男の人を見つけて、お店をやって行こうかって。趣味程度なら、絵だって描けるだろうし」
ケン「アキ・・・」
アキ「でも(涙ぐんで)でもね、ケンちゃんが大事って言ってくれた笑顔をなくしたくないの。ケンちゃんだったら、きっとわかってくれる。ケンちゃんのそばだったら、きっと笑っていられる。だから、私が画家としてやっていけるようになるまで、自分らしく生きられるようになるまで待っていてほしいの」
ケン「でもな、カネもないのにどうするんだよ」
アキ「東京かどこかで、アルバイトしながら専門学校に行く」
ケン「そんなこと言ったって、危ないだろ」
アキ「もう、それしかないのよ」

ケン(語り)
アキ、それほどまでして・・・

ケン「・・・わかった、オレもいっしょに行く」
アキ「(驚いて)ダメよ。ケンちゃんは将来、会社を背負って行くんだから、水産学部に・・・」
ケン「アキの笑顔が大事だから」
アキ「だって、会社はどうなるの?働いている人や家族だっているのよ」
ケン「それはお互いさまだ、アキ」
アキ(黙ってうつむく)
ケン「オレたちがそんなことすりゃ、大変なことになる。たくさんの人が悲しむ。でも、アキが、アキが本当に自分らしく生きたいのなら・・・行くしかないだろ?」
アキ「だけど、これは私の夢で、ケンちゃんには迷惑かけられないよ」
ケン「迷惑?そりゃおかしいだろ、アキ」
アキ(反射的にケンを見る)
ケン「アキの夢は、オレの夢だろ。10年後、二人でしあわせになっているんだろう?さっき言ったのはウソだったの?」
アキ「ウソ・・・なんかじゃない」
ケン「オレは1日中バイトして生活費稼ぐからさ。アキは学校に行けばいいよ」
アキ「やっぱり、そんなことできないよ。それに、見つかって連れ戻されちゃうかもしれないよ。そしたら、ケンちゃんが悪く言われて責められるかもしれない」
ケン「捕まりゃしないさ」
アキ「えっ」
ケン「誰にもわからないところに行けばいい・・・」
アキ「わからないところって?」
ケン「ニューヨークさ」

(続く)
...2004/10/12(Tue) 00:37 ID:PnM6tu6Q    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:SATO
ごろさん作No7(ケンとアキの救出劇)と同時進行です。

「ケンとアキの無事を知った大沢先生とクラスメートたち」


朝 大沢先生の自宅にて

律子と朝食中の大沢先生。
プルルル・・・大沢先生の携帯が鳴る

大沢「はい、大沢です。健三郎君のお父さん・・・そうですか・・・よかった・・・・(電話を切る)」
大沢「(律子に)二人が見つかった。病院に収容されたが、大丈夫だそうだ。一週間ほど休養が必要らしいが・・・フゥー」(肩の荷が下りた表情の大沢先生)
律子「あなた・・・よかったね。信じててよかったね・・・・(涙ぐむ)」
大沢「おい、よせよ。俺まで泣きたくなるじゃないか。これから学校だぞ。泣き顔がばれたら生徒に何言われるかわからないじゃないか・・・」

学校へ向かう大沢先生。久しぶりに朝の空気が美味しく感じられました。心の重しも取れたようで、足取りも軽やかです。
この日は文化祭の翌日。授業はありませんが、後片付けのために先生も生徒も学校に来る日でした。

学校

廊下にて
ユイ「ちょっと、シンジ!」
シンジ「おう、おっはよー!」
ユイ「おっはよーじゃないでしょ。あんた、どういうつもりなの?」
シンジ「どういうつもりって?」
ユイ「あんた、ケンの代役で劇に出るなら出るでちゃんと責任果たしなさいよ。全然セリフ覚えないでアドリブばっか。」
シンジ「でも、バカ受けだったぜ・・・オレ、お笑い系の役者の道に進もうかな。まあ、ケンのチームメイトとしてマサミのピンチを救うことが出来たって訳さ」
ユイ「そんな問題じゃないんだってば!マサミの気持を考えなさいよ。アドリブに着いてこれなくてオロオロするばっかりだったでしょ!ただでさえ落ち込んでるんだから、アドリブなんかに付き合ってる余裕なんかないってことなのよ、それをあんたは・・・」
シンジ「マサミを元気づけたつもりなんだけどな」
ユイ「鈍感!」

大沢「朝っぱらから漫才やってるんじゃないよ、お前らは」
シンジ・ユイ「大沢先生、おはようございます」
大沢「マサミはどうした?お前ら3人に話しがあるんだ」
ユイ「こいつ(シンジ)とマサミ別々にしたほうがいいですよ。アドリブのおかげでマサミが可愛そうったらありゃしない・・・」
大沢「劇のことか。確かにマサミが可愛そうだったな。アドリブは客だけじゃなくて相手の反応もみてやるもんだぞ。シンジはその辺がわかってないようだから、お笑い役者になるなんて無理だな。」
ユイ「ほーら、ザマミロ」
大沢「マサミには他に話すこともあるからな。じゃ、お前ら二人で来い」

美術室

大沢「実はな、ケンとアキが見つかったよ。無事だ」
ユイ・シンジ「本当ですか?」
大沢「ああ、昨夜病院に収容されたんだ。ケンのお父さんの話だと一週間ほどあちらで休養してから帰ってくるそうだ。」
ユイ「よかった・・・」
シンジ「(ホッと息をはく)」
大沢「とにかく、よかったな。ただ、いろいろ噂になっているから、ケンとアキが学校に来たときに興味本位に言うやつが出てくるだろう。二人とも覚悟はしてくると思う。だが、はやくクラスの中に戻れるようにしてやりたい。そこでお前たちに頼みなんだが、ケンとアキの味方になってやってもらいたいんだ。二人が学校に来づらくならないようにな」
シンジ「お安い御用です、先生。ケンはお笑い役者の可能性に気付かせてくれた大恩人ですから。そのくらいまかせてください」
大沢「お前には無理だと言ったはずだぞ」
シンジ「これから一生懸命練習しますから・・・」
大沢「まあ、痛い目にあって気付くんだな」
ユイ「アキが帰ってくる日はいつですか?それがわかったらアキの家に行ってみます。」
大沢「そうだな、アキのお父さんに聞いておくよ。」
ユイ「でも、先生、何であたしたちに?」
大沢「俺もケンとアキを温かく迎えてやりたい。でもな、担任の立場として二人には厳しいことを言わなければならないんだ。当然親からも厳しく言われてるはずだ。そうなると、二人の逃げ道がなくなってしまう。だからお前たちに二人の逃げ道を作ってやってもらいたいんだ。」
ユイ「先生・・・」
シンジ「先生、わかりました」
大沢「頼んだぞ。次にマサミを呼んできてくれ」
ユイ「はい」

ユイとシンジが美術しつから出て行き、入れ替わりにマサミが入ってくる。

大沢先生がマサミに話したことは・・・?
(続く)
...2004/10/12(Tue) 00:45 ID:2IcNg6tc    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:朔五郎
SATOさん
きましたねー「竜の爪」
しかし仲代さんがマスターとは、意表をつかれました。
でも、すごく面白いです。

ごろさん
いつもながら、きちんとした構成には感服します。

あと、配役の追加希望です。
図書館にいた女の子:映画で律子の少女時代を演じた子
よろしく(笑)

フジ月9 オープニングシーン
(カナダ、一面の雪原)
ガイド「おまえはラッキーだな(中略)日本人はいっぱい来るけど、ひとりで来るのはめずらしい」
織田裕二「ひとりじゃないさ(ポケットから何かを出す)」

一瞬、「骨」を連想して、緊張したのは私だけ?(笑)
完全にパロディだったと思うけど。
森山サクが元気に出ていたので、懐かしかったです。
織田×矢田はどーでもですけど、「雨鱒」ではるかさんと共演した玉木くんは気になります。

ごろさん、たかさん
私、関東に住む虎ファンです(笑)
...2004/10/12(Tue) 01:07 ID:PnM6tu6Q    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:SATO
皆さん、おはようおざいます。
月9でパロディがあったんですか?
やはりあのシーンはメジャーになったんですね。

そういう私は昨日はパリーグのプレーオフを観てました。無念!福岡ダイエーホークス(涙)

朔五郎さん、昨年は日本シリーズでお世話になりました。いつかまた日本シリーズで対戦しましょうね。

ということで東京在住のホークスファンでした。
...2004/10/12(Tue) 08:12 ID:0mW303GM    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:たか
私は関西に住む「虎ファン」です。

いやぁ、SATO殿昨年はお世話になりました。
今年こそと、思ったんですが、ちと無理でしたね。来シーズンこそは!!

話題がずれてしまってすみません。皆さん本当にすごいですね。私も負けずに何か書こうと思います。
...2004/10/12(Tue) 14:38 ID:9lIFYQ82    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:たか
では同世代ネタをww
ユイとシンジとレイコの何気ない会話なんかを書いちゃったりしますww
ドラマとかぶせてありますよ。

レイコは少し落ち着いてシンジと話せるようになった。家が近いユイ、レイコ、シンジはいつも3人で帰るようになっていた
レイコがある日こんなことを聞いた

レイコ「何でユイとシンジ君はいつから、知り合いなの?」

シンジ「あぁ、よくぞ聞いてくれましたね」

ユイ「おい、ちょっと待ってよ、話さないって・・・」

シンジ「いいじゃねぇか」

ユイ「ダメよ」

レイコ「いいじゃない。シンジ君、教えて」

シンジ「あれは小学校3年生の頃か・・・」

ユイ「あぁ・・・もう・・・」

シンジ「俺と、ケンとアキとユイは同じクラスだったんだ。そんで運動会のときだよ」

レイコ「うんうん」
目を輝かせて聞いている・・・こういう時のレイコに話しかけると、鉄拳スパイクが入るらしい・・・

シンジ「4人でやるリレーがあったんだ。それで、走者は、俺、ケン、もう2人足の速い奴。その男子4人だったんだよ」

レイコ「それでそれで?」

シンジ「俺たちゃ優勝確実と言われてたんだよ」

ユイ「バカ、お前がいた時点で無理だろ」

シンジ「けどよ、当日一人怪我しちまったんだ、それで、誰かでねぇかって言ったら、ユイが、立候補して、お前走るの遅いくせにとか言われたのにバトンはなさなくて」

レイコ「へぇ、やるじゃん。ユイ」

シンジ「しかしだ、俺は先生に変えてくれって言ったんだけど、もう遅くてさ」

ユイ「立候補しただけでもありがたいと思わないんだよ、こいつ」

シンジ「こいつは、極度の運動音痴でさ」

ユイ「ほっとけよ」
顔を赤くするユイ

シンジ「ユイは一番走者になって、スタート出遅れるし、いきなりこけるし、バトン落とすし・・・当然俺達はダントツのビリだったよ」

レイコ「へぇ、そうなんだ」

シンジ「それで、リレー終わったらこいつ信じられないくらいでかい声で泣きやがって」

ユイ「ちょっともう、終わり終わり終わり」
かなりあせっているユイ

シンジ「こいつ膝すりまくりで、俺がおんぶして帰ったんだよ」

レイコ「えぇ〜そうだったの、ユイ」

ユイ「そうだよ、ったく」

シンジ「昔は軽かったのに、今じゃ子豚並じゃん」

ユイ「だれが子豚よ、バカ」

レイコ「いいなぁ、そういうのって憧れちゃうよ」

シンジ「幼なじみなんかなぁ、疲れるよ?」

ユイ「そりゃこっちのセリフだって」

レイコ「お2人さん、仲がよろしいこと。妬けちゃうわ」

ユイ「こら、レイコ」

シンジ「おっと、俺はこっちだから。じゃあなレイコ、子豚」

レイコ「シンジ君、バイバイ」

ユイ「誰が子豚よバカ」

シンジ「ははは、じゃあな」
シンジ走って帰っていった

レイコ「好きなんじゃないの?シンジ君の事」

ユイ「バカ、あんな奴・・・」

レイコ「顔、赤いよ」

ユイ「あーもうっ、違うの、とにかくあんな奴はなんとも思わないんだから」

レイコ「じゃあ私がもらっちゃおうかな」

ユイ「はいはい、頑張ってくださいね」

レイコ「後悔しても知らないよぉ」

ユイ「しないの、まったく」
交差点まで来て

レイコ「それじゃあ、バイバイ」

ユイ「バイバイ」
少し怒った感じだった

レイコ「自分に正直になりなよぉ」

ユイ「はいはいはい、分かったからさっさと帰る」

レイコ「はぁい。じゃあバイバイ」

ユイ「バイバイ」

と言った感じですが。
没でしょうかねぇ・・・感想待ってますよww
...2004/10/12(Tue) 17:08 ID:9lIFYQ82    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:ごろ
朔五郎さん、SATOさん、空白部分を埋めるシーンは、ジグソーパズルをしているようで、ぴたっとはまる時の爽快感がいいですね。いよいよ前半「駆け落ち編」も大詰めですね。楽しみです。

たかさん、180は、後半のどこかで使えそうですね。後半は、ケンとアキを軸に、マサミの再生、シンジとユイとレイコのからみが必要でしょうからね。ある日常の一コマっていうかんじでいいと思いますよ。シンジとユイとケンの仲の良さの原点も明らかになってますしね。後半も、お互い得意分野?で盛り上げていきましょう!

昨年のホークスは強かった!4勝3敗という勝敗以上に力の差を感じましたよ。今年はプレーオフ導入で涙をのみましたね・・・、残念。
...2004/10/12(Tue) 18:57 ID:tQddnbJ6    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:SATO
西武新宿駅のそばを通りかかるとライオンズ優勝を祝う垂れ幕が・・・
やっぱり負けたんだな・・・という実感がわいてきました。
昨日の西武の胴上げ中、福岡ドームがシーンと静まりかえっていました。福岡ドームのファンにとっては相手チームの胴上げ見るのは初めてですからね。博多のファンが気の毒です。

敗戦から一夜あけ、傷心のSATOでした。

※日本シリーズ中は執筆活動に専念しよっと!
...2004/10/12(Tue) 20:57 ID:0mW303GM    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:たか
ごろ殿、お互い得意なこと生かしていきましょーね。

SATO殿、傷心は時が癒してくれます。
マサミのようにとにかく執筆してればきっと気がまぎれますよ。
少し失礼だったかもしれませんね。すみません。

前半部はそろそろクライマックスですね。
演じる方々も気合十分なのでは(笑
...2004/10/12(Tue) 22:46 ID:9lIFYQ82    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:SATO
176からの続きです。

「ケンとアキの無事を知った大沢先生とクラスメートたち2」

(美術室)

大沢先生に呼ばれたマサミが入ってくる

マサミ「先生、大木君たち、無事だったんですね?」
大沢「ああ、そうだ。」
マサミ「よかった・・・(ホッとする)」
大沢「よかったな。もう、何も心配しなくていいんだぞ。さあ、肩の力を抜け。一緒に深呼吸しよう」
マサミ「(深呼吸して)フゥー・・・」
大沢「(深呼吸して)フゥー・・・どうだ?」
マサミ「胸のつかえが取れたっていうか・・・スゥーとした感じで、深呼吸するのがこんなに気持ちいいんだって思いました」
大沢「ちょっと、散歩するか」

(校庭)

大沢「今日、学校来るときにな、空ってこんなに青いんだ、空気ってこんなにうまいんだって、そう思ったんだ。当たり前のことなのに、いつの間にかそれがわからなくなっていた。」
マサミ「えっ?」
大沢「要するに、心配ごとや辛いことがあると普段見えるものが見えなくなるってことかな?俺も辛かったんだよ。ケンとアキは無事に帰ってくるか、気が気でなかった。責任を一人で背負い込むお前をただ見守ることしか出来ない自分が歯がゆかった。お前に泣かれたあと、俺まで泣きたい気分になってな、酒飲んで酔っ払っちまったよ、ハハハ・・・」
マサミ「だからか。先生、次の日眠そうな顔してアクビばっかりしてたし、それに変な臭いもしたし・・・」
大沢「お前、フヌケた顔してたくせに、ちゃんと見るところは見てたんだな・・・(笑う)」
マサミ「(笑う)・・・先生も同じなんですね。私、大木君たちを止められなくて、それをユイとシンジに責められてると思って、自分が情けなくて、自分を責めちゃって、何がなんだかわからなくなって、気がついたら先生の前で泣いてました。でも、先生が泣くだけ泣いていいって言ってくれて、気が楽になりました。」
大沢「そうか・・・」
マサミ「でも、あたしのせいで先生、酔っ払っちゃったんですね。奥さん、怒ってたでしょ?」
大沢「お前な・・・女房とは元々飲み友達でな、少々酔っ払っても動じないように俺が鍛えてあるんだ」
マサミ「先生ったらノロケてる(笑)」

マサミと大沢先生の会話はまだ続きます
...2004/10/12(Tue) 22:55 ID:0mW303GM    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:SATO
184から続く

「ケンとアキの無事を知った大沢先生とクラスメートたち 3」

(校庭)

大沢「話は変わるが、ケンとアキが学校に出てきたとき、ちゃんと向き合えるか?」
マサミ「(顔が曇る)・・・」
大沢「ん?」
マサミ「アキさんとは、あの日駅で言い争いになって・・・アキさんのことぶっちゃったんです。家出を止めるなんてそんなことじゃなくて、大木君を取られたくないって、それだけだったんです。でも、アキさんたちが電車に乗ったら、私の手の届かないところに行ってしまったような気がして、とんでもないことになったと思って、アキさんも大木君もとにかく無事でいてほしい、そう思ってました。でも、アキさんは私がぶったこと怒ってるだろうな・・・」
大沢「アキたちは、東京で物すごく辛い思いをしてたんだ。アルバイトをしようにも、高校生じゃ雇ってもらえないし、そのうえ、悪い奴らに金を取られたんだ。」
マサミ「えっ?」
大沢「お前にぶたれたことをかえって懐かしがってるかもしれないぞ。最初はギクシャクするかもしれないが、さりげなく話しかけてみたらどうだ?」
マサミ「・・・」
大沢「大人になって、社会に出てみないとわからないかもしれないけどな。苦手な人や嫌いな人とも毎日顔合わせて仕事しなきゃならないんだ。俺だってそうだよ。今度の家出騒ぎで教頭先生から毎日呼び出し受けて、その日の進展を報告させられたんだ。何も進展がないと烈火のごとく怒られてな。教頭先生の顔見るのが怖かったよ。それでも毎日学校来なきゃならないんだ。」
マサミ「・・・何とか、やってみます。ただ・・・」
大沢「ただ?」
マサミ「大木君が、今度のことで自分を見失うんじゃないかって、それが心配で・・・帰ってきたら様子を見に行こうかと思ってるんです。それで、大木君といろいろ話をしてみたいんです。」
大沢「そうか、納得いくまでやってみろ。ただし、潔くする覚悟はしとけよ。マサミも自分を見失わないようにな」
マサミ「(うなずく)」

