Home > 世紀末の詩 > 対話考察 > 第4話
ふみ> 男|22才|学生
■人生のやり直しを羽夢に... ふみ> 4話と自己愛って別に関係ないですよね? 葵> 「自己犠牲」が「自己愛」だというなら、関係あるかもしれないけど…こじつけに近いね。 taki> そうですね。ちょっと違う>自己愛 ふみ> 自己犠牲かどうかというのは論点になるでしょうね。 taki> そうですね。私としては逆に取っています>自己愛 ふみ> 逆? taki> 子どもを使って、自分の人生のやり直しを、無意識にしてたんじゃないか?ですね。 葵> 私はそうは思わなかったけどな…>自分の人生のやり直し taki> ふむ。なぜ?>葵 葵> 「親」として生きるのが、すべて「自身の投影」とは限らないと思う。 taki> そりゃ、すべてじゃないよ。今回は「捨て子」だったでしょ? 葵> 羽夢が「女の子」のままだったら、探されやすいから、「男の子」として育ててたんでしょ? taki> あ、そこにもあるかもしれないけど、別のところ見てるのよ。 葵> 別のところ?>taki taki> 人生に希望が持てないまま生きてきて、もう「晩年」と言われてる年に、若々しい命を見たら、生きる希望が初めて沸いた>別のところ taki> そこで、人生の後悔を子どもで晴らそうとする気持ちはわかりやすい。 葵> 自分の分身として、育てようとしてたわけじゃないと? taki> でも、実は山内はうすうす気づいていて、手放す衝動にもなったと思うのだけど。 葵> 徹はあくまで、羽夢を拾った時点から、「人生のやり直し」をしてたんだろうか…? ふみ> 何にうすうす気づいたんですか?>taki taki> あ、やりなおしを羽夢にさせようとしてたこと。です>ふみ 葵> 山内は、「生き生きとした人生」っていう夢の中にいたような気がする。 taki> いや、葛藤してたと思うよ>山内 ■ミアのシャボン玉... 葵> 最後に、ミアたちが、シャボン玉飛ばしてるじゃない? 葵> 「シャボン玉の歌」を重ねるのはやりすぎだけど(笑) taki> それが、なにか?>葵 葵> 「シャボン玉=夢の儚さ」にも思えてね。 taki> 4話で夢の儚さ?関係あるかな? 葵> 結局、「無理」は続かない。いつか壊れる。 ふみ> 無理っていうのは、男の子として育てたりってこと? 葵> そう>男の子として育てたり 葵> 徹と羽夢の生活は、どことなく、「夢」だったと思って。 taki> それは、深読みし過ぎじゃない? 葵> あ、やっぱりそう思う?>深読みしすぎ 葵> でも、ドラマで、意味のない小道具なんてないでしょ。 taki> だって、2人の生活は「日常」だもん>葵 葵> どうだろう?「羽夢との日常」の方が、後になれば「夢」だったと思わない?>taki taki> それはない>葵 葵> そっかー…>taki taki> 強い望みの上に成り立ったものが「夢」と認識しやすい。 葵> ラストシーンと言えば、ミアが鳩を放つのと、羽夢が走っていくのが重なってたでしょ。 ふみ> 巣立ちですか? 葵> そう。旅立ちというより、巣立ちに近いよね。 葵> 「親離れ」「子離れ」=「巣立ち」って問題は、遅かれ早かれ、どんな親子にもふりかかるよね。 ふみ> 教授と祐香の関係も4話で描かれてましたよね。 taki> あ、してましたね>教授&祐香 taki> 最後、教授が祐香を引き止めるのがいいなあ。 葵> で、祐香がそれを振り切るのが、また、いい(笑)>taki taki> 近寄ると突き放される。良い関係を自然と体現(笑)>祐香 葵> 「なに、ナーヴァスになってんのよ。らしくないよ」って感じで(笑)>祐香 taki> もう心配してくれたから、いいよ。って感じたなー>祐香 ■親子関係... taki> 親子関係が間違った形にて存在してたと思うのよ。 ふみ> 間違った形? 葵> 自然じゃないってこと?>間違った形 taki> 男の子として育てようとしたり、自分の人生のやり直しを望んでみたり>間違った形 ふみ> なるほど ふみ> 自分の人生のやり直しを望んでなかったら、いつ岡林に引き渡されても良かった=男として育ててなかったでしょうからね。 taki> そうですねー>ふみ ふみ> 羽夢が自分の人生のすべてになってしまってるのが怖かったとか言ってますよね。 taki> それが血液型のシーンで思い知られたと思うんですけど>本当の親子じゃない 葵> 絶対に、自分は共有できないものだもんね>血液型 ふみ> それで諦めがついた?>血液の違い 葵> いや。踏ん切りがついたのは、「リボン」を見せられて、じゃない?>ふみ taki> あ、そう思います>リボン 葵> 自分の望みを繋げようと、羽夢にも無理をさせてるんだと、気づいたんじゃない?>リボン ふみ> なるほど。そうですね>葵 葵> じゃなきゃ、たとえあのまま羽夢が死んでも、「それでいい」って言い切っちゃったと思うなー taki> ああ、そう思う。すごく>葵 taki> うん。