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過去ログNo1
原作についての質問です  Name:†Infinity Heaven†
初めまして、宜しくお願いしますM(_ _)M

原作を読んでいて、ふと疑問に思ったことがあります。

アキが死んでしまってからの朔太郎と祖父の会話で、朔太郎が
最後に彼女は僕に会うのを拒んだ(うろ覚え)
と言い、祖父が
わしらは2人とも恋人の死に目にあえなかったわけだな(うろ覚え)
っぽい言葉を朔太郎に向けて言っていたのですが、実際、アキはいつ死んでしまったのでしょうか?

自分は、空港で倒れて病院に運ばれてからアキが「お別れね」「あの日のこと覚えてる?」と言い、朔太郎が(アキも?)夢島のことを回想している間にアキが静かに息を引き取ってしまったと思い込んでいたのですが、
「最後に彼女は僕に会うのを拒んだ」と言うセリフからすると、自分の解釈がどうも間違っていそうな気がしてきました^^;

皆さんの解釈を、教えてください^^
...2005/11/26(Sat) 13:12 ID:rlcA5Ty6    

             Re: 原作についての質問です  Name:にわかマニア
 難問中の難問です。
 過去ログの15番に,そのものズバリ「最後のとき、彼女はぼくに会おうとしなかったんだ・・・について」という題名のスレ(「サクたろう」さん提起)がありますので,まだご覧になっていらっしゃらなければ,参考にして頂ければと思います。以下は,そこに投稿したものの再掲です。


 結果的に10年以上も届くことがなかったものの,テープを通じて「もう会わない方がいい」と言われた映画,サクもまた倒れているうちに逝ってしまったドラマに対し,唯一,空港で倒れて再び病院に担ぎ込まれた後も直接会話しているのが原作なのですね。
 そこで亜紀は,「自分がどこへ行くか判っている」し,「ここからいなくなっても,いつも一緒にいる」と述べ,そういう自分を「また見つけてね」と言っています(160頁)。このセリフは,明らかに,空港へ向かう車中での「わたしがいなくなっても世界はありつづける」し,「この幸せを・・・どこへでも・・・持っていく」というセリフ(154〜155頁)を受けたもので,亜紀のサクに対する遺言のような位置づけになっています。
 原作が明示的に描いているのはここまでで,後は解釈で埋めていくしかありません。今わの際の病室で,これだけのやりとりをしておきながら,後日の祖父との会話の中で「最後に会おうとしなかった」と言っているのは,心電図の波形が平坦になる瞬間に枕元にいなかったということを指しているのでしょうが,既に最後のメッセージは直接本人から受け取っていることとの関連で,どう考えるかです。
 亜紀としては,上記の会話で「伝えるべきことは全て伝えた」と思っていたでしょう。その上で,物語全体のテーマとの関連で言うならば,亜紀のメッセージを受け取ったサクが「点在」から「遍在」に遷移した亜紀の存在を実際にどう感じるようになったかを表現するため,あえて臨終の枕元には立ち会わなかった設定にしているのではないでしょうか。

 なお,この問題に関しては,既に満杯となり間もなく過去ログ入りとなる「謎解き」スレ(パート1)の15番から50番あたりに,車中での会話や「点在と遍在」の解釈も含めて,かなり詰めた議論が展開されていますのでご参照頂ければと思います。
 本当はダイジェスト的に要点をご紹介できればいいのですが,いろんな方たちがいろいろな角度から考察しておいでですので,とても数行ではまとめきれないということでご容赦ください。
...2005/11/26(Sat) 13:37 ID:nCIniha6    

             Re: 原作についての質問です  Name:†Infinity Heaven†
>にわかマニアさん

お返事していただき、ありがとうございますM(_ _)M
過去ログや、謎解きスレの方も見させていただきました。
驚くほどの議論がなされていて、「おお!」と思うばかりでした。

アキは朔太郎に「自分の死を引きずってもらいたくない」と思いあえて最後には会わなかったのに、
結果として朔太郎はそのほうが引きずって苦しんでしまった…となんともかわいそうな話ですね…。




