Home > 世紀末の詩 > 対話考察 > 第3話
ふみ> 男|22才|学生
■母親の不在... 葵> どの辺からいきますか?>3話 taki> みなさん、1点だけ気になったところをあげてくださーい ふみ> 愛美のヌード(爆)>気になったところ<冗談です。。 taki> それはかなり気になる(笑)>まなみぬーど 葵> 綺麗な映像でしたねー>愛美のヌード ミルザ> 里美が「お母さんが生きてらしたらきっと...。同じ女として...。」という言葉が。 taki> ああ、女性はどう思う?>お母さんが生きてらしたらきっと ミルザ> 母親がいたら擬似恋愛をさせなかったのでしょうか? taki> うーん。そこだよなあ>母親がいたら擬似恋愛をさせなかったのでしょうか ふみ> させなかったでしょう(たぶん) 葵> ただ、閉じ込められて両親を恨んでいた彼女が、果たして、母親だからといって、素直に恋愛相談をしていたかどうか。 taki> あ、懐疑的なのね。母親がいても>葵 taki> でも、里美先生はなぜ、「母親がいたら…」といったんだろ?>葵 ふみ> 父親のやり方が間違ってると思ったからじゃない?>里美発言 taki> でも、あれ以外に父親に方法があったろうか?> 父親のやり方 葵> というより、父親の後悔を救ってあげる発言だったようにも思うんですが>里美発言 葵> 「親」である以上、「生きていてほしい」と望んでしまうのは、仕方がないことだと思う。 葵> だとすれば、外の世界へ…危険のあるところへ連れ出すかもしれない恋愛は、させたくないかも。 taki> え?父親を責めてなかった?>葵 葵> せめてはいませんよー>taki taki> 母親さえいれば、こんなことにはならなかった。せめてないかな?そうはおもわない けど、どこでそうおもう?>葵 葵> 母親さえいれば、というのは、いなかったから、仕方がなかった、という意味にもとれるでしょ>taki ミルザ> でも 「残酷ですね!」という言葉が父親をせめてたような…。 葵> あの場合、あなたは悪くありません、と言われるより、残酷なことをしていた、と責められたほうが、心が軽くなるでしょう>ミルザ ふみ> なるほど>葵 taki> わかるけど、そこまで気を回した発言だったかどうか…?>葵 葵> そっか。「陽のあたる場所」で生きてきた里美先生にとっては、「恋愛する」のは自然で容易いことだしね(笑)>taki taki> うん、里美先生に愛美の心情が理解できたと思えない。好対照だしね>葵 taki> そう取ればこちら(視聴者)が納得しやすい、って気もするなあ>葵 葵> 母親だと逆に、「子どもを喪いたくない」っていう気持ちは、父親より大きかったかもしれないけど(笑) ミルザ> 確かに親の感情としては子供を危険な目に遭わせないようにとするのも納得できます。 taki> でしょ?>葵>母親だと逆に、「子どもを喪いたくない」っていう気持ち ミルザ> 母親がいたら擬似恋愛などさせずにもっと時間をかけた恋愛をさせてたかも。 葵> 愛美が求めていたのは、「恋愛ごっこ」じゃなかったわけだしね>ミルザ taki> むー。心情的なものかなー。みんなは母親で恋愛事はたすかったことある? 葵> ないですね(笑)>恋愛で母に助けられた ミルザ> 今はそんな感情はないけど、母親がいなかったら何か思ってたかもしれないですね!>恋愛で助けられた。 ふみ> ないです>助けられた taki> 母親がいたら、なんとか…てのは、どーなんだろ?母は恋愛に役立つ? ふみ> ないかも…>taki taki> 母親から恋愛を習うとか、手助けになるような家庭ってあるかなー? ふみ> ないと思うけど、父親よりは母親の方が娘の気持ちを理解してあげられると思う>taki taki> そうか、役立つこともあるのか…。ウチはなかったからなー。恋愛感情は自分で覚えに行くような感じだったかな?あ、これは口説きかたか?