こうして、ケンとアキの家出騒動は終わりました。
二人の帰りを待つ大沢先生そしてマサミ・ユイ・シンジ・・・

(ごろさん作No15「帰郷」に戻る)


※ユイの行動は109「女友達」に、
マサミの行動は124「女友達(続き)」につながります。
...2004/10/13(Wed) 00:15 ID:eteXrbWk    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:朔五郎
「9.11」を後半に回すため、38と41を変更します。「9.11」の部分は挿入する部分が決まってから
皆さんに相談します。


ケン(語り)
高校最後の夏休みも目前となった。

(放課後、高校の廊下)
ケン「部活が無くなると、なんか時間を持て余しちゃうね」
アキ「文化祭の準備も無いしね、残念ながら」
ケン「なんか、トゲのある言い方だなあ。それにしてもシンジ、少しは元気になったかな」
アキ「ユイの話では、だいぶ立ち直ってきたみたい。泣いてるから抱きしめてあげたの、なんてノロけてたわ」
ケン「(苦笑して)勝手にしてくれ」
アキ「ケンちゃんも私に抱かれたい?」
ケン「(照れながら)ああ、もう暑い、暑い」
アキ「やっぱ、マサミのほうがいいか」
ケン「そ、そんなんじゃ、ないよ」

ケン(語り)
バスケ部最後の大会は地区予選を順調に勝ち上がった。特にシンジの攻守にわたる貢献は見事の一言だった。
ここで勝てば、県大会に進出するという一戦、相手は強豪の松崎高校だ。
試合は一進一退、しかし終了目前でリードを許してしまった。残りあと5秒、ぼくはすべてを託してシンジにパスを出す。この3ポイントが決まれば逆転だ。しかし、シンジのシュートは惜しくも外れ、ぼくたちの「夏」は終わった。
キャプテンなら、自分で切れ込んで撃つべきだった。自分が負うべき責任を、シンジになすりつけてしまった・・・。
泣き崩れるシンジの肩にタオルを掛けて、ユイはシンジに寄り添っていた。そしてぼくたちに小さく頷いた。私に任せて、というように。

アキ「(すねるように)なんか、ユイがうらやましい・・・あれ、まただ」
ケン「なに?」
アキ「最近、ケータイの調子が悪くて、届いてもいない
のにメールの着信音が鳴るのよ」
ケン「オレには何も聞こえなかったぜ」
アキ「えーっ、耳おかしいんじゃないの?」

ケン(語り)
廊下の突きあたりは美術室だ。大沢先生が出てくるところだった。

大沢「おお、ちょうど良かった。2人とも時間はあるか?そうか、じゃ、ちょっと入ってくれ」

大沢「そこに座って。夏休み中に進路についての三者面談やるわけだけど、その下調べだ。まあ、君たちは付き合ってるようだから、一緒でいいだろう。あ、その前に(姿勢を改めて)これは他の生徒にも言ってることだが、夏になるとどうしても気持ちが開放的になる。保健の時間に習ったように最低限、避妊だけは忘れるなよ」
アキ「私たち、全然そんなじゃないです」
大沢「(ほっとしたように)そ、そうか、今時めずらしいな。教師としては、とてもありがたい」
アキ「別に、好きでそうしてるわけじゃないですけど」
ケン「(小声で)お、おい、アキ」
大沢「はは、続きは二人だけでやってくれ。さて、本題だが、大木、君は水産学部志望だったな」
ケン「はい」
大沢「ただ、前にお母さんと話した時に、事業を継ぐために経営学部というのも出たぞ」
ケン「オレ、海が好きですから」
大沢「そうか、大木の成績なら文理どちらでも行けるだろう。三者面談の時までにご両親とよく相談しておくこと」
ケン「はい」

大沢「さて、大林」
アキ(身を縮める)
大沢「わかってるようだな。ま、休み中の過ごし方にかかってるということだ。君の場合はどうしても薬学部に入らなきゃならん。大木、ちょっと面倒みてやってくれ」
ケン「は、はい」
アキ「先生。私、本当は大学なんか行きたくないんです」
大沢「ほう」
アキ「絵の勉強がしたいんです。それで専門学校に・・・」
大沢「なるほど、これは、ぼくの専門分野だな。じゃ、聞くが君は何のために絵を描いてるんだ?」
アキ「何のためにって、好きだから・・・」
大沢「好きだけじゃ、メシは食えんぞ。それに、この際ハッキリ言っておくが、今のままじゃ君の絵は、それほど伸びない」
アキ(うつむく)
大沢「君の絵は、確かに発想が斬新で、その点期待させるものはある。でもな、何か響いてくるもの、メッセージみたいなものが感じられないんだ。絵というものは残酷なもので、描く人間そのものをハッキリと写し出してしまう。つまりただ漠然と生きて、描きたいから描くというんじゃ、観る人に訴えかける力が生まれないんだよ」
アキ(沈黙)
大沢「たとえば、この絵を観てごらん、これはぼくがニューヨークにいた頃の仲間の絵だ」
ケン「先生はニューヨークで絵の勉強をされたんですか?」
大沢「いや、まだ子供だったころ、親の仕事の都合でニューヨークに住んでいて、ちょっとしたことから芸術家の卵たちのグループと仲良くなってね。彼らはアルバイトをしながら美術学校に通っていた。その中にひときわ才能があり、若く美しい女性がいた。しかし彼女は、不治の病に冒されていたんだ・・・」
ケン「(あきれながら)先生、それはもしかして映画の話では」
大沢「(動揺して)え、あんな古い映画をよく知っているな」
ケン「はい、母がリチャード・ギアの大ファンで、映画のDVDは全部揃えてあるんです。オータム・イン・ニューヨーク、ぼくも母の付き合いで何回も観ました」
アキ「もう、信じられない(怒り出す)」
大沢「すまんすまん、大林、そんなに怒るな。まあ冗談はさておき、これは、その頃の仲間の絵だ。どう思う?大木はどうだ?」

ケン(語り)
それはA4くらいの小さな絵だった。遠くに青い山並みが見え、手前には緑の草原が広がり川が流れている。

ケン「きれいな絵ですね」
アキ「きれいですけど、普通の絵で、気楽に描いたっていう感じですね」
大沢「ほう」
アキ「この絵が何か?」
大沢「大林、君にはわかって欲しかったが」
アキ「え・・・」
大沢「これは、ぼくの仲間がふるさとの風景を描いたものだ。彼はイラク戦争に出兵した。ぼくは、もう日本に帰っていたが、派兵される直前にこれを描いて送ってきた。彼は幸い、無事アメリカに帰った。でも、これは遺作のつもりだったと思う。このタッチ、色づかいに、彼の思いや祈りが顕れていないか?」
アキ(うなだれる)
大沢「大林、君の人生は始まったばかりだ。絵画の道に進むにしろ進まないにしろ、まず、自分自身が生きている理由を、ゆっくりと考えてみたらどうかな」

ケン(語り)
外に出ると、水色の空に白い三日月が浮かんでいた。

ケン「・・・アキ、たこ焼きでも喰いに行こうか?」
アキ「ごめんね、ケンちゃん。今日は一人で考えながら帰る」
ケン「アキ・・・」

ケン(語り)
月のかかっている方向へアキは歩いていった。
アキの中で強いもの、真っ直ぐなものが目覚めようとしていた。いままで本人すら気づいていなかった何かが。
いままでぼくの後をついて歩いていただけのアキ。5キロ走ではマサミに3周遅れにされ、ベソをかいていたアキ。
そんなアキが、今、自分の足でスタートラインに立ち、走り出そうとしている。
それを止めることは、もう誰にもできないだろう。

(続く)

お願い
文中、大沢先生が語る「芸術論」はすべて素人の私が適当に書いたものですので、この部分へのツッコミはご容赦ください(笑)

駆け落ち篇、もうちょっと「後片付け」がありそうです。頑張ります(汗)

来年は虎も鷹も優勝だあ(笑)
...2004/10/13(Wed) 04:45 ID:HjyoFwAM    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:ごろ
SATOさん、お疲れ様でした。駆け落ち後の騒動編、無事終了ですね!あとは朔五郎さんの、駆け落ち準備編、ですね。駆け落ちの目標としてのN.Yが出てきたので、朔五郎さんの方も大詰めだと思われますが・・・。楽しみです。
...2004/10/13(Wed) 04:48 ID:.iBQpVMI    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:たか
皆様ご苦労様です。

駆け落ち騒動無事撮影終了(笑

ワイドショープロデューサーのSATO殿、
マサミ姫とはるか姫の共同インタビューなんか作っていただけると、ありがたいんですが(笑

長澤まさみ姫は、確か・・・のど飴のCMに出てたような・・・私の錯覚でしょうか??
...2004/10/13(Wed) 15:32 ID:SdEdE3TM    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:ごろ
 今朝、早く目覚めたので、ここに書き込んだら、数分前に朔五郎さんも投稿してたんですね。今、気付きました。186は、175の続きというかんじでいいでしょうか?ぼくの提案で38と41を後編にまわすことになり、朔五郎さんに負担を強いてしまったようで申し訳ないです。

 ぼくも出来る範囲で頑張ります。とりあえず「絵本作家きっかけ編」を完成させます。
...2004/10/13(Wed) 18:40 ID:.iBQpVMI    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:朔五郎
ごろさんへ
186は、33(文化祭の準備)と62(智世がアキをひっぱたく)の間にしたいと思います。つまり、もともと38と41があった場所です。
9.11の話は、大沢先生が教師になった理由(9.11に亡くなったおじさんがしてくれたように、若い人たちに芸術を自由に楽しむすばらしさを教えてあげたい)を話し、「君もそんな途方もないことを企てるより、身近なところにもできることがあるんじゃないのか」というような感じで、175以降に組み込んで頂ければ、と思いました。そして、「ソラノウタ」に出会い、絵本作家になろうと思う、という流れを考えていたのですが、いかがでしょうか。
...2004/10/13(Wed) 19:56 ID:HjyoFwAM    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:ごろ
そうですよね。おかしいと思いました(汗)33と62の間に186が来なければ変ですよね。すみませんでした。

それで後編なんですが、ケンとアキについてですが、今のところ、(1)アキ、大学不合格、浪人へ(2)卒業式で、マサミと和解、(3)ソラノウタとの出会い (4)絵本作家として亜紀の墓前報告
、という大まかな点は決まっているわけですよね。
で、3と4の間には、ケンの家庭教師でアキ大学合格、当然、ふたりの大学生活、ケン1年先に卒業・就職、アキ1年遅れで卒業・絵本作家へと考えてよろしいのでしょうか?
...2004/10/13(Wed) 20:11 ID:.iBQpVMI    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:たか
ごろ殿、だいぶ私の書けそうなのが減ってきましたね・・・

私は・・・何を書きましょうね・・・大学とかならかろうじて書けるかな・・・と・・・

まぁ、家庭教師のシーンやら大学生活やらを書かせていただければ本望かとww
...2004/10/13(Wed) 22:09 ID:MPPpz2hA    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:ごろ
たかさん
 ラストまで十分いけますよ!大学卒業時でも、彼らは22か23って感じですから。たかさんの感性を発揮して下さい!

 174の続きです。

ー 空と海 その5−

「ごめんなさいね。引きとめてしまったようで・・・」
明希は、ケンとアキに申し訳なさそうに言った。
「俺からアキちゃんの家に電話入れておくよ。」
朔太郎の言葉に、アキは慌てて手をふった。
「そんな、大丈夫です。」
一樹が横から口を出した。
「そうだ、良かったら、あのポンコツに乗っていきなよ。」
朔太郎は、不思議そうに一樹に尋ねた。
「ポンコツって何だよ?」
「あっ・・・、お父さんの自転車・・・」
「・・・なるほど」
妙に納得した朔太郎を見て、ケンとアキは笑った。

「それじゃ、お借りします。」
ケンはアキを自転車の後ろに乗せて、松本家の皆に会釈した。
「今日はありがとうございました。」
アキも手を振り、別れを告げた。

ギコギコ・・・。
ペダルをこぐ音が夕暮れの町に響いた。

「ねっ、ケンちゃん。」
「なに?」
「私ね、今まで、言葉の力って信じてなかったけど、これから、いろいろな本をたくさん読んでみるよ」
「そっか」
「うん、それに、絵の勉強も今まで以上にするよ。そしたら、もっと私の絵も変わるかもしれない」
「そうかもしれないね・・・。いや、きっと変わるよ。」
「うん、それとね・・・。一樹さんが松本先生に感じたように、私もね、亜紀さんの夢を見たとき、やっぱり、亜紀さんっていう空と海を感じたわ。」
「そっか」
「うん、なんだか、とても安心できる世界だった・・・」
「ふーん、でも、あの後、アキは泣いてたぞ」
「それはね、夢の中で亜紀さんが言ったの。『ここにいてはだめ』って。『ここは、あなたのいる場所じゃない』って・・・。だから・・・。」
「そっか」
「でね、私の空と海はどこかなって・・・。やっぱり、ここかな・・・。」
アキは、ケンの背中に顔を寄せた。
「ねぇ、ケンちゃん。この空と海は、たまに雷が落ちたり嵐になったりするの?」
「うーん、そりゃするさ。」
「私が間違ったところへ行こうとしたときは、雷落としてね。迷ったりしたときは、大きな波で私を揺らしてね」
「ああっ・・・。遠慮なくさせてもらうから」
「うん、ありがとう・・・」
アキはケンの体にまわした手に力をこめた。

ギコギコ・・・。

「なっ、アキ」
「なに?」
「重たいよ・・・」
「あっ、失礼ねーっ!私太ってなんかないよ!」
「違う!違うって!ペダルが重たくてさ。やっぱりポンコツだな、この自転車・・・」
「頑張れー!ケン!ほらーいけーっ、ファイトっ!。よいしょ!よいしょ!」
「なっ、アキ」
「なに?」
「恥ずかしいから、静かにしてくれる?」
「もーっ。じゃぁ、こうしてやる!」
アキは、ケンの脇に手を入れくすぐった。
「あっ、やめろ!くすぐったいよ!落っことすぞ!」
「落ちないもんねー。しっかりしがみついてやるーっ!」

輝き始めた月がふたりを照らした。
瞬き始めた星たちと、波のざわめきは、二人を包み、そして、笑っているようだった。

(この「絵本作家きっかけ」シリーズ 了)
...2004/10/13(Wed) 22:21 ID:.iBQpVMI    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:たか
いい話ですね。

えーごろ殿にお願いがありまして、えーとですね、家庭教師になるきっかけをですね、ごろ殿作、77の続きで、もう一度、達明とケンの話し合いと言うのを書いていただき、ケンがアキに何か出来ることをして、せめてもの償いをしたいと言い、最初は、反対気味だった達明も、仕方なくアキの「家庭教師」になってくれと言われるみたいなのを書いて欲しいのですが・・・お願いできますでしょうか??
...2004/10/13(Wed) 22:32 ID:MPPpz2hA    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:ごろ
アキはソラノウタに出会わなければ・・・とイメージしたのが最初でした。廣瀬亜紀が残した種をサクが育み、それをアキへと植えつける。今後、アキはそれをどう成長させるかですね。
本編では、亜紀の病気や死という出来事で、松本家も重かったです。それだけに、この2では、笑いのあふれる松本家を書いてみたかったです。ケンとアキという小さな種を暖かく包む土ってイメージです。ただ、サクの妹さんは、都合のため出演できませんでした(笑)

たかさん
 そうそう、そうなんですよね。ぼくも、そのあたりの流れをちょっと考えてたもので・・・。今までの流れからすると、達明は二人の交際に黙認状態、智世が反対ってかんじでしょう。そこで駆け落ち、達明激怒っていう流れの前編ですよね。
 そこで、ケンが家庭教師をするのは、アキの一浪決定後になるのでしょうか?現時点では、高校3年生の秋というかんじですから、とりあえず、ケンとアキは受験勉強に励む(この間、あまり会えない)アキ不合格、ケンはその責任を感じ家庭教師を直訴というふうに流れていくのかな、なんて考えてました。で、元々、ケンを認めていた達明は、その男気に押され、智世を説得するというイメージを持っているのです。このあたり、どうでしょうか?
 
