Name:しお
| | 7話を見返していて、亜紀が外泊してサクの家に来たあと、「明けない夜はないんだよ」と話す浜辺のシーンは満月ですよね。海で自殺しようとしたのはてっきりその次の日かと思っていたのですが(このHPのあらすじでも翌日になっていますよね)、よく見ると、月が半月になっています。1週間ほどあとのことなのでしょうか。すると、この2つのシーンの間はどこで切れるのでしょうか。
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...2005/05/11(Wed) 20:05 ID:jcEBQ9hs
Re: 外泊と入水未遂の日は? Name:say
| | 医者と次の治療に向けての対談の時か、廊下を歩いて407号室の名札が空欄になっている事に気付いたときでしょう。 しおさんが気付かれた通り、1週間後かそれとも5週間後か、少なくとも翌日ではないと言うことですね。
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...2005/05/11(Wed) 22:24 ID:Iy/Y2KPQ
Re: 外泊と入水未遂の日は? Name:しお
| | 今、見返したんですが、亜紀と母親が医者と話をしているときの服装が、その後のシーンの亜紀が真島の部屋に入るときの服装と同じです。亜紀がいなくなったあとの部屋で母親がしょんぼりしていますが、この服装も同じです。すると、医者のシーンからいなくなるまでが同じ日なのでしょうか。 すると、外泊した日と医者と母子で話すシーンの間に1週間以上の期間があるのでしょうか。 外泊の前の日に亜紀は自分の病気を知っています。父親もそのことは知ったわけですから、当然医者にはすぐに伝わったでしょう。 医者と母子が話すのがその1週間後というのも、ずいぶんのんびりだなという気がします。最初に見たときは外泊の次の日に医者が早速母子を呼んで大事な話をしたのだと思っていましたが。 それに、ドラマのこのシーンの前後では、亜紀の心の揺れをほとんど書かずにいきなり自殺未遂のシーンになってしまい、直前の「明けない夜はないんだよ」のシーンからの飛躍に少し違和感を感じました。これはどう考えればいいのでしょう。
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...2005/05/12(Thu) 00:11 ID:VEi.gSW2
Re: 外泊と入水未遂の日は? Name:say
| | 服装については基本的にパジャマ数着のローテーションですからあまり当てにならないと考えています。 同じ日の可能性もあれば違う日の可能性もあるでしょう。
次の治療にはいるには体力をある程度蓄えている必要があるわけですからそれなりの日数が必要でしょう。ですから外泊してから次の治療について医師と話すまでに一週間空いていても不思議ではありません。 病状について患者が知ったからと言って医者と話す必然性はありません。医師と話したいかどうか、それを決めるのは医師でも親でもなく患者本人です。医師の言葉を信じる気になれるかどうか、何を質問すればいいのかなど、話し合いをする上で心の準備が必要なのは患者ですから。 ですからのんびりとかではなく、アキが医師を交えての話し合いをそれまで必要と感じていなかったか望んでいなかったのだと推測できます。
アキの心の揺れは敢えて直接書かなくても、親しみを感じていた同じ病気の人が前触れを感じることなく亡くなった事、母親の言葉を聞いて目眩を感じた事、割れた点滴のビンや床に落ちた布団、そして意味深にもアップになったアキが彼に見せた詩の書かれた便せんのアップで十二分に描かれていると思いますよ。 また入水自殺を図った際に朔に言った言葉でその心がどうあったかはっきり認識できるでしょう。
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...2005/05/12(Thu) 01:05 ID:9YBGxus6
Re: 外泊と入水未遂の日は? Name:say
| | すみません、見落としていました。 母親の服装も同じとの事、そうであれば医師と話し合った当日の夜に入水自殺を図ったのだと言えると思います。
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...2005/05/12(Thu) 01:32 ID:9YBGxus6
Re: 外泊と入水未遂の日は? Name:しお