「死ぬ間際」で思い出したのですが、ドラマの主題歌の「かたちあるもの」はアキの心情を歌った歌ですよね。
映画の主題歌の「瞳をとじて」はアキが死んだ後の朔太郎が喪失感に苦しんでいる場面を歌っている…と言うのはなんとなく予想できましたが、
「かたちあるもの」はアキのいつごろの心情を歌ったものなのでしょうか?
歌詞に、「このまま眠ってしまいたくない」とあったので、これも死ぬ間際かな…と思ったのですが、
そのあとに「あなたをまだ感じてたい」と続いているので考え直してしまいました。
ドラマでも、朔太郎はアキの最後には立ち会えませんでしたし、朔太郎がが目の前に居ない場面のアキが「あなたをまだ感じてたい」というのは少し不思議だなぁ…と思いました。
...2005/11/28(Mon) 09:42 ID:zsissMxo    

             Re: 原作についての質問です  Name:たこ焼兄さん
初めまして。横レスで失礼致します。

>「かたちあるもの」はアキのいつごろの心情を歌ったものなのでしょうか?
歌詞に、「このまま眠ってしまいたくない」とあったので、これも死ぬ間際かな…と思ったのですが、

これはあくまで私見ですが、ドラマ全編を見た後でこの歌詞の部分で浮かんだのは10話の空港で朔の腕の中で亜紀が意識を失うシーンです。「ここ、天国だもん。好きよ朔ちゃん。」と幸せそうな顔を見せて亜紀は目を閉じますが、これが朔に話した最期の言葉になってしまった訳ですね。

そう思った理由としては、DVD特典画像の中の名場面&オールアップ映像の中で「かたちあるもの」が繰り返し流れ、その最後の方の↑のシーンの所で丁度「このまま眠ってしまいたくない」のフレーズが重なったのが印象に残っていたもので・・・ここは偶然ではなく意図したものなのではないかと思いました。

そして最終話、命の灯が消えようとしている病室のベッドで「ウルルに撒いて」とそこには居ない朔に願った亜紀ですが、その時は「あなたをまだ感じて」いたのでしょうか?最期に立ち会う事を唯一拒否した表現がされていないのがドラマですが、その時亜紀の中ではこれからは朔の中で生きて行く、だから在りのままの私を受け止めて、という思いに達していたのかもしれませんね。一方の朔はその思いを受け入れるのに17年の歳月を費やす事になる訳ですが・・・
...2005/11/29(Tue) 00:13 ID:Db5PlbX2    

             Re: 原作についての質問です  Name:†Infinity Heaven†
>たこ焼兄さんさん(「さん」が重なってしまいました すみません^^;)

レスしていただき、ありがとうございますM(_ _)M

空港の中で意識を失うシーン…言われてみれば、マッチしますね。
確かにドラマでは、17歳の朔太郎とアキが一緒に居ることの出来た最後の場面でしたし、歌詞の内容から見ても納得します^^




しかし、17年と言う歳月は本当に長いですね。
後ろ向きながらも、人生を歩んできて17年後にアキの死から「卒業」出来たのは凄いと思います。
自分が朔太郎なら、「アキが自分の中で生きている」と気づくまでは、学校にも行かず廃人状態となりそうな気がして、不思議な気持ちです^^;

「喪失感からの立ち直り」が重要なテーマとして挙げられているにもかかわらず、自分が好きで注目していたのは、青年時代・元気だったころの2人です^^;
特に夢島あたりが一番好きでした^^
しかし、この時代が輝いて見えるのも、「失うこと」があってこそなのですよね…。

この話には死生観や愛について良い意味で色々考えさせられました。
...2005/11/29(Tue) 17:53 ID:VHZki.KI    

             Re: 原作についての質問です  Name:にわかマニア
 ドラマの主題歌の題名である「かたちあるもの」は,原作では178頁の亜紀を亡くした後の「好きな人がいなくなること」についての祖父との会話の中で登場します。このことからも,少なくとも,一番輝いていた時期を歌ったものでないことだけは確かです。
 もちろん,「2人で泳いだ海」など,歌詞の中に登場する情景には,第5話で「最も幸せだった頃」として語られる夢島を想起させるものがあります。しかし,それは,その真っ只中にあってそれを謳歌しているというよりも,回想の中に登場する情景という感じです。