...2004/10/13(Wed) 22:52 ID:.iBQpVMI    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:たか
そうですね、その流れで。

一浪決定後ですね。ケンから見れば「俺が連れ出したから」という自責の念、そして達明、智世に認められたい、といった気持ちで必死にカテキョを申し出る。その熱意に達明が折れ、智世を説得、そして、その教え方の良さ、熱心さに、智世とも雪解けと言った感じでどうでしょうか???
...2004/10/13(Wed) 22:56 ID:MPPpz2hA    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:ごろ
たかさん、レスありがとう。そのへん、どう流すかなって迷ってましたから、191で朔五郎さんにも聞いてみたのです。
 マサミの再生という大役はSATOさんにお任せですし(笑)。家庭教師中の状況はたかさんの出番ですからね(笑)ぼくは、とりあえず、怒りのあまりケンをしばきあげた(笑)達明の再生にとりかかります。やっぱり、おじさん担当ということで・・・(汗)
...2004/10/13(Wed) 23:08 ID:.iBQpVMI    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:たか
いやはやおじさんだって立派な役ですから、ごろ殿の作品は毎度毎度すばらしいですよww

ではカテキョ編はお任せくださいw今から思案を練っておきますので。
...2004/10/13(Wed) 23:11 ID:MPPpz2hA    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:SATO
駆け落ち騒動を描き終えてホッとしてたら、あれよあれよと書き込みが増えていて・・・・

いやー、ごろさんの「空と海」シリーズはホノボノしてていいですね。これだけでも短編映画になりそうですね。(前のスケとトモヨもそうだったけど)
あと、達明再生編も楽しみにしています。

たかさん、家庭教師の場面、楽しみにしてますよ。

朔五郎さん、あと少しで駆落ち編(きっかけ→実行→騒動→救出→帰郷)が完成しますね。

私はマサミと律子の触れ合い編に突入したいと思います。(最近はケンとアキはほっぽらかしになってしまいました)
...2004/10/13(Wed) 23:20 ID:eteXrbWk    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:SATO
私、本家のセカチューはテレビでハマッタクチで、映画は観てないんです。それで、映画に出てきたキャラを真似た(?)と思われる大沢先生・律子・マサミについては先入観が全くないので、騒動編では彼らについて、自由に描かせていただきました。
...2004/10/13(Wed) 23:33 ID:eteXrbWk    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:たか
ついに200レスですね。

皆さんのおかげですねww

これからもなにぞとよろしくお願いしますww
...2004/10/14(Thu) 00:29 ID:eE/A/LzQ    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:朔五郎
175の続きです。この後104(写真館)に続き、「準備篇」は一応つながりました。

アキ「そんな、いくらなんでもニューヨークなんて」
ケン「だって、アキはいつもニューヨークに住みたい、美術館巡りをしたいって言ってたじゃない。大沢先生の仲間もニューヨークで美術学校に通ってたわけだし」
アキ「だけど、行くだけで、いくらかかるの?」
ケン「よくわからないけど、かなりするだろうな。だから、まず東京に行って2人でアルバイトをしよう。そして、なるべく早く格安チケットを買って、ニューヨークへ逃げるんだ」
アキ「ここにいたんじゃ、アルバイトなんて絶対許してもらえないもんね」
ケン「それに、オレ、英会話は結構イケてるんだよね。この間も授業でほめられたし」
アキ「でも、スペクター先生って、なんか、うさん臭いような気がするんだけど・・・」
ケン「そんなことはないよ。それにオレには、バスケで磨いた身のこなしがあるから、いざとなったら、街角で大道芸でもやって稼ごうと思ってるんだ」
アキ「そこまで自信たっぷりに言われると・・・ホントに行けそうな気がしてきた」

ケン(語り)
あとで大沢先生に「バカ、なに甘いこと考えてるんだ!」と散々怒られたけど、この時は絶対行けると思っていたんだ。

アキ「ねえ、ケンちゃん。夏休み前、大沢先生と話してた時、映画の話が出たじゃない?」
ケン「ああ、オータム・イン・ニューヨーク?」
アキ「あれ、どんな映画なの?」
ケン「美しい美術学校生が、ニューヨーク中でも評判のレストランで誕生パーティを開いてもらう。その店の経営者がこれまた有名なプレイボーイなんだ。出会った2人は恋に落ちるんだけどその日は彼女にとって最後の誕生日になってしまった」
アキ(ケンの方に顔を向ける)
ケン「彼女は不治の病に冒されていたんだ。彼女は自分の運命を悟っていて、たとえ自分がいなくなっても、彼ならば、すぐに忘れて新しい相手を見つけるだろう、だから自分も相手も傷つくことはない、そう思って残された命を激しく燃やす」
アキ「ふーん」
ケン「でも、いままで一度も本気で女性を愛したことのない彼はこの恋が一生に一度のものと気付くんだ。死を覚悟している彼女に対して、愛する人のためにベストを尽くすことのどこが悪い?なんて言う。そんな彼の気持ちに応えて、彼女も彼のために生きよう、もう一度病気と闘ってみようと決心する」
アキ「そう・・・」
ケン「結局、彼女の予想は外れて、彼を深く悲しませることになった。でも、それ以上の何かを彼に遺して、彼女は死んでいった。まあ、王道というか、よくあるストーリーといえばそれまでだけどね」

アキ「ねえ、ケンちゃん」
ケン「なに?」
アキ「もし、もし映画みたいに、ニューヨークで私が死んだら、ケンちゃんは私のこと、すぐに忘れちゃう?」
ケン「ほらまた縁起の悪いことを言う」
アキ「あ、ごめんね」
ケン「アキは生命力が強そうだから、死なないと思うけど・・・でも、そんなことになったら、銀のロケットにアキの名前を彫って、その中にアキの灰を入れて、一生首にかけてくらすよ」
アキ「もう、ウソばっかり」
ケン「ウソじゃないさ」
アキ「ケンちゃん、連れて行って、秋のニューヨークに」

ケン(語り)
それからのぼくたちは、表面上、それまでと変わらず受験勉強をしながら、親にわからぬように、必要なものを買ったり、とりあえず行くことになる東京の情報を集めたりした。
二学期が始まった日、ぼくたちはシンジとユイを誘って、タコ焼きを食べに行った。それから四人で防波堤のところに行って、石を投げたり、大声で叫んだりした。楽しかった。でも、たぶんこんなことも最後だと思った。決行の日が近づいていた。

(続く)

最初は4、5レスで終わるはずだったのに、200を超えるとは。あの時、SATOさんやたかさんが維持してくれたおかげです。また、ごろさんのおかげで、いい感じの流れがができ、感謝しています。

ごろさんへ(191,197について)
はい、私も全面的にOKです。その流れでよろしくお願いします。

SATOさんへ(200について)
え、そうだったんですか?でも、とても面白くて、大沢先生、律子、マサミも喜んでいると思います。ぼくは、映画の中でこの3人のキャラが特に好きだったので、ムリヤリ出演してもらいました(笑)

たかさんへ
家庭教師篇、きっとたかさんのホノボノとした語り口がよく合うでしょうね。よろしくお願いします。

さて、私は
1、安宿のシーンを、他に影響を及ぼさぬよう注意しながら、加筆修正する。
2、前半部で穴があいているところをつなぐ。
3、二人が帰ってきた後、大沢先生がカミナリを落とす。
こんなところをやってみます。
...2004/10/14(Thu) 03:38 ID:tvwn3vyU    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:ごろ
朔五郎さん、ついに来ましたね。前編の一応の完成、おめでとうございます。SATOさん、たかさん、お疲れ様でした。皆さんの作品が、それぞれお互いに影響しあって、新たな展開を呼ぶっていうかんじで楽しかったです。後編も大まかな流れが決まっているだけなので、どんな展開になるか楽しみですね。思い切って参加して良かったです。ありがとうございました。
...2004/10/14(Thu) 04:22 ID:/84TwnLI    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:yosi
すばらしい作品有り難うございますm(_ _)m
セカチュウ依存症で燃えつきておりましたが
みなさんのこの作品を毎日楽しく読ませて頂いている間にだいぶ気持ちが前向きになって来ました(^v^)
途中で何回か感想を書こうかと思いましたが、変にRES
すると話の腰を折りそうな気がしましたので、控えておりましたが一応前半が終わったようですので思い切ってRES致しました
後半のお話も楽しみにしております
...2004/10/14(Thu) 13:09 ID:EtPIoLbQ    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:ごろ
こんばんは、yosiさん。
ぼくも同じで、最終回・特別編と終わってしまい、来週から何を楽しみに生きていけばいいのか・・・と思っていたところに朔五郎さんがこのスレをたててくださって救われました(笑)
話の腰を折るなどと言われては恐縮です。僕自身も皆さんの話の腰を折っていると思いますので・・・。またご感想やご意見だけでなく「発作」が起これば、作品執筆などもご遠慮なく!常連の皆さんも同じ意見だと思います。
ふと気付くと、ケンやアキのことを考えているぼくは、完全な依存症&中毒者です。
...2004/10/14(Thu) 19:35 ID:/84TwnLI    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:たか
腰を折るなんてとんでもないですよお二方ww

後半も頑張りましょうねww

yosi殿もよければ作品を作ってくださいねww
感想なども待ってますよww
...2004/10/14(Thu) 20:14 ID:8q6KMh2g    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:SATO
yosiさん、いらっしゃい。私もテレビの放送が終わって金曜夜がつまらないと思っていた矢先にこのスレに出会いました。あくまでも遊びの世界とはわかっていますが、みんなであれこれ空想しながら話を作っていくのは楽しいですよ。私も完全に中毒&依存症です。
...2004/10/14(Thu) 20:25 ID:j2qYQV86    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:SATO
「オータム・イン・ニューヨーク」は私も観ました。年の離れたカップルの純愛が美しくて感動しました。
気付かなかったのですが、ヒロインの「最後の誕生日」は本家・廣瀬亜紀に通じるものがありますね。
...2004/10/14(Thu) 20:45 ID:j2qYQV86    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:たか
そういえば、映画のアキ、長澤まさみさんがのど飴のCMに出てたっぽいんですが・・・
...2004/10/14(Thu) 20:54 ID:8q6KMh2g    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:朔五郎
yosiさん、初めまして。これからもどんどん参加して下さいね。

さて、マサミの次回作は来年1月スタートの倉本總のドラマのようですね。今度は準主役級のようなので活躍が期待できそう。マサミもこのスレでは苦労してますので富良野に行ったら幸せになって下さい(笑)それにしても「雨鱒」も北海道だし、北の大地でバトル再発か?

帰りの車の中で「朔と亜紀」を聞きながら構想を練る私は、もはや末期症状です(苦笑)

それにしても、200過ぎてから上に上がらなくなりましたね。あまり沈むようなら引越しも考えなければ。
...2004/10/14(Thu) 21:08 ID:tvwn3vyU    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:Apo.
朔五郎さん、たかさん、SATOさん、ごろさんへ

毎日楽しみに読んでいます。ありがとう。
前編が終わりに近づいたとのことでしたので、感想を述べさせてください。

1.朔五郎さんの前提では、サクは医長となっていますが47歳でしたら、教授が相応しいと思います。35.では教授となっています。次のように解釈したらどうでしょう。
2004年に亜紀を見送くることが出来て以来、臨床の現場も大切と考え、病理医ではあるが出来るだけ内科医として救急の現場に出ることを心がけている。

2.アキとケンが救急車で病院へ搬送され朔太郎が診療に当たるのは偶然過ぎます。(5及び6)
救急隊員に東京での知り合いがないかと聞かれ、ケンが朔太郎の名前と病院名を告げる。それで、朔太郎が知ることとなりスケ・智世に連絡したというのはどうでしょうか。

3.朔五郎さんの122(智世の不安を抱く内容)は33の前に位置すると、より効果的に理由が明確となりますが如何でしょう。

4.電話の音は本編では亜紀の死への案内のように使われましたが、ここでは携帯の音として、亜紀からのメッセージの位置付けとして、亜紀を思い起こさせることにより亜紀からの伝言を理解するというのは如何でしょう。今までのところアキと朔太郎しか聞くことが出来ないとの設定で、アキを知って朔太郎が感じたことを追加していただけたらもっとステキな内容になるのではと思いました。

5.35の朔太郎と真は124の後に置き、ケンとアキを送ってきたついでに広瀬家を訪問したとしたらどうでしょうか。
174の帰省では真が入院手術していたことを明希に話したら彼岸でもあり、また亜紀の命日も近いので家族で墓参りに訪れたことにしたらストリー展開が良いのではと思いました。

どんどん書き続けて、続編として番組化されるのを期待しています。
...2004/10/14(Thu) 21:10 ID:dOO9SsRc    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:たか
お、あがるようになってますよww

引っ越さなくてもよしですねww
...2004/10/14(Thu) 21:22 ID:8q6KMh2g    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:ごろ
Apo.さん、ご感想、ご指摘ありがとうございます。
素人(ぼくの場合ですが)の空想物語を熱心に読んでいただいているようでありがたく思います。

ご存知のように、この空想物語は、朔五郎さんの思いつきから自然発生的に発展していったものです。特に最初のうちは打ち合わせも無く、話を膨らませていったもので、ご指摘のような矛盾点も多々あるかと思います。答えられる範囲でぼくの意見も述べさせていただきます。

(1)朔太郎の地位ですが、おっしゃるように50歳前の想定なので私としては教授がふさわしいかなと思い、35の「朔と真」でそう表現しました。当然、内科医長という想定と矛盾します。ご指摘の通り、本来、病理医ですが、臨床も大切だと考え、特に夜間の救急には詰めているようにしているという設定だといいと思います。ありがとうございます。ただ、35の「朔と真」はサイドストーリーのつもりで書きましたので、(5)のように曖昧している部分がほかにもあります。

(3)朔五郎さんの、122「智世の不安」ですが、ぼくが個人的に考えていて朔五郎さんにもそのうち相談しようと思っていたのですが、ぼくが後編の一部として書いた「空と海」シリーズの次に使わせいただこうかなとも思っていました。122は、朔五郎さん自身もどのへんに入れるかは明確にしていなかなったと思いますので、これは使えるかも!と思っていました。このシリーズは、二人が自転車に乗ってるシーンで終わっていますので、アキの家の近くまできたところ、智世が目撃し、フラッシュバック→不安→二人の交際により反対するっていうかんじでしょうか。でも、このへんはまだ煮詰まっていませんし、Apo.さん案でも活かすことが出来ると思います。

(5)については、Apo.さんのご意見とぼくの想定は、一致しています。
「朔と真」はサイドストーリーとして書きましたが、想定としては、ケンとアキを送ってきた後に、ちょうど、ケンが殴られているときですね(笑)。時系列で言えば、そのあたりです。「朔と真」が「2」の本編にふさわしいかどうか分かりませんので、そのへんの描写は避けました。また、真の病状も明確にしませんでした。
また、174は「空と海」シリーズですが、想定の時系列は、ちょうど、たかさんが書かれた不合格シーンがありまして、その後あたりです。おっしゃるとおり、ぼく個人としてもお彼岸で帰省中の松本一家にケンとアキに会ったと考えておりました。ただ、この話もほかの皆さんの作品との兼ね合いもあり、出来るだけ移動可能なように季節感とかそのへんの描写はなるべく避けるようにして書きました。
ぼくが考えている流れとしては、たかさん作「85の不合格」→(ケンが家庭教師の決意を防波堤でアキに表明)→「空と海」シリーズ→(達明にケンが直訴)、というかんじでした。あるいは、「85の不合格」→(ケンが家庭教師の決意をアキに表明&達明へ直訴その後、OKをもらい防波堤で二人の語らい)→「空と海」シリーズ、です。したがって、アキに(受験勉強も頑張るけど)絵の勉強やいろいろな本もたくさん読むっていう台詞で、アキの中に絵本作家の種が植え付けられたというニュアンスを出せたらなぁと思いました。
 
 Apo.さんのご指摘とぼくの想定とが一致したりして嬉しいです。また、朔太郎の地位などのご指摘ありがとうございます。このような形で、環境や年齢も異なる人が作品を出し合って、ひとつの物語を作るって難しいけど意外に楽しいですよね。
僕自身、このような小説めいた物語を書くのは初めてなんです。ただイメージが浮かんできて、登場人物が見事な演技を見せてくれて、それを描写してるだけっていうかんじです。筆力が及ばず、出演者に申し訳ないですが・・・。
 朔五郎さん、SATOさん、たかさんも加筆修正などの必要は感じておられることだと思います。Apo.さんご指摘の部分など細部をつめていけば、よりよい物語が出来るかなって思います。ありがとうございました。今後もよろしくお願いします。
...2004/10/14(Thu) 22:25 ID:/84TwnLI    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:朔五郎
Apo.さん、ご感想ありがとうございます。

私の書いた部分についてお答えいたします。

1.Apo.さんのご提案のとおり、教授に統一して良いと思います。臨床の場に出るきっかけについては、私一人では決められませんが、執筆者のみなさん、いかがですか?

2.廣瀬亜紀の力でめぐり合った、というような効果を考えたのですが、無理だったかな・・・。執筆者のみなさん、いかがですか?

3.はい。このシーンは後で思いついたので122にありますが、Apo.さんのご意見のように、33の前か、あるいはイントロの直後と考えていました。これについては、他の執筆者と検討します。

4.メールの着信音については次のように考えています。「智世の不安、母子の対立を見た(廣瀬)亜紀は心を痛め、その心の動揺が(大林)アキの携帯に共鳴し、メールの着信音が鳴る。この音はアキにしか聞こえない」本編の電話の音は冥界から亜紀への「宣告」のようなネガティブなものだったのに対し、メールの着信音は亜紀からアキへの「好意、同情」というポジティブな意味を持ちますので、別物と考えています。
実は前半部、まだいくつかシーンが抜けているので、それを埋めるうちに、うまく表現できるよう努力します。

いずれにせよ、シーンを並べ替える時などは、このスレ上でワイワイ議論すると思いますので、Apo.さん、yosiさん、読者の方々、ぜひご参加ください。
...2004/10/14(Thu) 22:38 ID:tvwn3vyU    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:朔五郎
ごろさんへ
122は、後半でうまく使っていただけるのであれば、もちろん異存ありません。
...2004/10/14(Thu) 22:46 ID:tvwn3vyU    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:ごろ
うーん、やはり、朔五郎さんやApo.さんのように前編で智世の不安をより強調していた方がいいかもしれませんね。
...2004/10/14(Thu) 23:21 ID:/84TwnLI    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:たか
ある程度の修正なら問題ないと思います。

最後一本に編集するという手もありますし。

私は家庭教師決意〜家庭教師実行のシーンまでをとりあえず書こう思いますw
...2004/10/14(Thu) 23:26 ID:8q6KMh2g    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:ごろ
「達明再生編」です。時系列としては、ケンとアキが登校再開後、しばらくしてという感じです。
謹厳実直な達明ですから、ケンを殴ったことを気にしているでしょうし、ケンが家庭教師をするためにも達明の心を開放してあげておかないと・・・。

ー二人の父ー

「・・・」
達明の右手に微かな痛みが走った。薬局の店先に置いてある植木に水をやろうとして、じょうろを持ち上げた瞬間だった。達明は自分の右手を見た。すりむけた痕は、すでに瘡蓋もとれ目立たなくなっていたが、今でも力を入れると、痛みが走る。その痛みを感じるたびに、達明はケンのことを想った。
「大林さん」
その声に、達明は水をやる手を止め、振り返った。龍之介が立っていた。
「・・・大木さん」
龍之介は、一礼をした。
「お忙しいところ申し訳ありません。一度、きちんと大林さんにお詫びを申し上げなければならないと思いまして・・・。」
達明は、智世に応対をさせようと、店の中をチラっと見た。しかし、智世は近所の寝たきりのお婆さんのところへ薬を届けに行っていることを思い出し、達明は、あきらめたように龍之介に言った。
「家内が留守をしておりますが、よろしければどうぞ。」

居間に通された龍之介は、座布団を外し、両手をついて深々と頭を下げた。
「このたびは息子の健三郎がお嬢様に対して、とんでもないことをしてしまい、申し訳ありませんでした。・・・親として、もっと早く気付くべきでしたが、監督不行き届きで恥ずかしいかぎりです。」
達明は困ったような表情を浮かべた。
「いえ・・・どうぞ頭を上げてください。監督不行き届きという点では私どもも同じですし・・・それに、健三郎君をひどく殴ってしまって、お許しを願いたいのは私のほうです。それに、今まで大木さんには、何度も足を運んでいただきながら、あなたの姿を見ると、つい条件反射と言いましょうか・・・私も奥へ引っ込んでしまったりして・・・。大人気ない態度をとってしまい申し訳なく思っています・・・。」
「息子が殴られたのは当然のことです。本人も深く反省しているようです。それに、お気持ちの整理もつかないのも当然だと思います。どうぞ、お気遣いなさらないで下さい。」
「いえ、それだけでなく、怒りのあまりひどいことも言ってしまって・・・」
龍之介は、達明の顔を見た。
「とおっしゃいますと、どのようなことを・・・?」
「いや・・・、怒りのあまりつい・・・。『親も親なら子も子だな』っと思わず口走ってしまって・・・。私の方こそ、申し訳ありませんでした。」