| | なるほど。医者と会うのはそういう風に時間をかけるものなのですね。 ところで、新たな疑問がわいてきました。 自分が白血病だったと知るということは、亜紀にとっては非常に重大なことですよね。サクは非常にしょげ込んでいましたが、翌日、亜紀は明るく登校しました。外泊の日はいろいろなことがありましたが、亜紀はその1週間(あるいは5週間?)後に真島が死ぬまで、ずっと明るくしていたのでしょうか。 また、その間、真島の病状が悪くなっていることに気がつかなかったのでしょうか。 ひょっとして外泊は1週間ほど続いたのでしょうか。そういえばサクをだまして病気を知る直前には「明日から外泊できる」といっています。「明日だけ外泊できる」ではないです。 しかし、亜紀の両親は夕飯に亜紀が帰ってこないときにしょんぼり「次はあるわよね」と会話しています。一緒に食事ができるのは今回の外泊期間では1回だけとも感じられます。どう考えればいいのでしょうか。
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...2005/05/12(Thu) 09:22 ID:VEi.gSW2
Re: 外泊と入水未遂の日は? Name:say
| | ずっと明るくしていたかどうかですが、しおさんはどう思われますか? その点はアキの性格と置かれている状況から推測するしかありません。 私はずっと明るかったとは考えられません。「あの子以外に悲観的なところがある」という母親の言葉とそれを裏付ける行動の数々、時間があると言うことはそれだけいろいろと考えてしまうという事でもあるわけで、暫く葛藤が続いただろうと思えるし当然落ち込むこともあっただろうと思うからです。
真島の病状悪化に気付かなかったかどうかですが、外で偶然会って話をするのならいざ知らず、わざわざ病室を訪れて話をすると変に噂を立てられかねませんしヤキモチ焼きの朔のこともありますし滅多に病室を訪れる事はなく、外で真島と会うこともなく過ごす日がそれなりに続いたのではないかと想像されます。
言葉の重さを考えれば「明日から外泊できる」より「次はあるわよね」のほうが遥かに重く、「明日から」は単なる言葉選びのミスで外泊は一日だけだたと思います。
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...2005/05/12(Thu) 12:23 ID:tQddnbJ6
Re: 外泊と入水未遂の日は? Name:にわかマニア
| | 確かに,謎ですね。 まず,今は閉鎖された「朔太郎とアキのいる風景」のサイトの「ドラマを深く味わう」の解説では,外泊許可が出た時の満月と夜の海に入るシーンの半月を対比させた上で,月の満ち欠けが登場人物の心理状態を象徴していると結論づけていました。ただ,そこのサイトでも月の満ち欠けの周期と実際の経過時間の関係は未解決だったようです。また,「世界の中心で愛をさけぶMANIACS」のサイトの「カレンダー」のコーナーでは,両者の間に1週間の間を置いています。 もう一つ,心筋梗塞や卒中ならともかく,中庭に出て絵を描いていた真島の容態が悪化したとしても,1日や2日で「即死」ということは常識的にありえないので,その点からも外泊と入水の間には時間差があったと考える方が自然です。
一方,映像の上では「しお」さんご指摘の「服装」の問題がありますが,たまたまローテーションが同じものに重なったとすれば決定的な矛盾にはならないでしょう。
ただ,その場合でも,亜紀は例の詩についての手がかりを探していた訳ですから,その間,1回も真島と会っていなかったのかという疑問は残ります。亡くなる直前は絵を描きに庭に出てこれないどころか,面会謝絶でしょうから,同じフロアにいれば(どちらも400番台)何らかの異変に気づいていてもよさそうなものです。
では,「明日だけ」と「明日から」の違いに着目して,外泊が数日間だと解釈できるかですが,これまた「しお」さんご指摘の「次がある」ことを信じようとする両親の会話が壁になってきます。総集編でも,「たった1日だけの外泊許可」というナレーションがありますから,制作側は亜紀のセリフに関わらず「明日だけ」という解釈をとっているようです。
とすると,やはり外泊は1日だけだったのかもしれません。その上で,以上の疑問をどう考えるかですが, @前向きに病気に立ち向かおうと思って病院に戻ったものの, A真島が調子を崩しているようで,不安になってくる中で, B亜紀自身,心の葛藤に身を置いた1週間だった。 Cやっと,決心がついて,治療方針等について医師と話す気になったが, Dそこで真島が亡くなったことを知り,再び絶望してしまった という流れで一応は処理できますが,「月の形=心象風景」説も捨てがたい部分もありますね。まあ,このあたり,観衆に解釈を委ねている部分があるのかもしれません。
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...2005/05/12(Thu) 12:38 ID:GOnm.o.w
Re: 外泊と入水未遂の日は? Name:say