(笑) 葵> じゃなくて、「恋愛ごっこ」で気が済むようなものじゃないって理解はしてくれたでしょう>taki ■最後は自殺?... ふみ> takiは自殺だと思いますか? taki> いや、思いません>自殺 ミルザ> 私は一種の自殺行為だと思います>ふみ taki> 生きる実感が無いのに、「死のう」とはおもわないとおもいませんか?>ふみ ふみ> なるほど。むしろ生きるために死ぬ?(謎)>taki 葵> あの「あなぐら」の中では、朝も昼も夜もなく、生も死もなかった、と?>taki taki> 死んだようにいきたくない。でしょうか?>ふみ ふみ> はいそうです>taki taki> だったら、死のうとはおもわないですよね。死の感覚があったかどうかもあやしい>ふみ taki> どーみても、愛美は足りないものを「補完」してたような感覚だったなあ。 葵> 足りないもの?>taki taki> 具体的に並べられないけど、このまま生きて行くのには何か足りないと思ってたと思う>足りないもの 葵> で、「野亜を愛すること」で、それを補完しようとしていた?>taki 葵> 教授は、むしろ、「野亜に愛される」ことを欲していたと言ってたけど。 taki> あ、誰でもよかったと思うよ>野亜に愛される 葵> だから、「いい人なら誰でもいいの?」って聞かれてたね>誰でもよかった ■愛美の感情... taki> そうそう。他者との係わり合いがほとんどできない環境での究極なもの>愛 taki> 一番、遠いものを望んだんじゃないかなー?>愛美 葵> あの「あなぐら」には、誰も入ってこられなかった。だから、誰かを愛すること、愛されることで、「外」に出たかったんじゃないのかな。 taki> それが、「補完」じゃない?ん?補てん?>「外」に出たかった taki> 愛美は完全に自分のためだけにしたんだとおもうなあ。 ふみ> 自分のためだけかー納得。 葵> 野亜に、「愛」はあるのよ、って言いたかったとは思わない?>taki taki> 全然思わない>葵 葵> そうね。自己完結する世界ではなく、広がりと関係をもつ世界へ出て行くことだから、多分、それは「補完」への欲求でしょう>taki ■愛美にとっての亘... taki> というか、そんなんで男は愛を感じない(笑)>葵 葵> 確かに(笑)野亜も、「それを君が愛と呼ぶなら」って言ってたし>愛を感じない taki> なにか、放送時に「自己満足すぎる!」って意見あったなー>愛美 葵> それは、野亜の「僕、ずっとうなされちゃうじゃないですか」って台詞のせいでしょう>自己満足すぎる ミルザ> しかし、実際にそういうことをされると、うなされそうです。 taki> いや、うなされる。(爆)>ミルザ taki> いやいや、それ以外にも、あんなことされたって。って感じ(笑)>愛美 taki> でも、そんなこんな言いながら、愛美は好きです(爆笑) 葵> なんで好きなのかな?>taki taki> ひたむきにされると、ほっとけないってゆーか…>葵 taki> それで相手をボロボロにするのが楽しそうというか…(笑) 葵> 「尽くす」ことが愛情表現、自分のすべてを捧げることが愛情… 葵> 滅私奉公というか… ふみ> でも愛を身近に感じられずに生きてきたから、愛美のあの愛情表現はしょうがないと思う。 taki> うん。一方的で当然だと思う>ふみ 葵> 「自分」しかいない世界にずっといたわけだから、その、唯一絶対のものを差し出すなら、それがすべてじゃないかなぁ… 葵> でも、現実には鬱陶しい(笑)>ひたむき ミルザ> 「尽くす」ことが愛情表現>虫(カマキリ)の世界で雄が子供の栄養のために食べられてしまうことと似てる。 taki> 相手の反応なんか考えないもんね。十代の女の子の思いこみに近い。 taki> 口説きは「反応」なんだけども(爆笑) 葵> 実際、恋愛経験を重ねてこなかった愛美は、その程度なんじゃない?>10代の 女の子の思い込み 葵> 尽くしたら尽くしただけ、愛してもらえる、みたいな…>思い込み ミルザ> だから、とった行動も直線的だったのかも…>思いこみ ■ラストの海のシーン... 葵> 愛美が「生きた」って感じたのは、あの、最後の海のシーンだけなんだけどね。 