そう言えば、健三郎も帰ってきたときに、そんなことを言っていたな・・・。
龍之介は、達明と智世が見合いをした後、智世を連れて東京へ行こうとしたことを思い出した。
今となっては遠い過去の話だ・・・。でも、それは体に残った古い傷のように、時折、何かの拍子に、龍之介の心に痛みを走らせることがある。

龍之介は、わずかに頭を下げて言った。
「事実である以上、どのような非難でも私は受けるつもりです。ただ、息子は私と違い、真剣にお嬢様のことを考え、息子なりに行動したと思っております。どうか、その点だけでもご理解いただければと・・・。」
達明は、慌てて言った。
「いや、大林さん。誤解なさらないで下さい。私は、決して、その・・・、あなたのこと非難しているわけではありません。ただ、ようやく帰ってきた娘の元気な顔を見て、安心すると同時に怒りがこみ上げてしまって・・・。健三郎君を見たとき、つい、あなたのことまで連想してしまったわけで・・・。それで言わなくてもいいことまで口から出てしまったのです。あの後、すぐにでもお詫びすればよかったのですが、情けないことに、引っ込みがつかないというか、そういう状態になってしまって・・・」
達明の額に薄っすらと汗がにじみ出ていた。達明はポケットからハンカチを取り出し、汗を拭った。そのハンカチを折り返しながら、龍之介に言った。
「・・・結婚前の家内とあなたのことは全て承知しております。承知の上で、私は智世と結婚したのです。ですから、私たちの見合いの直後に、あなたが智世を東京へ連れ出そうとしたことなど、今さら、非難などするわけはありません。お詫びというか、お礼を言わなければならないのは、むしろ、私の方なのです。」
達明の言葉に龍之介は眉をひそめた。
「・・・お礼?・・・それは、どういうことなのでしょうか?」
「ご覧のとおり、私はこれといって取柄のない男です。だから、智世をあなたに奪い返されるのが、正直、怖かったのです。ですから、私はあなたに対して、結婚式のご案内も出さなかったのです。あなたと智世は確かに付き合っていました。しかし、それ以上に、いや、・・・それ以前に・・・、あなたと智世は、幼馴染で大切な友達同士だったはずです。智世も、あなたからお祝いの言葉を聞きたかったはずです・・・。でも、私は・・・、私には、それが出来なかった・・・。」

確かに、あの時、龍之介の元に智世と達明の結婚式の招待状はこなかった。龍之介は、それも当たり前だと思っていた。智世に東京への駆け落ちを持ち掛け、そして、拒否されたのだ。結局、友人としてボウズこと中川顕良が二人の結婚式に出席したのだった。

龍之介は、どういう顔をしていいのか分からず、膝の上に置いた拳を握り締めた。達明の言葉が続いた。
「あの時・・・。あなたが・・・、いえ・・・、あなたと顕良さんが、旅立つ私たちの電車を追いかけてきたことに私は気付きました。私は、ちょうど、窓を閉めようとしたときでした。一瞬、あなたが智世を奪い返しに来たのかと思いました。・・・私は、恥ずかしいことですが・・・、そのまま窓を閉めようとしたのです。でも、違った・・・」

二人の結婚式の翌日、禅海寺をぶらっと訪れた龍之介に顕良は「智世は、きっと、安心できる場所がほしかったんだ。分かってやれよ、スケちゃん」と言ってくれた。智世にとって俺は「安心できる場所」ではなかったのだ。顕良の言うとおりだ・・・。あの時、龍之介はそう思った。そんな俺が智世にしてやれることは・・・。気が付いたとき、龍之介は走り出していた。間に合わないかもしれない・・・。龍之介に、あのときの息苦しさが蘇ってきた。

達明は、龍之介の目を見つめた。龍之介も見返した。
「あの時、あなたは・・・、実に・・・あなたらしく・・・、男らしく、必死で走りながら、私たちに、祝福の言葉を投げかけてくれました・・・。」
龍之介はこみ上げてくるものを抑えるため、奥歯を噛み締めた。
達明は龍之介を見つめたまま言った。
「私は、そんな、あなたに対して、お礼の言葉ひとつ、お返ししておりません。」
達明は深々とお辞儀をした。
「どうもありがとうございました。」
「・・・」
龍之介は、深呼吸をすると、達明に言葉をかけた。
「どうぞ、頭をお上げください。私は、そんなお礼を言われるほどのことをしてはおりません。」
頭を上げた達明は、満面の笑みを浮かべていた。
「良かった・・・。これで、ようやく宿題ができたような、そんな気分です。」
龍之介は達明に言った。
「私は、大林さんに宿題を出した記憶はありませんよ。それに、私はよく宿題をわすれる方でしたし・・・。」
達明は笑いながら言った。
「私は、宿題を必ず提出する方でしたから。先生が出したことを忘れた宿題まで提出してしまい、クラスの皆から恨みをかったことがあります。」
「あはははっ」
二人の男は笑い声をあげた。

(続く・・・この後、大林家にちょとした波乱が・・・)
...2004/10/15(Fri) 00:05 ID:OFPG8gcU    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:朔五郎
3の「安宿にて」をリライトしました。116から続き、5につながります。

ケン(語り)
東京へ出てきてすぐに、現実は甘くないと気付かされた。実入りの良いアルバイトは、なかなか見つからない。未成年者は保護者の許可をもらって来い、と言われることも多く、そうなるとぼくたちはお手上げだった。やっと見つけたファーストフード店のバイト代では、持ってきたお金を取り崩して、喰いつないでいくのがやっとだった。疲れと焦りがたまり始めていた。

(都内某所、1泊1500円の安宿)

アキ「ケンちゃん、さっき話してたの誰?ヤクザじゃないの?」
ケン「あ、いや、少し稼ぎの良い仕事しようと思ってさ。このままじゃいつまでたっても、ニューヨークへ行く金なんてたまらないから」

ケン(語り)
アキは驚きの目をぼくに向け、やがてうなだれた。そして、再びぼくを見て、思いつめた表情で言った。

アキ「ケンちゃん、もう別れよう。宮浦に帰って」
ケン「何言ってんだよ、冗談キツイぜ」
アキ「このままじゃ、二人ともダメになる」
ケン「だって、アキはどうすんだよ」
アキ「これは自分の夢だから。風俗でも何でもやってお金を作る。見て、お給料いいでしょ?これ以上ケンちゃんを巻き込みたくないし、変わって行く私を見られたくないの」
ケン「おい、アキ、それどういう仕事だかわかってんのかよ」
アキ「(ケンから目をそらしながら)わかってるよ。こんなことやりたくはないけど・・・でも、もういいの。ケンちゃんのあたたかさはずっと私の体の中に残っている。だから、その思い出とこの写真があれば、私はどんなことをしても生きていけるの」
ケン「アキ、落ち着け、目を覚ませよ」

ケン(語り)
ぼくは、思わずアキの肩をつかみ、揺さぶった。アキは、信じられないような力でそれを振りほどくと、ぼくを突き飛ばした。

アキ「(見下ろして)わからない?もう迷惑なのよ。重いの。もともと、私ひとりで来るつもりだったのに、アンタが勝手について来たんでしょ?そりゃ、夢物語にうなづいた私もバカだったけど、もうたくさん!」
ケン「(起き上がりながら)おい、オレをナメんなよ。アキを放り出して帰れるようなヤツだと思ってんのか。ふざけんな!」
アキ「(たじろいで)だって、私はともかく、ケンちゃんの将来まで・・・ねえ、ダメだよ。あんな人たちと関わったら、一生終わっちゃうよ。ケンちゃんはまだやり直せる、だから・・・」
ケン「座れよ、アキ。冷静に話そう。オレもヤバいことには関わらないから」

ケン「アキ、写真館のところの朔太郎さん知ってるだろ?」
ケン「うん」
ケン「あの人の昔の彼女はさ、病気で死んじゃったんだ。うちの親父が言ってたけど、彼女が苦しんでるのに自分は何もできないって、そりゃあ悩んでたって」
アキ「うん、その話はお母さんから聞いたことがある(心の中で)亜紀さん・・・」
ケン「それに比べりゃオレはまだ幸せさ。アキの苦しみを味わうことができる。軽くしてやることもできる」
アキ「でも」
ケン「小学校の時にさ、高村光太郎っていう人の詩を習って、不思議に覚えているんだ」

 僕の前に 道はない
 僕の後ろに 道は出来る
 ああ 自然よ 父よ
 僕を 一人立ちさせた 広大な父よ
 僕から目を離さないで
 守る事をせよ
 常に
 父の気魄を僕に充たせよ
 この遠い
 道程のため
 この遠い 道程のため

ケン「よくわからないけど、どんなに時代や世の中が変わっても、変わったり汚れたりしないものがあるんだ。それが夢さ。夢をつかもうとする気持ちさ」
アキ「でも」
ケン「アキの夢を守ることが、オレが生まれて来た理由さ。それが世界のすべてさ」
アキ「ケンちゃん(ケンの胸に顔を埋める)」
ケン「だから、行こう。アキの夢を叶えるために」

ケン(語り)
でも、現実はやはり残酷だった。ぼくたちの夢は終わろうとしていた。

ごろさんへ
いつか、ごろさんが言われたように、この場面は完全に「尾崎豊の世界」そのままのイメージでつくりました(笑)
...2004/10/15(Fri) 04:22 ID:KVUsmmh.    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:たか
家庭教師決心編を書こうと思いますww
アキのケータイが鳴った

アキ「あ、ケンちゃんだ」

アキ「もしもしケンちゃん?何?」

ケン「今からちょっといい?」

アキ「いまお母さんいないし大丈夫」

ケン「じゃ、防波堤まで来て」

アキ「分かった。なるべく早く済ませてね」

ケン「ああ、分かった」

アキは防波堤へ。ケンがたたずんでいた。

アキ「ケンちゃん」

ケン「アキ」

アキ「話って何?」

ケン「とりあえず、座れよ」

アキ「うん」 アキはケンの横に腰をおろした

ケン「アキ・・・ごめんな」

アキ「急に何よ?」

ケン「俺があの時連れ出さなかったら、もっと勉強できただろうし・・・俺のせいで・・・アキの夢が・・・」

アキ「ケンちゃん、私がそんなこと思うと思う?」

ケン「それは・・・」

アキ「不合格とケンちゃんは何も関係が無いわ。私が勉強不足だったの」

ケン「そっか・・・」

アキ「話はそれだけ?」

ケン「いや、今から本題」

アキ「何??」

ケン「俺、アキのお父さんを説得して、アキの家庭教師になるよ」

アキ「ええ??」

ケン「決めたんだ」

アキ「私はうれしいし、やって欲しいんだけど・・・」

ケン「けど・・・何?」

アキ「ケンちゃんは大学の勉強もあるし・・・私なんか教えてる場合じゃ・・・迷惑だよ・・・」

ケン「迷惑だとは思わないから、言ってるんだよ」

アキ「でも・・・お父さんを説得するのは・・・無理じゃないかな・・・」

ケン「大丈夫だよ。きっと説得して・・・」

アキ「でも・・・」

ケン「大学で、絵の勉強するんだろ?」

アキ「うん・・・」

ケン「今度こそアキの夢を叶えるんだ」

アキ「ケンちゃん・・・こんな私のために・・・」

ケン「絶対合格させるよ」

アキ「ありがとう・・・ケンちゃん」
涙目でケンに抱きついた

アキ「ごめんね・・・私がもっと賢かったら・・・ケンちゃんに迷惑かけずに済んだのに・・・ホントにごめん・・・」アキは泣いた・・・

ケン「何言ってんだよ。アキを支えるのは俺だって。そんで、大学行って、絵の勉強して・・・いつかは絶対行こうな、ニューヨーク」

アキ「ケンちゃん・・・大好きだよ・・・」
そう言うと2人はキスをした・・・
アキ「泣いたから、時間とっちゃった」

ケン「家は大丈夫?」

アキ「お母さん、帰ってませんように」
アキは手をあわせ祈った

アキ「ケンちゃん、同級生じゃなくても・・・好きでいてね・・・」

ケン「当たり前だよ、そんなの」

アキ「よかった・・・」

ケン「まずはお父さんを説得しなきゃな」

アキ「そうだね」

ケン「今度は何発喰らうかな」

アキ「大丈夫だよ、きっと」

ケン「頑張るよ」

アキ「きっと分かってもらえる」

ケン「ああ、呼び出して悪かったな」

アキ「じゃあ、帰ろうか」

ケン「うん」
アキは、ケンの手を握り締めていた。ケンも、アキの手をしっかりと握り返した・・・

こういった感じでどうでしょうか?
毎度言いますが、意見、修正、感想などお待ちしております。

続きは達明とケンの言い合いのシーンです。どなたか書いていただけないでしょうか?お願いします。
...2004/10/15(Fri) 12:48 ID:eoXtZVTw    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:ごろ
朔五郎さん Apo.さんご提案の件についてです。
 ケンとアキがサクのいる病院へ運ばれたという流れですが、ケンとアキは出発前に松本写真館で写真を撮っています(104)。そのときに、潤一郎から朔太郎の話を聞いたということにしてはどうでしょうか?
「君たちを見てると息子を思い出すよ」
「・・・おじいちゃんの息子さんですか?」
「おおっそうじゃ。東京の○○病院にいる松本朔太郎といってな。お父さんやお母さんから聞いとらんか?」
「・・・さぁ」
という感じの会話でケンの記憶にサクとその病院が刻み込まれるというかんじです。で、倒れたとき、救急隊員に無意識につぶやいてしまった・・・。いかがですか?

 智世の不安(122)については、やはり、前編のはじめのほうで強調したほうがいいかなと思います。
...2004/10/15(Fri) 22:06 ID:OFPG8gcU    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:ごろ
作品執筆者の皆様にご提案なんですが、前編も一応の完成を迎え(修正などはあるでしょうが)、今後は後編中心になっていくと思います。
それで、記録整理用のサイトを作ろうかなって思いついたのですが、いかがですが?もちろん著作権などの基本は遵守します。個人的に、ぼちぼちとテキストファイルに落としたものをHTMLファイルにしているので、どうせならと思いました。そんなに急には出来ないと思いますが、皆さんのOKがあればやってもいいかなと思います。ご検討下さい。
...2004/10/15(Fri) 23:08 ID:OFPG8gcU    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:ごろ
218の続きです。一応の和解が出来た達明と龍之介、達明は龍之介から意外な話を聞く。それが大林家に波紋を・・・。

ー二人の父(続)ー

達明は、慣れない手つきでお茶を入れながら龍之介に言った。
「健三郎君も、真正面から、私の怒りを受け止めてくれました。」
湯飲みを龍之介に出しながら、達明は言葉を続けた。
「実は、あなたか、あるいは、松本先生が二人を連れてくるものだと思っていたのです。でも、あの二人は、自分たちだけで私の前に戻ってきてくれました。健三郎君がアキをかばうように店に入ってきた姿を今でも思い出します。アキも・・・まだまだ子供だと思っていた、あのアキも健三郎君をかばうようにしてました。健三郎君は、そんなアキを押しのけ、私の前に土下座してくれましてね・・・。私にも家内にも見せたことのない、アキの、その、健三郎君を信頼しきった姿、そんなアキを私から奪っていった男、いろいろな思いがこみあげてきて、私は、彼を殴ってしまいました。」
達明は湯飲みを両手で包み、その湯飲みに語りかけるかのように言った。
「彼は、・・・健三郎君は、殴られるときも、決して、私から目をそらしませんでした。純粋にただ自分たちのことを理解してほしい、そんな目をしていました・・・。」
達明は顔を上げ龍之介を見た。
「健三郎君も、実に男らしく、謝ってくれました。そして、殴られてくれました。私は、もうそれで十分です。」
「あなたに殴られた痛みは、健三郎にとって、一生の宝物になると思います。ありがとうございました。」
龍之介は、再び、深々と頭を下げた。達明は、言いにくそうに口を開いた。
「ただ・・・」
「ただ・・・?」
「アキと健三郎君のことに関しては、家内の智世があまりいい顔をしなくて・・・。しばらくは様子を見た方がいいと思います。」
龍之介もうなずいた。
「そうですね。私もその方がいいと思います。なんと言っても、二人はまだ高校生ですし。」

店先まで見送りにきた達明に龍之介は、思い出したかのように言った。
「あっ、そうだ。・・・実は、今、町と私ども企業とが共同出資してショッピングセンターを作る計画が内々で持ち上がっているのです。もう少ししたら正式な計画の発表があると思いますが、そのショッピングセンターに大林薬局も出店していただきたいと私は思っております。」
「ショッピングセンター?」
「誤解なさらないで下さい。これは、今度のうちの息子とアキさんのことがあったから、大林さんにお話を持ちかけているのではないです。純粋なビジネスとしての話です。以前、この計画案が立ち上がったとき、出店するお店の候補として、私は大林薬局を推薦したのです。」
達明は驚いて龍之介を見た。
「どうして・・・また、うちを・・・?」
「大林薬局は、地域に密着した、この町には無くてはならないお店のひとつだと私は考えております。そんなお店に私は出店してただきたいと思いまして。いずれ近いうちに正式にお願いにうかがうことになると思います。そのときは、よろしくご検討下さい。それでは失礼いたします。今日はお話をお聞きいただきありがとうございました。」
「はぁ・・・、あっ、こちらこそ・・・」
龍之介は呆然としている達明に一礼をし、背を向けた。

ー二人の父(了)ー
ショッピングセンター出店をめぐって、達明は?智世は?アキは?・・・
...2004/10/15(Fri) 23:14 ID:OFPG8gcU    

             一読者としてもお願いします  Name:にわかマニア
 ごろさんのご提案ですが,一読者としての立場からも,そうしたものができればと望んでいました。
 もちろん,執筆者の皆さんには,それぞれの思い入れもおありでしょうが。
 現在,続編や別伝など,サイドストーリーが数本あり,どこかに集中するとどこかが置き去りにされ,あわてて過去ログ入り寸前のものを「カラ投稿」で呼び戻すということが繰り返されています。それに,あの話はどっちのスレだっかた思い出せない時もあります。
 そんな訳で,サイドストーリーの集大成ができることは大歓迎です。
...2004/10/15(Fri) 23:17 ID:tv5Q/Gb6    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:Apo.
221のごろさんのご意見ステキです。
是非、お願いします。
また、「世界の中心で愛を叫ぶ2」や「これは」等のサイドストーリーをWordにコピーして楽しんでいましたが、たくさん溜まって話の展開が解らなくなることもあります。記録整理用のサイトを是非お願いします。