| | 様態が急変して亡くなったのか、それとも亡くなる直前、面会謝絶状態が暫く続いたのか判りませんが、面会謝絶となっていたとしても、治療中の面会謝絶との区別はつかないのではないかと考えています。
月の形が心象現象を表していたと「も」思います。 昔から満月の日には××が多いというような俗説のようなモノは多く聞かれますしね。 ただ映像自体月をやたらと強調している辺り、単なる印象の強調だけでなくストーリー上の日数もそれだけ要していたと私は思います。
それから服装のローテーションですが、一応大雑把に調べてみたのですが、明らかに日付が異なる場合、綾子の服装が他の日と同じというシーンは確認できませんでした。 勿論それは決定的な証拠ではありませんが、ドラマを作る上での衣装替えの観点からも同じ日という設定なのではないかと思いました。
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...2005/05/12(Thu) 13:51 ID:tQddnbJ6
Re: 外泊と入水未遂の日は? Name:にわかマニア
| | レス4〜8から,以下のように考えられないでしょうか。
@外泊許可は1日だけ 根拠:「また次が」という両親の会話 A入水までには1週間程度の間がある 根拠:月の満ち欠けの周期 傍証:真島も即死とは考え難い B医師から治療方針の説明を受けた日と 真島が亡くなったのを知った日と 入水を図ったのは同じ日 根拠:服装 Cその間の1週間は,自分の病気や真島の病気の ことで心の葛藤を抱えて過ごした。
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...2005/05/12(Thu) 17:27 ID:GOnm.o.w
Re: 外泊と入水未遂の日は? Name:しお
| | みなさんすごすぎます。 なるほど、真島さんは治療中の面会謝絶か危篤の面会謝絶かわからない状態だったんですね。 2日で死んでしまうのもありえないですね。 (1週間というのはありえるんでしょうか?) よく考えてみると、亜紀は1週間、外泊の日のように、表面上だけ明るくすごしたとは思えないですよね。本当の病名がわかった後、わざと考えないようにして外泊の日を無理して元気に振舞ったわけですから。 死の可能性が非常に高い病気を自己受容するまでは期間が必要です。 「死にたい」という気持ちと「それでも生きる」という気持ちの間でゆれ動いていた1週間であったと思います。(この期間がドラマでかかれなかったのは残念です。すごく重要な期間だと思います。ドラマのこの回は内容が多すぎて尺的に盛り込めなかったのでしょうか?)
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...2005/05/12(Thu) 22:55 ID:eVapUjP2
Re: 外泊と入水未遂の日は? Name:一介のファン
| | 結構このドラマは、心的状況とか気持ちの転換点とか、あえてそうしているような気もしますが、描かれていないことが多いですね。実は大切なシーンや台詞のように思えるのに、説明がまるでないとか、繰り返し鑑賞してやっと気づいたといったものもあります。だからこそ、見応えのある名作といえるわけですけどね。 7話で言うと、白血病だと明らかになった夜、「よく合わせてくれたよね」「なんでさ・・・」とサクあるいは自分の体を責めた翌日に、突如といった感じで、亜紀は明るい顔で登校します(それも元気いっぱいの録音テープ付きで)。が、どうして彼女の思いが切り替わったのか説明がありません。(私は、基本的には切り替わってないと解釈してますが・・。)また、佐藤医師から亜紀が説明を受けるところでは、医師が「わかった」と答える場面から始まりますが、その前に亜紀が何を言ったのか、考えてみるとわざと省略したようでもあり、何となく意味深に感じられますね。 それから月の満ち欠けについてですが、6話ラストの病室の前、二人が再会しサクが亜紀を抱きしめるシーンで、「もしも亜紀が笑えるなら僕は一生笑えなくていい、もしも亜紀が泣きたいなら僕は一生我慢する」というサクの言葉がありますが、そこから察して、サクと亜紀の思いの一致度も象徴してるのではないかと、個人的には思っているのですがいかがでしょう。つまり二人の心の凹凸がぴったり合っているとき、お互いに想いあっているときが満月、それが離れているときに欠けてくる、と。そうすると7話の冒頭、現在のサクが自殺しようとして失敗したとき、見上げた空に満月が輝いており、亜紀の声がどこからか聞こえてくるところも解釈できるのではと思うのですが・・・。(もっともこの解釈は全話について当てはまるわけではないかもしれませんが。)
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...2005/05/14(Sat) 21:25 ID:5mrpqBn.
