| | 以前,ここで扱われたテーマに,サクは亜紀を看取ることができるかというのがありました。 「か〜ちゃん」さんや「natetta」さんは,看取ることができたらその後17年も引きずらないだろうというご意見でしたし,「親方」さんや「サクだろう」さんは原作者がそういう設定にしたことのメッセージ性を重視するお立場でした。 結局,看取ることはできなかった訳ですが,同じ結論でも微妙に設定が違いましたね。待合室でサクが父からコーヒーを受け取るところは原作と一緒でしたが,病室に呼ばれる原作と違って,そこでサクは倒れてしまいます。映画では,サクを気遣った亜紀がテープで別れを告げます(実際には律子が事故に遭い届けられませんでしたが)が,ドラマでは,その要素の一部が病室でのプロポーズの前段に回され,映画における動機付けがの弱さをカバーしていました。 今回,同じ「看取れない」という結末にしても,倒れたというサクの側の事情で看取れなかったという設定は予測できませんでした。最期に亜紀にはサクの名を呼んで欲しいというのはドラマの視聴者やこのBBSの読者の皆さんの共通の気持ちでしたが,それを果たす一方,その場にサクはいない。サクもまた燃え尽きて倒れてしまった(疑似的な死)。だからこそ,病室から連れ出すという原因をつくった自責の念とともに,傷を深くし,その後の魂の彷徨へとつながっていったのですね。
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