病院への搬入シーンについて私が想像したのは次のような展開です。

(救急車の中での会話)
・・・・・
救急隊員A「君、住所氏名生年月日を教えてくれないか」
ケン「大木健三郎、静岡県松崎町、1998年7月2日生まれの18歳です」
救急隊員A「彼女は?」
ケン「大林亜紀、同い年で誕生日は10月23日」
・・・・・
救急隊員A「静岡県? 東京には誰か知り合いでもいるの?」
・・・・・

本部に無線で連絡「・・・・患者、女性、18歳、かなりの高熱で脈も弱くなっています。意識もありません・・・・」
・・・・・

ケン「あの、、、、渋谷中央病院の松本朔太郎先生と、、、、」
・・・・・
ケンも疲労のあまり意識が薄れていく。
・・・・・

と、いったのを考えていました。誕生日については、話の展開を期待したい気持ちをこめています。朔と亜紀のキャラが逆になっているの意識してみました。病院名は適当につけました。ごろさん如何でしょうか。


 
...2004/10/16(Sat) 00:10 ID:mVn7J3K.    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:SATO
ごろさん[222]へのレスです。

サイトを作成いただけるのであれば、喜んで。
私は著作権などと堅苦しいことは申しません。

最初は軽い遊びで始めたつもりが、こんなに書き込みが増え、いろいろ話を空想するようになるとは思いませんでした。秋の夜長の楽しみを与えてくれた朔五郎さん、たかさん、ごろさん、どうもありがとうございます。まだまだ続きがありますので、楽しみながら続けましょう。
...2004/10/16(Sat) 01:34 ID:S8CPHuRM    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:SATO
Apo.さん、書き込みありがとうございます。
私が書いたNo5とたかさんのNo6の間に挿入しましょうよ。
さっき、5を読み返しましたが、これを書いた時期は軽い遊びの気持ちだったので、「助けてください」とか救急車のスピンターンなど、思いっきり本家のパロディーをやってしまいました(笑)

アキとケンが駆け落ちするときの駅でのマサミとのバトルや学校での騒ぎは結構マジで楽しみましたよ。まるでテレビドラマを撮影している気分でしたね。
...2004/10/16(Sat) 01:51 ID:S8CPHuRM    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:ごろ
にわかマニアさん、Apo.さん、ご意見ありがとうございます。また、Apo.さんは、救急隊員との会話のシーンまで書いていただき、重ねて、ありがとうございます。とうとうApo.さんにも、軽い「発作」が起こったようで(笑)嬉しいです。

SATOさん
 おっしゃるように、Apo.さんのシーン、5と6に入れるとぴったりですね!それでいきましょう。また、ぼくの提案にご賛同いただきありがとうございます。「テレビドラマを撮影している気分」っていうの分かります!やはり、同じ依存症の中毒患者だけに症状が似ているかな(笑)なんて。

たかさん
 220のケン家庭教師決意シーン、ありがとうございます。直訴シーンは、今ぼくが書いている大林家のことにもからむので、やっぱり、ぼくが書いたほうがいいのかな?ちょっと考えてみます。
...2004/10/16(Sat) 04:28 ID:8NoirjKA    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:たか
ではごろ殿にお願いしましょうかな。

よろしくお願いします。ダメなら私が書きますねw

後、記録用サイトの件、私も賛成です。私も著作権などと言ったことはあまり考えてませんので。
...2004/10/16(Sat) 10:13 ID:g1hzCWm2    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:たか
東京のシーンは私の感覚では、東京事変の「群青日和」という曲がぴったりマッチするような気がするのは私だけでしょうか?
...2004/10/16(Sat) 13:52 ID:QyCqa/M.    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:朔五郎
みなさん、こんにちは。

記録用サイトについて
私も賛成です。よろしくお願いします。

病院に搬送されるシーンについて
承知しました。ただ、ケンもアキも、朔と亜紀のことは、親から聞いてだいたいのことは知っているという流れで書いてきましたので、その前提で修正します。

たかさんへ
そうですね、ぼくらのトシだと尾崎だけど、今の人は東京事変でしょうね(笑)
...2004/10/16(Sat) 15:25 ID:rTE3UMpY    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:SATO
このスレをプリントアウトしたら100枚近い枚数になりますよ。印刷プレビューで確認してビックリ!
取り合えず裏紙でプリントアウトして、読み物としても活用してます。今後も新しい物語がアップされるごとにプリントアウトするつもりです。
...2004/10/16(Sat) 16:33 ID:Uu6dj9GY    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:たか
確認結果、154枚・・・(汗

すごいですねwこれホントにTVや原作本として出てほしいですねぇ
...2004/10/16(Sat) 16:48 ID:QyCqa/M.    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:SATO
ごろさん、たかさん、新しいストーリーアップお疲れ様です。

ごろさんへ、ショッピングセンターですか。楽しみな話がまた増えましたね。ここへ出店した薬局はアキの店となり(勿論大学卒業後に、そうでないと法律違反になります)、ギャラリーも兼ねてアキの作品が展示されるのはいかが?

たかさん、私が言い出したケンの家庭教師のアイデアをうまくまとめてくれて有難うございます。ケンとアキの絆の強さと二人の前向きな姿に感動すら覚えます。
...2004/10/16(Sat) 16:49 ID:Uu6dj9GY    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:SATO
たかさん、ホントだ。100枚くらいだったのは昨日の段階だったのですが、ものすごい勢いで枚数がふえますね(汗)
...2004/10/16(Sat) 16:53 ID:Uu6dj9GY    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:たか
ども、お疲れ様です。とりあえずまとめておきました。続きをごろさんに書いていただこうと思ってます。私は家庭教師をやっているケンを描きますので。よろしくお願いします。

〜余談〜
今日から日本シリーズですね
...2004/10/16(Sat) 16:55 ID:QyCqa/M.    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:SATO
そうです、今日から日本シリーズでしたよね。

去年は第一戦から第七戦まで、試合開始から終了までテレビの前にカジリつき、短期決戦のスリルを堪能しました。朔五郎さん、ごろさん、たかさんはいかがでしたか?

話題はそれますが、去年の日本シリーズの想い出を・・・

普段はほぼ100%鷹ファンで埋まる福岡ドームに大挙して虎ファンが押し寄せたのは正直いってビックリでした。だって相手チームの選手がヒットを打つたびに大声援が起こるんですもの・・・スタンドの4割近くは虎ファンだったんじゃないですかね?

甲子園のあの地鳴りのような声援はビジターの選手にとっては物すごいプレッシャーになるんじゃないですか?鷹ナインにとっては周りを全て敵方ファンに囲まれて試合するのは初体験だったはずです。そんな中で三連敗しましたけど、よく頑張って戦ったと思います。

プレーオフなどというおかしな制度がなければ今年も日本シリーズに出られたのにな(チキショー)

でも、このスレで色々話を考えて遊べるので、秋の夜長が楽しめますよ。
...2004/10/16(Sat) 17:24 ID:Uu6dj9GY    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:たか
いやぁ、盛り上がりました去年は。今年は監督に覇気がないというかなんというか・・・甲子園には何度か行きました。興奮しますね。いやすごいww

問題点は言葉が多少下品ですね(汗
デッドボール当てたら「散れ」とか「失せろ」ですよ。いやぁ恐ろしい。
阪神が合併になるとしたら殺人事件とか起こりかねませんよ(汗

話題がそれすぎたらどなたか戻してください
...2004/10/16(Sat) 17:36 ID:QyCqa/M.    

             完全な余談でごめんなさい  Name:にわかマニア
 ビジターにとってはプレッシャーになる地鳴り的な応援といえば,中日や広島もそうでしょう。
 ところで,ドラマに主演した綾瀬君の地元の広島には南海(現ダイエー)ファンも多いのです。理由は,かつての名将・鶴岡監督(旧姓・山本)その昔,広島商業が数年連続全国優勝した時の中心メンバーだったから。ちなみに,この鶴岡監督のご子息は,桑田や清原の頃のPL学園の監督でした。
...2004/10/16(Sat) 17:50 ID:8uSRdwho    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:ごろ
おおっ、野球談義に花が咲いておりますなぁ〜。去年のシリーズはタイガースはホークスに勝てるなんて思えませんでしたね。それなのに3勝するなんて・・・ホームの力は偉大です。

SATOさん
 アキが新たに出店したお店を継がないと法律違反となるのですか?薬事法か何かで規定があるのでしょうか?そのへん無知なのでご教示下さい(汗・・・)

 執筆者の皆様にご賛同いただいたので、この「世界の中心で、愛をさけぶ2」スレの記録保存用サイトにも着手します。ただ、あくまでも記録の整理・保存用ということでページのデザインなどはご期待にそえないと思います。必要最小限ということでご理解下さい。
 また、今後新たに作品を執筆してくださる方にもご理解のほどをお願いします。
...2004/10/16(Sat) 18:29 ID:8NoirjKA    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:ごろ
後編の冒頭の部分を忘れておりました(汗)。登校時の朝のシーンです。

ー登校ー

ケンは、鏡に映った自分の顔を見た。達明に殴られた跡も目立たなくなっている。安心したケンは、そのまま玄関を出ようとした。玄関まで見送りにきた母の優子がケンに言った。
「ケンちゃん、大丈夫なの?ちゃんと学校へ行ける?」
「大丈夫だって。初登校する小学一年生じゃないんだし。」
「大沢先生からお話があると思うから、よく聞いておくのよ。」
「うん、分かっているって。」
「あっ、それからマサミさんにもちゃんとお礼を言っておくのよ。」
「分かってるよ!」
優子は、あれ以来、マサミを気に入ったらしく、ことあるごとにマサミのことを持ち出した。
まったく・・・、どういうつもりだよ・・・。
ケンは、優子の話を断ち切るように、そそくさと玄関を出た。

2年以上通った道も、ケンにとっては、何となく新鮮に感じられた。しかし、体が覚えているらしく、ケンの足がいつものコースへと導いていく。ケンは、歩きながらアキのことを思った。
アキは、ちゃんと登校してくるかな・・・。この1週間、会えなかったし・・・。もしかしたら、アキの親父さんが転校手続きをとっているなんてことはないだろうか・・・。ユイはそんなこと言わなかったし・・・。

「ロミオ、おおっロミオ、愛しいロミオ〜っ」
調子の外れた大げさな台詞に、ケンは立ち止まり苦笑した。ケンは振り向きもせず声の主に言った。
「おい、シンジ!朝っぱらから変な声出すなよ!調子狂うぜ。」
ケンはくるっと振り向いた。シンジが笑って立っていた。
「よっ、お帰り!」
シンジはそう言うと、ケンのお腹に軽くボディブローをいれた。ケンは避けなかった。シンジの拳を腹に感じた。
「ただいま・・・。しかし、さっきのあれは何だ?」
「いや、なに。文化祭以来、演劇に興味がでちゃってさ。来年はロミオとジュリエットでもするかと思って」
「お前は来年も高校にいるつもりなのか?」
「・・・あっ、そうか。俺たち3年生だ。じゃ、大学の演劇部に入ってと、それとも、どっかのオーディションでも受けるかな」
「相変わらず何考えてんだよ。」
ケンとシンジは肩を並べて歩き出した。
「世話になったな・・・シンジ」
「健三郎君が主役を降りたお陰で、スター誕生だ!」
シンジは少し胸をはって言った。
「なっ、どの世界にもよくあることだろ。主役が何らかの事情で降板、代役が一躍脚光を浴びるってさ。お前がいない間に、全校女子生徒の憧れの的になっちゃったよ。悪く思うなよ!」
「シンジ、俺、マジで言ってるんだ。すまなかったな。」
シンジも声の調子を落として言った。
「気にするなって。もうそんなこと言うなよ。俺はお前のフォロー得意だからさ。」
ケンはうなずいた。シンジは、再び、声の調子をあげた。
「なっ、ケン、学校行ったらびっくりするぞ!あれ以来、俺が歩くと、俺の周りにさ、空間が出来るんだ。何て言うのかな、こう、近づきたいけど近づけないって雰囲気だな、あれは。」
「シンジ、お前、勘違いしてるんじゃないか、それ」
「勘違いってなんだよ」
「う〜む、俺が思うに、それは、近寄ってこれないじゃなくてさ、避けられてんじゃないか」
「避けられてる?俺が?なんで?」
ケンは笑いながら言った。
「お前って、いいやつだよな・・・。そう勘違いできるんだからさ。悪人じゃないよな」
「なっ、ケン、どう勘違いしてんだよ、俺は?」
「つまり、『ほら、あの人見て、この前の文化祭で変な演技した人よ。ねっ、目を見ないほうがいいわよ。』ってなかんじだろうな。」
シンジは立ち止まり、しばらく考え込んだ。
「そんなことないと思うけどな・・・けっこう受けてたんだけどな・・・」
「おい、シンジ、先にいくぞ」
「あれ〜、愛しいロミオ様〜っ、お待ちになって〜」

シンジの素っ頓狂な声を背中で聞きながら、ケンは改めて思った。
お前はいい奴だよ。わざわざ寄り道して俺の来るのを待ってくれて・・・。そして、俺を笑わせてくれて・・・。ありがとう、シンジ・・・。
ケンは、学校の正門をくぐった。

(続く)
...2004/10/16(Sat) 19:55 ID:8NoirjKA    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:SATO
ごろさん、さっきの書き込みがわかりにくくてゴメンなさい。

大林家がショッピングセンターに開いた薬局をアキが持つ場合は・・・という意味で書きました。

薬事法では薬局開設にあたっては薬剤師の配置が必要になります。他にもいろいろ細かな規定がありますが、薬剤師がいなければ話になりません。
なので、新規開店した薬局をアキ一人で持つとなれば、アキが薬剤師免許を持っていなければ許可されない、ということなんです。

アキが学生の間に新しい薬局で働かせるのであれば、智世か達明(二人とも薬剤師免許を持っていると仮定します)が薬局の管理者になっていれば問題ありません。

・・・ということなんです。
ま、卒業を待たなくても、親と一緒にやればアキは薬局で働けるということですよ。
...2004/10/16(Sat) 20:44 ID:Uu6dj9GY    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:ごろ
SATOさん、ありがとうございます。ぼくの考えている展開に法的に無理な面があるのかと思いました。安心しました。
 朔五郎さんの62で、達明の甥っ子というのが会話に出てましたので、これとからめて、より智世の不安を際立たせようかな、なんて思っていましたので・・・。

241は、後編のはじまりという感じで書きました。この後くらいに、大沢先生の「9・11」を朔五郎さんにリライトしていただければと思っていますが、いかがでしょう?
...2004/10/16(Sat) 21:00 ID:8NoirjKA    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:たか
ごろ殿>私の件引き受けていただけるでしょうか?
お返事待ってます。

余談

また野球談義ですが、1時間近くの中断がありましたねぇ。伊東監督もかなりお怒りのようで。
みなさん執筆に夢中のようですねw
西武に頑張って欲しいですねw
...2004/10/16(Sat) 21:06 ID:QyCqa/M.    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:ごろ
たかさん、直訴シーン、頑張ってみます。

今年のシリーズはあまり興味ないですね。ホークスが出ないのは、やはり釈然としません。ホークスは残念だった。ホークスが出てれば観るのだけど・・・。ゲーム差と同じ得点差で、プレーオフすればいいのだ〜。1年間なんだったんだろうって思うよな・・・。
...2004/10/16(Sat) 21:16 ID:8NoirjKA    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:たか
おお、ありがとうございます。無理をいって非常に申し訳ない。

ホークスは、後0、5ゲーム差あれば優勝してたんですねぇ・・・ああ・・・残念です。

まぁ、阪神が優勝してないんで見てません。ここに書き込みしてようっと
...2004/10/16(Sat) 21:19 ID:QyCqa/M.    