Re: 外泊と入水未遂の日は? Name:しお
| | 一介のファン さんこんにちは
>7話で言うと、白血病だと明らかになった夜、「よく合わせてくれたよね」「なんでさ・・・」とサクあるいは自分の体を責めた翌日に、突如といった感じで、亜紀は明るい顔で登校します(それも元気いっぱいの録音テープ付きで)。が、どうして彼女の思いが切り替わったのか説明がありません
そうですよね。サクが翌朝驚いたように、私たちも見ていて驚きました。亜紀は、今までは「すぐに直って普通の生活に戻れる」と思って入院していたわけですから、サクをだまして病気を聞き出した、この日のことは、人生で1番の衝撃だったと重います。 亜紀に1晩でどんな心理変化があったのでしょうか。たぶん1番中、考え続けて、寝てないですよね。(寝不足だったという説明は図書室や堤防で寝るシーンで説明しているのかもしれませんが)。 それなのに、早朝には明るく見せかけるようなテープを吹き込んでいます。 朝方まで考えた結論が、「病気の否定(病気であることを心理的に拒否する)」だったのでしょうか。たしかに、ふつう、病気の受容の前には、否定があります。自分は夢を見ているのだとか、病気だということは実は架空のことなのだという心理状態です。 しかし、そうだとすると、朝方のテープの内容「今日1日は病気のことを忘れて・・」のような言い方をするでしょうか。まったく病気のことに触れないテープを作るような気がします。 仮に、病気の否定の心理だったとすると、外泊日の夕方、サクの母親に「本当のことを言っていいですか」と告白するところで、「病気の否定」から「病気の自覚」に進んだのでしょうか。もちろん、進みつつ、戻りつつ、を繰り返して受容が進むのですが・・。 外泊の後は、徹夜明けということもあって2日ほどは自宅と病院で寝てばかりだったと思うのです。そのときには体力的にも疲れているので、うつらうつらしながら悪夢のような状況が無意識に頭の中であったと思います。寝ているときは、おきているときとは違う心理状況になっているので浜辺でサクに「明けない夜はないんだよ」と励ましたときとは別の心理(不安でいっぱいの)状態になったのではないかと想像します。 皆さんのご意見もお聞きしたいです。
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...2005/05/15(Sun) 15:48 ID:yR1j6qoo
Re: 外泊と入水未遂の日は? Name:うてきなぷりぱ
| | 私が思うに、あの日の亜紀の明るい姿は、前日朔太郎をある意味だますような形で、病名を聞き出したことに対する、亜紀なりの、精一杯の償いだったのではないかと考えています。事実、朔太郎は亜紀が外泊許可が出たことすら忘れてしまうぐらいショックを受けてます。テープの病気のことを忘れるというのは、もちろん自分の置かれている状況を理解しつつも、せめて外泊許可がでた、今日一日ぐらいは朔太郎には、変な気を使わずに接してほしいと言う意味合いもあったような気がします。 でもいざ、学校に来てみると、わずかの間のまわりの変化を実感せざるを得ませんでした。介ちゃんは文化祭以降すっかりクラスになじみ、学級委員は別の人に代わっているし。「この際ずっとやってもらえると」というのは、ある意味本心ではなかったと思います。それを察した、谷田部先生も智世もなんとも複雑な表情をしていますし、朔太郎が午後からさぼろうと言いましたよね。図書室での、まわりの修学旅行の会話も、たこ焼きパパさんでの、「いつも何してるの」「お見舞い」という会話からして、学校に行くという普通なら日常生活が、病室で過ごすことが日常生活になっていることをいやようが上にも実感されたのではないでしょうか。
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...2005/05/15(Sun) 16:23 ID:n.vRfIyA
Re: 外泊と入水未遂の日は? Name:一介のファン
| | 昨日も書きましたが、基本的には亜紀の気持ちは切り替わっておらず、整理がつかない状態のままではないか、というのが私の解釈です。自分がかまをかけたとはいえ、よもや本当に白血病だとは信じたくなかったでしょうし、サクから突然知らされた事実に呆然とし、俄かに感じ始めた死の恐怖と、数ヶ月騙されてきたという怒りが亜紀の中でずっと渦巻いていたのではないか、という気がします。