羽夢の自己主張だからね。唯一の>リボン 葵> リボンが重要なんじゃなくて…リボンを隠し持っていた、羽夢の想いが重要だったんでしょ。徹にとって。 ふみ> 今まで山内は、羽夢の気持ちは考えずに、結局自分勝手に育ててたってことですね。 ■羽夢の理想社会... ふみ> うーん、羽夢の言ってる理想社会って実現すると思います? taki> あ、無理(笑)>理想社会 葵> しないと思う(苦笑)>ふみ ふみ> 人間は争うことが好きだから? 葵> 「個」と「個」のぶつかりあいがなくなれば、理想社会だけど、それは「虚無」でしょう>ふみ taki> でも、重要なのは、そう思い努力する人間がいること。実現するしないは別として。 葵> だから、まるきりそういう世界は無理だろうから、それに近い世界を、と努力し続けるのが、人間なんじゃない? ふみ> そうですね。 taki> たしかに。それは宗教的で他者に作り上げられた世界だなー>葵 taki> 完成の一歩手前がおいしい(笑)>理想社会 葵> なんでもそうかも(笑)>完成の一歩手前 ■4行詩について... ふみ> あと、、4話の4行詩ってどういうことだと思います? 葵> 「僕」と「君」は同じ思いでいるんだよ、ってやつだよね…>4話の四行詩 ふみ> 同じ思いかー 葵> 「愛し合っていれば、想いは同じ」という幻想(笑) taki> 願いじゃない?>葵 葵> あ、そうね>願い taki> そうでいて欲しい、との。 taki> これは、きっと相手に贈るものだし>4話の四行詩 taki> ちょっと、ナルですがね(笑) 葵> つまり、逆よね… taki> そうそう。実は逆>葵 ■最後、ホームレスに戻った山内... taki> 最後の山内はどう思う? ふみ> うーん、満足してるかも?>最後の山内 葵> 「元に戻っただけさ」って、自分に言い聞かせてるかも>最後の山内 taki> それだと根本的に受け取り方がちがーう>葵 葵> は? taki> あれは敗残者の目やん>葵 葵> だから、「自分に言い聞かせてる」って… taki> なにもせずに諦めてきた人間が初めて「挑戦」して、敗れたとみてるよ。 ふみ> 敗れたっていうのは、自分の間違った育て方に対して? taki> いや、「望み」を持ち生に対して、欲求を持つこと。 葵> 「挑戦」って、「愛すること」じゃないの? taki> 山内は羽夢と言う「力」を得て、人生に挑戦してたとおもうのよ。 ふみ> 結局は自分に負けたってことですよね? 葵> あ、きつ…>自分に負けた taki> はい。そのとうりです(爆笑)>ふみ ふみ> うーん、じゃあなんで敗れたんでしょうね。 taki> 羽夢を生かしたかった。からでしょう。本当に>ふみ ふみ> なるほど taki> だから、よかったかなー。ってのと悲しいなーってのがありますね>自分に負けた 葵> 「よかった」と思うのはなぜ?>taki 葵> 「悲しい」は判るけど… taki> 挑戦できることは「チャンス」だから>よかったなー 葵> あそこで、岡林に連絡しなければ、勝ってたことになるのかな?>taki taki> それはない。もともと勝ち目なかったし>葵 葵> 空しい… taki> そうかな?そうじゃないことは羽夢との時間があったでしょ?>空しい ふみ> 羽夢という存在が山内の中で大きくなりすぎたのが、敗れた元凶ですよね? 葵> それって「愛しすぎた」ことになるのかな>ふみ taki> まったく関係ないでしょ(笑)>愛しすぎた 葵> ぐ… ふみ> 独占的に愛しすぎた? 葵> いや。盲目的に愛しすぎたのかな、と… taki> 過ぎたような行動があった?>葵 葵> 「自分のすべて」だと言い切っちゃうなんて、「すぎた」じゃない? taki> でもないでしょ。ただセリフだけだし。でも、連絡せずに羽夢を見殺しにするとそうなるかもね>葵 ■4話の感想... 葵> これといって特徴とか衝撃とかがなかった話だったのは、逆に、「親子」の間にある「愛」は、穏やかなものだという象徴のような気がします。最後に、羽夢の想いに気づいて、彼を手放す決心をした山内は、たとえその瞬間、敗残者になったのだとしても、後悔はなかったと思います。 ふみ> 大事にしていた羽夢を取られて山内かわいそうーって思ってましたが、考察チャットを通してまた意見が変わりました(^^; 山内にとっても羽夢にとっても、岡林によって関係を裂かれ、羽夢が巣立ちしていく結果が良かったんじゃないかと…。山内は元の生活に戻ってしまったけど、満足していると思いたいです。 taki> 羽夢は山内の希望であり、人生だった。そのために懸命に生き、生きようとした。しかし、間違ってしまったやり方だっために、すべてを失った。羽夢を愛していたが、「自分の人生」も生きようとしていた山内に共感していた。しかし、結果は悲しいものだったのだが羽夢との時間は嘘をつかないだろう。
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