             スレを重くしてごめんなさい  Name:にわかマニア
 ダイエー→福岡→平和台→西鉄→西武という連想ゲームで一言。今日もタッチプレーの判定ミスでの中断がありましたが,西鉄が奇跡の逆転優勝(3連敗4連勝)を果たした1958年の日本シリーズのターニングポイントとなった第5戦で,こんなこともありました。
 終盤,1点を追う西鉄の攻撃で,打者は小渕。地面すれすれ(ほとんどワンバウンド)の投球に対して,球審・円城寺(セ)の判定はストライク。三原監督(水原を監督に就けたい品川主計に巨人監督の座を追われた人)は猛抗議。今度は,次の球を打った小渕の当たりは三塁線スレスレ。今度は二出川塁審がフェアの判定。長島はインプレイ中ということも忘れて抗議している最中に,小渕は二塁に進み,関口のピッチャー返しのヒットで生還。最後はピッチャー稲尾のホームランで劇的な幕切れ。
 ちょっと昔話になってしまいましたが,日本シリーズと抗議による中断というと,どうしてもこのシーンを思い出してしまいます。
...2004/10/16(Sat) 21:29 ID:8uSRdwho    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:Apo.
薬剤師の免許がキーとなっているようですね。
それについて、一言。

今年の国会で薬剤師法が改正され、6年制に移行するようです。施行は2年後からだとおもいます。
アキは1浪しますので、ケンが卒業後3年間は学生のはずです。(2016年の設定ですので)

野球談義が花咲いているようですが、ライオンズが勝ちましたね。
私はタイガースファンです。今年のシーズンは早々と心の中では終わっています。

それから、私の意見を採用していただいてありがとう。お世話になります。
これからも楽しみにしています。
...2004/10/16(Sat) 22:28 ID:mVn7J3K.    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:たか
241に対し、女性バージョンの執筆を・・・

〜登校〜女性バージョン
謹慎が解除され、今日から登校することとなったアキ・・・その日の食卓は静かだった・・・

アキ「いってきます」

智世「アキ、弁当。ハイ」

アキ「あ、ありがと。じゃいってきます」
家を出てしばらくするとマサミに出会った

マサミ「おはよう、大林さん」

アキ「おはよう」

マサミ「体調はどう?」

アキ「まぁまぁかな」
マサミはホッとしていた、もしかしたら無視されるかと、冷たくあたられるかと思っていたから・・・アキが笑顔で話してくれたから・・・

マサミ「大木君も大丈夫なんだ」

アキ「元気元気よ」

マサミ「へぇ〜よかった」
アキは急に立ち止まった

マサミ「どうしたの?」
アキはマサミに頭を下げた

アキ「ごめんなさい・・・」

マサミ「え、ちょっと・・・」

アキ「私がマサミの忠告を聞いていたら・・・こんなことにはならなかっただろうし・・・他の人にも迷惑がかかって・・・」

マサミ「え・・・大林さん、頭を上げて。私たちは大丈夫だよ、それより・・・私のほうがごめんだよ・・・駅で・・・」

アキ「私のせいだから・・・」

マサミ「ううん・・・殴る必要なんてなかったのよね・・・つい・・・あなた達が腹立たしくて・・・この関係をぶち壊してやりたいなんて思ってしまって・・・ごめん・・・私って最低だよね・・・」

アキ「ううん、マサミはすごくえらいと思う、そんな思いがあっても、ちゃんと私たちを止めてくれたし」

マサミ「大林さん・・・」

アキ「結局私たちが回りを見て行動しなかった罰だわ。そう割り切りましょう」
アキは笑ってそう言った

マサミ「そっか」
マサミも最高の笑顔でそう言った

アキ「それより、早く行かないと遅れちゃうよ」
アキは歩くスピードを上げた

マサミ「ああ、ちょっと待ってよ大林さん」

アキ「これからはね、アキって呼んで」

マサミ「分かった」

アキ「そうそう。それより急げぇ、遅れちゃうぞ」
アキは走り出した

マサミ「待ってよ、アキ〜」
マサミも走り出した・・・
2人は小学生のように無邪気に笑い、走っていた・・・

アキ(語り)
マサミ・・・彼女は私にとって、とても大切な人です・・・ケンちゃん・・・大切な人は・・・いっぱいいるんだね・・・でもやっぱり、ケンちゃんが一番大切だよ・・・
...2004/10/16(Sat) 22:55 ID:QyCqa/M.    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:朔五郎
シーン104(写真館)を修正しました。

今日は夜勤明けで1日中ぼーっとしてました。
私の職場は某大学病院でして、私のいるところの廊下を挟んだ向かい側は救急外来で、そりゃすさまじい所です。松本教授の忙しさがよくわかります(笑)

当然、白血病の患者さんも、たくさんいらっしゃいます。しかし、依然として死亡率は高いものの、もはや「不治の病」ではありません。毎年のように新しい治療法が開発されています。少なくとも私は、ここ数年間で、廣瀬亜紀のように治療に全く反応しない例というのは見ていません。ですから、読者の方で、何らかの形で白血病に関わっている方がいらっしゃいましたら、勇気を持って闘って欲しいと思います。
...2004/10/16(Sat) 23:19 ID:1uKEAhko    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:SATO
マサミはちゃんと大沢先生の言いつけを守りましたね。とりあえずアキは怒ってないことがわかってホッとしたことでしょう。
アキは裏表がなさそうな娘ですから、大丈夫でしょう。
でも、ケンは露骨に迷惑そうです。マサミは大沢先生に言ったように、気持ちを探る意味でケンの家に行きました(No124)。しかしケンは迷惑そう。母・優子はマサミを気に入ってしまったようですが、ケンは反発を感じます(241)。
ということで、大沢先生の忠告どおり、マサミは潔く引き下がらざるを得ない状況に追い込まれます。
ケンには未練があるが、かといって、アキのことを嫌いになりたくない・・・マサミの悩める日は続きます。そんなマサミに手を差し伸べたのは大沢先生でした。ちっとも手品が上達しない律子のコーチをマサミに頼んだのでした。大沢先生は単に気分転換をさせるつもりだったのですが、それがマサミの人生の大きな転機となったのでした・・・

ということで「律子&マサミ編」がいよいよ始まります。次回の書き込みをお楽しみに・・・
...2004/10/16(Sat) 23:40 ID:Uu6dj9GY    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:ごろ
Apo.さん
 薬剤師法というのがあるのですね。勉強になりました。とりあえず、達明と智世は二人とも免許をもっているとすれば問題ないですね(ホっ)実は、達明のことを考えているうちに、これは、ひょっとして智世も「再生」させないといけないかなって思い、大林薬局出店計画というので、揺さぶってみようと思いまして・・・。法的なことは深く考えていませんでした。SATOさん、Apo.さん、ありがとう!

たかさん
 アキ登校編、全く考えてませんでした。アキはすでに学校へいってるものとばかり思ってました(笑)また、マサミの登場も意外でした。ユイかなっと思いながら読んでるとマサミだったので、おっ、マサミだ!と少々驚きました。きっと、アキもそうだったのでしょう(笑)おかげで、ケンのみならずアキも無事登校できましたね。
 たかさんに、お願いがあるのです。朔五郎さんの大沢先生のシーンは、きっと、この日の放課後あたりかなっと思われますが、そのつなぎのシーンとして、登校後から放課後までの中で、ワンシーンほど書いていただけないでしょうか?このあたりになると、ぼくにはちょっと・・・です。その後、朔五郎さんの大沢先生、たかさん180シーン、SATOさんの「律子&マサミ編」とつながれば、と思いますが、いかがでしょう?
...2004/10/17(Sun) 05:18 ID:2cK5VS0I    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:ごろ
朔五郎さん、身近に接しておられるだけに重い内容ですね。サクが白血病を克服した患者さんを見送る、なんていうシーンもあればいいかもしれませんね。

SATOさん、「律子&マサミ編」楽しみに待ってます。

にわかマニアさん、西鉄って・・・、そこまで思いを馳せるとは・・・まさに球史ですね(笑)。

中途半端な時間に起きてしまったので、また寝ます。おやすみなさい。
...2004/10/17(Sun) 05:33 ID:2cK5VS0I    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:たか
ごろ殿>了解いたしました。意外な展開というのを書いてみましたwユイは登校時間は計算せずに学校で励ます。マサミはアキをライバル視しており、徹底的に調べ、登校時間も覚えた・・・といった感じです(笑 恐るべき・・・恋敵や・・・

登校後のシーンも頑張りまーすw
...2004/10/17(Sun) 11:29 ID:V78s26Xk    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:たか
校門が見えてきた・・・マサミは立ち止まり、アキにこう言った

マサミ「ちょっと、アキ」

アキ「何?」

マサミ「多分、いや、絶対あなたを見てコソコソ話をする奴がいっぱいいるわ」

アキ「大丈夫だよ」

マサミ「ふざけて何か茶化してくるかもしれないし・・・」

アキ「心配ないよ、私には、ユイやマサミがいるし」

マサミ「アキ・・・」

マサミ(語り)・・・アキが私を必要としているんだ・・・だけど・・・私は・・・アキを・・・心のどこかで妬んでしまう・・・どうすれば・・・いいんだろう・・・

アキ「マサミ、どうしたの、行くよ?」

マサミ「ああ、ごめん」
その表情は暗かった・・・

アキが廊下を歩いていると、やはりアキのほうをチラチラ見てひそひそ話す生徒が多かった・・・それを見たマサミは

マサミ「アキ、早く行こ」

アキ「うん」
自然と早足になった

ガラガラ・・・

マサミ「おはよ〜」

ユイ「おはようマサミ。あ、アキ〜久しぶり〜」
ユイはアキに飛びついた

アキ「重いよ、ユイ。私がいない間に太ったんじゃない?」

ユイ「あ〜こいつ失礼ね。誰のおかげで居場所が分かったと思ってんのよ」

アキ「ユイ・・・」

シンジ「アキちゃん。だまされちゃいかんぜ、マサミがちゃんと教えてくれたんだ」

アキ「シンジ君・・・久しぶり」

シンジ「おお、久しぶり。ケンもこっちこいよ」

ケン「おう」

アキ「ケンちゃん・・・おはよう」

ケン「おはよう、アキ」

そこへ・・・
女生徒「おい、ドアの前でたまんじゃねぇよ、邪魔になんだろうが」とアキを手でおしのけた

アキ「ごめんなさいね」

女生徒「ふんっ」
女生徒は最後にアキを睨みつけた

ユイ「アキ・・・」
心配そうにあきを見つめるユイ

アキ「それよりさ、今日の放課後、皆で「タコパパ」行こうよ。私、久しぶりに食べたいし」

マサミ「いいね、行こう行こう」

シンジ「賛せーい」

ユイ「シンジも来るの?」

シンジ「バカ、皆ってのはここにいる5人だろ」

アキ「うんうん」

ユイ「そうだアキ、もう一人呼んでいい?」

アキ「いいよ、いっぱいの方が楽しいし」

ユイ「よし、決まり」

アキ「うん。でもきっと大沢先生に呼び出されるし、その後ね」

マサミ「あはは、そうだね」
キーンコーンカーンコーン・・・

大沢先生「席に着けーHR始めるぞ」
大沢先生はそう言うと、アキとケンに目をやった

大沢先生「今日から、大林と、大木が戻ってきた。授業とか分からないところは教えてやってくれ」

女生徒A「せんせー何で休んでたんですか?」

大沢先生「2人とも家の用事だ」

女生徒B「なんで一週間も家の用事なんですか?」

大沢先生「何か長引くことがあったんだろう」

女生徒A「じゃああの駆け落ちの噂は嘘だったんだ。よかったね、せんせ」

大沢先生「ああ、そうだな」と淡々と話した

大沢先生「それと、大林、大木、マサミ、シンジ、ユイは放課後美術室に来なさい。それではHRを終わります」

学級委員「起立、礼」

生徒「ありがとうございましたぁ」
だるそうな声が響き渡った・・・
続く
...2004/10/17(Sun) 15:37 ID:V78s26Xk    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:SATO
たかさんのNo249・254を受けて執筆させていただきます。

律子とマサミ(その1)

(放課後・美術室)

ケンとアキの復帰初日。
マサミたち5人は大沢先生から話があるからと、個別に呼ばれていたのです。アキ・ケン・ユイ・シンジが終わり、今度はマサミの番です。

大沢「それでどうだ?アキやケンとはちゃんと向き合えたか?」
マサミ「今日、学校来るときに思い切って声かけてみました。わたしがぶったこと、全然怒ってませんでした。逆に迷惑かけてゴメンって謝ってきたんです。お互いに割り切ろうって言ってくれました。」
大沢「そうか、よかったな」
マサミ「でも・・・大木君は・・・彼の家に様子を見に行ったんです。休んでる間のノートを貸してあげるってことで。あわよくば・・・って思ったんですけど・・・わたしが来たこと、迷惑そうな顔してて・・・(涙ぐむ)やっぱりアキさんだけだったんです・・・もう、わたしは入り込めないって・・・だから、大木君には、自分自身のこれからのことも考えてって・・・わたしだって、大木君のこと思ってるんだよって・・・伝えたかった・・・(しゃくり上げる)」
大沢「そうか・・・」
マサミ「アキさんには負けました・・・一緒に学校来たとき、本当に屈託なく笑ってるんです・・・憎い恋敵のはずなのに、そんなアキさん見てると・・・嫌いになりたくてもなれない・・・(涙)」
大沢「いいじゃないか、嫌いにならなくても。そのほうが余計なエネルギー使わなくて済むぞ。」
マサミ「(涙をふきながら)結局、引導わたされちゃいましたね・・・(無理に作り笑顔をする)」
大沢「こういうことは時が解決してくれるさ。それに、今回思いっ切り泣いたことがこれからの人生の転機になるかも知れないぞ。俺もマサミくらいの頃にそういうことあったからな」
マサミ「先生も失恋したんですか?」
大沢「失恋じゃないけど、悲しい思い出があってな、今の仕事に就こうと思ったのはそれがキッカケだったんだ・・・実は、ケンとアキにも話したんだけどな・・・・」

といって大沢先生はあの「9.11」の話をマサミに聞かせました。

マサミ「(感慨深そうに)そうだったんですか・・・・ところで先生、わたしに話ってこれだけですか?」
大沢「前置きが長くなったな・・・これからが本題なんだが、マサミは手品が得意だったよな?」
マサミ「ええ・・・」
大沢「実はな、うちの女房なんだが、手品が趣味なんだ。でも、ちっとも上達しないんだよ。毎回同じ手品ばかり見せられて俺もウンザリしてるんだ。そこで頼みなんだが、マサミ、うちの女房に手品を教えてやってくれないかな?」
マサミ「えっ、わたしがですか?」
大沢「(頭をかきながら)ここはひとつ頼むよ。夫婦仲のピンチなんだ、俺を助けると思って・・・なっ、頼むよ(手を合わせる)」
マサミ「(クスッと笑う)わたしでよろしければ、お引き受けしますけど」
大沢「よし、決まりだ」

(続く)
...2004/10/17(Sun) 16:37 ID:wQBW7htk    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:SATO
たかさん、書き込みが同時になってしまいましたね。
たかさんのだと、放課後に大沢先生から5人が呼ばれますね。そのうち、マサミについては上の256にしていいですか?
...2004/10/17(Sun) 16:41 ID:wQBW7htk    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:たか
SATO殿>ジャスト1時間違いでの投稿でしたよw
ではマサミのみ256でお願いします。ありがとうございますw
後半に突入してますねぇ、とりあえず卒業まではまっしぐらですねw
頑張っていきましょうね
...2004/10/17(Sun) 16:52 ID:3zNVFi3Y    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:SATO
たかさん、ありがとうございます。
では、マサミについては私ので、他の4人についてお願いします。
ただ、大沢先生の面談ですが、ケン&アキ・ユイ&シンジ・マサミと3組に分けてやったほうがいいと思います。というのは、ケン&アキにはお説教、ユイ&シンジにはケン&アキのフォローの念押し、マサミには私の256の内容、とそれぞれ話す内容が違うからです。一緒にいては話しにくいことがありますからね・・・

それで、終わった順番に「たこ焼きパパさん」へ集合というのでいかがでしょうか?
...2004/10/17(Sun) 17:16 ID:4Kn4p8go    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:朔五郎
大沢先生の面談のうち、ケンとアキについては、これを使っていただけないでしょうか

(美術室)
大沢先生の前で神妙な顔をして座るケンとアキ。

大沢「さてと、まずは無事で良かった。マサミ、ユイ、シンジ、この三人には感謝するんだな」
二人「はい」
大沢「どういうことだか聞かせてもらおうか」
ケン「あ、オ、オレが悪いんです、オレが・・・」
アキ「いえ、私が家出するなんて言ったから」
大沢「おいおい、相手のことを思うのはいいが、整理して話してくれ」
ケン「はい、アキが家出して、アルバイトしながら絵の勉強をするというので、一人では行かせられない、オレも一緒に行く、と言ったんです」
大沢「なるほど」
ケン「それで、家出するとはいっても、どうせすぐに見つかって連れ戻されてしまうから、いっそニューヨークまで逃げてしまおうと。先生の仲間のお話もあったし、アキもいつも行きたいって言ってたんで、バイトでチケット代稼いで・・・」
大沢「はあ?(呆れ果てて)よく、そんなこと考えつくな。おい、そんな甘い考えで大それたことして、どれだけの人に迷惑かけたと思ってるんだ?ご両親がどれだけ心配してらしたかわかるよな。マサミは君たちが出て行くところを目撃してしまい、ぼくに言おうか言うまいか悩みぬいて、それでも君たちのことをかばってたんだぞ。シンジやユイだって、彼らなりにすごく気を遣っていたんだ。ぼく、いや、ぼくはいいが、校長先生だって、いろいろ大変だったんだからな」
二人(うなだれる)
大沢「大林、ぼくは前に聞いたよな、なんのために絵を描くのかって?その答えがこれか?人に迷惑をかけるためか?何もわかってないようだな!」
アキ「あの・・・(目を上げて)先生は、大沢先生は、なぜ描いているんですか」
大沢「・・・理由はこれだよ」

ケン(語り)
それは携帯用のMDプレーヤーだった。

ケン「いつも聴かれてるものですね?」
大沢「そうだ、君たちも聴いてみるか?」

ケン(語り)
ぼくたちは、思わず顔を見合わせた。聴いてみたい気もするが、なんだか怖い気もした。たとえば、女の人の声で「最後のメッセージ」なんて入ってたらどうしよう。

ケン「(恐る恐る)聴かせていただきます」

ケン(語り)
街角のざわめきが聞こえた。人々がおしゃべりをしている。英語だ。アートという単語が聞き取れる。中年の男が歌っている。ざっくばらんでとても楽しそうだ・・・。

ケン「先生、これは?」
大沢「歌が聞こえるだろう?それはニューヨーク・ニューヨークという歌だ。ぼくの少年時代のかけがえのない思い出だ。そこには世界で一番自由な風が吹いていた。あの日までは・・・」

大沢(語り)
父親の仕事の都合で、ぼくは少年時代をニューヨークで過ごした。ぼくの家は郊外の一軒家で、そのとなりには、ひときわ大きな豪邸があった。
その家の主はコンピューター関連会社の社長だった。大金持ちにもかかわらず陽気なニューヨーカーで、彼の周りにはいつも人の輪ができた。
ヤンキースの大ファンで、勝ち試合の後にスタジアム全体に流れる「ニューヨーク・ニューヨーク」をよく口ずさんでいたものさ。
若い頃、アートを志した時期があったということで、大邸宅の庭や部屋の一部を芸術家の卵に開放していた。まあ、金持ちの道楽というところだ。
ある日、ぼくが隣りの庭を覗いていると、そのおじさんが、こっちへ来いと手招きをした。そこでは、お互いに作品の感想を言い合ったりしていたんだ。
「タカ、この絵を観てどう思う?」と聞かれたぼくは、生意気にも覚えたての英語で意見を言った。皆が、ほう、という顔をした。それからは、ぼくも彼らの中に入って絵を描くようになった。チビだから馬鹿にされるなんてことはなかった。
ぼくは、みんなの作品を遠慮なく批評した。そのかわり、ぼくの絵もボロクソに言われたものさ。人種も、男女も、年齢も関係なかった。おじさんはビール片手にニコニコしながらそれを見ていた。
仲間の一人が、小さなギャラリーで個展を開くことができたのも、おじさんの口利きがあったからだ。それが終わったあと、セントラルパークで打ち上げをしたんだ。ポップコーンとホットドッグをほお張ってね。おじさんも駆けつけてくれた。ぼくはその時、初めてビールを飲んだ。うまいとは思わなかったけど。

ケン「そのおじさんは、いまでもお元気ですか?」
大沢「(遠くを見るように)亡くなったよ。この打ち上げのあとすぐに」
ケン「えっ」
大沢「2001年9月11日・・・」

