Name:ヒロ
| | ドラマに出てくるソラノウタの最後はがんばれとなっていたけど、アキは「がんばれ」という言葉に対してあまり良い思いを持っていなかったと思う。お父さんに頑張ってるのに頑張れと言われて、怒ってしまうとこがあったと思うんだけど・・・それに闘病中は周りの励ましに対しても自らがんばると言っている。アキはがんばっても常に成果を出せないでいる。陸上の大会もそうだ。誰よりも練習したのに結果として記録すら残せていない。これは、アキが闘病の末克服できないということを暗示しているようだ。人は死を受け入れる直前相当落ち込む。自分のがんばりがついには報われないと悟り、アキは落込んだはず。そんな、アキにはいつも良い結果を与えない「がんばる」という言葉をなぜ最後に残すんだろう?
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...2005/05/05(Thu) 13:22 ID:BjWBfD6A
Re: がんばれ Name:say
| | 陸上で記録を残せるかどうかは続けていく事への足がかりであって、非公式ながらベストを更新出来たと言うことは成果は出せていると思います。
真の「がんばれ」に対して怒っているのは頑張ることで犠牲になるモノへの不満、頑張る限度への不満であって、朔の「なんでそんなに頑張るの?」という質問に「頑張るのが好きって言うより後悔するのが嫌なんだよね」と答えているように頑張ることに意義を感じていたと思います。
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...2005/05/05(Thu) 13:52 ID:Z3HICIAQ
Re: がんばれ Name:にわかマニア
| | 作中人物自身の口から語られるドラマのテーマの一つに,「何かを失うことは何かを得ること」というのがありましたね。つまり,問題は「頑張る」ことそれ自体というよりも,「頑張る」ことによって何が得られ何を失うかという点にあるのではないでしょうか。 この場合,「後悔するのが嫌」というのも,「頑張らなかった」ことで招いた結果と「頑張っていたら」得られたかもしれなかったものという,言わば「逸失利益」の比較衡量という意味も入っていると私は解釈しています。
もう一つの問題は,サクが「嫌いなものランキング第4位」も含めて「無理しないで」と言い,亜紀が「頑張らなくていいって言われたの初めて」と言うシーンがありますが,ここで言う「頑張る」の内容・対象と言うか,ベクトルの方向性です。 サクが無理するなと言っているのは,「そのままがいい」という言葉とセットで語られているように,同じ笑顔でもいつもの笑顔とは違う引きつった笑顔を作ってまで本来の自分を押し殺して「無理に」頑張ることを指しているのであって,ア・プリオリに「頑張る」こと一般を否定しているのではないのです。その証拠に,自分が生きた証を刻み込むために,病身を押してウルルに向かおうとする亜紀を(いろいろ葛藤や曲折はありましたが)サクは支えようとし,「助けてください」の直前のシーンでは,サクの口から亜紀に向けて「頑張れ」という言葉がかけられます。 つまり,現象的には同じ「頑張る」という言葉で表現される行為であっても,自分を偽ることに対してはネガティブな,自分らしくあろうとすることにはポジティブな態度がとられているということにも注意が必要だと思います。
その上で,「ソラノウタ」との関連です。 病気を受け容れる過程でいろいろあったにせよ,少なくとも,「ソラノウタ」を書き残した時点においては,亜紀は闘病を「頑張っても」克服できないということを「ゲームセット」とは受け取ってはいません。あの絵本のラストは「おまえの脚はあの子の脚だ」ですから,亜紀にとっての「生きる」という営みは(亜紀と同化した)サクに引き継がれることになります。 だから,最後のナレーションが「走り続けることが亜紀と生きた証だから走ることをやめない」となるのであって,ここに出てくる「頑張れ」もそういう文脈の中で理解すると,違和感なく受け取ることができるのではないでしょうか。私はこの最後の「頑張れ」というのは他人事として語っているのではなく,自分がいなくなった後も一緒に生きていこうねというメッセージだと解釈しています。
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...2005/05/05(Thu) 14:56 ID:sd3Ez7WA
Re: がんばれ Name:ヒロ
| | ドラマに関してはだいぶ無知でした。アキががんばれと残したわけがわかったような気がします。
ところで、ドラマ版のアキは自分が病気になって死んでいく理由は何だと解釈したんですか?よく覚えていないんで教えてください。
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...2005/05/05(Thu) 18:43 ID:BjWBfD6A
Re: がんばれ Name:にわかマニア
| | >自分が病気になって死んでいく理由は何だと解釈したんですか?
非常に重いテーマで,なかなかまとめきれませんが,最近,BBSに一覧表の形で表示されるのが30件から15件になる一方で,再放送等の影響なのか,書き込みが増えており,注意しておかないと,タイトルを頼りに手作業で検索しないと呼び出せない所に落ちてしまいますので,呼び戻しを兼ねて,中間報告的に投稿しておきます。 このBBSに入る前の頁(サイトのトップページ)の左側にメニューの一覧(BBSもその一つ)が表示されていますが,その中の13番目に「セカチューの謎」というのがありますので,まだご覧になっていなければ,ご参照ください。 http://www.alived.com/ai/myst.html
以下は,そのダイジェストです。
「何のために死ぬんでしょうか…」と見舞いに訪れた谷田部に聞いた亜紀。まだ17歳の若さで難病に冒された亜紀の率直な疑問です。 そして亜紀はその答えをアボリジニの世界観に求めました。生命は死んでいくことが宿命、そしてそれは再生するために、というのが1話で読んだ弔辞や7話で真島に送った詩の要旨でした。ウルルに行きたがったのも「再生」を信じたかったのかもしれません。 ではアボリジニの世界観が亜紀を救ったのか?というと最終的には違うはずです。 亜紀は空港で「ここ、天国」と言い残して意識を失いました。”サクちゃんに愛された私は幸せだった” そう納得して息を引き取ったのではないでしょうか…。
BBSより
◎どんな言葉も嘘になるような気がする。それでも嘘をついてあげたい。その立場にならないと、わからない。
★救いはあって欲しいなあ。病気でも、一瞬の事故でも、その直前の瞬間には、本人だけにでも「ああ、そうだったのか」と答えが示されるような。 亜紀が「ここが天国・・・」のように言っていたシーンが印象的でした。瞬間の中に永遠があるというようなことを信じたい。
◇死ぬ意味は人生を精一杯生きるためにあるんだと思います。もし人に「死」がなかったら人生を精一杯生きられますか? だから亜紀が死んでしまうことよりも、亜紀が精一杯生きたことに意味があるんだとおもいます。
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...2005/05/08(Sun) 07:15 ID:qDqkuY1w