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■ 制作発表時の野島氏のコメント (TV LIFE誌 94年No.19号より抜粋)
1年ぐらい前に、テレ朝の『朝まで生テレビ』で、死刑の是非について、YES派とNO派に分かれて討論しているのを見ていて、それがヒントになりました。
今回のドラマは赤井さんの復讐劇です。
――――そうはいうもののの、これは社会派ドラマにしたくないそうだ。
最近また増えているようですが、いじめは、どの時代にもある普遍的なものですからね。 ――――脚本の進み具合については
『高校教師』の時は書いてて楽しかったんですけどね。 ――――しかし赤井さんも桜井さんも透明感がある上、演出人もいいので、ドラマは暗いものにはならないはずと言う。
今は連ドラの数が多過ぎます。
■ 伊藤一尋プロデューサーの発言 (TV雑誌記事より抜粋) ホームコメディー全般の中で、イジメという非常に問題性のあるテーマに挑んでみました。 このドラマは社会性のあるものにしたくないので、現実のイジメ事件も一切取材をしていません。 物語も父と子の愛情、女教師と同僚教師との恋愛、少年愛という3つの愛を軸に展開します。 主演は骨太で愛も悲しみも人一倍深く描けるだろうということで赤井さんにお願いしました。 役者さんにとって野島脚本は高いハードルですが、このキャスティングならいけるでしょう。 まず、イジメを直視したかったんです。 理由をつけたり飾りをつけたりしないであるがままを見せたい、と。 ドラマでありがちな、いじめがあるとその理由があったり、その回に都合よくまとまったりっていうやり方じゃなくてね。 誠の死についても初めは僕らも3回目とか極論すれば1回目の終わりとかって思ってました。 でも、野島くんは人が追い込まれて死ぬまでにはストロークが必要なことがわかってきたんですよ。 彼は頭の中でわりと構成を決めてるんですけど、「今回、これは3回目ぐらいでは死ねないよ」って僕にいうんです。 まぁ、野島くんも金ドラに関しては1〜4回目ぐらいは(視聴率の)結果を求めないんでね。 決めたらやりたいことはやろうと。 (9.8%という結果を見た時は)でも、そこまで反発するかって思いましたけど。 『この世の果て』の主人公は初めから負を背負って生きているんですよ。ただ僕がやりたいのは、また、野島くんがTBSでやりたいのは普通の人が負を背負い込む姿を描いていきたいということなんです。 それは『高校教師』でもそうでしたし。 いじめっこにも親がいます。で、我が子が傷つく姿にどれほど親が悲しむか、衛にはわかってるはずなんだけど、それを忘れるほど復讐に燃えてしまう。 その愚かさを後半は描きます。 衛が千尋の言葉で気づいた時の苦悩する様、また頼もしく成長する千尋の活躍が見所です。 ともかく、いじめがどれほど哀しい行為かが伝われば…。
(クライマックスでの千尋の演説に対して)この訴えを言いたくて、今回のドラマを作ったんです。
ぜひ、彼女の訴えを聞いて欲しい。
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