大沢(回想)
信じられない光景だった。飛行機がビルに激突している。あれは、おじさんのオフィスがあるビルだ。アメリカの繁栄の象徴が今、崩壊していく。街全体を死の恐怖が覆った。
おじさんの体は焼き尽くされ、家族の元には骨のひとかけらももどらなかった。
ぼくたちは日本へ帰ることになった。別れの日、おじさんの奥さんがぼくに1本のビデオテープを渡してくれた。あの打ち上げの時、誰かが撮ったものをダビングしてくれたんだ。
「タカ、彼も私もあなたを本当の息子のように思っていた。悲しいことだけど、これも神のご意志よ。彼のことを覚えていてあげてね」と。

大沢「おじさんがしてくれたように、若い人たちに、自由に芸術を楽しむすばらしさを教えてあげたい、そう思ってぼくは美術教師を目指した。描きながら、あの歌を聴いていると今でもおじさんが横に立って絵を観ているような気がするよ」

大沢「大林、芸術は人の心を豊かにしたり、育んだり、そういうことのためにあるんだ。そんな、途方もないことを企んだりする暇があったら、自分の身近に何かできることがあるだろう。よく考えてみろ」
アキ「身近に、できること・・・」

ケン(語り)
先生の話は、アキの心に深くしみわたったようだった。アキはいつまでも顔をあげることなく考え込んでいた。
...2004/10/17(Sun) 18:20 ID:2yXcghhM    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:SATO
RE:260

そうですよ、ここは朔五郎さんの出番ですよね。
どうもありがとうございました。
...2004/10/17(Sun) 18:47 ID:xXnza6MM    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:たか
では、ユイとシンジは私が書いても構いませんか?
と言うより、書かせていただきたいのですがw

構いませんか?後、タコパパのシーンもお譲りくださいな。よろしくお願いします
...2004/10/17(Sun) 19:54 ID:3zNVFi3Y    

             完全な脱線タイムです  Name:にわかマニア
 昨日のドタバタ劇から一夜明けて,皆さん執筆活動に戻られたようですが,ちょっと息抜きの脱線タイム。

 もし,セカチュー・メンバーが日本シリーズの関係者だったら・・・

 球審(サク)
 「あ・あの,ジャ・ジャ・ジャッシを,ミ・ミ・ミスって・・・」

 監督(廣瀬・父)
 「ベンチを訪ねてきたら,まず,あいさつをしなさい!」

 キャスター(佐藤ドクター)
 「監督も審判も,みんな反抗期です」

 球団代表(スケ)
 「誰だって,いつアウトになるか判らないんだ。あんなタッチプレーにどれほどの意味があるんだ。おまィさん」

 記録員(谷田部)
 「この事件の真相は私がしっかり覚えていてあげるから,両チームの皆さん・ファンの皆さんは安心して忘れなさい」

 どうも失礼しました。
...2004/10/17(Sun) 19:57 ID:kolKlces    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:朔五郎
たかさん、よろしくお願いします。

一応、フルネームの確認を(笑)

ケン 大木健三郎(オオキ ケンザブロウ)
アキ 大林亜紀(オオバヤシ アキ)
大沢先生 大沢孝夫(オオサワ タカオ)
マサミ 長澤まさみ(ナガサワ マサミ)
シンジ 小野伸二(オノ シンジ)
ユイ 仮屋ユイ(カリヤ ユイ)
レイコ 山川玲子(ヤマカワ レイコ)

という感じでどうでしょう
...2004/10/17(Sun) 19:57 ID:2yXcghhM    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:たか
了解しました。

お任せくださいねw

フルネームサンキューです。仮屋ユイはいい感じですねwカタカナにするんですか?大沢孝夫は漢字で?そこらへんは朔五郎さんに任せますよw
...2004/10/17(Sun) 20:00 ID:3zNVFi3Y    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:たか
おせっかいかもしれませんが、フルネームと出演者をもう一度まとめます。朔五郎殿すみませんが多少いじらせていただきます(ペコリ

大木健三郎(山田孝之)大林亜紀(綾瀬はるか)
大沢孝夫(大沢たかお)長沢まさみ(長澤まさみ)
大野伸二(小野伸二)仮屋唯(本仮屋ユイカ)
山川玲子(鈴木えみ)大木優子(黒木瞳)
大木龍之介(田中幸太郎)大林智世(松下由樹)
大林達明(村田雄浩)大沢律子(柴咲コウ)
竜の爪マスター(仲代達矢)松本朔太郎(緒形直人)東京の警察官(沢村一樹)少年時代の大沢(森山未来)松本潤一郎(高橋克実)松本富子(大島さと子)松本一樹(未定)松本明希(桜井幸子)廣瀬真(三浦友和)
こんな感じでいかがでしょう?

朔五郎殿、勝手にイジってすみません
かなり贅沢に使ってますねw出演料いくら払わなきゃいけないんだろう(笑
...2004/10/17(Sun) 20:22 ID:3zNVFi3Y    

             Re: 262  Name:SATO
たかさん、シンジとユイの面談よろしくお願いします。
あと、タコパパの場面も・・・
面談が終わった5人プラス1人の会話を楽しみにしてます。
...2004/10/17(Sun) 21:03 ID:xXnza6MM    

             Re: 266  Name:SATO
一樹役ですが、平井堅はいかが?
...2004/10/17(Sun) 21:06 ID:xXnza6MM    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:たか
いいですねwなんか重要なキャラなんでw
平井堅さんで行きましょうかw

SATO殿、この時点で印刷すると、163枚になるぞよ
...2004/10/17(Sun) 21:08 ID:3zNVFi3Y    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:ごろ
松本一樹役として妻夫木君はいかがですか?インターン=ブラックジャックによろしく、というイメージですが(笑)。もはや彼も主役級ですからね・・・。出演料高いだろうな。

にわかマニアさん、まさに適材適所の配置ですね。笑わせていただきました。
...2004/10/17(Sun) 21:27 ID:2cK5VS0I    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:たか
面談のシーンから行きますねw

大沢先生「ユイ、シンジ。ありがとな」
先生はふかぶかと頭を下げた。

ユイ「先生、頭を上げてください」

シンジ「そうですよ、生徒に頭下げるなんて」

大沢先生「そうだな、で、本題だが・・・」

ユイ「アキとケンをもう少しの間守ってやってくれ、って言うんでしょ。先生」

シンジ「こいつの鋭さは昔っから恐ろしくてよ」

大沢先生「なんだ、分かってるのか」

ユイ「先生、読みやすいですよ」

大沢先生「分かってるならいいが、頼んだぞ」

シンジ「任せてちょうだい」

ユイ「先生、アキたちとは話したんですか?」

大沢先生「ああ、みっちり叱っといた」

シンジ「まぁ、あいつらも、これで少しは落ち着くだろう」

大沢先生「ああ、そうだな。ところで、お前達は、デキてるのか?」
教師らしからぬ発言だった。ユイはあせった

ユイ「だ、誰がこんな奴、と、できるはずが、ないでしょう」
どこかしらギクシャクしていた

シンジ「俺がこいつとできてたら、毎日が地獄ですよ」

ユイ「何よその言い草は」

大沢先生「ま、男女交際も程々にな。受験生なんだから」

ユイ「違いますっ」顔が真っ赤だった

大沢先生「ははは、顔が赤いぞ」

シンジ「まったく」

ユイ「お話が終わりなら、帰ります」
少し怒った感じだった

大沢先生「ああ、じゃあよろしくな」

シンジ「お任せあれ」
相変わらずの調子で言った
ユイ「シンジ、早く行こっ。レイコも待ってるし」

シンジ「そうだな。じゃ先生、失礼します」

大沢先生「気をつけて帰るんだぞ」

シンジ・ユイ「はいっ。失礼します」
ガラガラガラ、ぴしゃ

こんな感じでw

一樹に妻夫木君もいいですね・・・けど、出演料がすごくなりますよ
...2004/10/17(Sun) 21:43 ID:3zNVFi3Y    

             Re: 209  Name:SATO
たかさん、ロッテの「のど飴」のCMのことでしょ?間違いなく長澤まさみちゃんですよ。
電車の中に広告が貼ってあって、まさみちゃんの名前がクレジットされてました。
髪切ったマサミはこんなイメージなんだな、と思いました。
...2004/10/17(Sun) 22:41 ID:xXnza6MM    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:ごろ
↑homepageのアイコンをクリックすると、整理用サイトへいけます。とりあえず、急造ですが・・・。
Apo.さんのシーンなど、まだ入れておりません。
ご意見などを承ります。

今日は、さすがに、ちょっと疲れました。
おやすみなさい!
...2004/10/17(Sun) 23:19 ID:2cK5VS0I <URL>   

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:朔五郎
前半部の欠けていた部分を埋めます。
62(将来の夢その1)の続きで73(アキの夢)につながります。なお、たかさんのシーン63(将来の夢その2)は、ほとんど全部この中で使わせて頂きました。たかさん、ご了承ください。

アキ「私、絵を描きたいの・・・」
智世「あんたはね、この薬局を継ぐことになってるのよ」
アキ「私は絵を描くの」

必死に抵抗する亜紀
智世はスケッチブックを拾い上げて、破り捨てる。

アキ「ああ、ひどい」

大粒の涙が亜紀の頬をつたう。

智世「とにかく、次そんなことを言い出したら家に入れないからね」
アキ(嗚咽をもらす)
智世「わかったら早く部屋に戻って勉強しなさい!」
アキ(悔しそうに唇をかみしめる)

その夜、亜紀が勉強している間

達明「お前、今日のはいくらなんでもひどすぎるぞ」
智世「何がよ」
達明「亜紀のスケッチブックを破っただろう。誰にでも大事なものはあるんだ。それを踏みにじるようなことはよせ」
智世「あんなものがあるから亜紀は薬剤師になろうとしないのよ」
達明「だから、亜紀の将来を俺達が決めることはないだろう」
智世「あの子は薬学部に入れるの」
達明「(智世の顔を見ながら)最近のお前、ちょっとおかしいぞ」
智世「私は普段通りです」
達明「何をそんなに追い詰められたようにしてるんだ?」

夜中、達明が寝た後

智世「(心の中で)アキを、アキを叩いてしまった」

智世、自分の右手を見つめ、涙を浮かべながら畳に叩きつける。

アキ、部屋の窓から、三日月を見つめている。
メールの着信音

ケン(語り)
夏休みに入った数日後、街でアキに出会った。

ケン「アキ、あ、おい、アキ」

ケン(語り)
アキはほとんど放心状態といった感じで歩いていた。

ケン「おい、アキ」
アキ「(力無く笑って)ああ、ケンちゃん」
ケン「図書館の帰りか?」
アキ「うん」
ケン「元気ないな、何かあったの」
アキ「うん、ちょっとね」
ケン「コーヒーでも飲まない?」
アキ「うん」

ケン(語り)
ちょうどその近くに「港町」という喫茶店があった。こんな田舎なのに、コーヒーが美味いと評判の店だ。特に夏場は、ヒョロ長いサイフォンで一日かけてつくる、水出しアイスコーヒーが名物だった。

ケン「アイスコーヒーふたつ。アキ、通知表のことで怒られたか?」
アキ「それはいつものことだから」

沈黙

アキ「人間が生きている理由って、何かな?」
ケン「この間、大沢先生に言われたことか?」
アキ「なんか、わかんなくなってきちゃった」
ケン「そりゃ、そんなに簡単にわかるようなことじゃないだろう」
アキ「ケンちゃんは、将来会社を継ぐんでしょう?」
ケン「うん」
アキ「他にやりたいこととか、ないの?」
ケン「オレ、海が好きだからさ。やっぱりそれに関係する仕事がいいんだ。会社を継ぐっていっても、毎日現場に出るつもりだし、自分には向いていると思うよ」
アキ「それで、マサミみたいに、きれいでしっかりした奥さんをもらって、か」
ケン「はあ?」
アキ「いいなあ、ケンちゃんは」
ケン「もしかして、お母さんと何かあったの?」
アキ「・・・実は」
ケン「ケンカしたのか」
アキ「ぶたれちゃった」
ケン「うわ」
アキ「私、何のために生きているのかわからない」
ケン「アキ、少し歩くか?」

(防波堤)
ケン「月が出てきたね」

上弦の月が海の上に出ている。

アキ「お母さんは、私がケンちゃんと会うのだって面白くないみたいなんだ。そんなことしてるから、いい点がとれないんだって。ジュリエットになった気分よ、全く」
ケン「じゃ、休み中は図書館で一緒に勉強しよう。わからないところ教えてやるからさ」
アキ「ほんと?」
ケン「だってオレのせいにされちゃ、かなわないもん」
アキ「ありがとう。あ、不思議なことがあるんだ。この間も言ったけど、このごろ、メールが届いてもいないのに着信音が鳴るの」
ケン「気のせいじゃないの?」
アキ「それもね、お母さんとケンカした後とかが多いのよ」
ケン「そりゃ、不思議な話だね」

アキ「・・・でも、月って残酷だよね」
ケン「はあ?」
アキ「月が言うのよ。ほら、海の上に道ができているだろ、その上を歩いてくれば手が届くよ、さあ、おいでって」
ケン「(心の中で)またヘンなこと言い始めた」
アキ「私がその道を歩こうとすると、月はたちまち雲に隠れて、道は消えてしまうの。ひどい、溺れて死んでしまうじゃない、って怒ると、月はまた顔を出して、おだてられてイイ気になる方がバカなのさって、冷たく笑うのよ」
ケン「アキ」
アキ「ちょっと先生に褒められたくらいで絵画の道に進みたいなんて、やっぱり間違ってるのかな・・・」

ケン(語り)
アキはいつまでも月を見ていた。

アキ、家に帰ってくる。

智世「アキ、こんな時間まで何やってたの?まさか、あの子と遊んでたんじゃないんでしょうね」

メールの着信音

*************************

ごろさんへ
HPの立ち上げ、ありがとうございます。と、言いながら変更してしまいました。申し訳ありません。
...2004/10/17(Sun) 23:28 ID:0PCWIsSM    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:yosi
ごろさんhp立ち上げ有り難うございまうす
さきほど一気に読みました(^^ゞ
改めて皆さんのうまさに感服です
ネーミングも良いですね(^_^)ニコニコ
「世界の中心で、かってに、愛をさけぶ」ですか(^v^)
これからの新展開を楽しみにしております
...2004/10/18(Mon) 12:56 ID:md0r7C4Q    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:たか
朔五郎殿、了承しましたw

ごろ殿、HP作成ご苦労様ですw
結構いい感じですね!!これで執筆にも気合が入りますねw

SATO殿、まさみちゃんであってましたか。マサミのショートヘアーはあんな感じですねw
はるかちゃんもまさみちゃんもかわいいですねw
...2004/10/18(Mon) 15:57 ID:PY3mP7DM    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:くれい
ごろさん、HP作成お疲れ様でした。

わざわざ私めの名前まで入れていただいて・・・。

一樹役ですが、瑛太さんなんてどうです?
(う〜ん、これでは若い役どころはウォ−タ−ボ−イズ繫がりになってしまうか・・。)
背が高いですけど、サクに似なくていいかな〜っと。
それとできればといいますか、山崎努さんを加えていただきたいのですが・・・。
役は智代の親父(すなわちアキのおじいちゃん)で。
実は名前は重蔵ということで(笑)
よろしくご検討の程を・・・。
...2004/10/18(Mon) 19:45 ID:74owaI/I    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:ごろ
(↑家のアイコンをクリックすると、このスレの整理・保存・閲覧用サイトへいけます。)

みなさん、早速、見に来ていただいたようでありがとうございます。昨日の日曜は、作成作業に集中してしまって作品の方がお留守になってしまいました。フリーのサーバーを借りたので広告が入ります。お見苦しいですが、よろしくご理解のほどを。よりよい場所があれば移転します。

執筆者の皆様
 基本的に、作業はコピー&ペーストですので、どんどんご自分の作品の修正などしてください。

yosiさん
 それぞれの作品は、文体などのスタイルが当然異なります。それぞれ執筆者の方々の思い入れや得意不得意もあるでしょう。大筋の合意はありますが、それぞれが自分なりに「かってに」自分の思いを叫んでる(笑)でも、通して読んでみると何となく統一感があるんですよね。やはり、ドラマの本編や朔五郎さんの示した大枠というのが前提にあるからなんでしょうか。そして、書く人も読む人もこの原作やドラマが「好き」だからでしょうか。ほかにサイト名が浮かばなかったです(笑)

くれいさん
 ご意見やご感想を書いていただいた方々に感謝を込めて書かせていただきました。やはり、励みになりますから・・・ありがたいです。
...2004/10/18(Mon) 20:05 ID:HSNLyDtE <URL>   

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:ごろ
↑こちらのサイトの方が広告表示が少ないので、
こちらへ移転しようかなって思います。
立ち上げて早々申し訳ありません。
...2004/10/18(Mon) 22:19 ID:HSNLyDtE <URL>   

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:朔五郎
みなさん、こんばんは。
みなさんに質問です。

1、アキの夢
みなさんが、あのシーンを書くとしたら、廣瀬亜紀は何歳位の姿で現れるでしょうか?
ちなみに、私は20代後半〜30と思って書きましたが・・・

2.アイスコーヒー
東日本エリアではアイスコーヒーなのですが、西日本エリアでは違う呼び方でしたっけ?
このストーリーでは、舞台が伊豆地方=東日本エリアということでよろしいでしょうか?

ごろさんへ
HP移転、お疲れさまでした。
...2004/10/18(Mon) 23:01 ID:bnTxlF/Q    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:ごろ
すみません。立ち上げ早々の移転で・・・。
小説サイトということで、画面スクロールが少ないほうがいいかなっと思いまして。
編集者として頑張りますのでよろしくお願いします。

あの夢のシーンの廣瀬亜紀ですが、18歳のアキをやさしく包む母性を感じますので、イメージとしては、ぼくも朔五郎さんの想定に近いですね。アキは母から話を聞いてるし、写真も見てる、そのイメージが顕在化したのがあの夢だとしたら、母のイメージと写真のイメージが混在してるとしたら、やはり、20代から30代の間でしょうか。

関西でもアイスコーヒーで通じます。
レイコーなんて言い方は、古い世代かベタベタの関西人ではないでしょうか(笑)ぼくは普通にアイスコーヒーといってます。
...2004/10/18(Mon) 23:18 ID:HSNLyDtE <URL>   

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:Apo.
朔五郎さん、SATOさん、たかさん、ごろさんこんばんわ。
私の名が脚本に載っていてビックリしました。
ほんの少ししか書いていないのに、恥ずかしいです。(でも、ちょっぴり嬉しいかな?)