では、なぜかくも元気いっぱいに登校したのか、というと・・・難しいですね。一つには、サクから事実を知らされたとき、「嘘ついてるの、疲れたでしょ。ありがと、サクちゃん」と、あたかも何事もなかったかのように平然と振舞ったわけですから、学校でも落ち込んではいられないと、いわば負けず嫌いの精神が働いたという側面があるのではないでしょうか。それから、うてきなぷりぱさんがおっしゃるようにサクに対する罪悪感というのもあるでしょうね。親友とはいえ全く何も知らない智世には、「重くなる」白血病について触れるわけにはいかないし、嘘をつかれていたとはいえ、結局亜紀にとってはサク以外に救いがなく、サクとの絆だけが本当に病気のことを忘れさせるものだったでしょうから。 いずれにせよ、かくして亜紀は、学校では(サボって下校したあとも)無理をして明るく振舞っていた、そういえると思います。それは、そのあと例の堤防のシーンで感じられました。「一度も好きと言われていない」とピョコピョコ(サクがあとずさりするほど)サクに迫っていくシーンが、ある意味”いまさら”ですし、日ごろの亜紀らしくないと感じられるからです。ただ、サクは学校にいるときからそれに感づいていた。屋上でテープを聴いている途中から、サクの表情が険しくなります。「病気のことは忘れようと思います」は文字通りでしょうが、「コロッケパンが食べたいぞよ」で、亜紀が心の傷まで隠そうとしていることを察知したのではないでしょうか。そこで、「俺の前で無理しないでよ」といい、午後サボることを提案したのだと思います。
話は飛びますが、亜紀のそうした心の傷がついに隠しきれず、抑えきれなくなくなった瞬間、彼女は入水の衝動に襲われた、そういう解釈もできるのではないかと私は思っています。
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...2005/05/15(Sun) 23:50 ID:Qi9T03ww
Re: 外泊と入水未遂の日は? Name:しお
| | 朔への償いですか。 うーん、普通の高校生が、人生で1番の大ショックな事態になったときに、他人のことを考える余裕があったのでしょうか? どうしても、腑に落ちません。自分だったら、高校生のときに、そこまでできなかったと思うのです。 それとも、そんなに深刻に考えていなかったのでしょうか。朔は「6割は助かる」とフォローしていましたが、亜紀も自分は6割だと思い込んで不安な心をしまいこんでいたのでしょうか。
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...2005/05/24(Tue) 20:52 ID:WSyEeeDo
Re: 外泊と入水未遂の日は? Name:say
| | 「ごめん、騙した」というセリフが出ている辺り、気遣いが出来る余地はあったとも思えます。 突然判明したわけではなく、疑いの念を強めて朔を謀りに掛け、結果動揺した朔の表情を見て出てきたセリフです。 白血病と判明したショックが頭の中を駆け巡る中で朔が肯定したシーンも思い返しているでしょうし、また同時に動揺している朔の表情も一緒に思い返しているのではないでしょうか。 このセリフがないか、判明した途端に泣き崩れたりヒステリックになっていればそんな余裕がない状態だったろうと私も思います。 言い方を変えると現実感がなかったのかもしれません。
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...2005/05/25(Wed) 00:39 ID:7qoc3khg
Re: 外泊と入水未遂の日は? Name:一介のファン
| | 償いというと重い言葉かもしれませんが、それに似通った気持ちはあったと思います。白血病と知れても、それで容態が途端に悪くなったわけでもなく、むしろ「いつまで入院させるつもり?」というほど体調はよかったわけですから、直接的な実感はこの時なかったのでしょう。トボトボ元気なく帰っていくサクの後ろ姿を見送れば(また、病院の玄関で朗らかに手をふって見送ったのかもしれません)、亜紀もさすがにここでは、自分の病気のことよりサクに対する呵責を強く感じたんじゃないかと思います。真が「死んでくれ」とサクを責めた後、「ありがとな」と言葉を改めたような心の変化は亜紀にもありえたんじゃないでしょうか。 もちろん、それで心のわだかまりや不安が消えたわけじゃ全くないでしょう。ただ、うてきなぷりぱさんがおっしゃったシーン「いつも何してるの?」に「お見舞い」と即答するようなサクの心を亜紀は実感しているのだから、サクを責める気持ちを持ったことにむしろ後ろめたさを感じるのは、自然なことだと思います。