 主題歌のお披露目は放映開始前のプレス発表の席上でしたから,台本が上がる前に,原作や映画を参考にして書かれたものと考えられます。また,喪失感からの復活がテーマの物語の主題歌を亜紀目線で書くとすると,「生きていくあなたへ」ということがメッセージの中心になってくることは想像に難くありません。
 つまり,「ここからいなくなっても,いつも一緒にいる」という原作の160頁の病室での会話や,映画の終盤に登場する「あなたの今を生きて」という最後のテープを念頭に置きながら,「この今を生きるあなたをずっと見守る」という2番の歌詞が書かれたのではないかと推測しています。

 その上で,この歌が「いつ」のことを歌ったのかを考えてみます。「このまま眠ってしまいたくない」という歌詞だけだと,夢島の帰路に倒れた時をはじめ,いくつか候補をあげることは可能です。
 しかし,この歌詞が単に「起きる・眠る」以上の意味を持ち,後に続くメッセージが「生きていくあなたへ」であるとすると,その「時期」は,原作の会話も映画のテープも,空港で倒れてからということの類推から,空港ロビーで倒れて,遠のいていく意識の中でのことではないかと考えています。
...2005/12/04(Sun) 02:16 ID:YD9aSwkE    

             Re: 原作についての質問です  Name:†Infinity Heaven†
夢島の出来事を「遠い夏の日」と言っているのでやはり回想なのですね。

恥ずかしいことに、柴咲さんは予めドラマを見てから主題歌を考えた…と思っていました^^;
なるほど、原作と映画を参考にしていたのですか。
確かに、原作や映画のそれらの場面とかを考えていくと、物凄く納得のいく推測ですね^^
丁寧なレスをありがとうございます^^

空港ロビーと言えば、あの名シーン「助けてください!」の時ですね…
なんとも切ない叫びでした。。

後、アキが死んでからも、朔太郎の中で生き続ける…と言う考察(?)があるのですが、
かたちあるものの歌詞に「ただそばに居ることさえ出来ないけど」というのがありますよね。
これは、、「かたちのないもの」としては朔太郎の中に生きていけるけど、「かたちあるもの」としてはそばに居られない…という意味でしょうか?


お題が「原作についての質問です」にもかかわらず後半、話題が変わってしまったことをお詫び申し上げますM(_ _)M
...2005/12/04(Sun) 14:41 ID:5e3NxBpw    

             Re: 原作についての質問です  Name:にわかマニア
 †Infinity Heaven†さん

>後半、話題が変わってしまった
 どこのスレでも,やりとりを重ねていくうちに,当初の論題から派生した問題について寄り道するということはよくあることですから,お気になさらないで下さい。

 さて,今は過去ログ入りしてしまいましたが,映画やドラマの主題歌や挿入歌についてのスレは以下のようなものがありますので,まだお読みでなければ,参考になさってください。
 過去ログ13番 平井VS柴咲
 過去ログ09番 かたちあるもの
 過去ログ12番 朔と亜紀

 なお,亜紀の「死亡推定時刻」(十津川警部がカメさんを連れて出てきそうな表現ですが)については,謎解きパート2に書いておきましたので,宜しければご参考になさってください。
...2005/12/04(Sun) 16:42 ID:YD9aSwkE    

             Re: 原作についての質問です  Name:†Infinity Heaven†
定期テストの為返事が遅れてしまったことをお詫び申し上げます。

>にわかマニアさん
お気遣いありがとうございます^^
過去ログのほう、ご丁寧に教えていただき感謝ですM(_ _)M

死亡推定時刻…本当に「なるほど」と思いました。
反復の構図、最初は全く気づきませんでしたが、よく考えてみると「そういえば確かに…」と納得させられました^^
しかし本来おめでたいはずのクリスマス近辺の日に悲しい出来事が起こると切ないものですね…^^;




時間があるときに、過去ログ含む全ての記事をのんびりと拝見させていただきます^^
...2005/12/08(Thu) 12:56 ID:Q0.lO.Ho    

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