1話「北風と太陽」感想
2008.01.14 Monday(管理人の個人的な感想です)
昨年11月の制作決定報道で「薔薇のない花屋」の設定を見た時に、野島ドラマとしては大人しくて地味なんじゃないかと感じました。小説ならよさそうだけど、長丁場の連ドラとしては、あまり世界観の広がりが感じられない。
その後明らかになったのは、1話ごとに衝撃がある、ということと、それぞれのキャラクターが深く作られていて、抱えている闇や謎があるということ。
つまり、人間愛や親子愛のヒューマンドラマに加えて、衝撃や謎のある展開という、今までにはなかった新しいタイプの野島ドラマだというのが1話を見た印象です。
しいていえば、ヒューマンの「あいくるしい」+謎解きの「仔犬のワルツ」のような。
個人的には、英治(香取)と娘の雫のシーンが一番よかったところです。
ほのぼのとした、しかし亡き母の存在があるのでせつなさもあり、それぞれの愛情がとても暖かい。
大きな感動ではなく、静かに心が暖かくなるような。
そういう穏かな気持ちで人間愛を描けるというのは、90年代の作風とは違う、野島さんの進化した部分だと感じます。
二人の親子愛は今後も期待できそうだし、物語の核になる部分でしょう。
逆に素直な感情で見れなかったのは、後半の英治と美桜のシーン。
院長室のシーンで美桜が院長の手先として送り込まれた事実が明らかになってからは、動揺して素直な気持ちで見れなかったです。
英治と美桜は非常に複雑な関係になりそうな…。
個人的には、もっと素直な親子愛や人間愛のヒューマンドラマの方が楽しめたかもしれません(そういうドラマの「あいくるしい」は私はよかったと思うので)。
でも、さまざまな謎や猜疑心や不信感が払拭されて、それが人間愛として繋がっていくならば、壮大な人間ドラマと言えるかもしれない。
さまざまな謎や衝撃が、ただ展開を引っ張るだけの存在で終わらず、ヒューマンドラマとして繋がっていくことを期待したいです。