ところで、7話を見返していて、亜紀の外泊許可時の明るさの一因に、あの真島順平の存在も関係しているような気がしてきたのですが、どうでしょう。ラストの亜紀の入水の経緯を考えても、亜紀にとって真島は無意識でも決して小さくない位置を占めていたんじゃないかと思います。その真島の病室を訪ねたとき、亜紀は「どうして笑ってられるんですか」と尋ねています。結局同じ白血病と判明したとき、不安と怒りの中で苦しみながらも、真島に倣いたい(あるいは負けたくない?)という気持ちが亜紀の中で同時に湧き上がってきたということはありえるのではないかと思います。(もっとも亜紀が明るく登校したのは「慣れ」のせいじゃないでしょうが)。ちなみに似た表現は、サクが綾子に「なんでそういうふうに笑えるようになったんですか」と問うシーンにも出てきます。7話ではこうした「明るさ」「笑う」ということが一つのテーマなのかもしれないとも思えてきたのですが、いかがでしょうか。
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...2005/05/25(Wed) 21:54 ID:YtCxGvJE
Re: 外泊と入水未遂の日は? Name:しお
| | そうですね。亜紀にとって真島の存在は非常に大きかったと思います。最近は難病やがん患者など、同じ病気の人だけで集まって話する会などはよく行われているようです。患者だけでないとできない話があり、医者や家族や友人恋人ではその代わりはできないということだと思います。いくら長い付き合いの人でも病気でない人に病気の人の気持ちはわかりません。 亜紀にとって、そういう意味で、真島は心の支えになっていたと思います。 ひょっとして、亜紀は自分が白血病だとわかったあと、夜は苦悩し、翌朝、真島の病室をたずねて何かしらの会話をしたかもしれません。 その真島が突然死んでしまったので、それがきっかけで、亜紀は自殺をしたのかも知れませんね。 パジャマではなく着替えて病院を抜け出しているので、発作的な自殺ではなく、最初は病院からとにかく出て、どっかにいってしまおうと考えて、着替えて出て、夜になって、知らぬ間に1週間前の浜にたどり着き、その後、そこで絶望感が頂点に達して海に入ったのではないかと思います。
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...2005/06/02(Thu) 05:27 ID:fl1R53fc
Re: 外泊と入水未遂の日は? Name:一介のファン
| | 私が思うに、真島の医学事典を借りてめくった時、亜紀は自己の病気が白血病かもしれないという可能性と同時に、真島の「ばかにするな」という文字に現れている、穏やかで明るいはずの彼の心の奥にある本当の思いを知ったのだと思います。ですから、結局自分も同じ白血病であると判明し、その夜半までひどく取り乱していたとしても、翌日登校した際には、サクをはじめ級友たちに笑顔を見せることができたのは、真島の「何かを失うことは何かを得ること」「朝が来ることが幸せ」という言葉と、激しい心情を抱えながらも病いに対して悠然とつとめ、明るさを保っている彼の姿勢を思い出したからではないか、という気がします。亜紀はそれらを励み、あるいは目標として元気を取り戻した、少なくとも取り戻そうと努力し、そう振る舞ったのでしょう。もっとも当初は、飽くまで「努力」という次元を越えられなかったようにも思いますが。私の印象では、基本的に亜紀は、サクの家で団欒に加わる頃までは結局ずっと心のどこかでイライラというか、ある種のわだかまりのようなものを持ち続けていたように思えます。(彼女のこの隠された心情は、サクの表情や態度の中に表象されているような気がします。)
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...2005/06/04(Sat) 19:25 ID:PqbrF3NM
Re: 外泊と入水未遂の日は? Name:にわかマニア
| | ここのスレには3週間ぶりに書き込みますが,いろいろな方からいろいろな視点・論点が提供されているのを拝見して,改めて物語の奥の深さを感じています。
【「忘れる」ことについて】 往年の名ラジオドラマは「忘却とは忘れ去ることなり」のナレーションとともに始まりましたが,廣瀬・父の最終回のセリフやDVD全集の付録のインタビューでも,「人間は忘れていくもの」であり,「忘れることができるからこそ,生きていける」ということが語られます。 しかし,それは時の経過とともに自然に記憶の彼方に遠ざかっていくものであって,無理に忘れようとして忘れられるものではありません。現に,サクは第4話で恩師から「忘れなさい」と言われた後も苦しみ続け,ついには未遂ながら入水を図るに至ります。 第7話で一時外泊ができた亜紀も,「今日は病気のことは忘れたい」と願います。でも実際には,修学旅行の話題で盛り上がるクラスメート,担任がその話題を避けて次の議題に進もうとしたら長期病欠中の学級委員代行を置いていることが判明,いつもしていることは「お見舞い」と答えるサクと,いやでも「病気」という現実を突きつけられ,「忘れる」ことを許してもらえません。これって,ストレスもたまったでしょうし,残酷な話ですよね。