ミルザ> 愛美は一生懸命生きたってイメージがつよいですね!>最後のシーンのセミのように ふみ> それも自己満足のため?>最後のシーン taki> あ、その一瞬にかけたところは、すごーく美しい>最後の海のシーン ミルザ> 最期の一瞬は輝いてました>海のシーン 葵> 自己満足から発していたとは思うけど、太陽の光を感じて走り出したところから、すでに、彼女はすべてから自由になってたような気がする>ふみ 葵> むしろ、「生」へ向かって身を投げ出したような… ふみ> なるほど taki> あ、凄く共感>葵>彼女はすべてから自由 ミルザ> まさにセミがあなぐらから出てきたの時のようですね!>海のシーン 葵> いや。どちらかというと、昆虫の羽化に近い>ミルザ 葵> セミだけじゃなく、蝶とか…>羽化 ミルザ> セミよりカゲロウの方が近いかも。(笑) taki> 羽化ちゅーか、変体っちゅーか。 葵> でも、やっぱりセミかな?象徴的に使われたし…(笑) taki> 脱皮っちゅーか。あ、これはちゃうなあ(笑) 葵> どちらにしろ、羽化したら、あとは、愛を交わして死ぬだけなんだよね。昆虫って。 ミルザ> 羽化した後、急いで相手を求めてる所は似てますよね!>昆虫と愛美の行動 葵> ずっと死んだように生きるぐらいなら、「永遠の愛を求める」野亜の前で、「生きて」みたかったんじゃないかと思う。 taki> あ、そう思う>葵 ミルザ> それを愛する人?(野亜)に植え付けたし...。 葵> 途中までは、父親への復讐もちらっとあったかな、と思ったけど(笑) ■尽くしたら... ミルザ> 尽くしたらそれだけ愛して欲しいと思いますね! taki> それは欲求になると思うんだわ…>ミルザ 葵> 愛は、等価交換にはなり得ないよね?>尽くしたら… taki> うん。それより先物取引に近い(笑)>尽くしたら ミルザ> 尽くしたらやっぱり、それなりに愛が欲しいと思うのでは…。 葵> ほしいと思うのは自然だけど、尽くしたら愛されて当然、と思うところが思い違いで、野亜には重かったんじゃない?>ミルザ taki> あ、尽くすって行為、心理自体、見かえりを要求してる。 葵> 野亜の望む愛をあげられるんだから、自分を愛しなさい、みたいな…一種脅迫(笑) taki> プレゼントしたら「やらせろ」と似てない?それって>ミルザ ミルザ> 愛は一方通行でなくて通い合ったものと思うので。 ミルザ> 一方通行だと片思いですね!だから愛じゃないかも…。 taki> うん、だから一方的な「尽くし」は愛から遠ざかる。じゃない?>ミルザ ミルザ> 確かにそうですね!>taki ■ひまわり... taki> あ、みんなはひまわりをどう見た? taki> やはり、憧れの象徴かな?>ひまわり 葵> 向日葵は太陽を表すものですよね。さまざまなモチーフで。 ミルザ> いつも太陽を見ていたいという愛美の気持ち(憧れ)と思いました>ひまわり taki> そう、闇の中しかいられない愛美の憧れの象徴。かな? ふみ> 自分もひまわりのように太陽に向かいたいという憧れ 葵> 恨みと憤りをばねにしてるのかと思った(笑) ミルザ> きっと、太陽(里美先生)のようになりたかった感情かも…>ひまわり 葵> 自分にだけ冷たい太陽(の象徴であるひまわり)を、ビデオ…テレビの画面に封じ込めてるのかと思った(爆笑) taki> あ、それもあるでしょ。(笑)完全に得ることの出来ない物への嫉妬、ねたみ。里美先生の手紙に返事を出さなかったしね>愛美 ■闇の中の真実... 葵> いや。愛美は、里美先生を妬んではいなかったと思うけどね。 taki> お?どうして?>葵 taki> ミアに朗々と羨ましかった。と告白してる。じゃない?>葵 葵> 過去形じゃん>羨ましかった 葵> だって、みんなが恐れる闇を恐れないで、真実を受け止められると、思ってたわけでしょ。自分のこと。 taki> あのころの思い出は強いと思うよ。ましてや、「穴倉」のなかだったし。 taki> 強がりだと思うけどなー>真実>葵 葵> 強がり…そう思わないと、やってられない、みたいな?