広瀬亜紀の年齢についてですが、私は智世とアキの中間位がちょうどいいかなと感じていました。
それから読で感じたのですが、広瀬亜紀はアキでなく「亜紀」、大林亜紀は「アキ」、朔太郎は「朔」と会話の中では書いたほうが感じがいいのではないかと思います。同様にスケは「介」、ボウズは「坊主」です。年代が明確になって読む印象が違います。十代はカタカナに統一しましょう。(提案でした。)
...2004/10/18(Mon) 23:56 ID:Qeu9/NxU    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:にわかマニア
 「レイコー」なんて,ずいぶん懐かしいコトバが出てきましたね。とっくに博物館入りかと思っていました。
 ただ,西日本でも,この呼び方は大阪から広島あたりまでだったような感じもしています。これが四国や九州になると,大阪を飛び越えて東京にむしろ近い部分もあったりしますが,いいか悪いかはともかく,日本列島全体が東京色一色に塗られた感のある昨今ですから,ここは「アイスコーヒー」でいいでしょう。とりわけ,登場人物が若い世代なら,なおさらです。
...2004/10/19(Tue) 04:09 ID:DV0xRJyE    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:Apo.
122の朔五郎さんのものを、いただきました。
勝手に、智世夫婦を薬剤師にしちゃいましたけど、この方が後半の展開に役立ちますよね。
(智世の不安)と題して書いてみました。


 調剤依頼のあった患者さん宅に、薬を届けた帰り道。
 遠くに下校中の高校生の一団が目に入る。その中に、白とブルーのトレーナー姿の女子高生たちがランニングしているのが目に映った。
軽自動車をわき道に止める。智代は遠い昔、亜紀と練習に明け暮れた日々を懐かしく思った。

 ・・・・遠くのほうで・・・・携帯が鳴る音・・・・

智世 (呟く)・・・・(亜紀、苦しかったけど楽しかったね。私、亜紀には何でも打ち明けられた。私の片思いだった介のことも。朔と亜紀が付き合うようになって「亜紀、お似合いね」と、言おうと思ってた。だって、「松本君って、智代の幼馴染なんでしょう。彼って、どんな女性が好みなの?」って、知り合ったばかりの頃、練習の休憩中に聞いたでしょ!あの時、ピーンときたんだ)・・・・・
 (亜紀が亡くなってから、朔は17年かかって亜紀の死を受け入れられたけど、私だって長いこと引きずってたんだよ。親の進めもあって薬剤師になったのも少しは亜紀の病気や苦しみを理解しようと思ったんだ。同じ薬剤師の達明さんと結婚してアキが生まれて、とっても幸せを感じるようになったの。)
・・・(アキが高校に入学してから、アキを見ていると何故か最近、亜紀と重なって見えるようになちゃって、私も年とったわね。)・・・・

智世 「あら、雨。降り出さないうちに急いで帰らなくっちゃ」
 帰宅途中の高校生たちも急ぎ足になる。
 信号のない十字路。徐行する。
 交差する川沿いの道を、左のほうからスピードにのった、二人乗りの自転車が走ってくる。
智世 「まるで昔の・・・・・?」
智世 「危ないなあ。雨の中・・・・・? 二人乗りは・・・・車と接触でもしたらどうするのよ・・・・・?」
 自転車が智代の前を横切る瞬間、29年前の朔と亜紀の姿がフラッシュバックし、目の前の二人の姿と重なる。
智世 (叫び声) 「アキ・・・・・!」
 (自転車の後ろに乗っていたのはアキ、それにケンが・・・・)
 たとえようのない不安を感じる。次の瞬間、棺の中で微笑む亜紀の姿が目に浮かぶ。・・・・・・・・
智世 「・・・・・・・・アキ!(手で顔を覆う)」
・・・・・・
智世 「亜紀! 駄目。アキは私の大切な子よ・・・・」
...2004/10/19(Tue) 16:47 ID:7VZICHOU    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:たか
私もアイスコーヒーと言いますね。うちの母はレイコーと言ってますが・・・

タコパパでのシーンを・・・


たこ焼きパパさん・・・ユイとレイコとシンジが1番に来ていた

ユイ「おっそいなぁ〜」

シンジ「もう少しで来るって」

レイコ「大沢先生と話してるんでしょう?」

ユイ「あの先生話長いんだよね」

シンジ「ちくってやろうか?」

ユイ「勝手にすれば?」
そこへ、ケンとアキがやってきた

ケン「ごめんごめん」

アキ「怒られちゃった」

ユイ「そりゃそうでしょう」

シンジ「もうちょっと回りを見て行動しろよ」

ケン「悪い悪い」

レイコ「でも、なんかかっこいいよね」

ユイ「何が?」

レイコ「愛する人のために、お金ためて、NYに行こうとするなんて、まるでドラマみたいじゃない?」

シンジ「レイコって結構、あれだな」

レイコ「あれって?」

シンジ「いや、なんでもないよ」

レイコ「言ってよぉ〜」

シンジ「や〜だよっ」

レイコ「ふんっ」
レイコは頬を膨らませた

アキ「あ、マサミだ」

マサミ「ごめんごめん」

ユイ「おっそーい」

アキ「まぁまぁ」

ケン「よし、パパさん、たこ焼きとコーラ人数分ね」

パパ「あいあい、ちょいと待っておくれ」

ケン「文化祭、盛り上がったんだって?」

シンジ「おうよ、この俺様のおかげで見事に・・・いでで・・・」
マサミが耳を引っ張った

マサミ「あんたねぇ、一番困った人の前でよくそんなことが言えたものね」

シンジ「いいじゃねぇか」

レイコ「でもシンジ君面白かったよ」

シンジ「やっぱりそうだろ?」

マサミ「レイコ、そんなこと言ったらまた調子に乗るんだから」

シンジ「いいじゃねぇか、なぁレイコ」

レイコ「うん」

ケン「シンジ、出来てるのか?」

シンジ「バカ言えお前・・・」

レイコ「できちゃってまーす」

シンジ「レイコもバカ言ってんなよ」

レイコ「てへっ」

シンジ「まったく」

パパ「ほい、人数分と、サービス」

ケン「わぁ、ありがとうございます」

アキ「食べよっか」

ユイ「それでは、アキとケンの無事を祝って、乾杯〜」

皆「かんぱーい」

ケン「やっぱ、うめぇ〜よパパさん」

アキ「久しぶりに食べるからなおさら美味しい」

シンジ「久しぶりだな、こうやって騒ぐのも」

レイコ「そうだよね〜あっ、アキさん、ケン君。私、山川玲子って言います、よろしくお願いします」

アキ「うん、ユイの親友なんだよね?」

レイコ「うん、レイコって呼んでね」

ユイ「アキ、東京はどうだった?」

アキ「怖かったよ」

ケン「怖くないところもあるんだろうけど」

ユイ「そっか」
皆食べ終わるとレイコがマサミの元気のなさに気付く・・・

レイコ「マサミ・・・どうしたの?」

マサミ「へっ?あ、ううん。何でもないよ」

ユイ「顔、青いよ?」

マサミ「生まれつき、生まれつき・・・」
バタッ・・・マサミは倒れてしまった

ユイ「マサミ?マサミ?」
ユイが心配そうにマサミを揺らす

シンジ「まて・・・寝てる・・・」

アキ「へ?」

シンジ「寝息がたってるから」

レイコ「ここんとこ、寝てないんじゃない?」

ユイ「そうだろうな、悩んでたりもしてたんだろうし」

シンジ「ケン、おぶって帰ってやれ」

ケン「何で俺が」

アキ「ケンちゃん、私それくらいじゃ嫌いになんないから」

ユイ「方向が一緒なのケンだけだし」

レイコ「起こして歩かせるのもなんかねぇ」

ケン「分かったよ仕方ねぇな」

シンジ「じゃ、今日はお開きにしますか」

アキ「楽しかった」

ユイ「そいじゃ、ケン私達こっちだから」

ケン「おう」

アキ「ケンちゃん、バイバイ」

ケン「バイバイ」

続き、ケンとマサミの帰り道
...2004/10/19(Tue) 17:12 ID:K9HhUYN6    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:たか
続き・・・

マサミ「うん・・・むにゃむにゃ」

ケン「目覚めたかシンデレラ」

マサミ「え?え?あれ?」

ケン「目覚めるのを待ってたんだ」

マサミ「大木君・・・」

マサミは夢を見ていたのだった・・・

マサミ「むにゃむにゃ・・・あれ?え?」
ケンは起きたのを確認するとマサミをおろした

マサミ「わわわ、大木君ごめんなさい。何で私?え?」

ケン「お前、疲労で寝ちゃったんだよ。それで、方向が一緒だったし、運べって皆に言われて。謝られる筋合はないよ、礼なら分かるけど」
ケンはどこか冷たかった

マサミ「あ、ありがと・・・」

ケン「もういいだろ、じゃあ」

マサミ「あ・・・あの・・・」

ケン「何?」

マサミ「なんでもない・・・ありがとうね、じゃあまた明日・・・」
ケンは返事もせず去っていった・・・

マサミは泣きながら帰っていた・・・

短くなってしまいました、すみません。この後ケンとマサミは卒業式までぎこちない関係を続けますw
...2004/10/19(Tue) 17:51 ID:K9HhUYN6    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:SATO
たかさん、「タコパパ」の場面待ってましたよ。
これからレイコがどう絡んでいくか楽しみですね。
しか〜し!!ケンよ、そこまでするか?って感じですね。こりゃ、早く律子に引き合わせてあげないと、マサミは壊れちゃいますね。
...2004/10/19(Tue) 19:09 ID:3Sn.xT8o    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:たか
SATO殿、マサミ救出お願いいたします(笑

設定的にケンは多少マサミを避け気味、マサミも何度か喋ってみるがうまくいかず・・・日に日にマサミは不安になる一方、そんな2人を見て、限界と感じた大沢先生が律子と会わせ、手品を教えるように頼み、次第にケンのことが頭から離れ、笑顔が増えた・・・笑顔の増えるマサミを見て、ケンは少し愛想よくなった・・・そして卒業式で晴れ晴れしい別れといった感じでいかがでしょうか?
...2004/10/19(Tue) 19:16 ID:K9HhUYN6    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:SATO
たかさん、そうですね、この間のマサミの面談(No256)をちょっと換えてみます。
たかさんにはマサミにつれないケンを書いていただいて、そのあと大沢先生が救いの手を差し伸べる、という展開にしましょうか。

No.256の修正

(放課後・美術室)

ケンとアキの復帰初日。
マサミたち5人は大沢先生から話があるからと、個別に呼ばれていたのです。アキ・ケン・ユイ・シンジが終わり、今度はマサミの番です。

大沢「それでどうだ?アキやケンとはちゃんと向き合えたか?」
マサミ「今日、学校来るときに思い切って声かけてみました。わたしがぶったこと、全然怒ってませんでした。逆に迷惑かけてゴメンって謝ってきたんです。お互いに割り切ろうって言ってくれました。」
大沢「そうか、よかったな」
マサミ「でも・・・大木君は・・・彼の家に様子を見に行ったんです。休んでる間のノートを貸してあげるってことで。あわよくば・・・って思ったんですけど・・・わたしが来たこと、迷惑そうな顔してて・・・(涙ぐむ)やっぱりアキさんだけだったんです・・・もう、わたしは入り込めないって・・・だから、大木君には、自分自身のこれからのことも考えてって・・・わたしだって、大木君のこと思ってるんだよって・・・伝えたかった・・・(しゃくり上げる)」
大沢「そうか・・・」
マサミ「アキさん・・・一緒に学校来たとき、本当に屈託なく笑ってるんです・・・憎い恋敵のはずなのに、そんなアキさん見てると・・・嫌いになりたくてもなれない・・・(涙)」
大沢「いいじゃないか、嫌いにならなくても。そのほうが余計なエネルギー使わなくて済むぞ。」
マサミ「(しゃくりあげる)ウッウッ・・・」
大沢「こういうことは時が解決してくれるさ。それに、今回思いっ切り泣いたことがこれからの人生の転機になるかも知れないぞ。俺もマサミくらいの頃にそういうことあったからな」
マサミ「先生も失恋したんですか?」
大沢「失恋じゃないけど、悲しい思い出があってな、今の仕事に就こうと思ったのはそれがキッカケだったんだ・・・実は、ケンとアキにも話したんだけどな・・・・」

といって大沢先生はあの「9.11」の話をマサミに聞かせました。(No260:朔五郎さんの大沢先生の回想シーン)

マサミ「(感慨深そうに)そうだったんですか・・・・」
大沢「すぐに吹っ切れるとは思えないが、一生懸命勉強して、本を読んで、マサミがこれからどう生きていきたいのか、じっくり考えてみるといい。何かあったら相談にのるから、いつでも言いにこいよ。」
マサミ「(涙をふく)はい・・・では、失礼します」

マサミが美術室から出て行く。


−−−しかし、ケンはますますマサミにつれなく・・・(たかさん、お願いします)−−−−



ある日の美術室
大沢先生に呼ばれたマサミ

マサミ「先生、お話ってなんでしょうか?」
大沢「たしか、マサミは手品が得意だったよな?」
マサミ「ええ・・・」
大沢「実はな、うちの女房なんだが、手品が趣味なんだ。でも、ちっとも上達しないんだよ。毎回同じ手品ばかり見せられて俺もウンザリしてるんだ。そこで頼みなんだが、マサミ、うちの女房に手品を教えてやってくれないかな?」
マサミ「えっ、わたしがですか?」
大沢「(頭をかきながら)ここはひとつ頼むよ。夫婦仲のピンチなんだ、俺を助けると思って・・・なっ、頼むよ(手を合わせる)」
マサミ「(クスッと笑う)わたしでよろしければ、お引き受けしますけど」
大沢「よし、決まりだ」

という感じでいかがですか?
...2004/10/19(Tue) 20:54 ID:3Sn.xT8o    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:朔五郎
夢のシーンについて
ごろさん、Apo.さん、ご意見ありがとうございました。
少しほっとしました。
実はあのシーンは非常に悩みました。
そもそも、廣瀬亜紀を出してよいのか?というのがありました。やはり、一種の「禁じ手」のような気がしまして・・・
で、最初は夢ではなく「シンジとユイが、一晩夢島に泊まりに行ったらホタルがとても綺麗だった、と得意げに話すので、自分も連れて行って欲しい、とケンにせがむ。ケンは、惚れた女とは夢島には行くな、と言われているから、と拒むが、ユイたちは連れて行って私は連れて行かないの?とダダをこねられ仕方なく連れて行く。
島でケンとはぐれたアキは亜紀と出会う」という筋を考えていました。しかし、亜紀が、あれだけ苦しんだ朔の前には一度も現れず、突然アキの前に現れるというのはちょっとアレかなと思いまして、夢の中ということにしました。

アイスコーヒーについて
ごろさん、にわかマニアさん、たかさん、ありがとうございました。安心して「アイスコーヒー」にできます。

Apo.さん、122のリメイク、ありがとうございました。なるほど、こういう風に引き締めるのですね。とても勉強になりました。

たかさん、SATOさん
マサミをよろしく(涙)

で、30年経った2016年、タコパパって誰が経営しているんでしょう(笑)
...2004/10/19(Tue) 20:55 ID:ZVH3Qls.    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:たか
SATO殿>承知致しましたよw

話題が変わるんですが、ついに山田君もCMに出演してました。これで・・・


綾瀬はるか→パンテーンのCM
長澤まさみ→のど飴(ロッテ)
森山未来→何かおやつ(玄米とか言ってる)
山田孝之→何のCMか忘れました(何だっけ?)

セカチューメンバーの活躍はうれしいですねw
...2004/10/19(Tue) 20:57 ID:K9HhUYN6    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:朔五郎
たかさん、

緒方サク→ハウス北海道シチュー

忘れてますよ(笑)
...2004/10/19(Tue) 21:02 ID:ZVH3Qls.    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:SATO
ついでに、

大沢たかお→キリンラガービール
...2004/10/19(Tue) 21:32 ID:3Sn.xT8o    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:たか
朔五郎殿>あっ・・・(笑)

SATO殿>あっ・・・(笑

記憶力が・・・
...2004/10/19(Tue) 21:45 ID:LlDB//Wk    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:たか
SATO殿>マサミですが、結構シビアに行ってもいいですか?結構やり込めておいて、ゆっくり回復といった感じで?
構いませんかね?
...2004/10/19(Tue) 21:53 ID:LlDB//Wk    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:SATO
たかさんへ
マサミを冷たくあしらうケンの描写はたかさんの感性にお任せします。
ちょっとケンを悪者にしてユイやシンジに「何もそこまで・・・」と文句を言わせる展開も面白いかも・・・

今年の日本シリーズ同様、マサミとケンのことは一筋縄ではいきそうもありませんな。
...2004/10/19(Tue) 22:54 ID:3Sn.xT8o    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:SATO
話題に乗り遅れましたが、サクの息子、一樹役に小橋賢児はいかが?
ちゅらさんの夫の青年医師を演じてた人です。
山田孝之君の義兄役でもあります、参考まで。

※最終的には一樹を出したごろさんに決めていただきましょう。
...2004/10/19(Tue) 23:29 ID:3Sn.xT8o    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:Apo.
朔五郎さんに褒めていただいて、恥ずかしくなってしまいます。
自信が湧いてきました。

気になってることがあります。何故、朔太郎に遺言のテープが無かったのでしょう。朔パパの潤一郎達にもあったのに。
それで、実は残っていたとの前提で構想を練っています。
テープの本数が無くなり、仕方なく朔パパ達へのメッセージの後に入れてあった。ところが、それに気が付かず、ずいぶん後になって判明した。
ケンとアキにソラノウタの絵本を披露した後、朔は潤一郎から聞かされるとのストーリーです。

よろしかった書かせてください。
...2004/10/19(Tue) 23:55 ID:7VZICHOU    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:SATO
Apo.さん、お待ちしてます。
...2004/10/20(Wed) 00:57 ID:VvSca7cs    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:にわかマニア
 Apoさんご提起の問題は,いろいろ議論にもなったところです。最後まで行動を共にするのだから直接遺言するつもりだったとか,絵本がそれに相当するとか・・・
 それに,もし,サクにテープを残すつもりだったら,忘れていたから付け足しでってことになるでしょうか。いの一番に吹き込むのではないでしょうか。
 そういうことも含めて,ここはもう少し,皆さんで議論してからストーリーに盛り込むかどうかを決めてはいかがでしょうか。
 皆さんは,どうお考えでしょうか。
...2004/10/20(Wed) 01:27 ID:F6vw4xCw    

             Re: 世界の中心で、愛をさけぶ 2  Name:管理人
このスレッドにはもう書き込めないので過去ログに送らせてもらいます。
続きはこちら。
http://www.alived.com/cgi/yyai/yyplus.cgi?mode=new_html&no=5871
...2004/10/23(Sat) 20:00 ID:ArHBu8xs    

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