【告知と医学事典】 今ではインターネット等を通じて手軽に情報が引き出せます。1987年当時も,そこまでではないにせよ,いろいろな情報が入手できるようになりつつありましたし,「知る権利」や患者の「自己決定権」といった主張も登場してきていました。医学事典だけでなく,出されたクスリに刻印されたナンバーから病名,薬品名,効能と副作用を紹介する本も普及しつつあり,隠すことが難しくなった時期でもありました。 辞書類が図書館の貸出対象になっているかどうかの詮索はひとまずおくとして,あれだけの大きな本を丸ごと借りて帰るのは重いし,かさばるので,普通なら必要部分だけをコピーして持ち帰るでしょうから,人気小説ならともかく,「貸出中だった」というのは不自然です。しかも,即答ではなく,答を探す表情がありありでしたから,「見られてはいけないこと」が書かれているのではないかという疑いを持ったでしょうし,真島のことを話しているのに「白血病」というコトバに過剰反応したところを見ると,ひょっとして自分もと考えたとしても不思議ではありません。 これだけ表情が顔に出やすいサクですし,ひっかかりやすいのは第1話のフナムシやガムのおもちゃで実証済です。だから,亜紀はサクにかまをかける前に表情が見やすいように「マスク取って」と言ったのでしょう。 ただ,亜紀にとって,それが杞憂であって欲しいという気持ちも何割かはあったでしょうし,後悔と言う意味では,相手をひっかけたことについての後悔もさることながら,聞かなきゃよかったという後悔もあったのかもしれません。
【倒れて割れた点滴の瓶】 第7話で亜紀が病院を脱け出した時には,点滴の瓶が倒れて割れています(ガラス瓶だからこそできる演出です)。これをパジャマがきちんと畳まれ,宛名を書いてテープが置かれていた最終回と比べれば,激昂しての発作的行動であったことが読み取れます。 一方で,サクの母に対しては,自分から病名を告げています。サクに対して真島の教えを受け売りしているのも,そうして自分自身を納得させているという側面もあるのでしょう。これらを含めて,事実を知ったものの,それを最終的に受容するまでの葛藤の一コマと言えるのではないでしょうか。
それにしても,雨や鼻血に「負けたくなかった」と言い,父親に「いつまで頑張り続けなければいけないのか」と食ってかかった亜紀が,唯一自分らしさの証を示したのが寿命を縮めてまでのウルル行き,それも結局は未遂に終わったというのは哀れというほかありません。
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...2005/06/04(Sat) 22:03 ID:YD9aSwkE
Re: 外泊と入水未遂の日は? Name:しお
| | なるほど。亜紀が病院を脱け出した時には,点滴の瓶が倒れて割れているんですよね。でも、着替えて出かけているわけですね。 とすると、真島の部屋で真島が死んだことを知り、その後部屋に戻り、看護婦が来て点滴が始まり、激昂して発作的に点滴を壊し、その後また考え、落ち着いて着替えて、病院を出て・・・・ その後、あてもなくうろうろして、夜になって、1週間前の海に来てしまい、そして、自殺をはかる。 こういった心の波が感じられますね。 でも、なんで1週間前の海にいってしまったんでしょうか。
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...2005/06/05(Sun) 03:56 ID:CejblE5U
Re: 外泊と入水未遂の日は? Name:にわかマニア
| | >でも、なんで1週間前の海に
まず,これを解く前提として,病院の位置を推理する必要があるかもしれません。 ドラマの舞台は「稲代郡」宮浦町という設定であり,病院の名称は「稲代」総合病院となっています。宮浦町には県立高校のほか総合グラウンド(最寄り駅は宮浦南駅:第4話)も置かれており,稲代郡の中でも主要な位置を占める町と考えられ,稲代郡全体をカバーする総合病院も宮浦町に置かれていると考えても不自然ではありません。 ウルルに向かう際,病院からタクシーで(=最短距離で)乗りつけた駅は,それまでに登場した宮浦駅(片瀬白田)や宮浦南駅(伊豆大川)とは別の駅(サクの行程メモによれば稲代駅=伊豆長岡)でしたが,日常,お見舞いに行く際には,多少息をきらせてこいでいましたが,自転車を利用していました。また,サクが亜紀の入院先を割り出したのは,智世から聞いた亜紀の母親の目撃情報でした。と言うことは,日常的に通勤・通学や買物の際に顔を合わせる範囲からは外れるものの,町の人たちとの接点がまるでない遠隔地というほど離れている訳でもなさそうです。