>taki taki> 真実を知っても、ちっとも強くないし…>葵 taki> 真実、真理とかは生きていく生活のうえで何の効力ももたないでしょ>葵 ミルザ> 真実を受け止めても自分の意志(やりたいこと)には消極的だったと思う。 taki> うん。生きる「意思」とはべつだしね>ミルザ 葵> それこそが、愛美が「生きていなかった」証明かもねぇ…>効力もたない taki> でも、結局は「一瞬の生」に賭けた姿は美しい。 taki> 自分が生きていたと言う「証」も欲しかっただろうしね。 taki> それは野亜を「証人」にしたんじゃないのかなあ?>ミルザ ミルザ> 確かに証人の方がぴったりきますね!>愛する人より 葵> 野亜が、忘れないって、判ってて選んだような気がする>証人 taki> うん。見届け人つーか>ミルザ ■ラストの教授の行動... taki> 最後に教授は何を考えていたんだろう? 葵> あの、カーテンを引きちぎったシーン?>taki taki> そうそう>葵 葵> 憤りは感じたけど、何に向かっていたのか…>教授 taki> 凄い形相で、人の家のカーテンを勝手に「ビリッ」って(笑)>教授 ミルザ> 病気に対してかなぁ?>教授 葵> あのビデオを観る直前までは、ひどく穏やかだったよね〜 taki> あ、そうそう。それから変わった>教授がビデオを見てから 葵> 原因不明の難病なんだ、彼女が野亜に愛を望んでも仕方がないんだ、判ってやれ、って感じで。 ふみ> 太陽に憧れていた愛美の気持ちを痛感したから? 葵> むしろ、彼女がこらえて、この生活に甘んじていた分、代わりに怒りを爆発させたような… taki> 死を止めることが出来ない者への「手向け」のような…・>教授 葵> 部屋に光を入れたことが?>taki taki> そうそう、憤りに耐えかねて鬱憤を晴らしてあげたような行動だったと思う。 葵> 里美先生を送り出したあと、なぜ教授は、電気を消して、ビデオを観始めたんだろう? 葵> 野亜には、彼女と同じように感じてみろ、と言ってたよね? taki> う?なんでだろ…? ミルザ> 現代医学でも治せない病気への怒り、憤りかと思ってたけど…。少し違うなぁ〜! taki> わからん…・。前は「不憫」だったかな? 葵> もし、教授自身「彼女の身になってみた」んだとしたら、ビデオを観て、彼女の嫉妬羨望を感じた瞬間、怒りが爆発したんだろうね。 葵> でも、愛美自身だったら、その場で暗幕を引きちぎって光を入れるようなことはしない。教授は、結局、病気じゃなかったから、できたんだと思う。 taki> あ、俺はBBSに「存在のはかなさ」って書いてる。 葵> 最後に、窓から、遠くを見るでしょう。 taki> うん、憤りからの怒りだと思う>葵 葵> 多分、あの瞬間、教授は、誰も、ほんとうには彼女を理解できないことに気づいたと思う。 ミルザ> 愛美があなぐらを突き破って出ていきたい気持ちを代弁したような意味かなぁ〜! 葵> そう。だからこそ、愛美が外に出たことの意味が、重くなる>ミルザ ■3話の感想... ミルザ> 暗闇は光を求め続けているけど、なかなかその気持ち(憧れ)は届かない。って感じですね。ちょっと悲しいけど…。 ふみ> みなさんに圧倒されてました。愛美のラストシーンは放送当時かなりショックでしたけど、この考察を通して動機がよく分かりました。一瞬だけ自由になれた愛美。その時にはじめて自分の力で愛し愛されることができた。愛美は満足だったと思います。 葵> 自分に冷たかった太陽をうらむのではなく、その下に飛び出し、「生」へと身を投げ出した愛美は、美しかった。たとえ、それが野亜の捜し求める愛ではなかったとしても。 taki> 自らの運命を呪い、懸命に「生きれる」こと模索していた愛美。その一番届かないものが「愛」だった。それゆえに欲し、求めたが得れる訳もない。だから、「形」を残したかった。儀式のような形で。生を望み「愛」を道具に使ったように思う。その姿は哀れだが、美しくもあった。
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