| | 失恋と好きな人を亡くすことってぜんぜん違うけど、似ているところもあると思うよ。空っぽになった心が徐々にこの世に存在する「ある」ものによって埋められて、いつかは思い出になる。その人が生きていようと死んでいようとその人は自分の中で名前だけの薄っぺらな存在に変化していくんだ。死という難しい問題は付きまとわないけどね。 僕は、亡くした彼女がいるわけじゃないけど、妙にサクがアキを亡くした後の気持ちに共感できるんだ。2人がいた世界が一瞬のうちに崩れ去って、何もかもが身体の表面だけで感じて心まで響かなくなった。2年経ったけどまだ思い出になりきれてないよ。でも、サクがそうだったように、人はいつか忘れて次の世界をつくるのだから、そうなるとわかったから、僕はそのときを待つよ。
僕が一番すきなのは原作です。文字だけだとそのときの2人の表情がないから、いろんな解釈ができて自分の中で幾通りものセカチューができるから。それに原作のサクが僕に一番近いと思うし。原作以外が嫌いなわけでもないよ。映画は大人になったサクの心情がよく出てると思うし、ドラマは原作と映画にはなかったアキ目線の部分が多くて、サクが見ていたアキじゃなくて廣瀬亜紀という人間がどんな人だったのかが付け足されている感じで、亜紀を知ることが出来たのが新鮮だった。主題歌のかたちあるものはやっぱりアキ目線の曲だしね。
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