一方,問題の海(撮影場所が爪木崎ということは無視して)ですが,サクの家で夕食後,亜紀を家まで自転車で送っていく途中,立ち寄って話していた場所ですから,告白した防波堤ともそんなに離れていない場所だと考えられます。
さて,ここから先は全くの想像の世界です。 徒歩圏からはおそらく外れているものの,慣れ親しんだ場所からそんなに離れていないとしたら,自殺者の心理として,見ず知らずの場所と慣れ親しんだ場所と,どちらを選ぶでしょうか。わざわざ遠く離れた郷里に戻るのは松本清張や西村京太郎のトラベルミステリーの中だけの世界なのでしょうか。 それに,病院から衝動的に飛び出したとしても,その時点で気持ちが100%自殺に傾いていたとは断言できません。最初から100%死ぬつもりなら,同じ思い出の場所であっても,砂浜よりも防波堤の衝波ブロックの上から飛び込んだ方がより確実でしょう。 どうしていいか判らず,「あてもなくうろうろ」という状態で思い出の場所を訪ね歩くうちに例の砂浜にたどり着き,そこで発作的に入水を図ったのではないでしょうか。
さらに言えば,止めに入ったサクに対して亜紀の口から語られるのは,「死にたい」というストレートな表現ではなく,社会に出て活躍する生きていく人たちと病気の自分を対比させながらの「今死んでも同じ」という屈折した表現です。これを「今死んでも同じ」だから「今死にたい」と額面どおりに受け止めることはできないでしょう。むしろ,前段で語られたコトバが示しているように,自分も本当は社会に出て活躍したい(=生きたい)というのが真意でしょう。 もし,この解釈が許されるとするなら,17年後に同じ場所で入水を図ったサクによる「本当は生きたい」ということが判ったという小林に対する述懐も,小林の「亜紀さんは松本君の中で生きている」というセリフとの関連も含めて,ますます重みを増してくるのではないでしょうか。
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...2005/06/05(Sun) 16:44 ID:sd3Ez7WA
Re: 外泊と入水未遂の日は? Name:一介のファン
| | なぜ、1週間前と同じ浜で亜紀が入水しようとしたのか、制作者側の意図に着目して考えると、やはり亜紀が直面する希望と絶望との対比を明確にするためだといえると思います。 以下、私の考えを前提として述べますが、主に真島の言動から力を得た亜紀は、外泊許可の出た一日を若干無理しながらも、努めて明るく振舞ってすごします。そして松本家で夕食をともにしたとき、富子のパワフルで動物的なまでに率直な愛情、つまり何の衒いもなく、隠しもせずに落とす涙に衝撃を受け、新たな感動を得て強い希望を抱きます。そして、例の砂浜で満月を見上げながら、新しい夢についてサクと語り合い、むしろサクを励ますわけです。この時亜紀は、真島から受け取った言葉、「失うことは得ること」、「夜は必ず明ける」を本当に実感し、自分の言葉、自分の思想にしている、少なくとも亜紀はそう信じている、そういう段階にいると思うのです。 しかし、真島は殆どその直後に死んでしまった、それも消極的自殺ともいえるような状況で。いつの間にか彼女の心の支えとなり、目標ともしていた人が、治療拒否という形で、まるでそれを望むかのように死んでいったことを知ったとき、亜紀の中の何かが弾けてしまったのでしょう。あらゆる希望が崩れさり、彼女の中に隠され、埋め込まれていた思い、残されていた暗闇と対応するもう一つの心が噴出し、ついに彼女を激しく突き動かしたのだと思います。そして、死に場所として、またこの浜に来てしまった。空には下弦の月がかかっており、1週間前との対比がくっきりと鮮明になります。人の心情の脆さ、危うさ、理想と現実との葛藤、そういう意味でのリアリティが浮かび上がります。 そのような状態を亜紀に託して視聴者の前に提示する、サクがようやくたどり着くその前の時点では。制作サイドとしては、そのような意図を持っていたのだと思います。そして、緒方サくが恐らくは同じ場所で入水を試みるのも、この亜紀の置かれた状況、心情とさらに対比させるためなのでしょう。
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...2005/06/05(Sun) 23:11 ID:.jwKOlJU
Re: 外泊と入水未遂の日は? Name:しお
| | すばらしい考察、恐れ入ります
>緒方サくが恐らくは同じ場所で入水を試みるのも、この亜紀の置かれた状況、心情とさらに対比させるためなのでしょう。
同じ場所なのですか。 気がつきませんでした
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...2005/07/22(Fri) 02:25 ID:dLiESiZE